狐神様と根比べ
「あけたろお〜今夜はたっぷり楽しませてもらうぞ〜♪」
ここはジパングのとある小さな農村にある、神社のお社の中。
そこでは身の丈が７尺（およそ2.12メートル）はあろうかという大きさのアカオニが、巨大な酒入瓢箪を携えて、巫女服を来た少年、明太郎に絡んでいた。
「今夜はって……紅葉様は毎晩僕の体で楽しんでるじゃないですか……」
「細かいこと言うなよ♪ 今夜はいつも以上に激しくしてやるよって意味だ♥」
赤面する明太郎の体をいやらしい手つきで撫で回していた紅葉だったが、その酔いの回っただらしない顔が突然、緊張感に満ちた表情へと変わる。
「紅葉様？」
「明太郎……私の後ろに隠れろ」
紅葉は近くに置いてある金棒を手にして立ち上がり、社の出入り口へと歩み寄る。
次の瞬間、凄まじい勢いの突風とともに扉が開け放たれ、社の中に一人の少女が足を踏み入れた。
「おやおや、久しぶりに古巣へと戻ってみれば……どうやら虫けらが入り込んでいたようじゃのう」
冷たく言い放つその姿は一見、明太郎と同じような巫女服を着た、彼より２つほど年上の小柄な少女に見える。だがその腰から生える９つの尾と狐の耳、そしてなにより、素人でも背後の景色が歪んで見えるほどの凄まじい妖力が、少女が人外の存在であることを如実に示していた。
「いきなり入り込んできて虫けらたぁ言ってくれるじゃねえか。酒の肴に喧嘩ってのも悪くねえかもな」
紅葉は青筋を立てて金棒を構えると、少女の方へと歩み寄る。一触即発の雰囲気に明太郎はおろおろと困惑していたが、人外の少女が社ごと紅葉を吹き飛ばさんばかりの妖力を集め始めたのを見ると、慌てて彼女の体に抱きついた。
「待ってください！ 紅葉さんは鬼だけれど……この社で暮らしているのには訳があるんです！ どうか……どうか話を聞いてください！」
「……」
必至の形相で懇願する明太郎に抱きとめられて、少女の動きがピタリと止まる。
「うひょひょ♪ これはまた随分可愛らしい巫女がいたものじゃ♪ たっぷりと可愛がってやりたいのう♡（よかろう。お主の態度に免じて話ぐらいは聞こうではないか）」
「びっくりするぐらいきれいに本音と建前が逆転してやがる……」
だらしなく鼻の下を伸ばして明太郎の頭を撫でる少女の姿に、紅葉の怒りもすっかり呆れへとすり替わっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うーむ、なるほど……それは確かに、この社を永く放っていた儂にも責任はあるのう」
少女は明太郎から紅葉がこの神社に住み着いた経緯ーー彼女が村を襲った盗賊を追い払い、村人たちに守護神として崇められるようになった話ーーを聞き終えると、神妙な顔で頷いた。
「何だって？ それじゃああんたやっぱりーー」
「いかにも。儂の名は三珠（みたま）。この神社で祀られていた稲荷神じゃ」
三珠は紅葉の言葉に応えると、話を続ける。
「大陸の方に用事があったもので、しばらくこの村から離れていたのじゃが、その相手が封印されていたせいで、探し出すのに手間取ってのう。加えて儂としたことが人と神では時間の流れが違うということを失念しておった。この神社に戻るのは実に数百年ぶりじゃな」
三珠はそう言うと過去を懐かしむように、社の中をしみじみと見回した。
「あの、三珠様……」
「分かっておる。村を守ったというならば、このアカオニを叩き出すような真似はせんよ。だがここはあくまで神聖な神社。それに儂にも稲荷神としての面子というものがある。そこでじゃ、儂から提案がある……」
三珠は妖しい笑みを浮かべて、明太郎の瞳を真正面から見据える。その迫力にごくりとツバを飲む明太郎。
「ここは一つ『ばとるふぁっく』でアカオニを住まわせ続けるかどうかを決めようではないか！」
「……『ばとるふぁっく』って何でしょうか？」
「双六か何かの類じゃねえか？」
さっぱり意味がわからないと言った様子の明太郎と紅葉を前にして、三珠は渾身のキメ顔のまま固まってしまった。
「……横文字で言ったのが悪かったか。儂と明太郎が『根比べ』をしてーー」
「根比べ？」
「あれだ、熱い風呂にどっちが長く入っていられるかを競うんだろ」
「違う違うちがーう！」
三珠は駄々っ子のように腕を上下にばたつかせて否定する。
「ルールはこう！ 儂と明太郎がまぐわう！ 明太郎の逸物が勃たなくなったら儂の勝ち！ その前に明太郎が儂を一度でも絶頂させたら明太郎の勝ち！ お主がこの社に住み続けることを許す！ 単純じゃろ！」
「ああ成程、それは単純……って要するにお前が明太郎と寝たいだけだろうが！ この少年趣味変態ガキババアエロ狐！」
「お前に言われたくはないわ！ それにこのような儀式はこの村に代々伝わる神聖なーー」
「本当か、明太郎？」
「聞いたことありません」
「当然じゃ。儂がたった今考えたのじゃからな」
「ふざけんな！ このアホ狐！」
「なんじゃなんじゃ！ さてはお主、明太郎が儂に心変わりすることを恐れているのか？」
「何だと……んなわけあるか！ うちの明太郎がお前みたいな貧相な稲荷に籠絡されるわけねえだろ！ 上等だ、その勝負、受けて立つぜ！」
紅葉はガバッと立ち上がると、明太郎の側に寄ってそっと耳打ちした。
「いいか明太郎。お前もアタシと毎晩交わってるんだから、それなりの寝技も仕込まれてるはずだ。あの偉そうなガキ狐に無様なイキ顔晒させてやれ」
「え？ あ、は、はい……」
こうして明太郎はその場の勢いに押されて、訳が分からぬまま三珠との根比べに挑むことになったのであった。
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「全く……人の家で随分と盛り合ってくれたようじゃのう。臭いはなくとも、布団に精や愛液の妖力の残り香が染み付いておるぞ」
三珠は敷かれた布団の上で愚痴を零しながら、巫女装束をはだけさせる。
「す、すみません……」
「今更謝らんでもよい。それよりお主もとっとと服を脱げ」
三珠にそう言われた明太郎は顔を赤らめながら下を脱いで、まだ勃起していない陰茎を顕にした。
「隙有りじゃ！ はむっ♡ じゅるる♡」
「うわっ！ 三珠様！？」
明太郎の陰茎を前にした三珠はすかさず彼の股下に滑り込むと、口内に収めてそれを頬をすぼめて刺激する。
「あっ！ ずるいぞ狐！ 不意打ちじゃねえか！」
「ひったほとか♡ へんへひっひょうひゃ♡（知ったことか♡ 先手必勝じゃ♡）じゅぽ、じゅぽ、じゅるる……」
紅葉の物言いにも意を介さず、まだ勃起すらしきっていない明太郎の陰茎に下品なひょっとこ顔で吸い付く三珠。同時に少年の小ぶりな陰嚢を指でふにふにと揉み上げ、鈴口に固くした舌先をねじ込んでいく。
「あっ、あっ、三珠様、激しすぎ……！ ちょっと待ってくだ……あうっ！」
明太郎は三珠の頭を掴んで引き剥がそうとするものの、快楽で腕に力が入らず、一方的に気持ちよくさせられていた。
「くそっ、耐えろ明太郎！ 相手が疲れるのを待つんだ！」
「だ、だめです紅葉様……こんなの、我慢できない……！」
「（くくく……無駄じゃ無駄じゃ。観念して口の中に子種をぶちまけるがいい♡）」
三珠は明太郎の陰茎に止めを刺しにかかった。敏感な亀頭を唇に包まれたまま猛烈な勢いで吸い上げられ、竿の部分をシュコシュコと柔らかな指で激しく扱きあげられる。睾丸から直接精液を吸い上げられるような吸引に、明太郎の幼いペニスが耐えられるはずもなかった。
「で、でます！！ ああっ！」
「んふぅ♡」
三珠は九つの尾をふりふりと揺らしながら、口の中で噴き上がる少年の子種を鼻息荒く受け止めていく。
「ぢゅううううううう……♡」
「あっ、ああ、出てるから、吸わないで……！」
射精が始まってなお精液を吸い出されていく感覚に悶絶する明太郎。もはやそれは口唇による奉仕ではなく、少年の精液を啜り喰らうための吸精である。
「ちゅう、ちゅう……ちゅぽっ♡」
脈動が収まると、三珠はようやく口から陰茎を解放する。明太郎のペニスは稲荷の唾液に濡れて照らつきながら、ひくひくと震えていた。
三珠は恍惚の表情を浮かべ、桜色に染まった頬を吸い出した精液で膨らませていた。唇の端からは、口内に収まりきらなかった子種が白い筋になって垂れている。
「（うーん……この少し水っぽくて青臭い食感♡ 童喰いにハマる妖怪が出てくる理由がよく分かるわ♡）」
口の中でにちゃにちゃと舌を回し、心ゆくまで精液を味わってから、三珠は明太郎の子種をゴクリと飲み下した。
「ぷは……これぞ童喰術 壱の型『疾風吸い』！ わざわざ大陸まで赴いて妖狐に教えを乞いた甲斐があったわ♪」
その言葉を聞いた紅葉がハッとして三珠に話しかける。
「なんだって？ まさかお前がこの村を離れて大陸を旅していた理由は……」
「如何にも。少年から性を絞り取ることに特化した房中術……『童喰術』を修めるためじゃ」
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童喰術（どうくいじゅつ）…旧世代の魔王が存命していた頃より更に昔の古代、霧の大陸の妖術師、翔 汰紺（しょう たこん）が編み出したとされる房中術。幼い男子の精液を取り込むことによって、強大な妖力を溜め込むことの出来る特異体質であった翔 汰紺は、少年から性を絞り取ることに特化したこの技によって、歴史に名を残す偉大な妖術師として名を馳せた。彼女の死後も技は廃れず、多くの弟子によって世界の各地に伝えられたという。
なお、少年や小さい男の子を性的対象とする者を「ショタコン」と呼ぶが、翔 汰紺の名が由来である事は聡明な読者諸兄には言うまでもないだろう。
民明書房刊「少年と性 その淫靡な歴史」より
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「（そ、そんな恐ろしく使い道の限られる技のために、この神社は何百年も放ったらかされてたのかよ……！）」
「さてさて……明太郎よ。お主も１回口で抜かれただけでは物足りぬであろう？」
紅葉の困惑をよそに三珠は巫女装束をするすると脱いで、その裸体を顕にする。
「ふふふ……稲荷神の女体を前にした感想はどうじゃ？ 神性すら感じられるほどの蠱惑的な肉体……神として崇められるのも納得じゃろう？」
明太郎に流し目を送りながら、三珠は見せつけるような渾身のせくしぃポーズを決める。
「えと……はぁ……」
「見た目的には明太郎のハダカと似たようなもんだと思うぞ」
「……」
あからさまに言葉に詰まった明太郎と、直球の罵倒をかます紅葉。
三珠はしばらく同じ体勢のまま固まってから、やけくそ気味に布団の上で股を開いた。
「ええぃくそ！ 四の五の言わずに儂のアソコに突っ込まんか！ 入れたが最後、枯れ果てるまで絞り尽くしてやるわ！」
明太郎が申し訳無さそうに自分の方をチラチラと見ていることに気がついた紅葉は、自身の膝を叩いて明太郎を一喝した。
「私に気を使う必要はねえ！ バカバカしいかもしれねけどこれは真剣勝負だ！ 真正面から突っ込んで生意気なお稲荷様をひいひいいわせてやれ！」
「は、はい！」
明太郎は意を決して三珠の股に下半身を重ねると自身の、子供ながらに硬いままの「槍」の先端を、三珠の無毛の秘所に充てがった。
「いきます……！」
下半身に力を込めて、亀頭を膣口に飲み込ませていく。そのまま根本まで沈み込ませようとした明太郎だったが、ふと中の感触に違和感を感じた。
「三珠様……ちょっと、その……締め付けが強すぎます……！」
三珠の膣の締まりが強すぎて、陰茎が奥まで入らないのだ。何とか膣壁をかき分けて進もうと四苦八苦する明太郎を見て、三珠は顔を赤らめながら意地の悪い笑みを浮かべた。
「んー？ 何を言っておる？ つべこべ言わずにしっかり全部入れんか。そのようでは儂をイカせることなど出来んぞ？」
「うぐぐ……」
明太郎は顔を真っ赤にしながら、渾身の力で三珠の狭すぎる膣奥へと侵入していく。だが、三珠の凄まじい膣肉の締付けに抵抗する際に生ずる刺激の強さは、子供の敏感な陰茎にはあまりにも酷だった。
「待て明太郎！ 無理に奥まで入れようとするな！ そいつは罠だ！」
三珠の策略に気がついた紅葉は明太郎に警告するが、既に手遅れだった。
「あ、あ、このままじゃ……！ 抜かないと……！」
明太郎の陰茎は三珠の締付けに加えて、それを無理に突破しようとした自分自身の力による擦りつけで既に限界に達していた。止めに一気に引き抜こうとした時の肉襞から受けた刺激で、膣圧から解放された陰茎は少年の意志に反し、屈服の証を漏らし始めてしまった。
「うぁぁ……出ちゃった……」
三珠の平坦な胸から顔めがけて、白濁した子種がびゅっ、びゅっとうち放たれる。
「おうおう……こんなに勢いよく……元気いっぱいじゃのう♡」
三珠は自身の胸と顔を白く汚していく精液を恍惚とした表情で受け止めた。頬についた精子を指ですくうと、水飴のごとくれろりと舌先で舐め取り、美味そうに味わう様を明太郎に見せつける。
「これぞ童喰術 伍の型『蟻地獄の壺』。気づいたときには暴発確定というわけじゃ♡」
三珠は荒い息をつく明太郎の肩を掴むと、そのまま布団の上に押し倒して少年の上に跨がろうとした。
「（まずい……！ このまま騎乗位で挿入に持ち込まれたら、無抵抗のまま絞り尽くされる……！）」
危険を察知した明太郎は、すかさず起き上がることで三珠の体を跳ね除ける。
「ふわっ！？」
予想外の反撃に体勢を崩した隙に明太郎は三珠の片足を持ち上げると、開いた足を交差させる形で一気に陰茎を膣に挿入した。
「おお、『松葉くずし』か！ 良いぞ明太郎、そのまま突きまくってイカせちまえ！」
「くふうっ……♡ な、なまいきな……♡」
膣を狭める間もなく最奥まで陰茎を押し込まれた三珠は、喘ぎ声を噛み殺しながらも明太郎のペニスを締め付けて抵抗する。
「うっ、くぅ……！ イってください、三珠様……！」
勢いよく腰を前後させて、三珠の膣を休みなく責め立てていく明太郎。
松葉くずしは根本まで深い挿入ができる代わりに、反り返った陰茎が襞に強く擦りつけられるため、入れる側への快楽刺激も強くなる。明太郎にとっても一か八かの作戦であり、「自分はイかずに相手をイかせる」というよりも、「自分がイく前に相手にイってもらう」といったほうが正確だった。
「や、やめ……このままでは童喰術 捌の型『幼撃昇天』が発動してしまう♡ いやじゃいやじゃ♡ 子供なんぞにイかされとうない♡」
言葉とは裏腹に、三珠は甘い悦楽による幸福感に満ち溢れた表情で、首を振り乱していた。結合部からは愛液と先走りが混じった白い泡が溢れ出しており、全身が汗ばんで薄い桜色に染まっている。
「あっ、あああああああ！！」
激しい交合の末、先に絶頂の悲鳴を上げたのは三珠の方だった。９つの尾をピンと張り詰めさせて、秘所からプシッと勢いよく潮を吹き出す。
「ぼ、僕も……！ ううっ！」
三珠の昇天の直後、明太郎もまた限界に達した。稲荷の少女の太股にしがみつきながら、彼女の膣内に大量の子種を注ぎ込んでいく。
「くうう……まさか童喰術を修めた儂が、子供との性交で不覚を取るとは……童喰の道はまだまだ奥が深いということか……」
陰茎を引き抜かれた三珠は、秘所から愛液と精液の混合物を垂れ流しながら呟くと、そのまま意識を失った。
「すごいぞ明太郎！ お前の勝ちだ！」
「ふぁ、ふぁい……」
紅葉は文字通り精根尽き果ててフニャフニャになってしまった明太郎の体を、大喜びで抱き上げる。
「これでこれからも一緒にこの神社に住めるな！ というわけで頑張ったお前にご褒美だ♡ 沢山奉仕して極楽浄土を味あわせてやるから、安心しろよな♡」
「ええ……紅葉様、僕限界……」
明太郎は弱々しく抗議するが、三珠との激しいまぐあいを見せつけられて興奮しきった紅葉の耳に届くはずもなく、三珠の意識が戻った時には僅かに残った精力も搾り取られていたのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーその後。
「ぷはー！ 大陸の酒も悪くなかったが、一番体に沁みるのはやはり地元の酒じゃのう！」
社の中では、三珠が胸元をはだけさせただらしない姿で、紅葉への貢物の一つである地酒を楽しんでいた。その様子を、明太郎と紅葉が怪訝な顔で見つめている。
「……二人共その不服な顔はなんじゃ。儂は『アカオニがこの社に住み続けることを許す』とは言ったが、自分が出ていくとは一言も言っておらんぞ。そもそもこの社が儂のものであることに変わりはないのじゃからな」
「……そりゃそうだけどよ……」
紅葉が不満げに目をそらした隙に、三珠はススと明太郎の傍らまで近寄ると、彼の胸元に手を差し込んで乳首を弄び始めた。
「いっておくが儂の童喰術はさっき見せたものが全てではないぞ。全部で十二ある型の全てを今日明日でたっぷり味あわせてやるから、覚悟しておくことじゃな……♡」
「……おいこのエロ狐！ 明太郎の次は私と勝負だ！ どっちが明太郎の子供を孕むかの競争ってのはどうだ！」
「おうおう望むところじゃ。さあ明太郎、今夜は精のつくものを沢山食べて、たっぷり励まなければならないぞ♡」
「（僕……干からびそう……）」
その後、ジパングにおいて稲荷神と鬼が同時に祀られている奇妙な村の伝説が語り継がれるようになるのだが、それはまた別のお話。
ーー閉幕。
ここはジパングのとある小さな農村にある、神社のお社の中。
そこでは身の丈が７尺（およそ2.12メートル）はあろうかという大きさのアカオニが、巨大な酒入瓢箪を携えて、巫女服を来た少年、明太郎に絡んでいた。
「今夜はって……紅葉様は毎晩僕の体で楽しんでるじゃないですか……」
「細かいこと言うなよ♪ 今夜はいつも以上に激しくしてやるよって意味だ♥」
赤面する明太郎の体をいやらしい手つきで撫で回していた紅葉だったが、その酔いの回っただらしない顔が突然、緊張感に満ちた表情へと変わる。
「紅葉様？」
「明太郎……私の後ろに隠れろ」
紅葉は近くに置いてある金棒を手にして立ち上がり、社の出入り口へと歩み寄る。
次の瞬間、凄まじい勢いの突風とともに扉が開け放たれ、社の中に一人の少女が足を踏み入れた。
「おやおや、久しぶりに古巣へと戻ってみれば……どうやら虫けらが入り込んでいたようじゃのう」
冷たく言い放つその姿は一見、明太郎と同じような巫女服を着た、彼より２つほど年上の小柄な少女に見える。だがその腰から生える９つの尾と狐の耳、そしてなにより、素人でも背後の景色が歪んで見えるほどの凄まじい妖力が、少女が人外の存在であることを如実に示していた。
「いきなり入り込んできて虫けらたぁ言ってくれるじゃねえか。酒の肴に喧嘩ってのも悪くねえかもな」
紅葉は青筋を立てて金棒を構えると、少女の方へと歩み寄る。一触即発の雰囲気に明太郎はおろおろと困惑していたが、人外の少女が社ごと紅葉を吹き飛ばさんばかりの妖力を集め始めたのを見ると、慌てて彼女の体に抱きついた。
「待ってください！ 紅葉さんは鬼だけれど……この社で暮らしているのには訳があるんです！ どうか……どうか話を聞いてください！」
「……」
必至の形相で懇願する明太郎に抱きとめられて、少女の動きがピタリと止まる。
「うひょひょ♪ これはまた随分可愛らしい巫女がいたものじゃ♪ たっぷりと可愛がってやりたいのう♡（よかろう。お主の態度に免じて話ぐらいは聞こうではないか）」
「びっくりするぐらいきれいに本音と建前が逆転してやがる……」
だらしなく鼻の下を伸ばして明太郎の頭を撫でる少女の姿に、紅葉の怒りもすっかり呆れへとすり替わっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うーむ、なるほど……それは確かに、この社を永く放っていた儂にも責任はあるのう」
少女は明太郎から紅葉がこの神社に住み着いた経緯ーー彼女が村を襲った盗賊を追い払い、村人たちに守護神として崇められるようになった話ーーを聞き終えると、神妙な顔で頷いた。
「何だって？ それじゃああんたやっぱりーー」
「いかにも。儂の名は三珠（みたま）。この神社で祀られていた稲荷神じゃ」
三珠は紅葉の言葉に応えると、話を続ける。
「大陸の方に用事があったもので、しばらくこの村から離れていたのじゃが、その相手が封印されていたせいで、探し出すのに手間取ってのう。加えて儂としたことが人と神では時間の流れが違うということを失念しておった。この神社に戻るのは実に数百年ぶりじゃな」
三珠はそう言うと過去を懐かしむように、社の中をしみじみと見回した。
「あの、三珠様……」
「分かっておる。村を守ったというならば、このアカオニを叩き出すような真似はせんよ。だがここはあくまで神聖な神社。それに儂にも稲荷神としての面子というものがある。そこでじゃ、儂から提案がある……」
三珠は妖しい笑みを浮かべて、明太郎の瞳を真正面から見据える。その迫力にごくりとツバを飲む明太郎。
「ここは一つ『ばとるふぁっく』でアカオニを住まわせ続けるかどうかを決めようではないか！」
「……『ばとるふぁっく』って何でしょうか？」
「双六か何かの類じゃねえか？」
さっぱり意味がわからないと言った様子の明太郎と紅葉を前にして、三珠は渾身のキメ顔のまま固まってしまった。
「……横文字で言ったのが悪かったか。儂と明太郎が『根比べ』をしてーー」
「根比べ？」
「あれだ、熱い風呂にどっちが長く入っていられるかを競うんだろ」
「違う違うちがーう！」
三珠は駄々っ子のように腕を上下にばたつかせて否定する。
「ルールはこう！ 儂と明太郎がまぐわう！ 明太郎の逸物が勃たなくなったら儂の勝ち！ その前に明太郎が儂を一度でも絶頂させたら明太郎の勝ち！ お主がこの社に住み続けることを許す！ 単純じゃろ！」
「ああ成程、それは単純……って要するにお前が明太郎と寝たいだけだろうが！ この少年趣味変態ガキババアエロ狐！」
「お前に言われたくはないわ！ それにこのような儀式はこの村に代々伝わる神聖なーー」
「本当か、明太郎？」
「聞いたことありません」
「当然じゃ。儂がたった今考えたのじゃからな」
「ふざけんな！ このアホ狐！」
「なんじゃなんじゃ！ さてはお主、明太郎が儂に心変わりすることを恐れているのか？」
「何だと……んなわけあるか！ うちの明太郎がお前みたいな貧相な稲荷に籠絡されるわけねえだろ！ 上等だ、その勝負、受けて立つぜ！」
紅葉はガバッと立ち上がると、明太郎の側に寄ってそっと耳打ちした。
「いいか明太郎。お前もアタシと毎晩交わってるんだから、それなりの寝技も仕込まれてるはずだ。あの偉そうなガキ狐に無様なイキ顔晒させてやれ」
「え？ あ、は、はい……」
こうして明太郎はその場の勢いに押されて、訳が分からぬまま三珠との根比べに挑むことになったのであった。
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「全く……人の家で随分と盛り合ってくれたようじゃのう。臭いはなくとも、布団に精や愛液の妖力の残り香が染み付いておるぞ」
三珠は敷かれた布団の上で愚痴を零しながら、巫女装束をはだけさせる。
「す、すみません……」
「今更謝らんでもよい。それよりお主もとっとと服を脱げ」
三珠にそう言われた明太郎は顔を赤らめながら下を脱いで、まだ勃起していない陰茎を顕にした。
「隙有りじゃ！ はむっ♡ じゅるる♡」
「うわっ！ 三珠様！？」
明太郎の陰茎を前にした三珠はすかさず彼の股下に滑り込むと、口内に収めてそれを頬をすぼめて刺激する。
「あっ！ ずるいぞ狐！ 不意打ちじゃねえか！」
「ひったほとか♡ へんへひっひょうひゃ♡（知ったことか♡ 先手必勝じゃ♡）じゅぽ、じゅぽ、じゅるる……」
紅葉の物言いにも意を介さず、まだ勃起すらしきっていない明太郎の陰茎に下品なひょっとこ顔で吸い付く三珠。同時に少年の小ぶりな陰嚢を指でふにふにと揉み上げ、鈴口に固くした舌先をねじ込んでいく。
「あっ、あっ、三珠様、激しすぎ……！ ちょっと待ってくだ……あうっ！」
明太郎は三珠の頭を掴んで引き剥がそうとするものの、快楽で腕に力が入らず、一方的に気持ちよくさせられていた。
「くそっ、耐えろ明太郎！ 相手が疲れるのを待つんだ！」
「だ、だめです紅葉様……こんなの、我慢できない……！」
「（くくく……無駄じゃ無駄じゃ。観念して口の中に子種をぶちまけるがいい♡）」
三珠は明太郎の陰茎に止めを刺しにかかった。敏感な亀頭を唇に包まれたまま猛烈な勢いで吸い上げられ、竿の部分をシュコシュコと柔らかな指で激しく扱きあげられる。睾丸から直接精液を吸い上げられるような吸引に、明太郎の幼いペニスが耐えられるはずもなかった。
「で、でます！！ ああっ！」
「んふぅ♡」
三珠は九つの尾をふりふりと揺らしながら、口の中で噴き上がる少年の子種を鼻息荒く受け止めていく。
「ぢゅううううううう……♡」
「あっ、ああ、出てるから、吸わないで……！」
射精が始まってなお精液を吸い出されていく感覚に悶絶する明太郎。もはやそれは口唇による奉仕ではなく、少年の精液を啜り喰らうための吸精である。
「ちゅう、ちゅう……ちゅぽっ♡」
脈動が収まると、三珠はようやく口から陰茎を解放する。明太郎のペニスは稲荷の唾液に濡れて照らつきながら、ひくひくと震えていた。
三珠は恍惚の表情を浮かべ、桜色に染まった頬を吸い出した精液で膨らませていた。唇の端からは、口内に収まりきらなかった子種が白い筋になって垂れている。
「（うーん……この少し水っぽくて青臭い食感♡ 童喰いにハマる妖怪が出てくる理由がよく分かるわ♡）」
口の中でにちゃにちゃと舌を回し、心ゆくまで精液を味わってから、三珠は明太郎の子種をゴクリと飲み下した。
「ぷは……これぞ童喰術 壱の型『疾風吸い』！ わざわざ大陸まで赴いて妖狐に教えを乞いた甲斐があったわ♪」
その言葉を聞いた紅葉がハッとして三珠に話しかける。
「なんだって？ まさかお前がこの村を離れて大陸を旅していた理由は……」
「如何にも。少年から性を絞り取ることに特化した房中術……『童喰術』を修めるためじゃ」
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童喰術（どうくいじゅつ）…旧世代の魔王が存命していた頃より更に昔の古代、霧の大陸の妖術師、翔 汰紺（しょう たこん）が編み出したとされる房中術。幼い男子の精液を取り込むことによって、強大な妖力を溜め込むことの出来る特異体質であった翔 汰紺は、少年から性を絞り取ることに特化したこの技によって、歴史に名を残す偉大な妖術師として名を馳せた。彼女の死後も技は廃れず、多くの弟子によって世界の各地に伝えられたという。
なお、少年や小さい男の子を性的対象とする者を「ショタコン」と呼ぶが、翔 汰紺の名が由来である事は聡明な読者諸兄には言うまでもないだろう。
民明書房刊「少年と性 その淫靡な歴史」より
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「（そ、そんな恐ろしく使い道の限られる技のために、この神社は何百年も放ったらかされてたのかよ……！）」
「さてさて……明太郎よ。お主も１回口で抜かれただけでは物足りぬであろう？」
紅葉の困惑をよそに三珠は巫女装束をするすると脱いで、その裸体を顕にする。
「ふふふ……稲荷神の女体を前にした感想はどうじゃ？ 神性すら感じられるほどの蠱惑的な肉体……神として崇められるのも納得じゃろう？」
明太郎に流し目を送りながら、三珠は見せつけるような渾身のせくしぃポーズを決める。
「えと……はぁ……」
「見た目的には明太郎のハダカと似たようなもんだと思うぞ」
「……」
あからさまに言葉に詰まった明太郎と、直球の罵倒をかます紅葉。
三珠はしばらく同じ体勢のまま固まってから、やけくそ気味に布団の上で股を開いた。
「ええぃくそ！ 四の五の言わずに儂のアソコに突っ込まんか！ 入れたが最後、枯れ果てるまで絞り尽くしてやるわ！」
明太郎が申し訳無さそうに自分の方をチラチラと見ていることに気がついた紅葉は、自身の膝を叩いて明太郎を一喝した。
「私に気を使う必要はねえ！ バカバカしいかもしれねけどこれは真剣勝負だ！ 真正面から突っ込んで生意気なお稲荷様をひいひいいわせてやれ！」
「は、はい！」
明太郎は意を決して三珠の股に下半身を重ねると自身の、子供ながらに硬いままの「槍」の先端を、三珠の無毛の秘所に充てがった。
「いきます……！」
下半身に力を込めて、亀頭を膣口に飲み込ませていく。そのまま根本まで沈み込ませようとした明太郎だったが、ふと中の感触に違和感を感じた。
「三珠様……ちょっと、その……締め付けが強すぎます……！」
三珠の膣の締まりが強すぎて、陰茎が奥まで入らないのだ。何とか膣壁をかき分けて進もうと四苦八苦する明太郎を見て、三珠は顔を赤らめながら意地の悪い笑みを浮かべた。
「んー？ 何を言っておる？ つべこべ言わずにしっかり全部入れんか。そのようでは儂をイカせることなど出来んぞ？」
「うぐぐ……」
明太郎は顔を真っ赤にしながら、渾身の力で三珠の狭すぎる膣奥へと侵入していく。だが、三珠の凄まじい膣肉の締付けに抵抗する際に生ずる刺激の強さは、子供の敏感な陰茎にはあまりにも酷だった。
「待て明太郎！ 無理に奥まで入れようとするな！ そいつは罠だ！」
三珠の策略に気がついた紅葉は明太郎に警告するが、既に手遅れだった。
「あ、あ、このままじゃ……！ 抜かないと……！」
明太郎の陰茎は三珠の締付けに加えて、それを無理に突破しようとした自分自身の力による擦りつけで既に限界に達していた。止めに一気に引き抜こうとした時の肉襞から受けた刺激で、膣圧から解放された陰茎は少年の意志に反し、屈服の証を漏らし始めてしまった。
「うぁぁ……出ちゃった……」
三珠の平坦な胸から顔めがけて、白濁した子種がびゅっ、びゅっとうち放たれる。
「おうおう……こんなに勢いよく……元気いっぱいじゃのう♡」
三珠は自身の胸と顔を白く汚していく精液を恍惚とした表情で受け止めた。頬についた精子を指ですくうと、水飴のごとくれろりと舌先で舐め取り、美味そうに味わう様を明太郎に見せつける。
「これぞ童喰術 伍の型『蟻地獄の壺』。気づいたときには暴発確定というわけじゃ♡」
三珠は荒い息をつく明太郎の肩を掴むと、そのまま布団の上に押し倒して少年の上に跨がろうとした。
「（まずい……！ このまま騎乗位で挿入に持ち込まれたら、無抵抗のまま絞り尽くされる……！）」
危険を察知した明太郎は、すかさず起き上がることで三珠の体を跳ね除ける。
「ふわっ！？」
予想外の反撃に体勢を崩した隙に明太郎は三珠の片足を持ち上げると、開いた足を交差させる形で一気に陰茎を膣に挿入した。
「おお、『松葉くずし』か！ 良いぞ明太郎、そのまま突きまくってイカせちまえ！」
「くふうっ……♡ な、なまいきな……♡」
膣を狭める間もなく最奥まで陰茎を押し込まれた三珠は、喘ぎ声を噛み殺しながらも明太郎のペニスを締め付けて抵抗する。
「うっ、くぅ……！ イってください、三珠様……！」
勢いよく腰を前後させて、三珠の膣を休みなく責め立てていく明太郎。
松葉くずしは根本まで深い挿入ができる代わりに、反り返った陰茎が襞に強く擦りつけられるため、入れる側への快楽刺激も強くなる。明太郎にとっても一か八かの作戦であり、「自分はイかずに相手をイかせる」というよりも、「自分がイく前に相手にイってもらう」といったほうが正確だった。
「や、やめ……このままでは童喰術 捌の型『幼撃昇天』が発動してしまう♡ いやじゃいやじゃ♡ 子供なんぞにイかされとうない♡」
言葉とは裏腹に、三珠は甘い悦楽による幸福感に満ち溢れた表情で、首を振り乱していた。結合部からは愛液と先走りが混じった白い泡が溢れ出しており、全身が汗ばんで薄い桜色に染まっている。
「あっ、あああああああ！！」
激しい交合の末、先に絶頂の悲鳴を上げたのは三珠の方だった。９つの尾をピンと張り詰めさせて、秘所からプシッと勢いよく潮を吹き出す。
「ぼ、僕も……！ ううっ！」
三珠の昇天の直後、明太郎もまた限界に達した。稲荷の少女の太股にしがみつきながら、彼女の膣内に大量の子種を注ぎ込んでいく。
「くうう……まさか童喰術を修めた儂が、子供との性交で不覚を取るとは……童喰の道はまだまだ奥が深いということか……」
陰茎を引き抜かれた三珠は、秘所から愛液と精液の混合物を垂れ流しながら呟くと、そのまま意識を失った。
「すごいぞ明太郎！ お前の勝ちだ！」
「ふぁ、ふぁい……」
紅葉は文字通り精根尽き果ててフニャフニャになってしまった明太郎の体を、大喜びで抱き上げる。
「これでこれからも一緒にこの神社に住めるな！ というわけで頑張ったお前にご褒美だ♡ 沢山奉仕して極楽浄土を味あわせてやるから、安心しろよな♡」
「ええ……紅葉様、僕限界……」
明太郎は弱々しく抗議するが、三珠との激しいまぐあいを見せつけられて興奮しきった紅葉の耳に届くはずもなく、三珠の意識が戻った時には僅かに残った精力も搾り取られていたのであった。
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ーーその後。
「ぷはー！ 大陸の酒も悪くなかったが、一番体に沁みるのはやはり地元の酒じゃのう！」
社の中では、三珠が胸元をはだけさせただらしない姿で、紅葉への貢物の一つである地酒を楽しんでいた。その様子を、明太郎と紅葉が怪訝な顔で見つめている。
「……二人共その不服な顔はなんじゃ。儂は『アカオニがこの社に住み続けることを許す』とは言ったが、自分が出ていくとは一言も言っておらんぞ。そもそもこの社が儂のものであることに変わりはないのじゃからな」
「……そりゃそうだけどよ……」
紅葉が不満げに目をそらした隙に、三珠はススと明太郎の傍らまで近寄ると、彼の胸元に手を差し込んで乳首を弄び始めた。
「いっておくが儂の童喰術はさっき見せたものが全てではないぞ。全部で十二ある型の全てを今日明日でたっぷり味あわせてやるから、覚悟しておくことじゃな……♡」
「……おいこのエロ狐！ 明太郎の次は私と勝負だ！ どっちが明太郎の子供を孕むかの競争ってのはどうだ！」
「おうおう望むところじゃ。さあ明太郎、今夜は精のつくものを沢山食べて、たっぷり励まなければならないぞ♡」
「（僕……干からびそう……）」
その後、ジパングにおいて稲荷神と鬼が同時に祀られている奇妙な村の伝説が語り継がれるようになるのだが、それはまた別のお話。
ーー閉幕。
21/04/26 21:53更新 / SHAR!P