鬼神様の筆おろし
ジパングのとある小さな農村。そこから神社へと繋がる小道を、一人の男の子が歩いていた。
その子の目には白い布が巻かれており、小さな杖で足元を探りながら歩いていることから、端から見ても目が不自由であることは明白である。
男の子の背負う籠には酒の入った瓢箪に、獣の干し肉やキノコといった山の幸が詰め込まれており、只でさえ盲人である彼にとって、決して楽な荷運びではないはずである。
だが男の子の足取りは軽く、表情は喜びに満ちており、実際彼はこの仕事に大きなやりがいを見出だしているのであった。
「鬼神さま! 明太郎が来ましたよ!」
もう大分昔から手入れがなされてないであろう、古ぼけた神社に到着した男の子は、本殿の扉の前で呼び掛ける。
「……開けますよ?」
手元を慎重に探りながら扉を開ける明太郎。
本来であれば御神体が祀られているであろう社の中でいびきをかいていたのは、身の丈が7尺(およそ2.12メートル)はあろうかという大きさのアカオニだった。
ーーーーーーーーーーーーー
廃屋同然とはいえ、よりにもよって神聖な神社を妖怪が住処としていることには無論理由がある。
とはいっても別に大それた理由ではない。きっかけはただの偶然である。
以前明太郎の住んでいた村に野党が攻めてきたとき、たまたま辺りをうろついていたアカオニーー紅葉(もみじ)と鉢合わせたのだ。
自分らより遥かに勝る体躯を前にして、野党たちは即降参。当然村人たちは大喜びで彼女を歓迎し、既に主のいない神社を新たな住処として捧げた。
更に感謝の印として、彼女に毎日酒と食べ物を供物として捧げることにしたのだが、そこでちょっとした問題が起きた。
確かに紅葉は野党の脅威から村を救ってくれた守護神だが、そのあまりにも迫力のある風貌故に、女子供はおろか村の若い男衆すら彼女に毎日供物を届ける巫女の役割を恐れたのだ。
そこで白羽の矢が立ったのが、生来の盲人である明太郎だった。目が見えぬのであれば、鬼神様を見た目だけで恐れることはないだろうと考えた村長は、彼に巫女の役割を果たすことを命じた。
明太郎は村の守護神に仕える巫女として、誇りある仕事ができるとこれを快諾。果たして、巫女服に身を包んだ純粋な少年は、毎日村と神社を往復して、紅葉に供物を届けることとなったのである。
ーーーーーーーーーーーーー
「……ぐがが……」
「鬼神様〜。……なんだか今日は、いつにもまして眠りが深いなあ」
空っぽの瓢箪を抱えて大いびきをかく紅葉の頬を、ツンツンつつく明太郎。
「……」
それにしても、紅葉の寝姿はなんとも無防備である。大股開きなうえに虎柄の肌着以外は何一つ身につけていないため、寝返りはおろか少し体が動いただけでも、色々と見えてしまうだろう。
そして頑強な体と図太い肝っ玉の持ち主であるアカオニは、寝ているところを少しぐらい弄くられた位では、目を覚まさないに違いない。
そう考えた明太郎は周囲を見回して誰もいないことを確認すると、ごくりと生唾を飲み込んだ。
そしてーー
「……えへへ……鬼神様の腕枕♥」
「待てやオラァ!!」
「ひゃいっ!?」
紅葉は盛大な突っ込みを叫びながら明太郎の体を捕まえると、自身の豊かな胸を押し付けるようにして抱き締めた。
「人が……じゃなくて鬼がわざわざ狸寝入りまでして誘ってるってのに、ほんとにお前ってやつは……『据え膳食わぬは男の恥』って言葉知らねえのかよ!?」
「据え膳……? でも鬼神様はお膳では無いのでは?」
「だからそれはものの例えで……要するに、男と女が子供こさえる時にすることをこっちは期待してたんだよ!」
「えっと……よく分かりませんが、子作りというのは愛し合う夫婦(めおと)がすることであって……///」
「あーくそっ、説明するのもめんどくせぇ。つべこべいわず、下の服脱ぎな!」
「あっ、はい」
明太郎は言われるままに服を脱いでその幼い下半身をさらけ出し、紅葉も自身の虎柄の肌着を引っ剥がした。
「細かいことは考えんな。鬼神様を悦ばせるための儀式みたいなものと思えば良いさ」
そう言うと紅葉は再び明太郎の体を抱き寄せて、その年齢相応の大きさの陰茎を弄くり始めた。
「あっ、鬼神様……」
「(よしよし、ちゃんと勃起はするし、皮被りだけど剥けてはいるな……)」
紅葉は舌舐めずりをすると、寝床代わりの毛皮の上に仰向けになって、大きく股を開いた。
「怯えることはないさ。そうやってちんぽ固くしたままアタシの腿にしがみつくんだ。後はアタシが手取り足取り教えてやる」
「わ、分かりました……」
明太郎はおずおずと紅葉の丸太のような腿を探り、その上に手を乗せる。
紅葉は明太郎の小さな陰茎を摘むと慎重に位置を調整して、自身の秘部にその先端をあてがった。
「よーしそのまま……腰を前に……」
「ん……あぁ……」
「(へへ……神社で人間の男の子の初物、いただき♪)」
自身の膣内に幼い陰茎が侵入していく感覚を味わいながら、紅葉は背徳的な快感にその身を震わせる。
「よし。次はそのまま腰を前後に動かしてーー」
「ああ! 鬼神様、だめです! なんか急におしっこがーー!」
「あ、待てこら抜くな!」
紅葉は慌てて足で明太郎の腰を捉えようとしたが、その前に陰茎が引き抜かれてしまった。その際の擦れる感覚に、明太郎はあっさりと精通を迎えてしまう。
可愛らしく震える桃色の先端から、少し水っぽい精液が紅葉のへその辺りに放たれ、真紅の肌を白く汚した。
「ごめんなさい鬼神様! もしかして、僕のお漏らしで汚してしまいましたか!?」
「大丈夫だ。それより、今のお漏らしはあのまま中に出すのが正しいんだよ全く……」
ぶつくさ言いながらも明太郎の陰茎が硬さを保ったままなのを確認して、再び股を開く紅葉。
「ほら、もう一度アタシに覆いかぶさるんだ。今度は漏れそうになっても、そのままアタシの中に出すんだぞ」
「は、はい……」
ーーーーーーーーーーーー
「どうだ明太郎。アタシの中は気持ち良いだろ?」
「なんか暖かくて、ぬるぬるして、しめつけてきて……はじめての感覚です……」
自身の下半身にしがみつき、ヘコヘコと腰を動かす明太郎を楽しげに見つめながら、紅葉は余裕の表情で問いかけた。少年が腰を打ち付けるたびに、赤くて大きな乳房がゆさゆさと官能的に揺れる。
「(へへ……ちんけなちんぽでなかなかやるじゃねえか。まぁ、初めてのジャリにしちゃあ上出来ってとこかな……)」
「き、鬼神様……!」
「ん? どうしーーンンッ……?」
上から目線の考えをめぐらせる紅葉に喝を入れるかのごとく、明太郎の先端が彼女の膣の弱いところを擦り上げた。思わぬ不意打ちに甘ったるい声を上げてしまう。
「ま、またさっきのお漏らしが……出ちゃいそうです……」
「そ、そうか。今度は抜いたりせずに、思いっきりアタシの中で出すんだぞ」
心地よい解放の瞬間に向けて少年の腰を動かす速度が増していき、同時に紅葉の弱点を責められる快感もじわじわと強くなっていく。
肌はより赤みを増し、汗の粒が光り始め、歯の隙間からは鼻にかかった声が漏れそうになる。
しかし、先程まで性交はおろか射精すら未経験であった幼い子どもに喘がされるというのは、鬼神として崇められてきたアカオニのプライドが(なんとなく)許さなかった。
「(おらっ!)」
少年の腰に太い足を巻きつけ、下腹部に力を込めることで膣内の陰茎を大人気なく締め上げる。
これには経験の少ない明太郎はとても耐えられなかった。びくんと体全体を震わせたかと思うと、へなへなと情けなく脱力して紅葉の逞しい肉体に身を預ける。
「(ふぅ……気持ち良いのは好きだけどよ……まだイってはやらねえからな♥)」
ふぅふぅと息をついて紅葉の膣内に子種を撒き散らす明太郎の頭を、紅葉は優しくなでるのであった。
ーーーーーーーーーーーーーー
ことを済ませた二人は毛皮の上で愛おしげにお互いの体を抱きしめあっていたが、そこで明太郎が自らの身体の異変に気がついた。
「あれ、もしかして……」
明太郎は目を塞ぐ白布を解き剥がすと、本殿の扉の前まで全力で走って扉を開ける。その眼下に広がるのは自分の故郷である村だ。
「すごい! 見えてる! 村が、見えて!」
感動のあまり空を仰ぐ明太郎の瞳には、雲ひとつ無い青空が写り込んでいた。
「……多分、アタシと交わったのが原因で、流れ込んだ妖力がお前のその目を元に戻したんだろうな」
「そうなんですか! ありがとうございます! 鬼神さ……ま……」
振り返る明太郎の目に飛び込んできたもの。それは身の丈が熊のように大きく、丸太のように太い手足、そして金色の瞳と2本の角を携えたアカオニの姿だった。
大の男でも面と向かえば、本能的に体の震えが止まらなくなるその風貌。
それを明太郎に見られた紅葉の心中は、どんよりと暗く沈んだ沼のごとくであった。
「……ええと……その、ごめんな。驚かせちまってーー」
「きれい……」
「え?」
「あ、いや、ごめんなさい。その……想像してたお姿よりずっときれいで……鬼神様と、あんなことをしたかと思うと……」
顔を赤らめて、はずかしそうにもじもじと呟く明太郎。その言葉とふるまいに紅葉の毛の生えた心臓もキュンと縮まった。
「あ、あの……」
紅葉は本殿の扉をがっちりと閉めると、戸惑う明太郎を尻目に彼の体を持ち上げて、先程の毛皮の上に放り投げた。
「……へ、へへへ……こいつはとんだスケコマシだな……お前みたいな奴は今のうちにアタシでしか満足できないような体にしておかないとな……」
「鬼神様……?」
「アタシのことは今日から名前で呼びな。それと、今日は夜になるまで抱き潰してやるから覚悟しろよ♥」
「も、紅葉様……あっ♥」
かくして村の神社の本殿には、日が沈むまで鬼と少年の喘ぎ声が響き渡るのであった。
「ぐぬぬ……久々に帰ってみれば……ワシの住処で好き放題しおって……!」
ーー続く?
その子の目には白い布が巻かれており、小さな杖で足元を探りながら歩いていることから、端から見ても目が不自由であることは明白である。
男の子の背負う籠には酒の入った瓢箪に、獣の干し肉やキノコといった山の幸が詰め込まれており、只でさえ盲人である彼にとって、決して楽な荷運びではないはずである。
だが男の子の足取りは軽く、表情は喜びに満ちており、実際彼はこの仕事に大きなやりがいを見出だしているのであった。
「鬼神さま! 明太郎が来ましたよ!」
もう大分昔から手入れがなされてないであろう、古ぼけた神社に到着した男の子は、本殿の扉の前で呼び掛ける。
「……開けますよ?」
手元を慎重に探りながら扉を開ける明太郎。
本来であれば御神体が祀られているであろう社の中でいびきをかいていたのは、身の丈が7尺(およそ2.12メートル)はあろうかという大きさのアカオニだった。
ーーーーーーーーーーーーー
廃屋同然とはいえ、よりにもよって神聖な神社を妖怪が住処としていることには無論理由がある。
とはいっても別に大それた理由ではない。きっかけはただの偶然である。
以前明太郎の住んでいた村に野党が攻めてきたとき、たまたま辺りをうろついていたアカオニーー紅葉(もみじ)と鉢合わせたのだ。
自分らより遥かに勝る体躯を前にして、野党たちは即降参。当然村人たちは大喜びで彼女を歓迎し、既に主のいない神社を新たな住処として捧げた。
更に感謝の印として、彼女に毎日酒と食べ物を供物として捧げることにしたのだが、そこでちょっとした問題が起きた。
確かに紅葉は野党の脅威から村を救ってくれた守護神だが、そのあまりにも迫力のある風貌故に、女子供はおろか村の若い男衆すら彼女に毎日供物を届ける巫女の役割を恐れたのだ。
そこで白羽の矢が立ったのが、生来の盲人である明太郎だった。目が見えぬのであれば、鬼神様を見た目だけで恐れることはないだろうと考えた村長は、彼に巫女の役割を果たすことを命じた。
明太郎は村の守護神に仕える巫女として、誇りある仕事ができるとこれを快諾。果たして、巫女服に身を包んだ純粋な少年は、毎日村と神社を往復して、紅葉に供物を届けることとなったのである。
ーーーーーーーーーーーーー
「……ぐがが……」
「鬼神様〜。……なんだか今日は、いつにもまして眠りが深いなあ」
空っぽの瓢箪を抱えて大いびきをかく紅葉の頬を、ツンツンつつく明太郎。
「……」
それにしても、紅葉の寝姿はなんとも無防備である。大股開きなうえに虎柄の肌着以外は何一つ身につけていないため、寝返りはおろか少し体が動いただけでも、色々と見えてしまうだろう。
そして頑強な体と図太い肝っ玉の持ち主であるアカオニは、寝ているところを少しぐらい弄くられた位では、目を覚まさないに違いない。
そう考えた明太郎は周囲を見回して誰もいないことを確認すると、ごくりと生唾を飲み込んだ。
そしてーー
「……えへへ……鬼神様の腕枕♥」
「待てやオラァ!!」
「ひゃいっ!?」
紅葉は盛大な突っ込みを叫びながら明太郎の体を捕まえると、自身の豊かな胸を押し付けるようにして抱き締めた。
「人が……じゃなくて鬼がわざわざ狸寝入りまでして誘ってるってのに、ほんとにお前ってやつは……『据え膳食わぬは男の恥』って言葉知らねえのかよ!?」
「据え膳……? でも鬼神様はお膳では無いのでは?」
「だからそれはものの例えで……要するに、男と女が子供こさえる時にすることをこっちは期待してたんだよ!」
「えっと……よく分かりませんが、子作りというのは愛し合う夫婦(めおと)がすることであって……///」
「あーくそっ、説明するのもめんどくせぇ。つべこべいわず、下の服脱ぎな!」
「あっ、はい」
明太郎は言われるままに服を脱いでその幼い下半身をさらけ出し、紅葉も自身の虎柄の肌着を引っ剥がした。
「細かいことは考えんな。鬼神様を悦ばせるための儀式みたいなものと思えば良いさ」
そう言うと紅葉は再び明太郎の体を抱き寄せて、その年齢相応の大きさの陰茎を弄くり始めた。
「あっ、鬼神様……」
「(よしよし、ちゃんと勃起はするし、皮被りだけど剥けてはいるな……)」
紅葉は舌舐めずりをすると、寝床代わりの毛皮の上に仰向けになって、大きく股を開いた。
「怯えることはないさ。そうやってちんぽ固くしたままアタシの腿にしがみつくんだ。後はアタシが手取り足取り教えてやる」
「わ、分かりました……」
明太郎はおずおずと紅葉の丸太のような腿を探り、その上に手を乗せる。
紅葉は明太郎の小さな陰茎を摘むと慎重に位置を調整して、自身の秘部にその先端をあてがった。
「よーしそのまま……腰を前に……」
「ん……あぁ……」
「(へへ……神社で人間の男の子の初物、いただき♪)」
自身の膣内に幼い陰茎が侵入していく感覚を味わいながら、紅葉は背徳的な快感にその身を震わせる。
「よし。次はそのまま腰を前後に動かしてーー」
「ああ! 鬼神様、だめです! なんか急におしっこがーー!」
「あ、待てこら抜くな!」
紅葉は慌てて足で明太郎の腰を捉えようとしたが、その前に陰茎が引き抜かれてしまった。その際の擦れる感覚に、明太郎はあっさりと精通を迎えてしまう。
可愛らしく震える桃色の先端から、少し水っぽい精液が紅葉のへその辺りに放たれ、真紅の肌を白く汚した。
「ごめんなさい鬼神様! もしかして、僕のお漏らしで汚してしまいましたか!?」
「大丈夫だ。それより、今のお漏らしはあのまま中に出すのが正しいんだよ全く……」
ぶつくさ言いながらも明太郎の陰茎が硬さを保ったままなのを確認して、再び股を開く紅葉。
「ほら、もう一度アタシに覆いかぶさるんだ。今度は漏れそうになっても、そのままアタシの中に出すんだぞ」
「は、はい……」
ーーーーーーーーーーーー
「どうだ明太郎。アタシの中は気持ち良いだろ?」
「なんか暖かくて、ぬるぬるして、しめつけてきて……はじめての感覚です……」
自身の下半身にしがみつき、ヘコヘコと腰を動かす明太郎を楽しげに見つめながら、紅葉は余裕の表情で問いかけた。少年が腰を打ち付けるたびに、赤くて大きな乳房がゆさゆさと官能的に揺れる。
「(へへ……ちんけなちんぽでなかなかやるじゃねえか。まぁ、初めてのジャリにしちゃあ上出来ってとこかな……)」
「き、鬼神様……!」
「ん? どうしーーンンッ……?」
上から目線の考えをめぐらせる紅葉に喝を入れるかのごとく、明太郎の先端が彼女の膣の弱いところを擦り上げた。思わぬ不意打ちに甘ったるい声を上げてしまう。
「ま、またさっきのお漏らしが……出ちゃいそうです……」
「そ、そうか。今度は抜いたりせずに、思いっきりアタシの中で出すんだぞ」
心地よい解放の瞬間に向けて少年の腰を動かす速度が増していき、同時に紅葉の弱点を責められる快感もじわじわと強くなっていく。
肌はより赤みを増し、汗の粒が光り始め、歯の隙間からは鼻にかかった声が漏れそうになる。
しかし、先程まで性交はおろか射精すら未経験であった幼い子どもに喘がされるというのは、鬼神として崇められてきたアカオニのプライドが(なんとなく)許さなかった。
「(おらっ!)」
少年の腰に太い足を巻きつけ、下腹部に力を込めることで膣内の陰茎を大人気なく締め上げる。
これには経験の少ない明太郎はとても耐えられなかった。びくんと体全体を震わせたかと思うと、へなへなと情けなく脱力して紅葉の逞しい肉体に身を預ける。
「(ふぅ……気持ち良いのは好きだけどよ……まだイってはやらねえからな♥)」
ふぅふぅと息をついて紅葉の膣内に子種を撒き散らす明太郎の頭を、紅葉は優しくなでるのであった。
ーーーーーーーーーーーーーー
ことを済ませた二人は毛皮の上で愛おしげにお互いの体を抱きしめあっていたが、そこで明太郎が自らの身体の異変に気がついた。
「あれ、もしかして……」
明太郎は目を塞ぐ白布を解き剥がすと、本殿の扉の前まで全力で走って扉を開ける。その眼下に広がるのは自分の故郷である村だ。
「すごい! 見えてる! 村が、見えて!」
感動のあまり空を仰ぐ明太郎の瞳には、雲ひとつ無い青空が写り込んでいた。
「……多分、アタシと交わったのが原因で、流れ込んだ妖力がお前のその目を元に戻したんだろうな」
「そうなんですか! ありがとうございます! 鬼神さ……ま……」
振り返る明太郎の目に飛び込んできたもの。それは身の丈が熊のように大きく、丸太のように太い手足、そして金色の瞳と2本の角を携えたアカオニの姿だった。
大の男でも面と向かえば、本能的に体の震えが止まらなくなるその風貌。
それを明太郎に見られた紅葉の心中は、どんよりと暗く沈んだ沼のごとくであった。
「……ええと……その、ごめんな。驚かせちまってーー」
「きれい……」
「え?」
「あ、いや、ごめんなさい。その……想像してたお姿よりずっときれいで……鬼神様と、あんなことをしたかと思うと……」
顔を赤らめて、はずかしそうにもじもじと呟く明太郎。その言葉とふるまいに紅葉の毛の生えた心臓もキュンと縮まった。
「あ、あの……」
紅葉は本殿の扉をがっちりと閉めると、戸惑う明太郎を尻目に彼の体を持ち上げて、先程の毛皮の上に放り投げた。
「……へ、へへへ……こいつはとんだスケコマシだな……お前みたいな奴は今のうちにアタシでしか満足できないような体にしておかないとな……」
「鬼神様……?」
「アタシのことは今日から名前で呼びな。それと、今日は夜になるまで抱き潰してやるから覚悟しろよ♥」
「も、紅葉様……あっ♥」
かくして村の神社の本殿には、日が沈むまで鬼と少年の喘ぎ声が響き渡るのであった。
「ぐぬぬ……久々に帰ってみれば……ワシの住処で好き放題しおって……!」
ーー続く?
20/10/20 23:09更新 / SHAR!P