サイクロプスとチョコレート
「はぁ……」
額に立派な角を生やしたサイクロプスのマーシャは、重苦しいため息をつきながら亜麻色の髪を揺らして、ふらふらと街中を彷徨っていた。
今日はバレンタインデー。女性が意中の男性にチョコレートを渡して、思いを伝える日。
いつもは恋愛―ーいや、人間との交流そのものに対して消極的なマーシャも、この日ばかりはと奮発して、腕によりをかけた手作りチョコレートを作っていた。
だが不幸なことに彼女はつい最近この街に住み着いたばかりの新参者であり、加えて街の首長が反魔物的な政策方針の転換を試みたのも決して昔のことではなかった。
街の人々は陰湿な罵声を浴びせるようなことはしなかったが、彼女の単眼に見すくめられるのを恐れて、マーシャをまるで幽霊か何かのように扱っていた。
「(みんな、私みたいな一つ目お化けの作ったチョコレートなんていらないんだろうな……)」
自己嫌悪に沈むマーシャの腰に、軽い衝撃が走る。
「えっ?」
とっさに手をやると、先程まで確かにそこにあったはずの金貨入りの麻袋が無くなっている。顔を上げると、麻袋を右手に握り締めて走り去ろうとしている少年らしき人間の背中が見えた。
「こ、こら! 待ちなさい!」
サイクロプスの少女は慌ててスリの少年の追跡を始めた。
―――――――――――――――――
「はぁ、はぁ……やっと追い詰めた……」
マーシャの豊満な肉体は「走る」という行為に関してはさほど意味をなさないらしく、少年を人気の無い路地裏まで追い詰めた頃には完全に息が上がっていた。
「はぁ……ほら、私の財布を……返して……」
スリの少年は返事の代わりにんべっと舌を出した。
「もう! 大人しく返さないと、本気で怒るよ!」
拳を振り回すマーシャだったが、小柄で筋肉もなく、語気に迫力も感じられないサイクロプスの少女がそんな仕草をしたところで、可愛らしさしかなかった。
「どこにやったの、私の財布!」
「隠したよ」
「隠したってどこに?」
「教えてもいいよ。その代わり……」
立ち上がった少年のズボンを見て、マーシャは息を呑んだ。
「(やだ、この子……勃起してる!?)」
「オレと、エッチなことしてよ」
「(えええっ!?)」
予想外の発言に思わず両手で口を押さえる。しかし、とんがった耳の先まで真っ赤に染まった顔面を誤魔化すことはできなかった。
「魔物娘ってエッチなことが好きなんでしょ? お姉さん可愛いし、我慢できなかったんだ」
そのように話す少年の顔も真紅に染まり、女性に対してそのような関係を迫ることが初めてであることが伺える。
「そ、そんなはしたないこと……」
口ではそう言いながらも、マーシャの内心には嫌悪感とは正反対の感情が湧き上がっていた。
「(私、この男の子に強請られて、犯されちゃうんだ……エロ同人みたいに……)」
彼女も魔物娘である以上、ミノタウロスやドラゴンほどでなくとも、少年を腕力で無理やり言うことを聞かすぐらいのことは可能である。しかし、「身体的に自分より弱いはずの少年になすすべもなく犯される」という被虐の悦びを刺激するような想像に加えて、何より目の前の少年が、単眼であるがゆえに街の人間たちに恐れられている自分に対して素直に接するどころか、女として魅力的に感じてくれたという事実が、そのような選択肢をマーシャの脳内から跡形もなく吹き飛ばしていた。
「もう、しょうがないにゃあ……優しくしてよね」
マーシャはさも嫌々であるかのように言いながらも、傍にあった捨てられた絨毯をいそいそと地面に広げ始めた。
「うわ……おっぱい柔らか……」
少年は絨毯の上で向い合わせになる形で、マーシャの重量感がある胸を揉みしだいていた。
「(おっぱい触るのも初めてなのかな……目を丸くしちゃって可愛い……♥)」
マーシャはドギマギしながら自身の乳に挑んでくる少年を母性の宿った単眼で見つめていた。
「お、オレ……直接触りたい!」
服の上からの愛撫だけでは満足できなかったのだろう。少年はマーシャの革でこしらえた胸当てを引き剥がすと、プルンと弾けるようにして露になった乳に食らいついた。顔を埋めるようにして乱暴に揉みしだき、母乳などでないにもかかわらず乳首を口に含み、もう片方の乳首を指で摘まみ上げる。
「(やっぱ男の子ってみんなおっぱい好きなんだ……)」
マーシャは数少ない友人のひとりであるバフォメットには、自分が見出したこの事実は黙っていようと決心した。
マーシャは少年の気が済むまで胸を好きにさせてやると、息を荒げながら一旦乳から顔を離した少年に語りかけた。
「ねぇ、キスとかはしなくていいの?」
「え! していいの!?」
「あなたの方からエッチなことしたいって言ってきたんじゃん……」
興奮した少年が、マーシャの半開きの唇に早速吸い付いてきた。
マーシャは一瞬目を見開いたが、すぐに頬を染めてうっとりした表情になると、その単眼をゆっくり閉じて少年の舌に自らのそれを絡みつかせた。
事実だけを端的に述べるなら、このサイクロプスはスリの少年に強請をかけられて、強姦されているということになる。だが、実際のところお互いの首に両腕を回して熱情的なキスを続ける二人の姿を、婦女暴行とみなすような人間はまず存在しないだろう。
少年は魔物の少女の唇という魅惑的な果実に無我夢中でむしゃぶりつき、マーシャもそれに応えて少年の口内を丹念に舐め回していた。
少年がキスを止めて唇を離すと、マーシャの唇の箸から半透明の液体と、名残惜しそうな溜息が零れ落ちる。
少年はマーシャの両肩を掴んで絨毯に押し倒すと、仰向けの彼女の体に馬乗りになって、もたつく手つきでズボンをゴソゴソとまさぐり始めた。
「(え……この体勢で何するんだろ……)」
ズボンから取り出された少年のペニスは完全に勃起しきっており、ヒクヒクと物欲しげにひくつきながら、先端から透明の先走りを垂れ流している。
少年は仰向けになっても形の崩れないマーシャの乳に両手を添えると、汗ばんだ谷間に己のモノを挟み込むような形で挿入した。
「(わぁ……本当におっぱいが好きなんだね……)」
マーシャは不思議そうに柔らかな胸の弾力をペニスで味わう少年の姿を見つめていた。
「うっ……お姉さんのおっぱい、すっごく気持ちいいや……」
少年は喘ぎ声を漏らしながらヘコヘコと腰を動かし続ける。
マーシャとしてはこちらから特にアクションを起こす必要もないと考えたので、自分の胸と擬似性交を行う少年の姿をゆっくり眺めることにした。
少年の顔は興奮と羞恥で極限まで赤く染まっていて、その目は情欲に潤み、今にも溶け出してしまいそうだ。
「(口が半開きで、舌突き出しちゃって、すごく切なそう……イくときはどんな顔するんだろ……)」
マーシャは官能小説や漫画でしか見たことのない射精という現象を急に見たくなり、胸を支える少年の両手の甲に自分の手のひらを添えると、少年の肉棒を柔らかな双丘でむにゅりと押しつぶした。
「うあんっ!」
「イっちゃいそう? いつでもイっていいよ♥」
甲高い鳴き声を上げた少年に気をよくしたのか、マーシャは淫らに微笑みながら自らの胸を揉みしだくようにしてペニスを優しく責め立てていった。
「だ、だめ、もう、あっ、気持ち……いい……!」
歯を食いしばり、ウンウンうなって射精を我慢しようとする少年だったが、下半身は快楽に逆らえないらしく、無意識に気持ち良くなろうとしてピストン運動を早めてしまう。
「あっ! ……あっ、あ〜」
とうとうフニフニの谷間の感触に耐え切れなくなった少年のペニスから、ビュッ、ビュッと勢いよく白濁液が放たれ、サイクロプスの少女の顔に降りかかった。
「(んっ! ……これが射精……。おっぱいの間でピクピクしちゃって……ちょっと可愛いかも……♥)」
少年の脈動は一回では収まらず、マーシャの乳が揺れるのに合わせて先端から快楽の結晶が漏れ出してくる。
「(そしてこれが……精液……なんか変な匂い……)」
マーシャは初めて見る本物の精液を指に絡め取り、にちゃにちゃと指先で弄びながら漠然とそう思った。
「(味は……うん、味も変わってるけど、この生臭さは……嫌いじゃないかも)」
少年は軽く腰が抜けてしまったらしく、這いずるようにしてマーシャの体から身を起こすと、絨毯の上で尻餅をついて荒い呼吸を整えた。
ふと下半身の違和感に気づいたマーシャは、恥ずかしがりながらも自分の短パンと靴を脱ぎ捨てると、少年に向かって大洪水になった性器を露わにした。
紺のソックスをそのままにしたのは、その方が男性は興奮すると本から学んでいたからだった。
「ねぇ、私を犯したいんでしょ……」
あられもない少女の姿に少年はごくりと生唾を飲む。
「いいよ、好きなだけ私の中に出して♥」
マーシャの誘惑にすっかり魅了された少年は即座に彼女に覆いかぶさり、雄の本能に任せて濡れそぼった秘貝にペニスをねじ込んだ。
「(んんっ♥ あれ……私初めてなのに、あんまり痛くないや)」
実際マーシャの性器はどろどろに湿りきっており、少年のペニスがそこまで大きくないことも手伝ってか、処女貫通は意外なほどあっさりと迎えられた。
少年は彼女のむっちりちした太ももにしがみつくようにして、正常位で腰を振っている。油断したらすぐにでも彼女の柔らかな膣内にぶちまけてしまいそうだったので、必死の思いでマーシャの肉体に溺れてしまうのをこらえているが、初めて女性自身を体験したペニスに肉襞が愛しげに絡みついてきて、少年の我慢もそれほど長く持ちそうになかった。
「(あっ、これいい……♥)」
一方少年のたどたどしく、それでいて必死さを感じさせるピストン運動にマーシャも確実に高められていった。少年のモノは膣壁をガンガンにこすりあげたり、Gスポットを的確に突いてきたりはしなかったが、どうやら自分の性感は精神的なものに依るところが大きいらしく、少年が自分の躯に夢中になっている姿を目の当たりにして、じんわりと暖かな快楽が性器から全身へと着実に広がってきている。
「だ、ダメだ……!」
やはり先に限界が来てしまったのか、少年はマーシャの中に半分ほど埋めた状態で腰の動きを止めてしまった。
「止めないで……♥」
「うぁぁ……」
そんな少年の腰にマーシャは両足を巻きつけて、根元まで蜜壷の中に誘い込んでしまう。
もはや完全に主導権を握られてしまっているが、少年の頭の中には既にマーシャのヌルヌルの膣の中で気持ちよく果てることしかなかった。
たまらずマーシャの豊満な碧色の躯に抱きつき、ふっくらとした胸に顔を埋める。マーシャは少年の頭を慈愛に満ちた表情で撫でながら、自らも絶頂が近いことを悟った。
マーシャが試しに腹筋に力を込めて膣を優しく締め上げてみると、少年が顔を上げて彼女の単眼と視線を絡みつかせる。その泣き笑いの表情を見てマーシャはいやらしく微笑んだ。
「イってもいいよ……♥」
少年の桃色の吐息と同時に膣内のペニスが脈動を始める。
「(ああ……あったかい……♥)」
子宮内をゆっくりと満たしていく子種の流れを感じながら、マーシャは少年と共に穏やかな絶頂を楽しんだ。
「気持ちよかった?」
マーシャの無邪気な問いかけに少年は答えられなかったが、マーシャはその表情を見ただけで満足したらしく、にっこりと笑って少年の頬にキスをした。
――――――――――――――――――
1時間後――
「人の物を勝手に盗ったりしてはいけません。わかった?」
「はい……」
事後にようやくリオという名前を名乗った少年は、少し乱れた服装のままのマーシャにその場で正座させられ、説教をくらっていた。
「でも、オレみなし子だし……スリでもしなきゃ食っていけないよ……」
「うーん、じゃあ私のところで住み込みで鍛冶屋の助手をやるっていうのはどう?」
「いいの!?」
「真面目に働いてくれるならね。……ああ、忘れるところだった。これもあげる」
マーシャはリオに丁寧に包装された小包を手渡した。
「なにこれ……?」
「もう、今日はバレンタインデーでしょ! 多分私のチョコを受け取ってくれるような人は、あなたしか居なさそうだし……」
「ありがとう、マーシャさん! オレ、チョコレートなんて初めて食べるよ!」
「受け取ったからには責任とってよね。なにせあなたはかよわい処女を強請にかけてむりやり犯したんだから……///」
「は……はい」
リオは熱っぽい表情で迫るマーシャに戸惑いながらも頷いた。
「じゃあこっちに来て、私の家まで案内してあげる!」
マーシャが指を互いに組み合わせるようにしてリオの手を繋ぐと、リオの顔が再び真っ赤に染まる。
「ふふっ、今さらなにを恥ずかしがることがあるのよ」
「……恥ずかしがってなんかないし」
強がりを言う少年に微笑みかけるサイクロプスの少女の笑顔からは、自身の容姿に対する不安や自己嫌悪などは綺麗さっぱり無くなっていた。
--Happy valentine!
額に立派な角を生やしたサイクロプスのマーシャは、重苦しいため息をつきながら亜麻色の髪を揺らして、ふらふらと街中を彷徨っていた。
今日はバレンタインデー。女性が意中の男性にチョコレートを渡して、思いを伝える日。
いつもは恋愛―ーいや、人間との交流そのものに対して消極的なマーシャも、この日ばかりはと奮発して、腕によりをかけた手作りチョコレートを作っていた。
だが不幸なことに彼女はつい最近この街に住み着いたばかりの新参者であり、加えて街の首長が反魔物的な政策方針の転換を試みたのも決して昔のことではなかった。
街の人々は陰湿な罵声を浴びせるようなことはしなかったが、彼女の単眼に見すくめられるのを恐れて、マーシャをまるで幽霊か何かのように扱っていた。
「(みんな、私みたいな一つ目お化けの作ったチョコレートなんていらないんだろうな……)」
自己嫌悪に沈むマーシャの腰に、軽い衝撃が走る。
「えっ?」
とっさに手をやると、先程まで確かにそこにあったはずの金貨入りの麻袋が無くなっている。顔を上げると、麻袋を右手に握り締めて走り去ろうとしている少年らしき人間の背中が見えた。
「こ、こら! 待ちなさい!」
サイクロプスの少女は慌ててスリの少年の追跡を始めた。
―――――――――――――――――
「はぁ、はぁ……やっと追い詰めた……」
マーシャの豊満な肉体は「走る」という行為に関してはさほど意味をなさないらしく、少年を人気の無い路地裏まで追い詰めた頃には完全に息が上がっていた。
「はぁ……ほら、私の財布を……返して……」
スリの少年は返事の代わりにんべっと舌を出した。
「もう! 大人しく返さないと、本気で怒るよ!」
拳を振り回すマーシャだったが、小柄で筋肉もなく、語気に迫力も感じられないサイクロプスの少女がそんな仕草をしたところで、可愛らしさしかなかった。
「どこにやったの、私の財布!」
「隠したよ」
「隠したってどこに?」
「教えてもいいよ。その代わり……」
立ち上がった少年のズボンを見て、マーシャは息を呑んだ。
「(やだ、この子……勃起してる!?)」
「オレと、エッチなことしてよ」
「(えええっ!?)」
予想外の発言に思わず両手で口を押さえる。しかし、とんがった耳の先まで真っ赤に染まった顔面を誤魔化すことはできなかった。
「魔物娘ってエッチなことが好きなんでしょ? お姉さん可愛いし、我慢できなかったんだ」
そのように話す少年の顔も真紅に染まり、女性に対してそのような関係を迫ることが初めてであることが伺える。
「そ、そんなはしたないこと……」
口ではそう言いながらも、マーシャの内心には嫌悪感とは正反対の感情が湧き上がっていた。
「(私、この男の子に強請られて、犯されちゃうんだ……エロ同人みたいに……)」
彼女も魔物娘である以上、ミノタウロスやドラゴンほどでなくとも、少年を腕力で無理やり言うことを聞かすぐらいのことは可能である。しかし、「身体的に自分より弱いはずの少年になすすべもなく犯される」という被虐の悦びを刺激するような想像に加えて、何より目の前の少年が、単眼であるがゆえに街の人間たちに恐れられている自分に対して素直に接するどころか、女として魅力的に感じてくれたという事実が、そのような選択肢をマーシャの脳内から跡形もなく吹き飛ばしていた。
「もう、しょうがないにゃあ……優しくしてよね」
マーシャはさも嫌々であるかのように言いながらも、傍にあった捨てられた絨毯をいそいそと地面に広げ始めた。
「うわ……おっぱい柔らか……」
少年は絨毯の上で向い合わせになる形で、マーシャの重量感がある胸を揉みしだいていた。
「(おっぱい触るのも初めてなのかな……目を丸くしちゃって可愛い……♥)」
マーシャはドギマギしながら自身の乳に挑んでくる少年を母性の宿った単眼で見つめていた。
「お、オレ……直接触りたい!」
服の上からの愛撫だけでは満足できなかったのだろう。少年はマーシャの革でこしらえた胸当てを引き剥がすと、プルンと弾けるようにして露になった乳に食らいついた。顔を埋めるようにして乱暴に揉みしだき、母乳などでないにもかかわらず乳首を口に含み、もう片方の乳首を指で摘まみ上げる。
「(やっぱ男の子ってみんなおっぱい好きなんだ……)」
マーシャは数少ない友人のひとりであるバフォメットには、自分が見出したこの事実は黙っていようと決心した。
マーシャは少年の気が済むまで胸を好きにさせてやると、息を荒げながら一旦乳から顔を離した少年に語りかけた。
「ねぇ、キスとかはしなくていいの?」
「え! していいの!?」
「あなたの方からエッチなことしたいって言ってきたんじゃん……」
興奮した少年が、マーシャの半開きの唇に早速吸い付いてきた。
マーシャは一瞬目を見開いたが、すぐに頬を染めてうっとりした表情になると、その単眼をゆっくり閉じて少年の舌に自らのそれを絡みつかせた。
事実だけを端的に述べるなら、このサイクロプスはスリの少年に強請をかけられて、強姦されているということになる。だが、実際のところお互いの首に両腕を回して熱情的なキスを続ける二人の姿を、婦女暴行とみなすような人間はまず存在しないだろう。
少年は魔物の少女の唇という魅惑的な果実に無我夢中でむしゃぶりつき、マーシャもそれに応えて少年の口内を丹念に舐め回していた。
少年がキスを止めて唇を離すと、マーシャの唇の箸から半透明の液体と、名残惜しそうな溜息が零れ落ちる。
少年はマーシャの両肩を掴んで絨毯に押し倒すと、仰向けの彼女の体に馬乗りになって、もたつく手つきでズボンをゴソゴソとまさぐり始めた。
「(え……この体勢で何するんだろ……)」
ズボンから取り出された少年のペニスは完全に勃起しきっており、ヒクヒクと物欲しげにひくつきながら、先端から透明の先走りを垂れ流している。
少年は仰向けになっても形の崩れないマーシャの乳に両手を添えると、汗ばんだ谷間に己のモノを挟み込むような形で挿入した。
「(わぁ……本当におっぱいが好きなんだね……)」
マーシャは不思議そうに柔らかな胸の弾力をペニスで味わう少年の姿を見つめていた。
「うっ……お姉さんのおっぱい、すっごく気持ちいいや……」
少年は喘ぎ声を漏らしながらヘコヘコと腰を動かし続ける。
マーシャとしてはこちらから特にアクションを起こす必要もないと考えたので、自分の胸と擬似性交を行う少年の姿をゆっくり眺めることにした。
少年の顔は興奮と羞恥で極限まで赤く染まっていて、その目は情欲に潤み、今にも溶け出してしまいそうだ。
「(口が半開きで、舌突き出しちゃって、すごく切なそう……イくときはどんな顔するんだろ……)」
マーシャは官能小説や漫画でしか見たことのない射精という現象を急に見たくなり、胸を支える少年の両手の甲に自分の手のひらを添えると、少年の肉棒を柔らかな双丘でむにゅりと押しつぶした。
「うあんっ!」
「イっちゃいそう? いつでもイっていいよ♥」
甲高い鳴き声を上げた少年に気をよくしたのか、マーシャは淫らに微笑みながら自らの胸を揉みしだくようにしてペニスを優しく責め立てていった。
「だ、だめ、もう、あっ、気持ち……いい……!」
歯を食いしばり、ウンウンうなって射精を我慢しようとする少年だったが、下半身は快楽に逆らえないらしく、無意識に気持ち良くなろうとしてピストン運動を早めてしまう。
「あっ! ……あっ、あ〜」
とうとうフニフニの谷間の感触に耐え切れなくなった少年のペニスから、ビュッ、ビュッと勢いよく白濁液が放たれ、サイクロプスの少女の顔に降りかかった。
「(んっ! ……これが射精……。おっぱいの間でピクピクしちゃって……ちょっと可愛いかも……♥)」
少年の脈動は一回では収まらず、マーシャの乳が揺れるのに合わせて先端から快楽の結晶が漏れ出してくる。
「(そしてこれが……精液……なんか変な匂い……)」
マーシャは初めて見る本物の精液を指に絡め取り、にちゃにちゃと指先で弄びながら漠然とそう思った。
「(味は……うん、味も変わってるけど、この生臭さは……嫌いじゃないかも)」
少年は軽く腰が抜けてしまったらしく、這いずるようにしてマーシャの体から身を起こすと、絨毯の上で尻餅をついて荒い呼吸を整えた。
ふと下半身の違和感に気づいたマーシャは、恥ずかしがりながらも自分の短パンと靴を脱ぎ捨てると、少年に向かって大洪水になった性器を露わにした。
紺のソックスをそのままにしたのは、その方が男性は興奮すると本から学んでいたからだった。
「ねぇ、私を犯したいんでしょ……」
あられもない少女の姿に少年はごくりと生唾を飲む。
「いいよ、好きなだけ私の中に出して♥」
マーシャの誘惑にすっかり魅了された少年は即座に彼女に覆いかぶさり、雄の本能に任せて濡れそぼった秘貝にペニスをねじ込んだ。
「(んんっ♥ あれ……私初めてなのに、あんまり痛くないや)」
実際マーシャの性器はどろどろに湿りきっており、少年のペニスがそこまで大きくないことも手伝ってか、処女貫通は意外なほどあっさりと迎えられた。
少年は彼女のむっちりちした太ももにしがみつくようにして、正常位で腰を振っている。油断したらすぐにでも彼女の柔らかな膣内にぶちまけてしまいそうだったので、必死の思いでマーシャの肉体に溺れてしまうのをこらえているが、初めて女性自身を体験したペニスに肉襞が愛しげに絡みついてきて、少年の我慢もそれほど長く持ちそうになかった。
「(あっ、これいい……♥)」
一方少年のたどたどしく、それでいて必死さを感じさせるピストン運動にマーシャも確実に高められていった。少年のモノは膣壁をガンガンにこすりあげたり、Gスポットを的確に突いてきたりはしなかったが、どうやら自分の性感は精神的なものに依るところが大きいらしく、少年が自分の躯に夢中になっている姿を目の当たりにして、じんわりと暖かな快楽が性器から全身へと着実に広がってきている。
「だ、ダメだ……!」
やはり先に限界が来てしまったのか、少年はマーシャの中に半分ほど埋めた状態で腰の動きを止めてしまった。
「止めないで……♥」
「うぁぁ……」
そんな少年の腰にマーシャは両足を巻きつけて、根元まで蜜壷の中に誘い込んでしまう。
もはや完全に主導権を握られてしまっているが、少年の頭の中には既にマーシャのヌルヌルの膣の中で気持ちよく果てることしかなかった。
たまらずマーシャの豊満な碧色の躯に抱きつき、ふっくらとした胸に顔を埋める。マーシャは少年の頭を慈愛に満ちた表情で撫でながら、自らも絶頂が近いことを悟った。
マーシャが試しに腹筋に力を込めて膣を優しく締め上げてみると、少年が顔を上げて彼女の単眼と視線を絡みつかせる。その泣き笑いの表情を見てマーシャはいやらしく微笑んだ。
「イってもいいよ……♥」
少年の桃色の吐息と同時に膣内のペニスが脈動を始める。
「(ああ……あったかい……♥)」
子宮内をゆっくりと満たしていく子種の流れを感じながら、マーシャは少年と共に穏やかな絶頂を楽しんだ。
「気持ちよかった?」
マーシャの無邪気な問いかけに少年は答えられなかったが、マーシャはその表情を見ただけで満足したらしく、にっこりと笑って少年の頬にキスをした。
――――――――――――――――――
1時間後――
「人の物を勝手に盗ったりしてはいけません。わかった?」
「はい……」
事後にようやくリオという名前を名乗った少年は、少し乱れた服装のままのマーシャにその場で正座させられ、説教をくらっていた。
「でも、オレみなし子だし……スリでもしなきゃ食っていけないよ……」
「うーん、じゃあ私のところで住み込みで鍛冶屋の助手をやるっていうのはどう?」
「いいの!?」
「真面目に働いてくれるならね。……ああ、忘れるところだった。これもあげる」
マーシャはリオに丁寧に包装された小包を手渡した。
「なにこれ……?」
「もう、今日はバレンタインデーでしょ! 多分私のチョコを受け取ってくれるような人は、あなたしか居なさそうだし……」
「ありがとう、マーシャさん! オレ、チョコレートなんて初めて食べるよ!」
「受け取ったからには責任とってよね。なにせあなたはかよわい処女を強請にかけてむりやり犯したんだから……///」
「は……はい」
リオは熱っぽい表情で迫るマーシャに戸惑いながらも頷いた。
「じゃあこっちに来て、私の家まで案内してあげる!」
マーシャが指を互いに組み合わせるようにしてリオの手を繋ぐと、リオの顔が再び真っ赤に染まる。
「ふふっ、今さらなにを恥ずかしがることがあるのよ」
「……恥ずかしがってなんかないし」
強がりを言う少年に微笑みかけるサイクロプスの少女の笑顔からは、自身の容姿に対する不安や自己嫌悪などは綺麗さっぱり無くなっていた。
--Happy valentine!
14/02/15 19:36更新 / SHAR!P