「カザリちゃん、それじゃ〜ね〜♪」

「・・また・・・」
いつもの様に遊び、いつもの様に別れ、いつもの様に帰る。
そんな彼女の名前は「プル」
この名前、親が付けてくれたのは言うまでも無いが、その理由が単純過ぎる。

『私よりこの子の方がプルプルしてるから』

と、言うのが彼女の名前の由来らしい。
なんとも適当な。
だが、彼女本人は相当気に入っていて、名前を呼ばれればすぐに振り向いて返事をするだろう。

「きょっうの〜ごっはん〜は、な〜にかなぁ♪」
軽快なステップは、彼女の「ﾊﾞﾌﾞﾙｽﾗｲﾑ」の身体故に踏めていないが、明らかに家に帰る速度が速くなっていく。
それだけ、今日の夕食の献立が楽しみでしょうがないのだろう。
暫く進めば家が見えるのに、彼女の緩慢な動きの所為でそれも遠く感じられてしまう。

「おっ？プル、お帰り〜♪」

「あはっ♪おに〜ちゃん♪」

「あぁ、それじゃ僕はこれで・・」

「あぁ、今日もｻﾝｷｭｰな。」
そう言って、お兄ちゃん「ガスト」は友人らしき少年と別れてプルと合流した。
どうやら先程の少年は何かを頼まれていたらしく、ガストの表情は期待に満ちたものであった。
すぐに日も暮れて夜が訪れ、辺りは家の明かりと家族の賑う談笑の声ばかりが響く。

「ねぇねぇお兄ちゃん！今日の晩御飯何かなぁ♪」

「そ〜だな〜・・・・・ﾌﾟﾙは何が良い？」

「お兄ちゃんが作るのだったらなんでもいい〜♪」

「それが一番困るんだけどなぁ・・・」

「えへへぇ♪」
と、こんな会話をしながら自宅への帰路に付く二人であった。
そして、あっという間に二人は家に到着した。
家の門をくぐって、重いドアをプルがﾆｺﾆｺしながら開ける。
そう、彼らはお金持ちの家に生まれた御曹司と御令嬢なのだ。
なぜ、人間の男と魔物が兄妹なのか？
良い質問だ。
答えは簡単、二人は腹違いの兄妹であるのだから。

「ただいま〜♪」

「父さん？母さん？」
ﾆｺﾆｺしながら扉を開けたﾌﾟﾙは、ﾉﾛﾉﾛとした緩慢な動きで家に入って行く。
それを通り過ぎるように入って行ったｶﾞｽﾄは、父親と母親を探して奥に進む。

「・・・・あっ・・・」

「ん？父さん？・・・とｸﾚﾅさん・・」
奥に進んでいくと、父がｽﾗｲﾑに押し倒されているのが見えた。
そのｽﾗｲﾑに、ｶﾞｽﾄは見覚えがある。
多分まだ玄関口に居るであろうﾌﾟﾙ。
そのプルの母親であり自分の義母であるﾊﾞﾌﾞﾙｽﾗｲﾑのｸﾚﾅさんだ。
そう思った時には既に遅く、ｸﾚﾅの放つ淫猥な匂いに充てられてだんだんとｶﾞｽﾄの意識がぼんやりしてくる。
ﾊﾞﾌﾞﾙｽﾗｲﾑの体臭は、そのまま媚薬を強くした感じのソレに良く似ているらしい。

「えぇと・・・・ｶﾞｽﾄ君・・？アタシ達、しょっちゅうこう言う事してる訳じゃ・・」

「そ・・そうだぞ？俺は皆を愛して・・」
だが、その先をｶﾞｽﾄは聞こうともしなかった。
家の当主とその妻がこんな廊下の一端で子作りに励む姿など、子供側からすれば迷惑千万である。
すぐに淫気の籠った匂いを振り払ったｶﾞｽﾄは、大声で二人を怒鳴り散らして仕事へ戻らせていく。
こう言う時に限っては、こんな父親の息子である事に救われた気がしたとｶﾞｽﾄは自分の胸を撫で下ろして気持ちを落ち着かせていた。

「全く・・・父さんは・・・」

「あの人も、昔はもっと仕事人だったのに・・」
ため息をついてその場から立ち去ろうとしたｶﾞｽﾄの背後から、気配も見せず腕を回して包み込んできた１人の女性。
その女性に、ｶﾞｽﾄは見覚えがある。
と言うより、見違えない筈がない。
自分の母親なのだから。

「母さんからもﾄﾞｶｯと言ってやってよ。」

「そうは言っても・・・ねぇ・・」
指を頬に立てて真剣そうなのか遊び半分なのか分からないような仕草で悩む母親は、いつもメイド姿だ。
何を隠そう、ｶﾞｽﾄの母親「ｳｨﾝ」は、この屋敷でメイドをしているのだから。

「それより、あんまり人のいる所で母さんって呼んじゃダメよ？」

「なんで！僕の母さんは貴女だけなのに！」
そう、この二人の言動からも分かるように、ここの人間関係は複雑なのである。
そんな状態にしてくれた父親に、時には怒るｶﾞｽﾄだがいつもﾌﾟﾙやｸﾚﾅのほんわかとした雰囲気に気押されて怒りが何処かへ飛んで行ってしまう毎日なのだ。

「さぁ、妹ちゃんがお待ちかねよ？」

「うん・・・・母さん、また後で。」
そう言い残して、ｶﾞｽﾄはﾌﾟﾙの元へ歩いて行った。
その時のｳｨﾝの表情が暗くなっている事に、本人ですら気付かなかっただろう。

―――――――――――――

「お兄ちゃん♪」
夜になってﾃﾞｨﾅｰを終えたｶﾞｽﾄは、そのまま自分の部屋に戻ろうと歩いていた。
すると向こう側から、(いつものことながら)一糸纏わずｾﾞﾘｰ状の物質のみで服を構成しているﾌﾟﾙがゆっくりだがどこか急いだ様子でにじり寄って来た。
その服装は、自在に変えられる訳なのだが今回は一味違っている様子。
母親を真似たのか、ﾃﾞｨﾅｰの時にｸﾚﾅの着ていた服に酷似している。
特徴などもそのままだ。

「ん？プル、どうした？」

「あのねあのね？！ﾌﾟﾙ・・・・・・・お兄ちゃんと一緒に居たかったの!!」
そう言ったﾌﾟﾙは、要件を言い終える前にｶﾞｽﾄに抱きついていた。
彼女の持つﾊﾞﾌﾞﾙｽﾗｲﾑ特有の匂いが鼻を刺激して意識を甘い混濁の中へゆっくり引きこもうとして来る。
唐突に抱きつかれたりした物だから、ｶﾞｽﾄはその匂いを一気に吸ってしまう。
次の瞬間には、眼がﾄﾛﾝとして自制の効かないｶﾞｽﾄがそこに立っている。

「ふぁぁ・・・」

「わぁい♪やっぱりお母さんの言った通りだ〜♪」
その言葉で、この奇行がｸﾚﾅの入れ知恵であると理解したｶﾞｽﾄだったが、それを頭に入れる前にその思考は薄れて消えて行く。
笑顔のまま抱きついているﾌﾟﾙに連れられ、ｶﾞｽﾄはﾌﾟﾙの部屋へと連れて行かれた。

「お兄ちゃん・・・お兄ちゃん・・・ｳﾌﾌｯ♪」

「プル・・・」
麻痺する意識の中で、ガストはプルを呼ぶが、その声も掠れて彼女まで届く事はない。
ほんわかする気持ちを抑えることも出来ず、ガストは我慢するので精一杯である。
プルが構って欲しそうにすり寄る度にガストのペニスはこれでもかと言うほどにｽﾞﾎﾞﾝを押し上げて行く。

「・・・っ？！」
ぼやけた視界の隅で、プルが何かをしていると感づいたガストは自分の腰に目を落とす。
そこでは、いつのまに姿勢を変えたのかプルがズボンをずらしてガストの肉棒を穴が開きそうな程見つめていた。
その眼には、知らない物をミルという好奇心と、これを味わってみたいと言う壊滅的な本能とが込められている。

「お兄ちゃん！・・・んむっ・・・」

「うっ・・・」
肉棒を銜えられ、そのあまりの快楽に身を震わせるガスト。
もう手慣れているのか、慣れた手つきでペニスを順調に舐め進めるプル。
そう、この二人、実はこれが初めての性交ではないのだ。
以前に何度もこう言う事はした事がある。
一番最初は、親の真似をしたがったプルの一言から始まって行く。

「おにいちゃん・・・・おいひっ♪」

「うぐぐ・・・」
順調にガストを絶頂へ導いて行くプルは、ガストのペニスから滴っている先走りを真っ先に体に吸収して行く。
すべて吸収し終えた頃には、プルの口の中は締まりが強くなってますます多くの先走りが出ている。
しかし、そのループも長くは続かない。
そろそろガストにも限界が訪れたのだ。

「プル・・・・出るっ！？」

「んっ・・・・おいしぃよ♪」
ガストの肉棒をしゃぶっていたプルは、そのまま限界を迎えたガストの精液を全て飲み込んだ。
と言っても、飲み込んだ所で精液は彼女の体が吸収して無くなっていく。
全て吸収し終えた頃にはガストも疲労から回復していた。

「はぁ・・・はぁ・・・プル・・・もぅ・・」

「ダメだよ〜♪こっちもシよ〜よ！」
そう言って、プルは自らの秘部を手で拡げてガストに見せつける。
だが、スライムなのだから当然、人間の様な膣がある訳でも無し。
どうせ、また父親の部屋からえっちぃ本でも盗ってきて読んだ知恵なのだろう。

「もぅ・・・む・・・んむっ・・」

「えっへへ〜♪ちゅーしながら・・・入れちゃうよ〜・・・んぁっ！」
自分の体力の限界を悟ったガストは、プルにそれを伝えようとしたが、それをプルはキスで口を塞いで黙らせてしまう。
そして、間髪いれずに彼女のスライム状の膣がガストの肉棒を包み込む。
膣内に入って来た肉棒は、まるで自分の領土を広げるかのようにプルの膣を押し広げて奥へ前進して行った。

「ぐぁ・・・・いつもより・・・・キツ・・」

「はぁぁぁ♪おにいちゃぁぁぁぁぁん！」
いつの間にか騎乗位の体勢になっていた二人は、そのままプルが倒れてきて抱きつく形となった。
それでも、プルは楽しそうに腰を振り続けている。
その度にじゅぷじゅぷと水の弾けるような音が木霊して響く。

「ほぉら、おにいちゃん・・・・のんれ・・・」

「んっ・・・・」
プルが、自分の肉体を少しだけ蕩けさせながらガストに顔を近づけて行く。
それに答えるように、ガストは濃厚なキスを再び彼女と交わす。
その時に入って来た彼女の体の一部と言っても良いような液体を、ガストは余すことなく飲み干して行く。
飲み込む度に、プルともっと繋がっていたい、もっと愛していたいという気持ちが強くなってきたガストは、いつしか自分からも腰を振り始めていた。

「んっ・・・ぐっ・・・プル・・・」

「ひあぁぁぁぁぁっ！？おにいちゃ・・・・んんっ・・・はげし・・・しゅぎるぅぅぅ・・」
最初のような穏やかな性交が嘘の様な程に激しく交わり合う二人。
その表情は、お互いの事が好きで好きでたまらないと思って止まないように見えた。
水の弾ける音も時間を追うごとに増して行き、今ではもう一つの音楽の様に聞こえてくる。

「プル・・・ﾌﾟﾙ・・・・出る・・・」

「らしてぇぇ！ぜんぶ・・・・ぜんぶのむかりゃぁぁぁぁぁぁ・・・」
少し腰の振りが弱くなってきたガストは、プルに自分の限界が来た事を伝える。
それはプルも同じようで、ﾏﾄﾓに呂律が回っていない。
膣の締まりも、ﾊﾞﾌﾞﾙｽﾗｲﾑにしては強い締まりでｶﾞｽﾄの肉棒を拘束して外に出そうとしない。
そして、ガストの限界はあっという間に訪れた。

「うぁっ・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！？」

「ひゃぅわぁぁぁぁぁぁ！れてるっ・・・れてるよぉぉぉぉぉ！！」
いつの間にか対面座位の体勢になっていたガストは、そのままプルの膣奥へと精液をありったけ吐きだして行く。
プルの膣内で締め付けられているにも関わらず、それでも尚暴れ狂いながら精液を吐きだすペニスに、プルは狂いそうな程の快楽を貪っていた。
そして、全てを流し終わった頃にはお互いに疲労困憊である。

「はぁ・・・はぁ・・・」

「はぁ・・・・はぁ・・・ｱﾊｯ♪そろそろ出来ちゃうね♪」
プルのその言葉に、ガストは驚きの表情しか出来なくなってしまう。
どうやらガストの精液を日々吸収していた彼女も、そろそろスライム特有の「分裂」という方式で子供を、つまりはガストとプルの子供が出来てしまいそうなそうだ。

「プル・・・・それは・・・なにかｎ・・」

「お兄ちゃんとの子供、大事に育てようね♪」
今此処に、実の兄妹という肩書きが最愛の夫婦にすり替わった。

fin