恋と愛の狂想曲
ここはとある戦場キャンプ。この俺、「チップ・セイリス」は現在、医療班で魔物の戦士や人間の戦士達を癒して回っている訳だが・・・
「・・・・」
このマーメイド(名前は「ウミ」と言うらしい。さっき聞いた。)は俺から離れようとしない。
この少女、どうやら怖がりと言うか内気と言うか、とにかく俺に頼りきりなのである。
「あの・・さ、ウミ?」
「・・・・なぁに?」
この通り、内気なのか無口なのか口数が少ない。
良く見れば身体も震えている。
まぁ、それは仕方の無い事だ。
なにしろ、今回の戦争相手はポセイドン。要は海の神様だ。
マーメイドであるウミにとっては生みの親の様な存在である。
それに牙を向けるのだから、彼女は怖がって震えているのだろう。
「――以上が、今回の殲滅作戦の概容だ。1分で頭に捻じ込め。」
『了解』
何人もの隊士が集まって作戦のブリーフィング中。
俺もこのブリーフィングには出席している。
一応、衛生兵の副リーダーを務めているので、俺も出なければいけなかったのだ。
こうなる少し前、ウミは自分の覚悟を決める為なのか一人にしてほしいと言って何処かへ行ってしまった。
特に落ち込んだ表情をしていたことからも、直ぐに彼女に何かあると言う事は読み取れた。
「それじゃ、俺は覚えたんでこれで・・」
「よしっ、皆もチップ見たいにさっさと覚えて出撃しろ!」
『は、はいっ!』
やれやれ、皆して慌てているな?
俺みたいに狡賢ければこんなに時間を食う事も無いだろうに。
要は、誰かが言った事を覚えておけばいいんだよ。
他の隊の兵士からの声を聞いても分かる。
書類うんぬんをめくっても分かる。
後で聞き忘れていたと言って知り合いに聞くのもアリだ。
そう考えると、俺は天才とも言えるのだろう。
こんなにも悪知恵が働くのだから。
――――――――――――――――――――――――――
その頃、ウミは海岸の波打ち際にいた。
一人のマーメイドと一緒に。
「――では、アナタは飽くまでもあの男と共に闘うと言うのですね?」
「そう・・・この気持ちは揺るがないわ・・・」
「ならば仕方無いでしょう。我が娘ウミよ。宮殿に入って来たのならば、貴女を敵とみなして消去します。」
「望む所・・・・だよ、お母さん・・・」
波打ち際で背中を合わせる様に話合っていたウミともう一人のマーメイド。
それはウミの母親だ。
名前は「アオ」と言う。
しかし、それよりも凄いものがあった。
彼女は、ポセイドンの親衛隊兵長。
要はエリート部隊の隊長と言う事だ。
「敵とみなして消去・・・かぁ・・・」
水に飛び込んで姿を消したアオ。
それから暫くして、身体中の力が抜けたウミは、その場に座り込んだ。
元々魔力で浮いているので、足が疲れた等は無い。
ただ単に、親の威勢に充てられただけに過ぎない。
正直言って、ウミがアオに勝てる確率は0に等しかった。
ウミもそれなりに魔力を使って戦って、それなりの戦果を上げている。
しかし、アオは全く違う。
アオの魔力は途方も無く多く、流石は親衛隊隊長を務めるだけのことはある。
「ウミ!此処にいたのか。」
「・・・・チップ・・」
「召集命令だ、行くぞ?」
暫くの間じっとしていたウミだったが、キャンプの方向からチップが走ってくるのを見つけて立ち上がった。
チップの存在を知っていたアオ。そして、自分を何故人間側へと行かせたのか分からないポセイドン。
この二人に、ウミは疑惑を覚えていた。
しかし、そんな事など知りもしないチップは、ウミの手を取って元来た方向へと走る。
その時のウミの顔が、恥ずかしさと嬉しさで赤くなっている事を、チップは全く知らなかった。
「――それで、隊長とか副隊長とかが・・・」
「・・・・・・」
「・・・なんでこうなってるんだ・・?」
ウミが驚き、チップが驚愕してる理由、それは目の前の編成にあった。
明らかに人数が少ないだけではない。
総数はざっと見積もっても10〜15人。攻め入るにしては頼りない人数だ。
それに、その半数以上はチップの見知った人物、つまりは衛生兵科の人間なのである。
一人の兵士がチップに、これからの概要を伝えていたが酷いものだった。
内容はこう。
「貴官等には、先発隊として出撃してもらう。
無駄と思った戦闘は極力回避、速やかに敵の首領であるポセイドンを打ち倒せ
尚、先刻伝えておいた時間迄に帰って来なかった場合は全員を死亡扱いとする。」
要するに特攻隊である。
相手の戦力、自軍の装備、兵の人数、士気、熟練度、その他諸々がBAD CONDITION過ぎる。
「それで、時間は・・?」
「現時刻より突撃せよとの事です。」
うわ、突撃って言っちゃったよ。
それでも、やるしかない。
ここで戸惑っていたら背中から味方の球に当たりかねない。
そして、チップはウミの手を引いて水中へ潜っていく。
因みに、彼らには「恵みの道しるべ」と言う道具が使われており、海底までを歩いて行く事が出来る道を造り出してくれている。
まぁ、外部からの侵入は水以外を許してしまう為、マーメイドやメロウ等も入りこんで襲ってくるので注意したい。
「さぁ、行こうか。」
「・・・うん。」
「はぁ・・・・隊長と副隊長、ラブラブだなぁ・・・」
「―――魔力源接近、数は・・・・39?!」
手を繋いで「恵みの(ry」に入ったチップとウミは、どんどん潜行していく。
その後ろを追いかける形で兵士たちは追いかけてくる。
しかし、途中まで潜行していると一人の兵士が策敵魔法に引っ掛かった魔物が居る事を報告した。
その数に誰もが戦意を喪失しそうになるが、チップは剣を構え、ウミは魔力の鞭と銃を造り出した事で士気がほんの少し高まって行く。
そして、敵は姿を現す。
「へぇ・・・・男と女の混成部隊・・・・あらぁ、ウミちゃんじゃん。どうしたのかしら?惨めに戻ってきたって訳〜?」
「おっ?!ウミか。久し振り。だけど今は敵なんだよね。私たち。」
「ウミお姉ちゃん・・・・ごめんね!」
「っ?!」
「ウミ・・・貴様だけは・・・ポセイドンの加護を受けた貴様だけは〜っ?!」
次々と路の中に入って来たマーメイド達。
その中には、数人程ウミの知り合いも居た。
昔、アカデミーでウミをいじめていた集団の一人。
同じアカデミーで一つ上の先輩だった者。
よく一緒に遊んでいた歳の近いマーメイドの少女。
昔よく遊んでもらっていた近所のお姉さん。
ウミのことを忌み嫌っている修行仲間。
「・・・・・ごめんなさい・・」
「なっ?!」
「きゃぁっ?!」
迫るマーメイド達を余所に、ウミは一言謝って両手を振りおろす。
すると、衝撃波が数人のマーメイドにHITして撃ち落とした。しかし・・
「ふふっ、一緒に気持ち良くなろうねぇ♪」
「これから一緒に生きてくんだ。私を愛してくれよ?」
「その・・・・愛しています!」
その全てを落とすなど敵う筈も無く、次々と兵士がマーメイドやメロウ、スキュラと言った軍勢に屈していっている。
多くが撃退することも出来ずに攫われたりその場で交わり始めたりしている。
その所為か、ウミは力を溜める事に集中できていない。
「ウミ〜〜〜〜っ!!」
「かはっ・・・・」
「このっ!離せ・・(ガンッ)・・・・」
先程怒鳴っていたマーメイドが、ウミに突撃を仕掛ける。
すぐ隣で交わり始めたマーメイドに気を取られていたウミは、突撃を無防備にも受けてしまう。
そして、薄れ行く意識の中で突撃して来たマーメイド(名前はブルーと言う)がチップを攫って行くのを見送りながら、ウミは意識を失った。
―――――――――――――――――――――
それから数時間後、チップはとある一室で眼を覚ました。
「んっ・・・・・なに・・・っ?!」
「んぶっ・・じゅるっ・・・プハッ!起きたか。まぁいい。このまま果てろ。んぶっ・・ちゅるる・・」
眼を覚ましたチップは、目の前の光景を疑った。
そこは海底とは思えないほど明るい場所。
その天井の下にチップはいる。
あの時、ウミに突撃したブルーと一緒に。
「うあぁぁ・・・・」
「んんっ?・・プハッ・・・・出せ・・・そのまま出して・・ハァ・・ハァ・・・果ててしまえ・・んむっ・・ちゅるる・・」
自分の元気に勃起している肉棒を銜えられて、口で弄ばれているチップは我慢するだけで精一杯だった。
しかし、その我慢を押し切るかのようにブルーは口で扱くのを激しくし始める。
それでもなんとか我慢していたチップだが、刻々と射精感は近づいてきている。
少しでも気を抜いてしまえば、ブルーの口の中に大量の精子を流し込んでしまいそうだった。
だが・・
「プハッ・・・・今度はこっちだ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・・なっ?!」
「ほぉら、私の膣に、貴様の肉棒が入っていく・・・んっ・・」
「や・・・やめろ・・・・やめてk・・うあぁぁぁ・・・」
いきなり口を離したかと思うと、ブルーはチップの肉棒を自分の秘部に持って来た。
女性にしかない小さなその膣は、今にもチップの逸物を飲みこもうとヒクついている。
今まで彼女どころか性交すら行った事の無いチップにとっては、これが初めて。
童貞卒業である。
しかし、チップの肉棒を入れようとしているブルーの表情は何処となく引きつっていた。
まさかとは思ったチップだが、それを忘れさせる程の快楽がチップを襲った。
「はぁ・・はぁ・・・入った・・ぞ・・」
「うあぁぁ・・・・キツく締まって・・・くあぁ・・」
ブルーがチップの肉棒を挿し入れると、身体を上下にゆっくり揺らしてチップに快楽を送る。
その腰遣いは、チップが快楽に顔を歪めるには十二分。
ブルーもその快楽を味わっている。
そして、二人の繋がりの間からは水の弾けるような嫌らしい音が聞こえ続けている。
「はぁ・・はぁ・・・んぅっ!」
「うあぁぁぁ・・・こんな・・・・」
「ふふ・・・・ウミがこんな姿見たらどうなるかしら・・・」
「はうぁっ!あ・・・貴女は・・・うあぁあぁぁあっ!!」
ドクンッ・・・ビュルルルルルル・・ビュルルル・・・ビュルルルルルルル・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・
悦びながら腰を振っていたブルーの後ろに、一人のマーメイドが現れた。
何処となくウミに似た雰囲気を持つこの女性は、チップとブルーのSEXを面白そうに見詰めている。
そんな視線など気にせず腰を振っているブルーは、尚もチップの逸物と化したモノを膣全体で扱く。
その快楽に耐えられなくなったチップは、現れたマーメイドの一言にドキッとしてしまって、ブルーの膣内に精液を吐きだした。
濃い精液が、ブルーの膣内を殆んど無視して子宮に流し込まれる。
流し込まれる快楽でブルーもイッたようで、膣を強く締め付けて顔を顰め、身体をブルブルと震わせながらチップに抱きついている。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「ひあぁぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「エクスタシー・キャンセラー・・・・」
「へぅあっ?!」
絶頂の余韻に浸っていた二人だったが、後ろのマーメイドが指をブルーに這わせて擽ると何かを呟く。
すると、ぐったりしていたブルーは起き上がって再びチップの萎えかけた肉棒を膣で締めつけた。
しかも、先程までしていたよりもはるかに気持ちが良い。
「私の・・名前はっ・・・・ブルー・・・貴様の・・・嫁に・・・なるっ・・・女だっ!!」
「うあぁぁぁっ!そ・・・そんなに・・・キツく・・・・はぁぁああぁあ!」
「ふふっ・・・・私はアオ・・・・ホントはこぉんな事してる場合じゃないんだけどね。」
「ふぇ?」
ドォォォォン!!
気持ち良さで気が狂いそうになりながらも、ブルーはチップに抱きつきながら自己紹介をした。
しかし、チップは名前以外の所は殆んど聞いていない。
膣を奥まで突く度、そして抜きそうな位置から一気に奥を突く度に頭に電撃が走るような感じがして、とても思考を保てない。
ビリビリと電流が走る感覚に犯されながら、ブルーの膣を蹂躙することしか考えられないチップは、アオが言った事に少しだけ気を向ける。
するとその時、外から大きな爆発音が聞こえてくるのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――
その頃、ウミは海底へと到達。チップを捜索しながら敵を倒して回っていた。
「・・・・・・」
チップを探すウミの目には、少しの涙が浮かんでいる気がした。
しかし、海の中なのでもちろん、涙は直ぐに水と同化する。
すいすいと泳ぎなれた場所を辿って行くウミ。
しかし、その進みは唐突に止まる。
「あぁ、もう!なんで戦争がしたいんだか!人間たちはぁっ!」
そこにいたのは、この辺りの海を仕切っている海神・ポセイドンのマナだった。
しかし、ウミには気付いていないようだ。
仕事を優先すれば、彼女を倒すべきなのだろうが、今はそれどころではない。
その場を直ぐに立ち去って、再びチップを探し始めた。
「チップ・・・・・・っ?!」
「ウミ・・・・やっぱり来たのね・・・取り戻しに・・」
チップの事を想いながら捜索を続けていたウミだったが、暫く進むと一人のマーメイドと遭遇した。
その姿は、ウミのよく知る、そして相手からしてもウミをよく知る人物だ。
地上で強い戦果を上げている若将軍「ウミ」
海底でその圧倒的な力を持て余している幹部官「アオ」
この親子が、いまこの場所で火花を散らす。
「お母さん・・・・退いて・・」
「ウミ・・・・やっぱりあの男の事が・・?」
少し重さを効かせた声で、ウミはアオを睨みつけた。
その威嚇で、やっぱり自分の娘に睨まれるのは良い物では無いのだろう、アオは少し苦い顔をしている。
「でも・・・アナタの希望も、耳をすませるだけで崩れるわ。」
「何を・・・っ?!」
「――気持ち良い・・・ブルー・・・――」
「っ?!?」
その場にただ佇んで、動こうとしないアオは、やけに自信満々だった。
それが嫌に挑発的に見て取ったウミだが、アオの言った通りに耳を傾けると、とんでもない声が聞こえてきたのだ。
聞き覚えのある男の声。
しかし、その声はどこか狼狽した感じに聞こえる。
それに、嫌らしい音も響いてくる。
そして聞こえる、元修行仲間の嬌声。
それは、ウミの心を惑わせるには十分すぎるものだった。
「そ・・・そんな・・・チップ・・・・・」
「フフ・・・・これで、戦意喪失って事d――」
「あぁぁぁぁあぁっ!?!」
「っ?!」
チップとブルーの嬌声を聞いていたウミだったが、チップが寝取られ同然の事になってしまった事に絶望して崩れ落ちてしまった。
これで勝利を確信したと思ったアオは、優しい母親の顔に戻ってウミを抱擁してあげようと近づく。
しかし、そこで異変は起こる。
唸り声を上げたウミは、そのまま壁に衝撃波をぶち当て始めた。
海底の水圧に耐えるだけの強度を誇るマーメイド達の住居だが、それでも尚、ヒビが入って行く。
「やめなさいっ!ウミっ!」
「チップ!チップ!チップ!チップ!チップ!チップ!」
「落ち着きなさい!」
止めさせようとウミの手を取ったアオは、その様子の異変に気がついた。
いつもは内気で、消極的なウミが積極的になった事、それはチップに対する恋心だったのだろう。
それが、絶望と共に崩れ落ち、嫉妬や怒り等の混沌とした心を生み出してしまう。
それは、彼女の中の何かが音を立てて崩れ落ちた事を示していた。
「邪魔しないでよっ!・・・邪魔するんなら、誰だろうと殺しちゃうよ・・?」
「ウミ!しっかりなさい!私がわかr――」
「お母さんも殺しちゃうよ・・?」
「っ?!?」
ようやく攻撃の手を止めたウミだったが、今度は怒りの対象を攻撃を邪魔したアオへと変えた。
多分、ウミは相手が母親であると言う事すら忘れているんだろう。
その瞳には、光や希望の類が一切見られなかった。
「いいでしょう・・・・かかってきなさい!」
「フフフッ・・・・死んじゃうんだ!みんな、みんな・・」
「こ・・これはっ?!・・・ハッ!」
娘と殺し合うことを覚悟したアオは、少しウミから離れて構える。
それで完全にアオを対象へと移したウミは、魔力を集中させて巨大な薙刀を形成しようとしていた。
そのあまりの大きさに危機感を覚えたアオは、落ち着き直して魔力の中心点を一瞬で形成したピストルで貫く。
「だめだよぉ、壊したら作りなおさなきゃいけなくなるじゃない・・」
「がっ?!」
構えをそのままにしていたウミは、潰されてもまた作りなおそうとした。
今度はウミ本体を撃とうとしたアオだが、その指に一瞬の躊躇が生まれる。
その隙を突いて、ウミは一瞬でアオを拘束してしまう。
アオはすぐに拘束を破壊しようと魔力を侵食させようとしたが、魔力のパターンがランダムに入れ替わっているのか、侵食する端から打ち消されて破壊できない。
その間にも、ウミは生成を完了してしまった。
「これでぜぇんぶ消えちゃえ!」
「ウミ!やめなさいっ!」
「アハハハハハハッ・・・チップ・・今会いに行くからね・・?」
薙刀を生成させたウミは、そのまま薙刀を振り落とした。
ウミの攻撃を止めさせようとしたアオは、そのまま薙刀に潰される。
そして、その場にはウミ以外に生きる物が居なくなってしまう。
アオは何処かへ姿を消していた。
――――――――――――――――――――――――――
外の騒音を気にしながらも、ブルーはチップと交わりを続けていた。
それも、チップからブルーを求める様に腰を振り始めていたのだ。
「はっ・・はぁぁあぁん!チップ・・チップぅ!!」
「気持ち良い・・・ブルー・・ブルー・・・こんな、気持ちいいんなら・・・もっと早く会いたかった・・」
「うん・・うん!チップ!チップ・・・愛してるっ!」
「俺もだっ!ブルー!・・・出る・・・また出るぞっ?!」
「らしてっ!チップのせ〜えき、びゅっびゅってらして〜!アタシを孕ませて〜!」
ドクン・・・ドクン・・・ビュルッ・・・ビュルルルルルルル・・・ビュルルルルル・・ビュッ・・ビュッ
「はぁぁぁぁぁぁぁあぁっ!!?!きたぁぁぁぁぁぁあぁっ!?!」
何度目になるだろうか、チップはすっかりブルーを愛してしまい、またその膣内に自分の精子を吐きだす。
それは、二人が愛し合ったことを証明するように二人の顔を満足そうな表情へと変える。
互いの性器を絡ませ合い、心身ともに愛し合った二人はまたもやSEXを再開しようとしていた。
「チップ・・・・」
『ウ・・ウミ?!』
「やっぱりそ〜なんだ・・・・チップは私の事、嫌いなんだね・・?」
「そうか・・・そうなのか・・・・やっぱりお前は・・・」
「ひぅ・・?チップ・・・?」
しかし、それを邪魔するように部屋に入って来たマーメイドが居た。
それは、先程のアオではなくその娘、ウミだった。
ウミは、多分泣いているのだろう。
涙は海水が吸収してしまって見えないが、多分泣いている。
「私はアナタの事・・・・好きだったのに・・・・」
「お・・落ち付け、ウッ・・・」
「ひあぁぁぁあぁっ!!!見られながらおっきくぅぅ・・」
ウミが見て分かるほどハッキリと怒っているのを知ったチップは、落ち着かせようとした時に不意に気を散らせてしまい、肉棒が「待ってました」と言わんばかりに膨張した。
一気に膨らんだので、ブルーはその衝撃で身体中が痺れるような快楽を受ける。
そしてそのまま二人は抱き合ってしまう。
「ヤダよ・・・・チップ・・・・・・私をキライにならないで・・・・オネガイダヨ・・・・」
「はぁぁぁぁ・・・ブルー・・・ぶるぅ・・・」
「チップ・・・チップ・・・・チップぅぅぅ!!」
涙を流しているであろう(実際は海に溶けている)ウミは、その瞳で自分の好きな男性が、他の女性と交わって絶頂へ昇り詰めようとしているのを見るしか出来なかった。
チップとブルーは、快楽の渦に溺れているかのように二人でギュウッと抱き合っている。
何度もチップを呼ぶブルーは、身体を震えさせて貪るように快楽を飲み込んでいく。
しかし、次第に限界が近くなる二人の身体には、かなりの力が入っていく。
「ちっぷぅぅ・・・・らしてぇぇ・・・・わたしのぉ・・・ココにぃぃ・・・」
「でるっ・・・ブルー・・・・ぶるぅぅぅぅぅぅぅっ!?!?」
ビュルルルルル・・ビュルルル・・・ビュルルルルルルルルル・・・ドクンッ
「ふあぁぁぁぁぁぁぁ!?!?れてるぅ・・・ちっぷの・・・たくさんれてるぅぅぅぅっ!?!」
「はぁ・・・はぁ・・・ブルー・・・うっ・・・」
限界に達したチップは、ブルーのその膣の中に大量の精液を吐きだす。
それは、ブルーの下腹部を少し膨らませるほどに大量だった。
それほどの量の精液を吐きだしても尚、ブルーの締め付けに呻いたチップは再び膣の中へ射精していた。
ブルーの身体はすっかりチップを受け入れる形へと変わっている。
きっと、彼女も少し前までは修行うんぬんの所為でこのような快楽は味わった事が無かっただろう。
しかし、それもこれで終わった。
チップの精液を受け取ったブルーは、身体を震わせて悦びに浸っている。
それは、チップを大好きだという何よりの証拠ともなる。
「酷いよ・・・・私・・・チップの事一番に愛してるのに・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・ブルー・・・大好きだ・・」
「っ?!」
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・私もぉぉ・・・チップうぅぅ・・」
入り口で二人を見ていたウミだったが、チップとブルーの二人が言った言葉で自我を失った。
それは、自分が捨てられたと同じ言葉。
それは、相手が裏切ったのと同じ言葉。
それは、互いが離れて行くと同じ言葉。
「大好きだ」この言葉を、自分では無く違う者に言っている。
それを聞いて、ブルーは快く受け入れて互いの唇を絡ませる。
二人の行動、言語、声、視線、そのどれもが、ウミの精神を破壊し切ってしまった。
「ふふっ・・・あははは・・・・・アハハハハハハハハハハハハ・・」
「それじゃ・・・抜く・・・ウミ・・?」
「はぁ・・・はぁ・・・ウミ・・・?」
性交を終えて、互いの性器を離そうとしたチップとブルーだったが、その途中でウミの大笑いが聞こえて行動を中止した。
それはブルーも同じで、ウミの方に気が行って快楽が少し和らいで行く。
しかし、そんな短くて小さな快楽でも、ブルーは快楽で喘いでしまう。
それを聞いたウミは、尋常では無い速度で二人に迫る。
そして、その鬼の形相を垣間見たブルーとチップは、一瞬にして意識が消えた。
「・・・サヨナラ、ダイスキ「だった」ヒト・・・」
―――――――――――――――――
今日もこの海底では、マーメイド達が夫と共に愛を育んでいた。
そんなみんなへ送る、ポセイドンの少女が監修するニュース放送。
これからその時間が始まる。
『あ〜、あ〜っ。テステス・・・』
呑気にマイクのテストをしているポセイドンは、マイクがきちんと動いていると知ると、一度咳き込んでニュースを話し始めた。
内容は「今日のトレンド」から「事件続報」などなど様々な物がある。
その中で、気になる話が一つあった。
『先日の未明、一件の家屋から死体が二つ上がったよ。一つはマーメイドの物、もう一つは男性の物だそうな。二人は不可解な死を遂げていてね?マーメイドの方は顔面をグチャグチャに潰されて腹部解剖、中身をほじくり出してあったらしいよ?それと、男の方は首から上が無くなってたんだよ。気持ち悪いよねぇ。そう言えば、この二人って、Hしてる状態で見つかったんだよね。だから、もしかするとこのマーメイドの隙を狙って殺しに掛かった誰かなのかもしれない。まぁ、最重要なのはこの犯人が、「まだ捕まっていない」っていう事だからね。皆も気をつけてね〜♪』
このニュースは、この辺りの海底全域に流された。
「♪♪〜」
「ねぇ・・・陸ってどっちだったっけ・・・」
「ふぇ?おねえちゃん、陸に行くの?」
「うん・・・ちょっとね。」
「ふぅん・・・陸ならこっちからまっすぐ・・・・おっきいカバン・・・」
「これにはね?「大切だったモノ」が入ってるの。だから触っちゃだめだよ?」
「はぁい♪それじゃ、気をつけてね~♪」
一人のマーメイドが、陸を目指して進んでいた。
その顔には、生気の類が消え去っている表情がある。
彼女のカバンは、丁度大人の男性の頭がスッポリ入りそうな形をしている。
そして、それは今も重量感を醸し出すように袋を引っ張っていた。
「今日で海から出られるよ?チップ♪」
彼女がそう言って取り出した「だいじなもの」
それは、かつて「チップ」と呼ばれていた男の生首だった。
顔は血が無くなって青ざめて、長い間放置していては魚が集ってきそうだ。
それを再び袋に詰めた彼女は、陸の方へ進んでいった。
FIN
「・・・・」
このマーメイド(名前は「ウミ」と言うらしい。さっき聞いた。)は俺から離れようとしない。
この少女、どうやら怖がりと言うか内気と言うか、とにかく俺に頼りきりなのである。
「あの・・さ、ウミ?」
「・・・・なぁに?」
この通り、内気なのか無口なのか口数が少ない。
良く見れば身体も震えている。
まぁ、それは仕方の無い事だ。
なにしろ、今回の戦争相手はポセイドン。要は海の神様だ。
マーメイドであるウミにとっては生みの親の様な存在である。
それに牙を向けるのだから、彼女は怖がって震えているのだろう。
「――以上が、今回の殲滅作戦の概容だ。1分で頭に捻じ込め。」
『了解』
何人もの隊士が集まって作戦のブリーフィング中。
俺もこのブリーフィングには出席している。
一応、衛生兵の副リーダーを務めているので、俺も出なければいけなかったのだ。
こうなる少し前、ウミは自分の覚悟を決める為なのか一人にしてほしいと言って何処かへ行ってしまった。
特に落ち込んだ表情をしていたことからも、直ぐに彼女に何かあると言う事は読み取れた。
「それじゃ、俺は覚えたんでこれで・・」
「よしっ、皆もチップ見たいにさっさと覚えて出撃しろ!」
『は、はいっ!』
やれやれ、皆して慌てているな?
俺みたいに狡賢ければこんなに時間を食う事も無いだろうに。
要は、誰かが言った事を覚えておけばいいんだよ。
他の隊の兵士からの声を聞いても分かる。
書類うんぬんをめくっても分かる。
後で聞き忘れていたと言って知り合いに聞くのもアリだ。
そう考えると、俺は天才とも言えるのだろう。
こんなにも悪知恵が働くのだから。
――――――――――――――――――――――――――
その頃、ウミは海岸の波打ち際にいた。
一人のマーメイドと一緒に。
「――では、アナタは飽くまでもあの男と共に闘うと言うのですね?」
「そう・・・この気持ちは揺るがないわ・・・」
「ならば仕方無いでしょう。我が娘ウミよ。宮殿に入って来たのならば、貴女を敵とみなして消去します。」
「望む所・・・・だよ、お母さん・・・」
波打ち際で背中を合わせる様に話合っていたウミともう一人のマーメイド。
それはウミの母親だ。
名前は「アオ」と言う。
しかし、それよりも凄いものがあった。
彼女は、ポセイドンの親衛隊兵長。
要はエリート部隊の隊長と言う事だ。
「敵とみなして消去・・・かぁ・・・」
水に飛び込んで姿を消したアオ。
それから暫くして、身体中の力が抜けたウミは、その場に座り込んだ。
元々魔力で浮いているので、足が疲れた等は無い。
ただ単に、親の威勢に充てられただけに過ぎない。
正直言って、ウミがアオに勝てる確率は0に等しかった。
ウミもそれなりに魔力を使って戦って、それなりの戦果を上げている。
しかし、アオは全く違う。
アオの魔力は途方も無く多く、流石は親衛隊隊長を務めるだけのことはある。
「ウミ!此処にいたのか。」
「・・・・チップ・・」
「召集命令だ、行くぞ?」
暫くの間じっとしていたウミだったが、キャンプの方向からチップが走ってくるのを見つけて立ち上がった。
チップの存在を知っていたアオ。そして、自分を何故人間側へと行かせたのか分からないポセイドン。
この二人に、ウミは疑惑を覚えていた。
しかし、そんな事など知りもしないチップは、ウミの手を取って元来た方向へと走る。
その時のウミの顔が、恥ずかしさと嬉しさで赤くなっている事を、チップは全く知らなかった。
「――それで、隊長とか副隊長とかが・・・」
「・・・・・・」
「・・・なんでこうなってるんだ・・?」
ウミが驚き、チップが驚愕してる理由、それは目の前の編成にあった。
明らかに人数が少ないだけではない。
総数はざっと見積もっても10〜15人。攻め入るにしては頼りない人数だ。
それに、その半数以上はチップの見知った人物、つまりは衛生兵科の人間なのである。
一人の兵士がチップに、これからの概要を伝えていたが酷いものだった。
内容はこう。
「貴官等には、先発隊として出撃してもらう。
無駄と思った戦闘は極力回避、速やかに敵の首領であるポセイドンを打ち倒せ
尚、先刻伝えておいた時間迄に帰って来なかった場合は全員を死亡扱いとする。」
要するに特攻隊である。
相手の戦力、自軍の装備、兵の人数、士気、熟練度、その他諸々がBAD CONDITION過ぎる。
「それで、時間は・・?」
「現時刻より突撃せよとの事です。」
うわ、突撃って言っちゃったよ。
それでも、やるしかない。
ここで戸惑っていたら背中から味方の球に当たりかねない。
そして、チップはウミの手を引いて水中へ潜っていく。
因みに、彼らには「恵みの道しるべ」と言う道具が使われており、海底までを歩いて行く事が出来る道を造り出してくれている。
まぁ、外部からの侵入は水以外を許してしまう為、マーメイドやメロウ等も入りこんで襲ってくるので注意したい。
「さぁ、行こうか。」
「・・・うん。」
「はぁ・・・・隊長と副隊長、ラブラブだなぁ・・・」
「―――魔力源接近、数は・・・・39?!」
手を繋いで「恵みの(ry」に入ったチップとウミは、どんどん潜行していく。
その後ろを追いかける形で兵士たちは追いかけてくる。
しかし、途中まで潜行していると一人の兵士が策敵魔法に引っ掛かった魔物が居る事を報告した。
その数に誰もが戦意を喪失しそうになるが、チップは剣を構え、ウミは魔力の鞭と銃を造り出した事で士気がほんの少し高まって行く。
そして、敵は姿を現す。
「へぇ・・・・男と女の混成部隊・・・・あらぁ、ウミちゃんじゃん。どうしたのかしら?惨めに戻ってきたって訳〜?」
「おっ?!ウミか。久し振り。だけど今は敵なんだよね。私たち。」
「ウミお姉ちゃん・・・・ごめんね!」
「っ?!」
「ウミ・・・貴様だけは・・・ポセイドンの加護を受けた貴様だけは〜っ?!」
次々と路の中に入って来たマーメイド達。
その中には、数人程ウミの知り合いも居た。
昔、アカデミーでウミをいじめていた集団の一人。
同じアカデミーで一つ上の先輩だった者。
よく一緒に遊んでいた歳の近いマーメイドの少女。
昔よく遊んでもらっていた近所のお姉さん。
ウミのことを忌み嫌っている修行仲間。
「・・・・・ごめんなさい・・」
「なっ?!」
「きゃぁっ?!」
迫るマーメイド達を余所に、ウミは一言謝って両手を振りおろす。
すると、衝撃波が数人のマーメイドにHITして撃ち落とした。しかし・・
「ふふっ、一緒に気持ち良くなろうねぇ♪」
「これから一緒に生きてくんだ。私を愛してくれよ?」
「その・・・・愛しています!」
その全てを落とすなど敵う筈も無く、次々と兵士がマーメイドやメロウ、スキュラと言った軍勢に屈していっている。
多くが撃退することも出来ずに攫われたりその場で交わり始めたりしている。
その所為か、ウミは力を溜める事に集中できていない。
「ウミ〜〜〜〜っ!!」
「かはっ・・・・」
「このっ!離せ・・(ガンッ)・・・・」
先程怒鳴っていたマーメイドが、ウミに突撃を仕掛ける。
すぐ隣で交わり始めたマーメイドに気を取られていたウミは、突撃を無防備にも受けてしまう。
そして、薄れ行く意識の中で突撃して来たマーメイド(名前はブルーと言う)がチップを攫って行くのを見送りながら、ウミは意識を失った。
―――――――――――――――――――――
それから数時間後、チップはとある一室で眼を覚ました。
「んっ・・・・・なに・・・っ?!」
「んぶっ・・じゅるっ・・・プハッ!起きたか。まぁいい。このまま果てろ。んぶっ・・ちゅるる・・」
眼を覚ましたチップは、目の前の光景を疑った。
そこは海底とは思えないほど明るい場所。
その天井の下にチップはいる。
あの時、ウミに突撃したブルーと一緒に。
「うあぁぁ・・・・」
「んんっ?・・プハッ・・・・出せ・・・そのまま出して・・ハァ・・ハァ・・・果ててしまえ・・んむっ・・ちゅるる・・」
自分の元気に勃起している肉棒を銜えられて、口で弄ばれているチップは我慢するだけで精一杯だった。
しかし、その我慢を押し切るかのようにブルーは口で扱くのを激しくし始める。
それでもなんとか我慢していたチップだが、刻々と射精感は近づいてきている。
少しでも気を抜いてしまえば、ブルーの口の中に大量の精子を流し込んでしまいそうだった。
だが・・
「プハッ・・・・今度はこっちだ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・・なっ?!」
「ほぉら、私の膣に、貴様の肉棒が入っていく・・・んっ・・」
「や・・・やめろ・・・・やめてk・・うあぁぁぁ・・・」
いきなり口を離したかと思うと、ブルーはチップの肉棒を自分の秘部に持って来た。
女性にしかない小さなその膣は、今にもチップの逸物を飲みこもうとヒクついている。
今まで彼女どころか性交すら行った事の無いチップにとっては、これが初めて。
童貞卒業である。
しかし、チップの肉棒を入れようとしているブルーの表情は何処となく引きつっていた。
まさかとは思ったチップだが、それを忘れさせる程の快楽がチップを襲った。
「はぁ・・はぁ・・・入った・・ぞ・・」
「うあぁぁ・・・・キツく締まって・・・くあぁ・・」
ブルーがチップの肉棒を挿し入れると、身体を上下にゆっくり揺らしてチップに快楽を送る。
その腰遣いは、チップが快楽に顔を歪めるには十二分。
ブルーもその快楽を味わっている。
そして、二人の繋がりの間からは水の弾けるような嫌らしい音が聞こえ続けている。
「はぁ・・はぁ・・・んぅっ!」
「うあぁぁぁ・・・こんな・・・・」
「ふふ・・・・ウミがこんな姿見たらどうなるかしら・・・」
「はうぁっ!あ・・・貴女は・・・うあぁあぁぁあっ!!」
ドクンッ・・・ビュルルルルルル・・ビュルルル・・・ビュルルルルルルル・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・
悦びながら腰を振っていたブルーの後ろに、一人のマーメイドが現れた。
何処となくウミに似た雰囲気を持つこの女性は、チップとブルーのSEXを面白そうに見詰めている。
そんな視線など気にせず腰を振っているブルーは、尚もチップの逸物と化したモノを膣全体で扱く。
その快楽に耐えられなくなったチップは、現れたマーメイドの一言にドキッとしてしまって、ブルーの膣内に精液を吐きだした。
濃い精液が、ブルーの膣内を殆んど無視して子宮に流し込まれる。
流し込まれる快楽でブルーもイッたようで、膣を強く締め付けて顔を顰め、身体をブルブルと震わせながらチップに抱きついている。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「ひあぁぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「エクスタシー・キャンセラー・・・・」
「へぅあっ?!」
絶頂の余韻に浸っていた二人だったが、後ろのマーメイドが指をブルーに這わせて擽ると何かを呟く。
すると、ぐったりしていたブルーは起き上がって再びチップの萎えかけた肉棒を膣で締めつけた。
しかも、先程までしていたよりもはるかに気持ちが良い。
「私の・・名前はっ・・・・ブルー・・・貴様の・・・嫁に・・・なるっ・・・女だっ!!」
「うあぁぁぁっ!そ・・・そんなに・・・キツく・・・・はぁぁああぁあ!」
「ふふっ・・・・私はアオ・・・・ホントはこぉんな事してる場合じゃないんだけどね。」
「ふぇ?」
ドォォォォン!!
気持ち良さで気が狂いそうになりながらも、ブルーはチップに抱きつきながら自己紹介をした。
しかし、チップは名前以外の所は殆んど聞いていない。
膣を奥まで突く度、そして抜きそうな位置から一気に奥を突く度に頭に電撃が走るような感じがして、とても思考を保てない。
ビリビリと電流が走る感覚に犯されながら、ブルーの膣を蹂躙することしか考えられないチップは、アオが言った事に少しだけ気を向ける。
するとその時、外から大きな爆発音が聞こえてくるのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――
その頃、ウミは海底へと到達。チップを捜索しながら敵を倒して回っていた。
「・・・・・・」
チップを探すウミの目には、少しの涙が浮かんでいる気がした。
しかし、海の中なのでもちろん、涙は直ぐに水と同化する。
すいすいと泳ぎなれた場所を辿って行くウミ。
しかし、その進みは唐突に止まる。
「あぁ、もう!なんで戦争がしたいんだか!人間たちはぁっ!」
そこにいたのは、この辺りの海を仕切っている海神・ポセイドンのマナだった。
しかし、ウミには気付いていないようだ。
仕事を優先すれば、彼女を倒すべきなのだろうが、今はそれどころではない。
その場を直ぐに立ち去って、再びチップを探し始めた。
「チップ・・・・・・っ?!」
「ウミ・・・・やっぱり来たのね・・・取り戻しに・・」
チップの事を想いながら捜索を続けていたウミだったが、暫く進むと一人のマーメイドと遭遇した。
その姿は、ウミのよく知る、そして相手からしてもウミをよく知る人物だ。
地上で強い戦果を上げている若将軍「ウミ」
海底でその圧倒的な力を持て余している幹部官「アオ」
この親子が、いまこの場所で火花を散らす。
「お母さん・・・・退いて・・」
「ウミ・・・・やっぱりあの男の事が・・?」
少し重さを効かせた声で、ウミはアオを睨みつけた。
その威嚇で、やっぱり自分の娘に睨まれるのは良い物では無いのだろう、アオは少し苦い顔をしている。
「でも・・・アナタの希望も、耳をすませるだけで崩れるわ。」
「何を・・・っ?!」
「――気持ち良い・・・ブルー・・・――」
「っ?!?」
その場にただ佇んで、動こうとしないアオは、やけに自信満々だった。
それが嫌に挑発的に見て取ったウミだが、アオの言った通りに耳を傾けると、とんでもない声が聞こえてきたのだ。
聞き覚えのある男の声。
しかし、その声はどこか狼狽した感じに聞こえる。
それに、嫌らしい音も響いてくる。
そして聞こえる、元修行仲間の嬌声。
それは、ウミの心を惑わせるには十分すぎるものだった。
「そ・・・そんな・・・チップ・・・・・」
「フフ・・・・これで、戦意喪失って事d――」
「あぁぁぁぁあぁっ!?!」
「っ?!」
チップとブルーの嬌声を聞いていたウミだったが、チップが寝取られ同然の事になってしまった事に絶望して崩れ落ちてしまった。
これで勝利を確信したと思ったアオは、優しい母親の顔に戻ってウミを抱擁してあげようと近づく。
しかし、そこで異変は起こる。
唸り声を上げたウミは、そのまま壁に衝撃波をぶち当て始めた。
海底の水圧に耐えるだけの強度を誇るマーメイド達の住居だが、それでも尚、ヒビが入って行く。
「やめなさいっ!ウミっ!」
「チップ!チップ!チップ!チップ!チップ!チップ!」
「落ち着きなさい!」
止めさせようとウミの手を取ったアオは、その様子の異変に気がついた。
いつもは内気で、消極的なウミが積極的になった事、それはチップに対する恋心だったのだろう。
それが、絶望と共に崩れ落ち、嫉妬や怒り等の混沌とした心を生み出してしまう。
それは、彼女の中の何かが音を立てて崩れ落ちた事を示していた。
「邪魔しないでよっ!・・・邪魔するんなら、誰だろうと殺しちゃうよ・・?」
「ウミ!しっかりなさい!私がわかr――」
「お母さんも殺しちゃうよ・・?」
「っ?!?」
ようやく攻撃の手を止めたウミだったが、今度は怒りの対象を攻撃を邪魔したアオへと変えた。
多分、ウミは相手が母親であると言う事すら忘れているんだろう。
その瞳には、光や希望の類が一切見られなかった。
「いいでしょう・・・・かかってきなさい!」
「フフフッ・・・・死んじゃうんだ!みんな、みんな・・」
「こ・・これはっ?!・・・ハッ!」
娘と殺し合うことを覚悟したアオは、少しウミから離れて構える。
それで完全にアオを対象へと移したウミは、魔力を集中させて巨大な薙刀を形成しようとしていた。
そのあまりの大きさに危機感を覚えたアオは、落ち着き直して魔力の中心点を一瞬で形成したピストルで貫く。
「だめだよぉ、壊したら作りなおさなきゃいけなくなるじゃない・・」
「がっ?!」
構えをそのままにしていたウミは、潰されてもまた作りなおそうとした。
今度はウミ本体を撃とうとしたアオだが、その指に一瞬の躊躇が生まれる。
その隙を突いて、ウミは一瞬でアオを拘束してしまう。
アオはすぐに拘束を破壊しようと魔力を侵食させようとしたが、魔力のパターンがランダムに入れ替わっているのか、侵食する端から打ち消されて破壊できない。
その間にも、ウミは生成を完了してしまった。
「これでぜぇんぶ消えちゃえ!」
「ウミ!やめなさいっ!」
「アハハハハハハッ・・・チップ・・今会いに行くからね・・?」
薙刀を生成させたウミは、そのまま薙刀を振り落とした。
ウミの攻撃を止めさせようとしたアオは、そのまま薙刀に潰される。
そして、その場にはウミ以外に生きる物が居なくなってしまう。
アオは何処かへ姿を消していた。
――――――――――――――――――――――――――
外の騒音を気にしながらも、ブルーはチップと交わりを続けていた。
それも、チップからブルーを求める様に腰を振り始めていたのだ。
「はっ・・はぁぁあぁん!チップ・・チップぅ!!」
「気持ち良い・・・ブルー・・ブルー・・・こんな、気持ちいいんなら・・・もっと早く会いたかった・・」
「うん・・うん!チップ!チップ・・・愛してるっ!」
「俺もだっ!ブルー!・・・出る・・・また出るぞっ?!」
「らしてっ!チップのせ〜えき、びゅっびゅってらして〜!アタシを孕ませて〜!」
ドクン・・・ドクン・・・ビュルッ・・・ビュルルルルルルル・・・ビュルルルルル・・ビュッ・・ビュッ
「はぁぁぁぁぁぁぁあぁっ!!?!きたぁぁぁぁぁぁあぁっ!?!」
何度目になるだろうか、チップはすっかりブルーを愛してしまい、またその膣内に自分の精子を吐きだす。
それは、二人が愛し合ったことを証明するように二人の顔を満足そうな表情へと変える。
互いの性器を絡ませ合い、心身ともに愛し合った二人はまたもやSEXを再開しようとしていた。
「チップ・・・・」
『ウ・・ウミ?!』
「やっぱりそ〜なんだ・・・・チップは私の事、嫌いなんだね・・?」
「そうか・・・そうなのか・・・・やっぱりお前は・・・」
「ひぅ・・?チップ・・・?」
しかし、それを邪魔するように部屋に入って来たマーメイドが居た。
それは、先程のアオではなくその娘、ウミだった。
ウミは、多分泣いているのだろう。
涙は海水が吸収してしまって見えないが、多分泣いている。
「私はアナタの事・・・・好きだったのに・・・・」
「お・・落ち付け、ウッ・・・」
「ひあぁぁぁあぁっ!!!見られながらおっきくぅぅ・・」
ウミが見て分かるほどハッキリと怒っているのを知ったチップは、落ち着かせようとした時に不意に気を散らせてしまい、肉棒が「待ってました」と言わんばかりに膨張した。
一気に膨らんだので、ブルーはその衝撃で身体中が痺れるような快楽を受ける。
そしてそのまま二人は抱き合ってしまう。
「ヤダよ・・・・チップ・・・・・・私をキライにならないで・・・・オネガイダヨ・・・・」
「はぁぁぁぁ・・・ブルー・・・ぶるぅ・・・」
「チップ・・・チップ・・・・チップぅぅぅ!!」
涙を流しているであろう(実際は海に溶けている)ウミは、その瞳で自分の好きな男性が、他の女性と交わって絶頂へ昇り詰めようとしているのを見るしか出来なかった。
チップとブルーは、快楽の渦に溺れているかのように二人でギュウッと抱き合っている。
何度もチップを呼ぶブルーは、身体を震えさせて貪るように快楽を飲み込んでいく。
しかし、次第に限界が近くなる二人の身体には、かなりの力が入っていく。
「ちっぷぅぅ・・・・らしてぇぇ・・・・わたしのぉ・・・ココにぃぃ・・・」
「でるっ・・・ブルー・・・・ぶるぅぅぅぅぅぅぅっ!?!?」
ビュルルルルル・・ビュルルル・・・ビュルルルルルルルルル・・・ドクンッ
「ふあぁぁぁぁぁぁぁ!?!?れてるぅ・・・ちっぷの・・・たくさんれてるぅぅぅぅっ!?!」
「はぁ・・・はぁ・・・ブルー・・・うっ・・・」
限界に達したチップは、ブルーのその膣の中に大量の精液を吐きだす。
それは、ブルーの下腹部を少し膨らませるほどに大量だった。
それほどの量の精液を吐きだしても尚、ブルーの締め付けに呻いたチップは再び膣の中へ射精していた。
ブルーの身体はすっかりチップを受け入れる形へと変わっている。
きっと、彼女も少し前までは修行うんぬんの所為でこのような快楽は味わった事が無かっただろう。
しかし、それもこれで終わった。
チップの精液を受け取ったブルーは、身体を震わせて悦びに浸っている。
それは、チップを大好きだという何よりの証拠ともなる。
「酷いよ・・・・私・・・チップの事一番に愛してるのに・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・ブルー・・・大好きだ・・」
「っ?!」
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・私もぉぉ・・・チップうぅぅ・・」
入り口で二人を見ていたウミだったが、チップとブルーの二人が言った言葉で自我を失った。
それは、自分が捨てられたと同じ言葉。
それは、相手が裏切ったのと同じ言葉。
それは、互いが離れて行くと同じ言葉。
「大好きだ」この言葉を、自分では無く違う者に言っている。
それを聞いて、ブルーは快く受け入れて互いの唇を絡ませる。
二人の行動、言語、声、視線、そのどれもが、ウミの精神を破壊し切ってしまった。
「ふふっ・・・あははは・・・・・アハハハハハハハハハハハハ・・」
「それじゃ・・・抜く・・・ウミ・・?」
「はぁ・・・はぁ・・・ウミ・・・?」
性交を終えて、互いの性器を離そうとしたチップとブルーだったが、その途中でウミの大笑いが聞こえて行動を中止した。
それはブルーも同じで、ウミの方に気が行って快楽が少し和らいで行く。
しかし、そんな短くて小さな快楽でも、ブルーは快楽で喘いでしまう。
それを聞いたウミは、尋常では無い速度で二人に迫る。
そして、その鬼の形相を垣間見たブルーとチップは、一瞬にして意識が消えた。
「・・・サヨナラ、ダイスキ「だった」ヒト・・・」
―――――――――――――――――
今日もこの海底では、マーメイド達が夫と共に愛を育んでいた。
そんなみんなへ送る、ポセイドンの少女が監修するニュース放送。
これからその時間が始まる。
『あ〜、あ〜っ。テステス・・・』
呑気にマイクのテストをしているポセイドンは、マイクがきちんと動いていると知ると、一度咳き込んでニュースを話し始めた。
内容は「今日のトレンド」から「事件続報」などなど様々な物がある。
その中で、気になる話が一つあった。
『先日の未明、一件の家屋から死体が二つ上がったよ。一つはマーメイドの物、もう一つは男性の物だそうな。二人は不可解な死を遂げていてね?マーメイドの方は顔面をグチャグチャに潰されて腹部解剖、中身をほじくり出してあったらしいよ?それと、男の方は首から上が無くなってたんだよ。気持ち悪いよねぇ。そう言えば、この二人って、Hしてる状態で見つかったんだよね。だから、もしかするとこのマーメイドの隙を狙って殺しに掛かった誰かなのかもしれない。まぁ、最重要なのはこの犯人が、「まだ捕まっていない」っていう事だからね。皆も気をつけてね〜♪』
このニュースは、この辺りの海底全域に流された。
「♪♪〜」
「ねぇ・・・陸ってどっちだったっけ・・・」
「ふぇ?おねえちゃん、陸に行くの?」
「うん・・・ちょっとね。」
「ふぅん・・・陸ならこっちからまっすぐ・・・・おっきいカバン・・・」
「これにはね?「大切だったモノ」が入ってるの。だから触っちゃだめだよ?」
「はぁい♪それじゃ、気をつけてね~♪」
一人のマーメイドが、陸を目指して進んでいた。
その顔には、生気の類が消え去っている表情がある。
彼女のカバンは、丁度大人の男性の頭がスッポリ入りそうな形をしている。
そして、それは今も重量感を醸し出すように袋を引っ張っていた。
「今日で海から出られるよ?チップ♪」
彼女がそう言って取り出した「だいじなもの」
それは、かつて「チップ」と呼ばれていた男の生首だった。
顔は血が無くなって青ざめて、長い間放置していては魚が集ってきそうだ。
それを再び袋に詰めた彼女は、陸の方へ進んでいった。
FIN
11/06/16 19:24更新 / 兎と兎