「・・・・・」
ここはとある廃宮殿。数年前までは色々な魔物がそれぞれに淫猥の限りを尽くしていたとも言われている場所だった。しかし今は、彼女たちが新天地を見つけた事によって放棄。現在に至るまでの間は時折程度に昼間に旅人が足を休める為に来る程度だ。そこには一台の素敵な女性と悪魔を混ぜ合わせたような石像があった。まるで生きているかのように艶のある石像は、空を見つめて固まっていた。まるで誰かが来るのを待ち望んでいるかのように。

「うわぁ！雨だ雨だ・・・おっ♪こんな所に建物が・・・雨宿りさせてもらおっと♪」
夕暮れも分からないほどに雲が厚く垂れ込み、激しい雨を降らせていた最中、一人の少年が廃宮殿の中へ入って来た。見た目からして学生だろう。学生服を着ているのが何よりの証拠だった。

「・・・・」
「うわぁ、綺麗な石像だなぁ・・・うわっ！乳首まで掘られてらっ。」
廃宮殿の中に入った少年は、少しの好奇心と暇つぶししたさから宮殿の中を探検していた。遥か彼方の向こうでは夕日が山の中にすっぽりと隠れていっていた。もう数分も数えない内に夜が来る。

「それじゃ、他の部屋も探検に・・・」
「・・・・待って・・・」
「？！誰っ！」
数分ほど石像を見渡していた少年だったが、そろそろ見飽きて来たのか辺りの部屋に視線を逸らしていた。そして、その場を離れて他の部屋を見ようと思ったその時、背後から透き通るような綺麗な質の声が聞こえて来た。その声に驚いて振り向いた少年だったが、特にこれと言った変化を認めることも無かった為、視線を戻そうとしてやっと異変に気が付いた。

「ﾌﾌｯ・・・・もう・・・逃がさない・・・」
「えっ？うわっ！」
しかし気が付いた頃には既に遅く、声の主も分からないまま少年は突如上から押し倒される様にして地面に叩きつけられた。そしてそこでやっと声の主の正体が分かった。それは、先程まで石像を見ていた少年だからこそ分かるが、確実に石像の女性と瓜二つだ。それに背中から生えた悪魔の翼まで同じだった。

「ふぅん・・・ロック・ロック・・・・君の名前？」
「そ・・・そうだけど・・・(ヤバい、見た事無いくらい綺麗だ)・・」
女性がロックを押し倒した時に飛び出した学生証。そこにはロックの素姓がびっしりと書かれていた。それを拾い上げた女性は、尚もロックに跨っている。パッと見ただけでは二人が性交を行っているようにも見える。

「私はルイル。宜しく・・・・ﾁｭｯ」
「んぐぅ・・・」
ぼぅっとした表情でロックの顔に近づいて行ったルイルと名乗る女性は、そのままロックの唇に自分の唇を重ねて少し顔を綻ばせた。まるで待ち望んでいた人に出会えたかの様な表情で、そのどこにも曇りに値するものは無かった。

「んっ・・・んふっ・・・・はふっ・・・・」
「んぅ・・・んくっ・・・・んっ・・・」
ただ只管に舌を絡めあった二人は、まるで媚薬を口移しで飲み合った後のように惚けた顔をしていた。お互いに性知識に関する事に弱いとも、お互いに感じ易いとも思えた。そして、暫く舌を絡め続けた二人は、同じようなタイミングで息が上がって口を離した。

「ﾌﾟﾊｯ・・・・はぁ・・はぁ・・・もぅ・・・いいよね・・？・・此処に入れても・・・」
「ちょっ！待って！・・・はぁ・・・はぁ・・・や・・め・・」
口を放したルイルは、息も整わない内に自分の身体を少し持ち上げた。そして、自分の秘部がロックに良く見える様に位置を調節した。それを見たロックは、心では拒絶していたのに身体は言う事を聞かずにそれを見ようとして動けないでいた。結局のところ、どんな生物にも合って大概２番目に強い感情。それは『性欲』だったのだろう。

「それじゃ、ズボン脱がせるから・・・・ふぅん、私の胸見ておっきくなったの？」
「ひゃっ・・・ちがっ・・・というか・・・だめ・・ふぁあっ！」
ルイルが身体を動かしてロックの腰の真上にくるよう調節すると、ロックのズボンを一気に降ろした。学生服で少し着る手間が掛かると思っていたのだが、案外簡素な構造らしく、簡単にズボンを脱がせる事ができた。そして、嫌がるロックを余所にルイルは面白半分な考えからか、自分の秘部をロックの勃起した肉棒に擦り付けた。その途端、ロックの肉棒はﾌﾞﾙｯと震えたが、射精には至らなかったようだ。

「はぁ・・はぁ・・これ、から・・・・私たち・・・一つに・・・」
「やぁ・・・・やめて・・・・お願いだから・・・やめて・・・」
段々と泣く様な声になって来たロックを想いやることも無く、虚ろな目で腰を左右に振って刺激を与えていたルイルは、とても嬉しそうな表情をしていた。そして、暫く腰を擦っていただけだったルイルは遂に行動に出た。

「それじゃ・・ふあぁぁぁぁぁっ♪」
「ぐっ・・・うあぁぁぁぁぁぁぁっ！」
騎乗位の状態で重なり合った二人は、ついに性交へと及んだ。ルイルがﾆﾔﾘと笑って、一気に自分の腰を落としたのだ。そしてロックは、自分がルイルの膣を貫いたことで童貞を奪われた。更には余りの快楽を受け取り切れず、身体がﾌﾞﾙｯと震えて快楽を感じている事を表していた。彼女の膣はなかなかの締まり具合らしく、ロックの肉棒はその膣圧によって最高限度の快楽を与えられていた。いつ果ててルイルに射精しても可笑しくない状態だ。

「んっ・・・キモチ・・・いいよぉ・・・・あっ♪はぁっ！」
「ぐっ・・・んんっ・・・やめ・・・・出ちゃうから・・・」
「ｳﾌﾌ・・・だぁめ・・これからずっと・・ひゃぅ・・・ずうぅぅうぅ・・・っはぁ♪・・っと一緒なの・・・」
「む・・・無理・・・・もう・・・出る・・・・ホントに・・・・・でちゃうぅ・・・」
腰をロックの上で振っていたルイルは、快楽を貪る為に激しく交わっていた。その快楽がダイレクトにロックを襲い、彼の肉棒は限界まで勃起していた。これ以上していると本当に快楽で爆ぜてしまいそうだ。だが、人間の身体も其処まで脆くは無い。激しく交わってはいるが、快楽以外にロックを包む物は何もなかった。そして、ルイルにも快楽以外の目的が出来た。彼氏、基土台となる男性だ。

「出して・・・うぅ・・・膣にぃ・・・・だしてぇ♪」
「で・・・出ちゃう・・・・出るっ！！」
ﾋﾞｭﾙﾙﾙ!ﾋﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ！ﾋﾞｭｯ！ﾋﾞｭｯ!

「あはあぁぁぁぁっ♪せ〜しきたぁぁ♪」
「うあぁぁぁぁぁぁっ！」
ルイルの巧みな動きによって、射精感を促されたロックは彼女の思うがままに果てて彼女の膣に射精した。精子の量が物凄いらしく、ルイルの下腹部が少し盛り上がっている。精子が子宮に届いて留まっているのだろうか。それとも、妊娠確実な量まで射精してしまったのだろうか。どっちにしても、二人が特別な関係になった瞬間だった。

「も・・・・もうやめて・・・ルイルさ・・」
「お願い・・はぁ・・はぁ・・私の事は・・・ルイルでいい・・・んっ・・・」
ルイルの中へ分からないほど射精したロックは、快楽に苛まれながらも何とか言葉を紡いでルイルに止めさせるように言おうとした。しかし、その途中でルイルがロックの口を指で押さえて、息の苦しそうな状態で彼に伝えた。内容こそ比較的簡単な事で、「さん付けするな」と言う事なのだが、性交直後の彼女は体力を消耗していて、言葉を発するにしても疲れるほどだったのだ。

「る・・・ルイル・・・ふぁ・・・やめ・・・」
「やめない・・・あん・・・これから・・・私とずっと一緒に・・・うぅん♪・・・いるのぉ♪」
ロックが、いつまでも自分の勃起したままの逸物を包み込んでいるルイルに止めるよう伝えようとした。しかし、ルイルは膣から棒を抜き取るどころか、膣に力を込めて膣内を締め上げた。その威力にロックは屈してしまって小さく射精した。前回とは比べ物にならないほどに少量だ。しかし、射精した事に変わりは無いらしくロックの表情は快楽に包まれていた。同時にルイルの表情も快楽を貪るように気持ち良さそうな顔をしており、嫌らしい音が何度も二人を淫猥な心へと引きずり込んでいた。

「もっと・・・もっと・・んぅ・・・するのぉ・・」
「おねｇ・・・うあぁぁぁぁっ！」
「ﾌﾌﾌ・・・美味しいぃ♪」
ルイルがロックの上に乗り続けてどれくらいの時間が経っただろう。かなりの時間が経過した後でも、二人は交わる事を止めようとはしなかった。もうすっかり夜中を通り越して夜明けが近付いている。それでも尚、二人は性交を止めなかった。

「あはぁ・・・もぅ・・・・日が昇る・・・そうすれば・・・ずっと・・・んふぅ♪・・・一緒・・・はあぁっ♪」
「い・・・・いやだ・・・お願いだから・・・かえしｔ・・うあぁぁぁっ！」
ﾋﾞｭﾙ!ﾋﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙ！ﾋﾞｭｯ！ﾋﾞｭｯ!

「またでたぁ♪もうお腹いっぱいなのに♪・・・・きもちいいよぉ・・・あっ♪日が昇る・・」
「うあぁぁぁっ・・・・えっ？太陽？・・・・・」
これで何度目になるか分からないほどに射精していたロックは、再びルイルの膣に自分の精子を放った。その時、遥か向こうで日の光が昇ってくるのが見えた。すると、身体に違和感が走った。

「な・・・なにこれ・・・・」
「ｳﾌﾌﾌ・・・・言ったでしょ？いつまでも・・・一緒だって・・・・」
身体が石のように硬くなってきた事に危機感を覚えたロックは、慌てて彼女との繋がりの辺りを見た。そこには、二人の繋がった部分から急速なスピードで石になり始めている自分の身体があった。気が付けばもう身体の半分以上が石化していた。ルイルと同色だ。そして、ルイルは微かに微笑むと、ロックと共に石化してしまった。そして、朝がやってくる。今日、ここの廃宮殿の石像が形を変えた。前までは石像に女性の姿をした悪魔だったのだが、今は男性と繋がり、妖艶な表情を男性に向ける悪魔の石像となっていた。

『ウフフ・・・これからもずぅっと一緒・・・』
『な・・・なにこれ・・・・気持ち良い・・・』
石化した二人は、そのままの場所で動かなくなったのだが、意識はハッキリしておりロックは未だにルイルと交わっている感覚を味わっていた。しかも、石化してから締め付けが激しくなってきた気さえする。

『ﾌﾌﾌ・・・・もう・・・離さない・・・・』
『くっ・・・気持ち良い・・・・』
石化した身体で動けない二人は、身体を揺らす事も無くただ只管に快楽を感じて享受していた。そして、二人は快楽に身を包みこんでいった。