「せいっ！はぁ！」
此処はとある森の開けた場所。此処に一人の[リザードマン]と呼ばれる種族の女性が、剣を振って掛け声を上げていた。彼女の名前は[サクナ]。この近くに有る街[クライン]の自警団見習いだ。彼女は剣技を磨くために非番を作っては此処に来て修行をしている。その所為もあってか、彼女は見習いの中でもトップクラスの力を持っていた。

「やぁ♪またやってるのかい？」
「教官っ？！い、いえ。いつもの鍛錬は、積み重ねれば強くなれますから・・」
「ホントに君は、何処まで強くなるんだろうね。」
サクナが剣を振るっていると、茂みの向こうから男性の声が聞こえた。するとサクナは、振っていた剣を止めてそちらを向いた。そこには、案の定と言って良いほどに彼女の考えを違えない人物が立っていた。彼の名は[ガッツ]。クラインの街で自警団の教導官を務めている程の実力を持った好青年だ。年齢はサクナとそこまで変わらない。と言うより、彼はまだ大人の仲間入りを果たしたばかりだ。サクナはまだ１８でぎりぎり子供扱いされてしまう。彼は21である。

「此処最近、物騒な輩が出るらしいから、気を付けた方が良いよ？注意していても襲われるらしいからね♪」
「き、教官もお気を付けて！」
「何言ってるの？今日は君に用が有るんだよ？」
「私・・に、ですか？」
ガッツは、森の周りを一通り見回しながらサクナに注意を促した。サクナはガッツにも注意しようとしたが、ガッツはサクナの言葉を遮ると、彼女の傍まで歩み寄って彼女の剣を握った。サクナの剣は、トゥーハンドソードと呼ばれる部類の物であり、普通は両手で持たなくては重さで持てないほどに重い代物だ。それを、ガッツは片手で受け取ると、まるでナイフかの様に剣を振りまわしていた。

「き、教官っ！危険ですから止めて下さい！」
「ふぅん♪サクナの剣って、結構重いんだな。知らなかったよ。」
「き、教官・・・名前・・・」
「えっ？サクナでしょ？名前で呼んじゃ悪い？」
ガッツは、サクナの剣を振り回して重さを感じていたが、サクナに止められて渋々振り回すのを諦めた。サクナはその時、心底安心したのだがガッツがそれを知ることも無く、ただただガッツはサクナを褒めたりしていた。その時に名前で呼んでいた事が嬉しかったのか、サクナの表情は紅潮してとても人前に魅せられるような物では無かった。

「そ、それより、教官は見た所丸腰のようですけど？」
「僕？僕はこのナイフ一本で十分だよ？」
「ちょっ！そんな貧相そうなナイフ一本で野党一人倒せるかどうか・・」
ガッツの装備を見て、何もこれと言った武器も無い単なる民間人にしか見えない格好を指摘したサクナだったが、ガッツは意外にも、ポケットの中から一本の果物ナイフの様な形の綺麗に光るナイフを取り出した。そのナイフは市場に置いて[オリハルコン]と呼ばれる珍妙にして貴重な素材で作られていて、その刃は触れるもの全てを切り刻むと言われている。そんな物をなぜガッツが持っているのか、サクナは知らないのだが友人曰く「彼が生まれた時に御祝いで貰った物を受け継いだ」んだそうだ。因みに信憑性は全くない。本当にオリハルコンで出来ているかなんて話す価値も無い嘘だろう。

「うん？サクナは僕を教官として見ていないのかい？ちょっと心外だなぁ・・」
「す、すいません！けど、教官は私たちの街の大事な一人なんです!だから死んでほしくなんかないんです！」
少し勝気でいるガッツは、尚もサクナに言葉を掛ける。先程からちょっとばかり言葉に詰まるサクナも流石に観念したのかそれとも本音なのか、つい大声でガッツに怒鳴ってしまった。

「そう・・・・なのかな・・」
「そうです・・・教官は強くて優しすぎるんですよ・・・きっと・・」
「そう・・なんだろうね。サクナが言ってる事だし。」
「ちょっ！何ですかそれぇ。まるで私じゃないとそう思えないみたいな・・・・ｱｯ!」
「そうだけど？悪かったかな？ストレートに言うと、僕は好きだよ？サクナの事。」
それは唐突すぎるものだった。お互いに。よくよく考えれば、ガッツもこんな所へ好き好まずには入らないだろう。いつ魔物が出てきてもおかしくない様な森の中なのだ。武装が無ければ近づこうとすら思わない。それがガッツは、サクナの為であるかのように傍で修行を見ていた。

「これからも、見てて良いよね？サクナ？」
「き、教官がしたいならどうぞ？私は一向に構いませんから。」
「そう。それじゃ、今日からここでも僕はコーチだ。」
「はい？今何と？コーチ？教官は軍事教練所で教官を・・ﾝﾑｯ！」
突拍子もない事だったが、何故だか経過でガッツはサクナの鍛錬を見る事に相成った。そして、その次の瞬間にはサクナは鍛錬を再開しようとしていたのだが、ガッツが、此処でもコーチすると言いだして来たのでサクナは腕を止めてガッツを制した。今でこそ人数の少ない教導員の中でも人気のあるガッツだが、他にもガッツの事を好きな女性は大勢いる筈だ。それなのにサクナと一緒に鍛錬を秘密裏にやっていたとなると、サクナの方が危険に感じられたからだ。しかし、サクナの言葉は最後まで続かなかった。言葉を続けようとしたサクナの唇に、ガッツの唇が触れて来たのだ。

「･･････プハッ！きききききき、教官！？！？！」
「あれ？サクナは僕の事、嫌いだったっけ？」
「え・・えとあの・・・・好きです･･･///」
「じゃあ良いでしょ？このまま、二人で愛し合おう？誰も居ないみたいだしさ？」
「ちょっ！教か「これからはガッツって呼んでよ？」･･･ガッツ･･･んあっ･･･」
余りの素っ頓狂ぶりに、半狂乱と成りかけたサクナだったが、好きな人を目の前にそんな事にはなって居られる訳も無く、直ぐに正気を取り戻した。ガッツはガッツで、まるでサクナの事が1から10まで分かっている様な口ぶりを見せていた。しかし、実際にサクナはガッツの事が好きだ。なのでそのまま二人はもう一度熱いキスを交わした。今度は唇を塞ぐものではない。舌をお互いの口に進ませると、お互いに舌を絡ませ合っている。

「んぷっ・・・んぅ・・・ﾋﾟﾁｬｯ・・・・」
「んんっ・・・んふぅ・・・ﾋﾟﾁｬｯ・・・」
二人は、長い間キスを交わし続けている。これもまた何かの力なのか、二人とも酸欠を起こしそうな気配が見られない。そして、そのまま時間は流れて行った。

「ﾊｧｯ・・・・・サクナ・・・強くなったよ・・・君は・・・」
「ﾊｧｯ・・・教官・・・・アナタの『好き』私が貰いますね？どうぞ。」
暫く絡ませ続けていた舌を放し、お互いの体が離れる。サクナは、自分の服を脱ぎ始めた。既に半分くらいは脱いでいるに等しかった彼女は、簡素な下着を脱いで一糸纏わぬ姿と成った。ガッツもそれに合わせて服を脱いで行っている。彼の方は、教導官専用の軍服を着ていた為に少しばかり脱ぐのに時間がかかってしまった。

「・・・サクナ・・・行くよ？」
「はい・・・私の『初めて』、貰って下さい。・・・んっ！」
両者ともに一糸まとわぬ姿と成った二人は、お互いの体を重ね合った。そして、サクナが自分の股を開いてガッツに来るよう強請り、ガッツもそれに答える形で自分の既に勃起している逸物をサクナの膣にめり込ませた。

「あぁあっ！」
「大丈夫？ちょっと休もうか？」
「い、いえ・・ちょっと痛かっただけですから。続けて・・・」
体に生じた、感じた事のない痛みに悲鳴を上げたサクナだが、それによってガッツの逸物の進行がストップして少し残念そうな表情を浮かべていた。ガッツがサクナを心配して、身を乗り出してサクナの顔を見ようとするが、少しだけ見えそうになかった。なにしろ、彼女のリザードマン特有の『尻尾』が邪魔して、これ以上前へ行けなかったのだ。

「ふっ・・・・うぁ・・・・サクナ・・・気持ち・・良いかい？」
「あぁっ・・・んぅっ・・・教か・・・ガッツ・・・気持ち・・イイッ！」
お互いに腰を振り始めた二人は、初めて感じる快楽に早くも絶頂感を覚えていた。それこそ体が震えそうなほどに感じている。そして、二人の体の接合部からは「ｼﾞｭﾌﾞ･･ｼﾞｭﾌﾞ」と言う様な嫌らしい淫猥な音が奏でられている。そして、ガッツもサクナも自分の腰を振る速度が自然と上がっている事に気が付かなかった。

「あっ・・・あぁ・・・はげ・・しい・・・気持ち・・いいのぉ・・・」
「サクナ・・・ふっ・・・膣が・・・温かいよ。」
二人は、尚もお互いの腰をぶつけ合っていた。今では体位も変わっていて、後背位だったのが今では騎乗位に変わっている。サクナはリザードマンと言う種族故にこのような体制を取っているのかも知れないが、彼女に「ガッツを規律で縛り上げる」といった考えは全くなかった。

「あっ・・あぁ・・・んっ・・・あっ・・あっ・・んあっ・・あっ・・あっ・・」
「ふっ・・・んっ・・・んっ・・・サクナ・・・限界近い・・・」
激しく腰を振っていたガッツは、サクナが気持ち良過ぎて喘ぐことしかしていない事も忘れて彼女に自分の逸物を捻じ込んでいた。しかし、それももう終わりそうだ。彼の逸物は限界まで膨れ上がり、今にもその滾りをぶちまけようとしている。

「あっ・・・だ・・出して・・・精液・・出してぇ・・・」
「イクよ？サクナ・・・僕の子を・・・孕んで・・・うあぁぁぁぁっ！」
ﾄﾞｸﾝ･･･ﾋﾞｭﾙ･･･ﾋﾞｭﾙﾙﾙﾙ･･･ﾋﾞｭﾙｯ･･･ﾄﾞｸﾝ･･･ﾄﾞｸﾝ

最奥部まで何度もサクナを貫いていたガッツは、尚も彼女の子宮を犯すように腰を振っていた。それから暫くすると、ガッツの快楽に限界が訪れた。射精だ。その感覚を感じ取ったのか、サクナはガッツの腰に自分の全体重を掛けて動けなくすると、ガッツに抱き付いてガッツの体に刺激を与えた。その効果もあってか、ガッツは顔を顰めると大量の精子をサクナの膣の中を無視して直接子宮内に吐き出した。それでも入らない分の精液は、サクナの膣を通って漏れ出ている。

「はぁ・・・ガッツ・・・まだ・・・」
「サクナ・・・好きだよ。サクナ・・・・ふっ・・・」
まだ物足りないサクナは、惚けた顔でガッツを見つめながらまだ腰を振ろうとしていた。しかし、ガッツはサクナの腰を持つと、再び腰を振り始めた為にお互いに腰を振る事になった。そして、再び淫猥な音が飛び交うようになる。

「・・はぁ・・・いいっ・・・いいっ・・・いいのぉ・・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・ふっ・・・んっ・・・」
最初にプロポーズを受けてからどれくらい経っただろうか。もう辺りは暗くなり始めている。そんな中で二人は尚も交わり続けている。二人の体は、最早「水の中に入っていたの？」とでも言いたくなるほどにお互いの愛液と精液で濡れていた。二人の周りからは、愛液と精液の混ざった様な匂いがしていて、いつ魔物たちが襲って来るか分からない状況になっていた。それでも、二人は愛を交わし合うのを止めようとはしなかった。

「・・やぁっ・・・胸は・・・揉んじゃ・・・らめぇ・・・」
「ふっ・・・んっ・・・サクナの胸、大きくて柔らかい・・・ふっ・・」
「ひぅ・・・やぁ・・・やめてぇ・・・イッちゃう・・・イッちゃうからぁ・・・」
上に乗られていても、自分で腰を振ってサクナに快楽を送り続けていたガッツは、不意にサクナの胸を揉み始めた。その間もきっちり腰を振っている。その上下の快楽を同時に浴びたサクナは、為す術も無く快楽に身を任せていた。表情は満足そのものを体現したかのような惚けた顔になっていて、今にも快楽に墜ちそうになっている。

「サクナの膣････すごく･･･締まって････だ･･･出す････また出すよ･･･孕んでね。僕の子供･･･」
「うん････孕むから････ガッツの子供････作るから････出して････ふぁあぁぁぁあぁ・・・」
ﾄﾞｸﾝ････ﾋﾞｭﾙ･･･ﾋﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙﾙ･･･ﾋﾞｭﾙ･･･ﾄﾞｸﾝ･･･ﾄﾞｸﾝ････

サクナの膣の締め付けに耐えられなくなったガッツは、再び体中をどうしようもないほどの射精感が襲った。そして、サクナがガッツを抱きしめたのを合図にしてガッツは再びサクナの膣の中に大量の精液を放った。

「はぁ・・・・はぁ・・・気持ちよかったよ。サクナ・・・抜くよ？」
「いや・・・抜かないで・・・もう少し・・・このまま・・・」
射精が終わり、もう出そうに無くなったガッツはサクナとの接合を放そうとした。しかし、それをサクナは許さずに、ガッツを抱きしめていた。

「教官・・・ホントに子供出来たら、責任取って下さいよ？」
「何を言っているんだ？僕らはもう、相思相愛だろ？サクナ？それに、僕の名前はガッツと呼んでって・・」
「ガッツ、愛してる。これからもずっと一緒に居てね。」
「あぁ。勿論だとも。」

あの出来事から数年。彼らはその後晴れて入籍。その直後に妊娠していたと発覚して無事出産。リザードマンの女の子は[ユメ]と名付けられた。その思いは、ガッツを持つ架け橋になるようにと付けたらしい。

「パパァ♪」
「おぅ！おいで！ユメ！パパが抱っこしてあげような！」
「ﾌﾌｯ・・・アナタ？今日はお仕事は？」
「今日は、君たちの為に休みを取ったんだよ？君も自警団ばかりじゃ気が滅入るだろう？だから、今日は皆で遊園地に行くぞ？」
ユメの出産後、サクナは自警団での地位を上げて行き、今となってはかつてガッツが務めていた教導官をしている。そのガッツは、上層部からの命令で今は正規軍の中尉をしている。たまに戦場に駆り出されもする物の、彼はいつもサクナとユメの為に生きて帰ってきている。そんな温かな家族だ。そして、その家庭は笑いの絶えない良い家庭として世間に広まって行くのだった。