一作目 お願いメイドさま〜とろけるような熱い罠〜
時は現代 とある街の端っこに、古き良き雰囲気漂うレトロなレンタルショップがありました。
店名は「レンタルショップ456」という。店構えに違わぬ歴史を抱えた昔ながらのビデオレンタルショップである。
店に入りすぐの位置にある会計レジ受付では地味な部屋着の楽な恰好をした一人の男が本を読みながら受付対応を行っていた。
流石にレジ打ちの時は本を読むのを止めている。だって手が動かせないじゃないか。
「まいどあり… はい、返却期限はいつも通りで… 頼みますよホント」
「ごめんごめん、悪かったって…今度は期限内に返すからさ」
「気をつけてくださいよねー」
やらかしてきた客への対応もそこそこに会計を済ませてしまう。
レジが混んでいるのかと言えばそういう訳でもない。というかこんなレンタル店が混む日が来たらいよいよ世も末だ。
学生時代によく一緒に遊んでいた先輩だからこそ、こんな砕けた対応でも許してもらえているのだ。
「…なあなあ… ところでよ、シロウ」
「なんです?期間の延長だったら先に言ってもらわないとなんですけど…」
「違う違う! 後ろでお前のレジ打ち見てるメイドの子、新しく入ったバイトの子か? すんげー可愛いじゃん」
「……」
シロウと呼ばれた店主の背後、受付の奥から楽しそうにこちらを…いや、シロウを…覗いている一人の女性がいた。
メイド服姿に身を包んだ彼女は、こんな寂れたレンタルショップにはもったいないだろうってくらい美人に見えたわけで。
じっとシロウを見て動いていないのもきっと研修中だからとかそういう事に違いない。
「あんな子…というかこの店にバイトなんて今までロクに居なかったじゃねえか どうしたんだよ急に」
「商品持って帰って楽しむバカをクビにして以来バイトは一人も雇ってませんよ」
「えっ? じゃああのメイドの子は… っ?!」
客の男はその時、メイドの女性の方を見て…見てしまった。
受付カウンターの奥、陰になっていてよく見えていなかったが澄んだ金色の瞳を覆うのは白目ではなく黒い目だった。まるでマンガやアニメに出てくる悪魔のような、そんな怪しく光る目が。
それにほんの少し見られた、目が合ったと思った瞬間に背筋がぞっとするような感覚が走る。
蛇に睨まれた蛙…ちょっと違うかな… まぁそんな感じの悪寒が襲い掛かってきた訳で。
「…『モニョモン〜日陰者たちの逆襲〜』『モニョモン〜ヨウキャ爆誕〜』『モニョモン〜パリピタワーの帝君〜』」
「う、うわあぁ?! わざわざ読み上げないでくれ!? …って、アレ…?」
「こら、ダメだろココ? お客様の嫌がる事はしちゃいけません わかった?」
不可解な悪寒こそ無くなったものの、今度は借りていく映画のタイトルを読み上げられて恥ずかしさがこみ上げて来る。
一般的には子供向けに作られたアニメの映画作品、そのシリーズをイチから見て行こうと思ってここへレンタルしに来たのが客の彼であった訳で。
今日もざっと12作ほどレンタルしていく訳だが、その全てがモニョモンシリーズの映画たちで占められていた。
「はい…」
「わかればよろしい」
「んっ… ですがご主人様、これでは今日のご褒美が…」
叱られてしょんぼりしたかと思えば、今度は頭を撫でられて艶っぽい声が零れてきて、しかもご褒美とな。
もしかしてそういうご関係ですか? そう聞くのもなんだか野暮ったい気がしてしまうのは、昔から知っている者同士だからなのだろうか。
それにしても、さっきは目が合っただけだったから他の所に気が付かなかったが、改めて見るとすごい恰好のメイドさんだ。
「……」
小顔で整った可愛い系と美人系が共存した、おそらく大学生くらいの年齢であろう彼女…ココって呼ばれてたな。
背丈もたぶんシロウと同じくらいあるだろうそれを長いスカートと目立つエプロンで誤魔化している感じだろうか。
それにしたって彼女の着ているメイド服のデザインがとても刺激的だ。基本は踏まえたデザインのようだが、肩やら腰やらに入ったスリットからは彼女の顔色と同じ茄子みたいな藤色の素肌が覗いていた。
いや藤色の素肌ってなんだよ…と思いたかったけど今は多様性の時代。そんな肌の色をした所の人なのだろう。
「…おや? 『お願いメイドさま〜とろけるような熱い罠〜』 今日はこちらで致しましょうね、ご主人様」
「えっなんだこれ」
「はぁ… またやったなココお前…」
気が付けば見知らぬパッケージのケースが一つ増えていた。
水に濡れてスケスケのメイド服を身に纏ったメイドさんが妖艶にポーズをとっているケースはどう見たってそういう用途のヤツだ。
パッケージ裏のざっくりしたあらすじに切り貼りされたシーンの数々も、明らかにご主人様らしき男と裸同士のえっちなお突き合いを致しているシーンだし。
どことなくココと容姿が似ている気がするのは多分気のせいだろう。そう言う事にしておこう。
もちろんだが彼がこんな分かりやすいAVを手に取った覚えも見ようと思った事もない。
「いや俺こんなの借りてな」
「すまん先輩、有無を言わず持って帰ってくれ 返却日に他のモニョモンたちと一緒に返してくれればいいから」
「ふふふ… 今から楽しみですね、ご主人様…」
背後から抱き寄せて、愛おしそうに指をシロウの顔に這わせてうっとりした表情を浮かべるココは、心の底から嬉しそうにしていた。
振り払うでもなくその姿勢のまま、シロウは追い払うように先輩を店の外へと案内すると一瞬で店の中へと消えて行く。
その時のシロウの様子を、後に先輩はこう言って茶化す事になる。
「触手の化け物に絡めとられてエロい目に合うヒロインみたいだった」と。
その日の営業時間を終え、店内の最終確認をしていたシロウ。その顔はこれから待っている事を思い浮かべてか少し暗い。
棚に置かれているだけの日々が嫌になって逃げだした落ち着きのない商品が無くて今日も一安心だ。
「……すんすん… はぁー…」
「…ん? …コレか よし」
「んぅ… …はぅ! ダメっ…!」
検品作業に集中していたからか、微かに聞こえた呼吸のような音を聞き逃さなかった。
微かな音の原因に気付いた所で、ちょっとした事を思いついたシロウ。
別に寒い訳でもないのに冷やさないようにとココが巻いてくれた腰布を、愛でるように優しく撫で回す。
指の腹で癒してあげるようにそっと、たまに爪を立てて刺激するように、手で出来る限りの動きで腰布を撫で回していく。
隣の棚の検品を手伝ってくれていたココが急にへたりこんだので確定した。この腰布はココの身体で出来ている。
「はぁ…はぁ… あぁ…ご主人様… もうそれ以上は… いけませ…んぁっ!!」
「入口を閉めた後で良かったよまったく… 俺の為を想ってくれたんだろう?ありがとうな、ココ…」
「んっ… あ…あぁ… あぁぁぁ〜!」
ちょうどその場にへたりこんでいて撫でやすい位置にあったから、彼女の手よりも先に頭に触れて撫でていた。
ペットや子供を愛でるような、慈愛に満ちた優しい撫で方。ココにとってそれは何にも代え難いご褒美だ。
それこそ、メイド服に見えるように変異させていた自身の身体が元のドロッとした触手に戻ってしまう程に。
しかも悦に浸りとろけた表情になって、身体をビクビクと震わせてしまうくらい気持ちよさそうにしている。
足元が彼女の纏う触手が原因で水浸しになっているのは…もう今になって始まった事でもないし拭けば済むので気にしない事にした。
……本当に触手が原因だよね?
「ココ、メイドがしちゃいけない顔してるぞ? …ココ? 聞こえているか、ココ?」
「……じゅるっ! し、失礼いたしましたご主人様」
やっと我に返ってくれたのはいいが、さっきの表情は何も知らない人が見たら危険なものに思えてしまうだろう。
なにかそういう危ないオクスリでもやっていたのかなと疑いたくなるような乱れっぷりだ。
これが実際は単なる幸福感と満足感から来るエクスタシーだとは一度で信用される事は多分ない。
「申し訳ありません、ご主人様のナデナデ…愛撫が気持ちよすぎました…」
「なんで言い直した?」
「つきましてはご主人様 確認作業も終わりましたので早速参りましょう」
なにがつきましてはだと言い掛けて、シロウの唇はココからの熱いキスによって塞がれる。
それはもうじっくりねっとりと舌を絡め合い這い回るような熱いキスを…熱い…熱い!
最初こそとろけるような心地よさだったのに、急に加熱しだして舌に熱した鉄でも突っ込まれてるような熱さが襲い掛かる。
「あっつ?!」
「はぁ…はぁ… んんぅ… 失礼しました。これはまだ先のものでした」
ごくんと喉を鳴らして恍惚とした表情を浮かべながら興奮するココの口の中からチラリと覗くのは小さな炎。
え、そういう種族の方ですか?いいえ違います。彼女は別に炎を操るような種族という訳ではありません。
間違いなくあれは蝋燭の火だった。可愛らしい口元から垂れてるのが涎でなく蝋…あ、涎にすり替えた。
「ビックリした… いや待て… ココ、今日のお題はなんだった?」
「はい? 『お願いメイドさま〜とろけるような熱い罠〜』ですが」
「……なぁココ、それジャンルはなんなんだ?」
最初ココが顔見知りの先輩のカゴに後出しじゃんけんのようにAVを忍ばせたのは、このままだと今日は何もする事がないと危惧した焦りからだろう。
事実、今日はAVコーナーから出て行った作品は他にいない。
さっき覗かせた蝋燭にしたって、いつものココならこんな失態はしない。メイドとしての彼女の腕は一級品なのだから。
シロウとココの間には、ある種の決まりを設けていた。
常識の通用しないレベルで日常生活どころか性的なご奉仕もしようとしてくるココを制御する為に、シロウはある条件を提示し乗り切る事に。
「その日売れたアダルトビデオの内容でのみ、性的奉仕に付き合ってやる」
その場の思い付きではあったが、これを後悔するのにそう時間は掛からないだろうともこの時点で分かり切っていた。
とはいえ現状放置を続けていればあの得体の知れないドロドロに飲み込まれて自分の一生は無に帰すだろう。
だからといって禁止してしまえば今度はどんな手と言い訳で犯されるかわかったものじゃない。
ルールを設けていればきっと彼女は守ってくれるだろうと信じることにした訳で。
「……アダルトビデオ、ですが」
なんとも分かり易く目を逸らしながら、白状しましたよと言いたげにめちゃくちゃザックリとしたジャンル分けを披露してくれてありがとう。
それと同時になんとなく内容を察した。ココがここでジャンルを白状しないという事は、シロウ側の性格的にあまり好きではないコト。つまり…
「…調教モノか? 凌辱モノか?」
「……」
「ココ」
「…調教モノとなっております」
なにもそういうジャンルを否定したい訳じゃない。性癖なんて人それぞれだ。
いじめや暴力に屈した女優の悲鳴や嗚咽混じりの鳴き声で興奮すれば気持ちよくなれる人だっているにはいるだろう。
ただ「それを今から目の前のメイドに自分の手でやるか」と聞かれれば話は別だ。
そして最初に「AVの内容でのみ付き合ってやる」なんて言った自分を激しく後悔するタイミングでもある。
「……わかった。付き合ってやる」
「ご主人さま…!」
自分で言った以上、それを自分の好みの問題で否定してしまうのはココがあまりに可哀そう。
だからこそ、心を決めて切り替えて、彼女のリクエストに応えてあげる事にした。
「ありがとうございます… ご主人さま、大好きです!」
「俺もだよ… 道具の準備は?」
「はい! ココのココにございます!」
嬉しそうに笑う彼女は、そう言うと辛うじてスカートの体を成していた部分を持ち上げる。
所謂カーテシーのようなものなのだろうが、それと同時にスカートの中からはいくつものオモチャがゴトゴトと音を立てて落ちてきた。
なるほど調教と言うだけあって大量の道具を使うらしい。
「鞭に目隠しと縄…で猿轡と… うん、わかりやすく調教する道具なんだな」
「ええ!勿論!」
すごく喜んでいるが、ココってこんなにも調教好きな子だったっけ?
さて次は…
「オナホールに連結ビーズに…?」
うん?雲行きが怪しくなってきたな?
もしかすると、とんでもない勘違いをしていたかもしれない。
サブの〜とろけるような熱い罠〜って、もしかしてそういう事ですか?
「この細い棒みたいなのは?」
「はい! そちらは尿道のお掃除に使っておられましたね! ご奉仕の腕がなります!」
ゴクリと固唾をのむ音って、こんなにもハッキリ聞こえるものなんだね。
疑問が確信にジワジワと変わっていくのと一緒に、その場から逃げ出したくて足の震えが止まらない。
「…最後に教えてくれ。 あのAVって「ご主人様」が「メイドさま」を調教するんだよな…?」
「……はい! 序盤の展開は人間関係の説明でしたので飛ばしまして… 開始5分ほどは罵倒とともにこのように… あんっ!」
一瞬の間があったのが気にはなるが、気が付くと鞭を握っていつの間にか縄で縛られ目隠しをされたココのお尻を叩いていた。
いつの間にこうなっていたのかという驚きで手が止まるだろうと思っていたが、そうはならない。
これまたいつの間にかスカートを脱ぎ、藤色の素肌を見せつけたそのお尻に次々と鞭を打ち当てる。
そうしたい訳じゃない。だけど鞭を振るう手を止められない。まるで操られているのを傍目から見ているかのように。
あと、5分ほどはなんて言っていたがそこまで長くは続かない。時間短縮か早く続きがしたかったのか…
「はぁ、はぁ… 次の展開は…鞭を捨てて、私を抱きしめてお尻を撫でてください」
「こ、こうか…」
「んいぐっ!!」
抱きしめられて気持ちよかったのか、お尻を撫でられて気持ちよかったのか…たぶんどっちもなんだろう。
縛られたまま身体をビクンと跳ねると震える足の間からはイッたのだろうなにかが噴き出す。
わざとらしいくらいにびちゃびちゃと音を立てて漏れ出した液体は足元に広がっていく。
「ん…あぉ…んおほぉ… 失礼しました。続けます」
引き続き尻を撫で回してやったらこの反応っぷりである。
喜んでいるのか気持ちいいのか…それに加えて善がっているのだろう。
「その後は… んっしょ さぁ、ご主人さま 一気にこちらへ…」
その場に寝転がって足を開く。倒れ込んだのに弾むように何事も無いのは床が布団みたいに柔らかくなっていたからだろう。
もうこの急展開にも驚かなくなってしまった自分が今は怖くて仕方ない。
彼女のスラッとした細く長い脚も、人とは思えない藤色の肌も、そして股の間でよだれを垂らす彼女の濡れた割れ目も。
そのどれもが見慣れてしまい始めている自分が少し恐ろしい。
「…ココ…」
「ご主人さま… さあ」
見入ってしまえば目が離せず、ココの上に覆いかぶさる形となってあっという間にズボンを脱いでいた。
彼女の中へ入りたいと暴れるのを抑える。逸る気持ちを抑えないと暴発してしまいそうだ。
「はぁ…はぁ… ココ…」
「おかえりなさいませ、ご主人さま!」
いよいよ膣を押し分けて…といったところで向けられたのは、ココの喜びに満ちた笑顔だった。
あぁ、その笑顔はダメだ。我慢なんて出来ないじゃないか。
「あっ… んっ… ふぅ…ふぅ… ココ… ココぉ…」
「えへへ… ご主人さまぁ…っ」
一気に奥まで捻じ込んで、得られた快感を互いに抱きしめ合って噛みしめる…
なんて、聞こえのいいものではなかった。
少しでも搾り取ってしまおうとココが締め付ける度に頭の中がココとのセックスの事でいっぱいになっていく。
「ココ…! ココ…! おぁ!!」
「んっ… ひゃぅ! ごっ…ごしゅじんさまぁ!」
ビクビクと脈動し、キュンキュンと締め付けて… お互いの限界はすごく短かった。
気持ちよさに身を任せて腰を振り、奥へ奥へと突き進み…いい場所を見つけた次の瞬間には限界を迎える準備は出来ていた。
ココの腕が、ココの足が、ココの膣が、全身を使ってシロウを絡めとって奥へ奥へと押しこんでくる。
「ココ… 出す…ぞ… 出るっ!」
「来てくだ… きたぁ!」
どくんと脈打ち、シロウをもっと奥へと引き込んで…そして一気に流し込む。
どくん…どくんっ…びゅーっ…びゅるるるるっ…びゅるるっ…びゅびゅっ…
そんな音が聞こえそうな勢いで、ココの望むがままにシロウの煮え滾るように熱い精液が吐き出される。
「…はぁ、はぁ…っ こ、ココ…大好きだ…」
「はい… 私も大好きですよ、ご主人さま…」
射精の余韻に浸ってふわっとした思考が二人を包み込んでいたが、ふと視界の隅に過ぎるものがあった。
作り出したのに何故か今まで使って来なかった性玩具たちだ。
「…さぁ、大好きなご主人さま 続きと参りましょう」
「ほ、本当にやらなきゃダメなのか…? もう普通にこのままココと」
「ご主人さまが仰ったのではないですか アダルトなビデオと同じ内容じゃないと決して満足できないと」
言ってない。満足できないとまでは言ってない。勝手に改変するな。やめろオモチャを持って近寄ってくるな。
そんな言葉は、ひとつとしてシロウの口から出てくることはない。ココには決して届かない。
これでは自分の安全の為に設けたルールが台無しではないか。
「もがっ… んんぅっ!!?」
「はぁんっ… おやめくださいご主人さま…あっ! 手元が狂ってしまい…ますっ!」
口に捻じ込まれたココの腰から伸びているねっとり触手。それが口を塞いで何も喋れない。
抵抗に舐めたり噛んだりしてみても、その程度の刺激じゃココを興奮させる以上の効果はなかった。
「これも貴方へのご奉仕なのですよ? ね、ご主人さま…」
「んっ!? んんぅ!? んっ〜〜〜!!」
この日、シロウは尻の穴を苛め抜かれる辛さを強く、それはもう強く思い知らされる。
尻の中に球体を次々捻じ込まれる度に軽くイッたし、一気に引き抜かれて盛大にイッた。
恥ずかしい体勢に縛られて、猿轡を噛まされた上で乳首を挟まれ耳を齧られながらイッた。
痛い位勃起した逸物に細い棒を捻じ込まれ、尿道をじっくり丁寧に掃除されながらイッた。
オナホールで優しく扱かれ、ココの胸を押し当て彼女の乳首を舐めさせられながらイッた。
お互いじっと見つめ合い、ココが手に持つスイッチを押す度に尻穴でバイブが震えてイッた。
騎乗位で激しく搾り取ってくるココに耳元で射精を命令されて我慢できずに一際強くイッた。
「イッてください、ご主人様…? ほら…イッて…イッて…イッて……逝け」
最初、頭を撫でられるだけで絶頂していたのが噓のようだ…なんて思いながら、その日のシロウは意識をふらっと手放す事に…
情けなく腰を彼女に打ち付けながら、抗おうにも両手を彼女の両手で指を絡めるように握られ、身体が溶け合うような感覚と共にイキ果てた…
最後に見えたココの表情は、果たして愛する夫を想う妻の顔だったのか、獲物を喰らう化け物の顔だったのか…
「…もうやらないからなっ!」
「そう仰らずに… 可愛かったですよ? もうイキたくないと懇願するご主人さまの愛らしいお顔」
「お前ホントはドSだろ」
「いえ、ご主人さまに忠実なのでドMかもしれませんね」
これから先は彼女がリクエストしてくるAVの内容はしっかり確認しよう。
心の中でシロウはそう誓うのだった。判断が遅い。
つづく
店名は「レンタルショップ456」という。店構えに違わぬ歴史を抱えた昔ながらのビデオレンタルショップである。
店に入りすぐの位置にある会計レジ受付では地味な部屋着の楽な恰好をした一人の男が本を読みながら受付対応を行っていた。
流石にレジ打ちの時は本を読むのを止めている。だって手が動かせないじゃないか。
「まいどあり… はい、返却期限はいつも通りで… 頼みますよホント」
「ごめんごめん、悪かったって…今度は期限内に返すからさ」
「気をつけてくださいよねー」
やらかしてきた客への対応もそこそこに会計を済ませてしまう。
レジが混んでいるのかと言えばそういう訳でもない。というかこんなレンタル店が混む日が来たらいよいよ世も末だ。
学生時代によく一緒に遊んでいた先輩だからこそ、こんな砕けた対応でも許してもらえているのだ。
「…なあなあ… ところでよ、シロウ」
「なんです?期間の延長だったら先に言ってもらわないとなんですけど…」
「違う違う! 後ろでお前のレジ打ち見てるメイドの子、新しく入ったバイトの子か? すんげー可愛いじゃん」
「……」
シロウと呼ばれた店主の背後、受付の奥から楽しそうにこちらを…いや、シロウを…覗いている一人の女性がいた。
メイド服姿に身を包んだ彼女は、こんな寂れたレンタルショップにはもったいないだろうってくらい美人に見えたわけで。
じっとシロウを見て動いていないのもきっと研修中だからとかそういう事に違いない。
「あんな子…というかこの店にバイトなんて今までロクに居なかったじゃねえか どうしたんだよ急に」
「商品持って帰って楽しむバカをクビにして以来バイトは一人も雇ってませんよ」
「えっ? じゃああのメイドの子は… っ?!」
客の男はその時、メイドの女性の方を見て…見てしまった。
受付カウンターの奥、陰になっていてよく見えていなかったが澄んだ金色の瞳を覆うのは白目ではなく黒い目だった。まるでマンガやアニメに出てくる悪魔のような、そんな怪しく光る目が。
それにほんの少し見られた、目が合ったと思った瞬間に背筋がぞっとするような感覚が走る。
蛇に睨まれた蛙…ちょっと違うかな… まぁそんな感じの悪寒が襲い掛かってきた訳で。
「…『モニョモン〜日陰者たちの逆襲〜』『モニョモン〜ヨウキャ爆誕〜』『モニョモン〜パリピタワーの帝君〜』」
「う、うわあぁ?! わざわざ読み上げないでくれ!? …って、アレ…?」
「こら、ダメだろココ? お客様の嫌がる事はしちゃいけません わかった?」
不可解な悪寒こそ無くなったものの、今度は借りていく映画のタイトルを読み上げられて恥ずかしさがこみ上げて来る。
一般的には子供向けに作られたアニメの映画作品、そのシリーズをイチから見て行こうと思ってここへレンタルしに来たのが客の彼であった訳で。
今日もざっと12作ほどレンタルしていく訳だが、その全てがモニョモンシリーズの映画たちで占められていた。
「はい…」
「わかればよろしい」
「んっ… ですがご主人様、これでは今日のご褒美が…」
叱られてしょんぼりしたかと思えば、今度は頭を撫でられて艶っぽい声が零れてきて、しかもご褒美とな。
もしかしてそういうご関係ですか? そう聞くのもなんだか野暮ったい気がしてしまうのは、昔から知っている者同士だからなのだろうか。
それにしても、さっきは目が合っただけだったから他の所に気が付かなかったが、改めて見るとすごい恰好のメイドさんだ。
「……」
小顔で整った可愛い系と美人系が共存した、おそらく大学生くらいの年齢であろう彼女…ココって呼ばれてたな。
背丈もたぶんシロウと同じくらいあるだろうそれを長いスカートと目立つエプロンで誤魔化している感じだろうか。
それにしたって彼女の着ているメイド服のデザインがとても刺激的だ。基本は踏まえたデザインのようだが、肩やら腰やらに入ったスリットからは彼女の顔色と同じ茄子みたいな藤色の素肌が覗いていた。
いや藤色の素肌ってなんだよ…と思いたかったけど今は多様性の時代。そんな肌の色をした所の人なのだろう。
「…おや? 『お願いメイドさま〜とろけるような熱い罠〜』 今日はこちらで致しましょうね、ご主人様」
「えっなんだこれ」
「はぁ… またやったなココお前…」
気が付けば見知らぬパッケージのケースが一つ増えていた。
水に濡れてスケスケのメイド服を身に纏ったメイドさんが妖艶にポーズをとっているケースはどう見たってそういう用途のヤツだ。
パッケージ裏のざっくりしたあらすじに切り貼りされたシーンの数々も、明らかにご主人様らしき男と裸同士のえっちなお突き合いを致しているシーンだし。
どことなくココと容姿が似ている気がするのは多分気のせいだろう。そう言う事にしておこう。
もちろんだが彼がこんな分かりやすいAVを手に取った覚えも見ようと思った事もない。
「いや俺こんなの借りてな」
「すまん先輩、有無を言わず持って帰ってくれ 返却日に他のモニョモンたちと一緒に返してくれればいいから」
「ふふふ… 今から楽しみですね、ご主人様…」
背後から抱き寄せて、愛おしそうに指をシロウの顔に這わせてうっとりした表情を浮かべるココは、心の底から嬉しそうにしていた。
振り払うでもなくその姿勢のまま、シロウは追い払うように先輩を店の外へと案内すると一瞬で店の中へと消えて行く。
その時のシロウの様子を、後に先輩はこう言って茶化す事になる。
「触手の化け物に絡めとられてエロい目に合うヒロインみたいだった」と。
その日の営業時間を終え、店内の最終確認をしていたシロウ。その顔はこれから待っている事を思い浮かべてか少し暗い。
棚に置かれているだけの日々が嫌になって逃げだした落ち着きのない商品が無くて今日も一安心だ。
「……すんすん… はぁー…」
「…ん? …コレか よし」
「んぅ… …はぅ! ダメっ…!」
検品作業に集中していたからか、微かに聞こえた呼吸のような音を聞き逃さなかった。
微かな音の原因に気付いた所で、ちょっとした事を思いついたシロウ。
別に寒い訳でもないのに冷やさないようにとココが巻いてくれた腰布を、愛でるように優しく撫で回す。
指の腹で癒してあげるようにそっと、たまに爪を立てて刺激するように、手で出来る限りの動きで腰布を撫で回していく。
隣の棚の検品を手伝ってくれていたココが急にへたりこんだので確定した。この腰布はココの身体で出来ている。
「はぁ…はぁ… あぁ…ご主人様… もうそれ以上は… いけませ…んぁっ!!」
「入口を閉めた後で良かったよまったく… 俺の為を想ってくれたんだろう?ありがとうな、ココ…」
「んっ… あ…あぁ… あぁぁぁ〜!」
ちょうどその場にへたりこんでいて撫でやすい位置にあったから、彼女の手よりも先に頭に触れて撫でていた。
ペットや子供を愛でるような、慈愛に満ちた優しい撫で方。ココにとってそれは何にも代え難いご褒美だ。
それこそ、メイド服に見えるように変異させていた自身の身体が元のドロッとした触手に戻ってしまう程に。
しかも悦に浸りとろけた表情になって、身体をビクビクと震わせてしまうくらい気持ちよさそうにしている。
足元が彼女の纏う触手が原因で水浸しになっているのは…もう今になって始まった事でもないし拭けば済むので気にしない事にした。
……本当に触手が原因だよね?
「ココ、メイドがしちゃいけない顔してるぞ? …ココ? 聞こえているか、ココ?」
「……じゅるっ! し、失礼いたしましたご主人様」
やっと我に返ってくれたのはいいが、さっきの表情は何も知らない人が見たら危険なものに思えてしまうだろう。
なにかそういう危ないオクスリでもやっていたのかなと疑いたくなるような乱れっぷりだ。
これが実際は単なる幸福感と満足感から来るエクスタシーだとは一度で信用される事は多分ない。
「申し訳ありません、ご主人様のナデナデ…愛撫が気持ちよすぎました…」
「なんで言い直した?」
「つきましてはご主人様 確認作業も終わりましたので早速参りましょう」
なにがつきましてはだと言い掛けて、シロウの唇はココからの熱いキスによって塞がれる。
それはもうじっくりねっとりと舌を絡め合い這い回るような熱いキスを…熱い…熱い!
最初こそとろけるような心地よさだったのに、急に加熱しだして舌に熱した鉄でも突っ込まれてるような熱さが襲い掛かる。
「あっつ?!」
「はぁ…はぁ… んんぅ… 失礼しました。これはまだ先のものでした」
ごくんと喉を鳴らして恍惚とした表情を浮かべながら興奮するココの口の中からチラリと覗くのは小さな炎。
え、そういう種族の方ですか?いいえ違います。彼女は別に炎を操るような種族という訳ではありません。
間違いなくあれは蝋燭の火だった。可愛らしい口元から垂れてるのが涎でなく蝋…あ、涎にすり替えた。
「ビックリした… いや待て… ココ、今日のお題はなんだった?」
「はい? 『お願いメイドさま〜とろけるような熱い罠〜』ですが」
「……なぁココ、それジャンルはなんなんだ?」
最初ココが顔見知りの先輩のカゴに後出しじゃんけんのようにAVを忍ばせたのは、このままだと今日は何もする事がないと危惧した焦りからだろう。
事実、今日はAVコーナーから出て行った作品は他にいない。
さっき覗かせた蝋燭にしたって、いつものココならこんな失態はしない。メイドとしての彼女の腕は一級品なのだから。
シロウとココの間には、ある種の決まりを設けていた。
常識の通用しないレベルで日常生活どころか性的なご奉仕もしようとしてくるココを制御する為に、シロウはある条件を提示し乗り切る事に。
「その日売れたアダルトビデオの内容でのみ、性的奉仕に付き合ってやる」
その場の思い付きではあったが、これを後悔するのにそう時間は掛からないだろうともこの時点で分かり切っていた。
とはいえ現状放置を続けていればあの得体の知れないドロドロに飲み込まれて自分の一生は無に帰すだろう。
だからといって禁止してしまえば今度はどんな手と言い訳で犯されるかわかったものじゃない。
ルールを設けていればきっと彼女は守ってくれるだろうと信じることにした訳で。
「……アダルトビデオ、ですが」
なんとも分かり易く目を逸らしながら、白状しましたよと言いたげにめちゃくちゃザックリとしたジャンル分けを披露してくれてありがとう。
それと同時になんとなく内容を察した。ココがここでジャンルを白状しないという事は、シロウ側の性格的にあまり好きではないコト。つまり…
「…調教モノか? 凌辱モノか?」
「……」
「ココ」
「…調教モノとなっております」
なにもそういうジャンルを否定したい訳じゃない。性癖なんて人それぞれだ。
いじめや暴力に屈した女優の悲鳴や嗚咽混じりの鳴き声で興奮すれば気持ちよくなれる人だっているにはいるだろう。
ただ「それを今から目の前のメイドに自分の手でやるか」と聞かれれば話は別だ。
そして最初に「AVの内容でのみ付き合ってやる」なんて言った自分を激しく後悔するタイミングでもある。
「……わかった。付き合ってやる」
「ご主人さま…!」
自分で言った以上、それを自分の好みの問題で否定してしまうのはココがあまりに可哀そう。
だからこそ、心を決めて切り替えて、彼女のリクエストに応えてあげる事にした。
「ありがとうございます… ご主人さま、大好きです!」
「俺もだよ… 道具の準備は?」
「はい! ココのココにございます!」
嬉しそうに笑う彼女は、そう言うと辛うじてスカートの体を成していた部分を持ち上げる。
所謂カーテシーのようなものなのだろうが、それと同時にスカートの中からはいくつものオモチャがゴトゴトと音を立てて落ちてきた。
なるほど調教と言うだけあって大量の道具を使うらしい。
「鞭に目隠しと縄…で猿轡と… うん、わかりやすく調教する道具なんだな」
「ええ!勿論!」
すごく喜んでいるが、ココってこんなにも調教好きな子だったっけ?
さて次は…
「オナホールに連結ビーズに…?」
うん?雲行きが怪しくなってきたな?
もしかすると、とんでもない勘違いをしていたかもしれない。
サブの〜とろけるような熱い罠〜って、もしかしてそういう事ですか?
「この細い棒みたいなのは?」
「はい! そちらは尿道のお掃除に使っておられましたね! ご奉仕の腕がなります!」
ゴクリと固唾をのむ音って、こんなにもハッキリ聞こえるものなんだね。
疑問が確信にジワジワと変わっていくのと一緒に、その場から逃げ出したくて足の震えが止まらない。
「…最後に教えてくれ。 あのAVって「ご主人様」が「メイドさま」を調教するんだよな…?」
「……はい! 序盤の展開は人間関係の説明でしたので飛ばしまして… 開始5分ほどは罵倒とともにこのように… あんっ!」
一瞬の間があったのが気にはなるが、気が付くと鞭を握っていつの間にか縄で縛られ目隠しをされたココのお尻を叩いていた。
いつの間にこうなっていたのかという驚きで手が止まるだろうと思っていたが、そうはならない。
これまたいつの間にかスカートを脱ぎ、藤色の素肌を見せつけたそのお尻に次々と鞭を打ち当てる。
そうしたい訳じゃない。だけど鞭を振るう手を止められない。まるで操られているのを傍目から見ているかのように。
あと、5分ほどはなんて言っていたがそこまで長くは続かない。時間短縮か早く続きがしたかったのか…
「はぁ、はぁ… 次の展開は…鞭を捨てて、私を抱きしめてお尻を撫でてください」
「こ、こうか…」
「んいぐっ!!」
抱きしめられて気持ちよかったのか、お尻を撫でられて気持ちよかったのか…たぶんどっちもなんだろう。
縛られたまま身体をビクンと跳ねると震える足の間からはイッたのだろうなにかが噴き出す。
わざとらしいくらいにびちゃびちゃと音を立てて漏れ出した液体は足元に広がっていく。
「ん…あぉ…んおほぉ… 失礼しました。続けます」
引き続き尻を撫で回してやったらこの反応っぷりである。
喜んでいるのか気持ちいいのか…それに加えて善がっているのだろう。
「その後は… んっしょ さぁ、ご主人さま 一気にこちらへ…」
その場に寝転がって足を開く。倒れ込んだのに弾むように何事も無いのは床が布団みたいに柔らかくなっていたからだろう。
もうこの急展開にも驚かなくなってしまった自分が今は怖くて仕方ない。
彼女のスラッとした細く長い脚も、人とは思えない藤色の肌も、そして股の間でよだれを垂らす彼女の濡れた割れ目も。
そのどれもが見慣れてしまい始めている自分が少し恐ろしい。
「…ココ…」
「ご主人さま… さあ」
見入ってしまえば目が離せず、ココの上に覆いかぶさる形となってあっという間にズボンを脱いでいた。
彼女の中へ入りたいと暴れるのを抑える。逸る気持ちを抑えないと暴発してしまいそうだ。
「はぁ…はぁ… ココ…」
「おかえりなさいませ、ご主人さま!」
いよいよ膣を押し分けて…といったところで向けられたのは、ココの喜びに満ちた笑顔だった。
あぁ、その笑顔はダメだ。我慢なんて出来ないじゃないか。
「あっ… んっ… ふぅ…ふぅ… ココ… ココぉ…」
「えへへ… ご主人さまぁ…っ」
一気に奥まで捻じ込んで、得られた快感を互いに抱きしめ合って噛みしめる…
なんて、聞こえのいいものではなかった。
少しでも搾り取ってしまおうとココが締め付ける度に頭の中がココとのセックスの事でいっぱいになっていく。
「ココ…! ココ…! おぁ!!」
「んっ… ひゃぅ! ごっ…ごしゅじんさまぁ!」
ビクビクと脈動し、キュンキュンと締め付けて… お互いの限界はすごく短かった。
気持ちよさに身を任せて腰を振り、奥へ奥へと突き進み…いい場所を見つけた次の瞬間には限界を迎える準備は出来ていた。
ココの腕が、ココの足が、ココの膣が、全身を使ってシロウを絡めとって奥へ奥へと押しこんでくる。
「ココ… 出す…ぞ… 出るっ!」
「来てくだ… きたぁ!」
どくんと脈打ち、シロウをもっと奥へと引き込んで…そして一気に流し込む。
どくん…どくんっ…びゅーっ…びゅるるるるっ…びゅるるっ…びゅびゅっ…
そんな音が聞こえそうな勢いで、ココの望むがままにシロウの煮え滾るように熱い精液が吐き出される。
「…はぁ、はぁ…っ こ、ココ…大好きだ…」
「はい… 私も大好きですよ、ご主人さま…」
射精の余韻に浸ってふわっとした思考が二人を包み込んでいたが、ふと視界の隅に過ぎるものがあった。
作り出したのに何故か今まで使って来なかった性玩具たちだ。
「…さぁ、大好きなご主人さま 続きと参りましょう」
「ほ、本当にやらなきゃダメなのか…? もう普通にこのままココと」
「ご主人さまが仰ったのではないですか アダルトなビデオと同じ内容じゃないと決して満足できないと」
言ってない。満足できないとまでは言ってない。勝手に改変するな。やめろオモチャを持って近寄ってくるな。
そんな言葉は、ひとつとしてシロウの口から出てくることはない。ココには決して届かない。
これでは自分の安全の為に設けたルールが台無しではないか。
「もがっ… んんぅっ!!?」
「はぁんっ… おやめくださいご主人さま…あっ! 手元が狂ってしまい…ますっ!」
口に捻じ込まれたココの腰から伸びているねっとり触手。それが口を塞いで何も喋れない。
抵抗に舐めたり噛んだりしてみても、その程度の刺激じゃココを興奮させる以上の効果はなかった。
「これも貴方へのご奉仕なのですよ? ね、ご主人さま…」
「んっ!? んんぅ!? んっ〜〜〜!!」
この日、シロウは尻の穴を苛め抜かれる辛さを強く、それはもう強く思い知らされる。
尻の中に球体を次々捻じ込まれる度に軽くイッたし、一気に引き抜かれて盛大にイッた。
恥ずかしい体勢に縛られて、猿轡を噛まされた上で乳首を挟まれ耳を齧られながらイッた。
痛い位勃起した逸物に細い棒を捻じ込まれ、尿道をじっくり丁寧に掃除されながらイッた。
オナホールで優しく扱かれ、ココの胸を押し当て彼女の乳首を舐めさせられながらイッた。
お互いじっと見つめ合い、ココが手に持つスイッチを押す度に尻穴でバイブが震えてイッた。
騎乗位で激しく搾り取ってくるココに耳元で射精を命令されて我慢できずに一際強くイッた。
「イッてください、ご主人様…? ほら…イッて…イッて…イッて……逝け」
最初、頭を撫でられるだけで絶頂していたのが噓のようだ…なんて思いながら、その日のシロウは意識をふらっと手放す事に…
情けなく腰を彼女に打ち付けながら、抗おうにも両手を彼女の両手で指を絡めるように握られ、身体が溶け合うような感覚と共にイキ果てた…
最後に見えたココの表情は、果たして愛する夫を想う妻の顔だったのか、獲物を喰らう化け物の顔だったのか…
「…もうやらないからなっ!」
「そう仰らずに… 可愛かったですよ? もうイキたくないと懇願するご主人さまの愛らしいお顔」
「お前ホントはドSだろ」
「いえ、ご主人さまに忠実なのでドMかもしれませんね」
これから先は彼女がリクエストしてくるAVの内容はしっかり確認しよう。
心の中でシロウはそう誓うのだった。判断が遅い。
つづく
25/09/22 21:20更新 / 兎と兎
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