暫くの間、小さな寝息を立ててスヤスヤと眠っていたトリアとミア。しかし、ふとトリアの肩から顔が落ちそうになったミアは、滑り落ちている途中で危なさを感じて眼を覚ました。

「ふぁっ！・・寝てた・・・トリア・・ｸｽｯ・・寝顔可愛い・・」
眠りから唐突に覚めて、視界もちゃんとしていないミアは反射的に小さく声を上げて首を持ち直した。そして、誰に告げるでもなく自分の先程までの状態を復唱していたミアは、トリアに本を読んでもらっているのを思い出して朦朧としている意識の中でトリアを探した。対象は直ぐに見つかった。なにしろ、ミアのすぐ隣で可愛らしく小さな寝息を立てて眠っていたのだから。それを見たミアは、一瞬で眠気が覚めるほどの衝撃を受けた。

「ｚｚｚ・・」
「ホントに寝てるよね・・起きてたら、ちゅっ・・チューしちゃうぞ？」
静かな寝息を立てているトリアの顔を見て少し、心にドキドキを感じたミア。しかし、そこからは彼女の悪ふざけだ。あまりにもトリアの寝顔にときめいてしまったミアは、そのまま顔を近づけていくと眼を閉じて口を尖らせ始めた。キスまであと数�p。しかし、そこまで来てミアは顔をトリアから離した。

「こんなの・・・キスじゃない・・」
そう呟いたミアは、首を振って眠気を完全に払い落すと自分の体の異変に眼を向けた。それは、体が熱くなっている感じのする異変だった。しかし、スライムであるミアにはそれが何なのか直ぐに分かった。

「あぁ・・恋・・しちゃったんだな・・これ・・」
うっすらと見えている自分の核部分を隠すように胸を押さえたミアは、その気持ちを素直に受け止めていた。暫く何か行動に起こす勇気も湧かない時間が続いたが、ついにトリアが夢の世界から帰って来た。

「うぅ・・んん・・あれ？僕、寝てたの？」
「うん。そうだよ？トリアったら可愛らしい寝顔しちゃって・・」
眼を覚ましたトリアは、今一度誰でも無い虚空へ向けて自分の先程までの状態を再確認していた。そしてその問いに答えたミアは、少し顔を赤くしながらトリアの寝ているときの事を喋っていた。

「・・(あれ？恥ずかしがってる時のミア・・意外と可愛い？)・・」
「ん？どうしたの？」
ミアの紅潮したようにも見える顔を見て、少し心を揺らめかせたトリア。その様子に、少し面白さを感じつつもミアは聞き返すことしか出来なかった。そして少し落ち着いたように眼を閉じたミアは、その間にトリアの手へ手を伸ばした。

「・・・えっ？ミア？」
「えっと・・トリア・・私ね・・」
トリアの手をそのまま握ったミア。それに気が付いたトリアは、驚いてミアに声を掛けた。それを聞いたミアは、トリアに何かを告げようとした。しかし、その思いは何処からともなく音を立てて崩れ落ちて行った

「とりゃ〜〜っ！」
「なっ！一体どこか・・うわぁ！」
「トリア！」
突然開け放たれた扉から、疾風怒濤の速さで何かがトリアを襲った。その時、少女の様な掛け声が聞こえたがそれを認知した頃には既にトリアは赤い液体の中に居た。

「うぅうん・・はぁ・・やっぱり人間はこうでなくちゃ・・んっ・・」
「・・・・」
「トリア！トリア！」
突然赤い液体に包まれたトリアは、呼吸もろくに出来ない内に全ての息を吐き出してその中で溺れた。その間、ミアとよく似たスライム「レッドスライム」はトリアを体に取り込むと、喘ぐような艶やかな声を発しながら気持ち良さそうに体を捩らせていた。その行為が行われている間、ミアは急に離されてしまった手も寂しいままにトリアを必死に呼んでいた。

「ありゃ？スライム・・・おっとと。コイツ、あなたの餌だったの？」
「え・・餌！？そりゃ・・そう・・だけど・・・・トリア！」
トリアを尚も取り込んだまま恍惚の表情を浮かべてトリアを楽しんでいた赤いスライムは、その傍で自分の体に完全に飲み込まれているトリアを呼ぶ青いスライムを見つけて、至極当たり前のことをミアに聞いた。このスライムの言う通りだ。元々スライムは、特に恋愛感情を抱くことも少なく基本的に男性は自分の餌としか思っていない筈なのだ。

「そう・・・あなた・・珍しいスライムね。人に恋をするなんて・・」
「恋！？・・・・この気持ちが・・恋・・」
段々と慣れて来たのか、トリアの体を自分の体に合わせる様に捩じりながら尚も快感を弄んでいたスライムは、ミアにまたもや妙な告げ口をした。そしてそれを聞いて思い当たる節があるように自分の胸に聞いてみたミア。その間にもトリアの無意識での快楽のゴールは近づいて行っていた。

「・・ふぁ・・！嘘っ！コイツ・・はぁあ・・」
「トリア！・・今助ける！」
体を捻じ曲げて快楽に身を任せていた赤いスライムだったが、突如トリアが手を伸ばして彼女の体を突き破った。そして手だけ出て来た所でミアがトリアを助けようと手を握った。

「ふっ・・んぁ・・が・・我慢しなきゃ・・」
トリアの手を握った直後、体に快感が走ったミアはそれを何とか我慢しようとした。そしてそのまま赤いスライムからトリアを引き上げた。

「トリア！トリア！しっかり！」
「ゲホッ！ゲホッ！」
「はぁ・・はぁ・・気持ちよかったのに・・」
「！？・・気持ち・・よかったの？・・」
引き揚げたトリアを、必死に起こそうと顔をピチピチと叩いていたミア。しかし、実際は水が体に当たって来るのと同じ位なので痛さなんて微塵も無い。しかしトリアを目覚めさせるには十分だったようで、トリアは無事に眼を覚まして口から少量の赤いゼリー状の液体を吐いて起き上がった。その時、気持ち良さそうに息を荒げさせる赤いスライムがまたもやミアに要らないことを告げ口した。そのお陰で快楽に眼を向けてしまったミアは、トリアを今にも押し倒しそうな勢いでトリアに迫った。

「アナタ、知っていたかしら？この子、他の子と比べて賢いわよ？」
「そんなバカな・・小学生レベルの教科書も疲れて読めないような子・・」
「フフフッ・・驚いている様ね。良いわ。アナタ・・好きになっちゃった。私は「アカネ」。宜しくね？未来の旦那様・・いいえ。私の好物！」
唐突なアカネと自称する赤いスライムから助言を受けたトリアは、その事にアカネを疑ったがそんな事をしている間にミアに押し倒されてしまった。その様子を見ていたアカネは、ただでさえ赤い自分の顔をトリアに惚れて更に赤くしていた。

「トリアァ・・やっぱり私もスライムなんだよぉ・・トリアァ・・」
「ちょっ！ミア！こんな所で・・止めてくれぇ！」
「うふふ・・お熱い事で・・私も混ぜて頂戴っ！」
こうして、これから青と赤のスライムによる一人の男の子いじめが始まる。そしてトリアはあっという間にミアとアカネに体の自由を奪われた。

■作者メッセージ
次回、とってもエロ重視で行きたいと思っています。だからこそのここでの区切り！そして新キャラ「レッドスライムのアカネ」の登場。さぁ、次回がどんなエロい展開になっているのか、楽しみにしていてください。

追記：ミアの学習能力値
標準型のスライムの学習値が１０だとすればミアは１１。そんな些細なことである。因みにアカネは人に近くてIQに直せば１０５程度と賢いめ