第2話 トリアの音読攻撃!バカに1万のダメージ
すんなりとトリアの後をついて来たミアは、そのまま直進してトリアの家に着いた。そこそこに大きなお屋敷だ。どうやら使用人の類は居ないようで、屋敷からは何も聞こえてこなかった。
「それにしても可笑しなスライムだな。ミアは。」
「えっ?なんで?私、変?」
「いや、そうじゃなくて、スライムって人を襲う事が本能的にインプットされているのに、ミアは襲って来ないな・・って思ってさ。」
「おおぉ・・そんな手があったか・・」
屋敷の入り口まで来て、ミアはトリアに可笑しなスライム呼ばわりされて何も気にせずにただ何処が可笑しいかについて悩んでいた。そしてトリアが本能云々を説明してやると、ミアは手をポンッと叩いて納得していた。その様子を見てため息を吐くしかなかったトリアは、とりあえずミアを屋敷に招き入れた。入ってもやはり使用人の一人も出てこない。
「えっ?執事さん?執事どころかメイドも一人も居やしないよ?あんなの邪魔だしね。」
ミアがトリアに最近聞いた言葉を言ってみると、トリアは鼻を鳴らして笑って威張り散らすように返した。しかし、ここからがミアだった。
「ふぅん・・邪魔なものなんだぁ・・」
そう言って、自分の人差し指を口に当てていたミア。どうやらこれから先執事とメイドの認識は「邪魔な存在」として心に残って行くことだろう。
「おいおい・・僕が威張ってるんだから、少し位怒っていてもいいんだぞ?」
「えっ?怒らなきゃいけないの?うぅ・・怒ったことなんてないよぉ・・」
胸を張ってウザそうに威張ってツッコミが欲しかったトリアだが、何も飛んで来ない事に少々寂しさを感じて、こうしたいとミアに促すも、ミアは困ったような顔をして頭を抱えると、その場にしゃがみこんで本格的に悩みこんでしまった。
「怒りの感情も知らない?!どうなっているんだ。スライムは・・」
ミアのあまりのバカさ加減に頭が痛くなってきたトリアは、そこまででミアに考えさせるのを止めて図書室へと案内した。
「うわぁぁ・・一杯本があるよぉ?」
「そりゃそうだろ。僕の家の図書室なんだ。勉強用の教材から児童向けの絵本まで勢ぞろいしてるよ。」
トリアとミアがやって来たのは、屋敷の半分程もありそうな広大な本棚の列が連なっている図書室だった。
「ねぇねぇ!早速ご本読んで?」
そう言ってミアは、適当な場所の椅子に座るとトリアが本を持ってくるのをワクワクと心を弾ませて待っていた。
「よし、これくらいなら分かるだろう。」
そう言って戻って来たトリアが手に持っているのは、小学1年生用の国語の教科書だ。中には幾つもの子供向けの御伽噺が収録されている。中には少しミアに分からない物もあったかもしれないが、とりあえず適当に「ピクシー」という題名のファンタジー語りを読んであげることにした。
「それじゃ行くよ?」
そう言ってミアの隣の席に座ったトリアは、ゆっくりと内容を読み上げた。そのスピードはミアでも読みとれるようにゆっくりとしている。
「・・そしてピグは言いました。「僕の宝は・・」・・ふっ。寝ちゃった。」
本の内容を読み上げていたトリアは、ミアが椅子を移動させてすぐ隣で肩に凭れかかって来てもお構いなしに音読を続けていた。しかし、物語の中編に差し掛かったところで、トリアは肩の体重の増加を感じ取った。肩を見ると、そこにはミアの可愛らしい寝顔姿があった。少し可笑しくて笑ってしまったトリアだったが、その内に落ち着いた場所でジッとしていた為なのか心が安らいでそのまま瞼が重くなってきたので睡魔に身を任せて寝息を立て始めた。そして、この図書室に二人の静かな可愛らしい寝息が暫くの間響いていた。
「それにしても可笑しなスライムだな。ミアは。」
「えっ?なんで?私、変?」
「いや、そうじゃなくて、スライムって人を襲う事が本能的にインプットされているのに、ミアは襲って来ないな・・って思ってさ。」
「おおぉ・・そんな手があったか・・」
屋敷の入り口まで来て、ミアはトリアに可笑しなスライム呼ばわりされて何も気にせずにただ何処が可笑しいかについて悩んでいた。そしてトリアが本能云々を説明してやると、ミアは手をポンッと叩いて納得していた。その様子を見てため息を吐くしかなかったトリアは、とりあえずミアを屋敷に招き入れた。入ってもやはり使用人の一人も出てこない。
「えっ?執事さん?執事どころかメイドも一人も居やしないよ?あんなの邪魔だしね。」
ミアがトリアに最近聞いた言葉を言ってみると、トリアは鼻を鳴らして笑って威張り散らすように返した。しかし、ここからがミアだった。
「ふぅん・・邪魔なものなんだぁ・・」
そう言って、自分の人差し指を口に当てていたミア。どうやらこれから先執事とメイドの認識は「邪魔な存在」として心に残って行くことだろう。
「おいおい・・僕が威張ってるんだから、少し位怒っていてもいいんだぞ?」
「えっ?怒らなきゃいけないの?うぅ・・怒ったことなんてないよぉ・・」
胸を張ってウザそうに威張ってツッコミが欲しかったトリアだが、何も飛んで来ない事に少々寂しさを感じて、こうしたいとミアに促すも、ミアは困ったような顔をして頭を抱えると、その場にしゃがみこんで本格的に悩みこんでしまった。
「怒りの感情も知らない?!どうなっているんだ。スライムは・・」
ミアのあまりのバカさ加減に頭が痛くなってきたトリアは、そこまででミアに考えさせるのを止めて図書室へと案内した。
「うわぁぁ・・一杯本があるよぉ?」
「そりゃそうだろ。僕の家の図書室なんだ。勉強用の教材から児童向けの絵本まで勢ぞろいしてるよ。」
トリアとミアがやって来たのは、屋敷の半分程もありそうな広大な本棚の列が連なっている図書室だった。
「ねぇねぇ!早速ご本読んで?」
そう言ってミアは、適当な場所の椅子に座るとトリアが本を持ってくるのをワクワクと心を弾ませて待っていた。
「よし、これくらいなら分かるだろう。」
そう言って戻って来たトリアが手に持っているのは、小学1年生用の国語の教科書だ。中には幾つもの子供向けの御伽噺が収録されている。中には少しミアに分からない物もあったかもしれないが、とりあえず適当に「ピクシー」という題名のファンタジー語りを読んであげることにした。
「それじゃ行くよ?」
そう言ってミアの隣の席に座ったトリアは、ゆっくりと内容を読み上げた。そのスピードはミアでも読みとれるようにゆっくりとしている。
「・・そしてピグは言いました。「僕の宝は・・」・・ふっ。寝ちゃった。」
本の内容を読み上げていたトリアは、ミアが椅子を移動させてすぐ隣で肩に凭れかかって来てもお構いなしに音読を続けていた。しかし、物語の中編に差し掛かったところで、トリアは肩の体重の増加を感じ取った。肩を見ると、そこにはミアの可愛らしい寝顔姿があった。少し可笑しくて笑ってしまったトリアだったが、その内に落ち着いた場所でジッとしていた為なのか心が安らいでそのまま瞼が重くなってきたので睡魔に身を任せて寝息を立て始めた。そして、この図書室に二人の静かな可愛らしい寝息が暫くの間響いていた。
10/10/16 17:24更新 / 兎と兎
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