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第6話 外的要因による恋愛情事case.01(9314)
今回の調査は、少々特殊なケースを実施していた。
普通、魔物娘とは「いかに人の姿に近づこうとも、魔物である以上は人間に忌避される存在」というのが一般的な見解だ。
まぁそういった考えを持ってはいないという地域もあるだろうが、やはり魔物娘は人類とは相いれるべきではない存在だとするのがほとんどだろう。
ならば、こういったケースは無いと言い切れるだろうか?

「ひ、氷沙さんっ!ずっと前から好きでしたっ!」

「……?」

山を時折降りては研究所へ食糧の調達を行ってきた私、9314でありますが、こういった事態が他の固体で確認されなかった訳ではない。
つまりは私自身は見た事も遭遇したことも無いが、私と同じ存在である姉妹の内の誰かは同じようなケースに遭遇した事があっただろう。
しかし、該当するケースには総じて共通点が見られた。
それは…

(…おい、街のド真ん中で愛の告白ごっこやってるぞ…)

(しかもあれ、よく見たら雪女?魔物じゃねーか…)

(おいおい、誰か止めねーのかよ…)

こういった、外部からの視線や間接的な介入である。
ある者は最初こそうまく行きそうだったのに、家族によって二人の仲を裂かれ。
ある者はくっつきこそはしても忌避の眼で見られ人として見られなくなり。
ある者は共に暮らしていた町を追放され。
確かにいくらかは幸せに暮らしているケースも見られるが、それらもいつ前述のようになるか分からない。

「自身の為にも、私の事は…」

「っ!こっちきて!」

告白してきた少年は、いきなり手を握って路地の方へ引っ張っていく。
その力は、氷沙よりも小さな体躯から引き出せるとは思えない程に力強い物だった。
彼女が女性であるとは言っても、そこまで体重が変わる訳でも無し。
それを物ともせず、少年はぐいぐいと氷沙を引っ張っていく。
気が付けば人っ子一人いやしない場所へと連れて行かれていた。

「あの…ここは一体…と、氷沙は…」

「氷沙さんっ!俺、本当に氷沙さんの事が好きなんだっ!」

「でも、それでは…」

「関係ないよ!」

子供っぽく抱きついてきたはいいものの、これはつまりはそういう事なのだろう。
そして気付けば、彼女の方も少年の優しく抱擁しているのだった。

「……貴方、名前は何というのですか?と、氷沙は貴方に自己紹介を要求します」

「あっ!俺はタクト!」

もうすっかり、このタクトを突き放そうという意志は消え去っていた。
彼も相応の覚悟を以て行動に出たのだろう。
それなのに、受ける側が突っ撥ねてしまってはあまりにも不憫。
彼女はもうタクトを夫とする事に何の抵抗も持ってはいない。
彼の覚悟に惚れた、とでも言えば良いだろうか。

「タクト……ですか。同名の方は3名、ですか…と、氷沙はネットワークに照合したデータを呟きます」

「え?何の事…?」

「心配ご無用です。貴方の告白、しっかりと受け止めましたよ。と、氷沙は貴方の告白を受ける事を宣言します」

そう言って、彼の唇を奪う。
きっと彼は喜びの頂点に上り詰めている事だろう。
だが、それに魔物としての要素が加わってしまうと少々厄介な事にもなる。

「ぷぁっ……ひ、ひょうささぁん……えっと…」

「はい、なんでしょう?と、氷沙は呼びかけに応じます」

唇を離す頃にもなれば、すっかり彼女の魔力はタクトへ浸透していた。
幼い身体が、これでもかという程モジモジと悶えているのが、遠目に見たとしても分かるだろう。
特に足は、膝を擦り合わせているように悶えていて、無意識に何かを隠そうとしているようだ。

「こ、これぇ……すっごくむずむずしてるよぉ……」

「……なるほど…男性器の勃起を確認。処理行動に移ります。と、氷沙は貴方へ手による奉仕を行います」

言葉の通り、そっとタクトの腕を解き膝の上へ彼を寝かせる。
その腰では自身の意志とは無関係に自己主張の激しい肉棒がプルプルと震えていた。
準備は出来ているようで、まるで涎を垂らすように先端からは透明な液体が滲み出ていく。

「はぁ…はぁ……あっ!?さきっちょ…だ、だめぇぇぇぇぇ!!」

「射精を確認……見た目に反して凶悪な男性器のようですね。と、氷沙は貴方の性器を評価します」

そっと指を沿わせて、擽るように指をちょっと動かしてやれば、その刺激だけで彼の我慢は限界を超えた。
白く濁った精液が、噴水のように噴出して氷沙の手を汚す。
だが、彼女の手が動きを止める事は無い。
クチュクチュと淫らな音を立てながら、精液を全体に馴染ませるように指で刺激していく。

「次は胸で…というのが伝統なのかも知れませんが、生憎氷沙にはそんな大きさはありません。と、氷沙は自分の身体にいちゃもんをつけてみます」

「はぁ…はぁ…っ……そ、そんなことないよっ!」

「んぅっ!?」

顔を真っ赤にして、彼は氷沙の着物をサッと剥いて現れた小振りな胸にしゃぶりつく。
歯を立てないよう気を付けながら、舌を乳首に這わせるように舐め回し、乳房全体を本当に喰らってしまいそうな勢いでしゃぶる。

「……ふふっ…本当に赤ちゃんのようですね…と、氷沙はちょっと母性本能を擽られてしまいます」

「ちぅちぅ……っ?!んんぅぅっ!!!?」

「っ……二度目の射精を確認……一度目とほぼ変わらない量が出ているようですね。と氷沙は貴方の元気さに驚きます」

達したのと同時に物凄い勢いで乳首を吸われていた氷沙は、ここにきてゾクゾクとした快感が背中を駆け巡り始める。
だが、少し思っていた事があった。
それは、彼が若すぎるという事。
後数年も経てば立派な青年へと成長していただろうが、彼はまだ幼い。
そんな状態でこのまま続けていても良い物か?
もしかすると、氷沙が気付かない間に衰弱しきって動けなくなってしまうかもしれない。
そうなってしまえば彼にとってはトラウマともなるだろう。
例え、魔物の魔力によって衰弱やら病気やらの心配はほぼ皆無とは言え、タクトを思っていた氷沙はそのわずかな懸念を恐れた。

「んぅっ……た、タクト……き、今日はここまでで…んはぁ!」

「ちぅぅ………ぷぁっ!や、やだよっ!!氷沙さんも気持ち良くさせ…あぅっ!」

「んっ…続きは私の研究所で、などどうでしょう?と、氷沙は行為の一時中断を具申します」

彼女の問いかけに、少年は嬉しそうで恥ずかしそうな表情と共に返事をする。
こうして、町から一人の少年が姿を消した。
町ではこれと言って秀でた事は無く、いつも陰に隠れるようにしていた少年だ。
そんな少年が、姿を消したと町の人々が気付いたのはどれほど経ってからの事だっただろうか。
両親も家族もなく、たった一人で忙しなく生きてきたであろう少年は、町から姿を消したのだ。

だが、その少年自身は幸せに満ちていた事だろう。
恋人であり母であり、姉でもあるような存在の女性と巡り合えたのだから。  終わり
16/06/11 20:04更新 / 兎と兎
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■作者メッセージ
このシリース久々に書いてて思った事

自分ですらどんな内容にしようとしてたのかすら忘れてる

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