揺れるは黒き天秤
「……あ〜…な〜………た〜っ!!」
「そうです。今後の事も考えどぐぅえぇ!」
ここは砂漠のど真ん中に位置する遺跡群。
今は明緑魔界として栄え、正式に「魔界領シャングリラ区」として仲間たちと共に協力し合い国として栄えている。
そういった「国」においては、大臣に位置する者たちによる統治案の話し合いによるバランスの調整が不可欠である。
訳なのだが…
「姉上っ!今は大事な会議の場なのですよ?!」
「あらぁ?フルールちゃんは石頭さんですわねー。オアシスさん困っちゃうわ〜?ね〜、ルネリスさまぁ〜?」
「いや、会議中に旦那見て発情した上に股間へ指を這わせる方が間違いだと思いますが……ぐっ…」
今、この場に居る三人が甘い吐息に包まれていた。
何も全員が発情している訳ではなく、暴走している一人だけが頭の中お花畑となっている訳で。
「あらぁ?こっちはすぐにでも始めたいみたいですわよー?」
「オアシスの事は放置して大丈夫でしょう。さぁ、フルール?続きをお願いします」
眼鏡をかけた青年が、くねくねと身体を絡ませてくる犬耳の女性の一切を無視して眼鏡の位置を直す。
その様子に若干驚いていたが、フルールと呼ばれた犬耳の女性は当初の予定通り会議を続ける事となった。
「旦那様……そうですね。ではまず、食糧の配給制度についてですがいくらか苦情が…」
「ふむ……やはり明緑魔界に物を言わせた菜食中心の生活ではミネラルは摂取出来てもやはり肉が足りないですか……はうっ!?」
「んっふっふ〜……会議なんてポイして、前回の続きにしましょうよー?ほれほれぇ♪」
二人の女性に囲まれ、理性と野性という正反対の物に苛まれていたルネリスであったが、理性から急に野性へと引き摺り込まれる。
黄金色に輝く液体を手に塗り込んだオアシスが、彼の尻の穴に指を突っ込んだのだ。
魔物娘、ひいてはアヌビスである彼女たちの手は有り体に言ってしまえば肉球をイメージした形状をしている。
それはつまり、指が大きいという事に他ならない。
「ひぎっ!…お……オア…っはぁぁっ!……やめっ…いぎっ!!」
「ほぉらほらぁ、こっちも元気になっちゃってぇ……ホントはシたかったんでしょー?どうせ会議の内容なんて最後にそれっぽく纏めて報告したら終わりなんだからぁ……ホラ、フルールの顔も涎垂らしてるわよ?」
「はぁ…はぁぁ……はぁあぁぁぁぁ……ご…ごしゅじんさまぁぁ…」
さっきまでキリッとした面持ちで会議をしていた筈のフルールは、ルネリスを…もっと言えば彼のギンギンに勃起している肉棒を凝視しながら自分の股間を弄っていた。
隠す気の全くない、水着だから大丈夫という程露出した下着が濡れて、まるで涎のように愛液がダラダラと垂れていく。
徐々に彼へ近づいて行くフルールの表情は、赤く上気してトロンとした目がルネリスを逃すまいと見つめていた。
「ほぉら、射精したい時に出せばいいのよー?お姉さんが許しちゃうからねー?」
「あっぁぁぁっ!!お…オアシス……やめっ…ひぎっ!!フルールっ!?でるぅっ!!」
「あむっ……じゅるるるる…むにゅむにゅむにゅぅ…」
ルネリスのモノを口に含むと、舌を這わせながら口の中を圧縮していきモゴモゴと口の中で転がす感じで圧迫していく。
ただでさえ背後から前立腺あたりを爪でコリコリと刺激されては我慢など保つはずもない。
尻穴から指を抜いたと同時に、耐え切れず射精してしまう。
今日一発目だからか、その量はとんでもなく多く感じられた。
「……んんぅぅっ………んぐっ………ぷっはあぁぁぁぁ…」
「はぁ…はぁ……ふ、二人ともいい加減に…」
「さって、そろそろいいよね〜?答えは聞いてないけどね〜……んぅぅっ!きったはぁぁぁぁ!!」
その場にヘタリと座り込むルネリスへ向かい合う形で、オアシスが流れるような動作で彼へ跨る。
勿論肉棒はするりと彼女の膣内へ飲まれていく。
「うぅっ……おあ…しすっ…」
「あらあら……うん、とどめさしちゃうわね?そぉれっと」
「うあぁぁぁあああ!!」
もう一度、彼の尻へ指を突っ込んだオアシスは、その刺激だけで果ててしまったルネリスの迸りの全てを受け入れる。
ぞくぞくとした感覚が襲う度に、彼女の一番奥へと注ぎ込むのが暫く続く。
射精が終わってオアシスが退く頃には、すっかり出来上がってしまう程に盛っているフルールがいた。
「待ってた……はぁ…はぁ……ずぅっと……」
「ふぅぅ……私は満足したし、今度はフルールの番よね?」
「ごしゅじんさまぁぁぁ!!」
「ふぐぁぁぁ!!」
オアシスがさっきまで居た場所に、今度はフルールが座り込む。
そのまま腰を下ろして、一気にルネリスのモノを呑み込んでしまう。
「お、落ち着いて…ゆっくり……あぐぅっ!」
「あふぅ!下からもっとバンバン突き上げてぇ!」
「………うふふっ…」
激しく、獣のように交わり合う夫と妹を見ながら、オアシスは柔らかな笑みを浮かべるのだった。
そこから三人が会議と言う名目で始めたセックスは暫く続く事となる。
―――――――――――――――――
「はぁ…はぁ…はぁっ……」
「えっへへ…もぅ……らめへぇ…」
「あはは……お疲れ様、フルール…」
やっと終わる頃には、もう日はとっくに暮れて夜が訪れていた。
本当なら夜になってからそういった事をしろと言いたい所だが、そういう訳にもいかずズルズルとここまで来てしまった。
「……ねぇあなた?」
「はぁ…はぁ……何ですか、オアシス…?」
三人の情事によってそこらじゅうに飛び散った愛液やら精液やらが乾燥で壁や床にこびりついている。
それをキレイにしようと拭き取っているルネリスに、オアシスはフルールを伴って話し掛ける。
消耗してはいても、フルールの方も気を失っている訳ではないようで、話の聞き手に回っている訳だ。
「私が、こんな性格してる理由って知ってるかしら?」
「前に言ってましたね……永い時を生きてきた上で学んだ末の結果…でしたか?」
彼のその答えを、オアシスは唇で塞いで遮った。
「んっ……ちょっと違うわね………元は私だって、フルールみたいに頭堅かったのよ?」
「なるほど、アヌビス種そのものだったと……どうしてそんな性格に?」
「そうねぇ………心が一度死んだ、とでも言えば良いかしらね…?」
そこから彼女が話してくれたのは、一種の昔話のような物だった。
砂漠に住まう二人の少女が、互いに神や王と呼ばれる誰かに仕えていた、そんな時代。
だけど、二人の少女は、ちょっとしたきっかけで引き離される。
姉は常世に留まり監視せよと、妹は共に眠り期を待てと。
逆らう事は許されず、姉は流浪の身となった。
何も追放された訳ではないのに、彼女は妹と引き離されるのが死ぬほど辛かったのだ。
今までずっと一緒に居たのに、誰とも知れない誰かからの命令一つで引き裂かれてしまう。
次には会えるかどうかも分からない。
長い時を生きる中で、いつしか彼女の心は消え去っていた。
王たちの眠る墓を守る役目を任され、宝だ財宝だと喜びながら暴きに来た者たちはことごとく何かの餌食にしてやった。
気が付けば少女の姿になっていてもなんら驚く事はなかった。
思えばその頃だったかも知れない、こんな性格になったのは。
「……なぁんて、クサかったかしら…えっ…」
「…辛かったんですね……ずっと…でももう大丈夫…一人なんかじゃないですからね…」
「えっと…あの……その…」
何かを誤魔化すように笑って見せたオアシスだったが、起き上がったルネリスに優しく抱かれて言葉が一個も出なくなってしまう。
別に口を塞がれたり首を絞められている訳じゃない。
優しく、彼女を包むようにルネリスがそっと抱き寄せて頭を撫でていた。
「泣いてもいいんですよ…?私なら受け止めて……ん?」
「………やっぱり無理…歯止めとか無くなっちゃった……もう一回シたいなぁ…」
折角いいムードだったというのに。
オアシスがルネリスの股間を摩り始めてそんな空気は爆ぜて消えた。
まぁ彼も二人の妻を同時に相手にしたのだから、もう勃起させられるだけの余力など残っていない訳だが。
「それは……別の機会にしましょうか…」
「えー?なんでよー?」
「ファラオ様が見てます…」
「げっ…」
こうして、彼らはシャングリラの頭脳として働いていく事だろう。
ピンク色の脳細胞、なんて自分の事を呼ばせていたオアシスにはその後、仕事の大半を押し付けられる罰が待っている訳だが、それはまた別の話。
逆に、オアシスに仕事のほとんどを流されてしまい暇となったフルールがルネリスと三日三晩愛し合ったのもまた別の話。
なおオアシスの仕事が全部終わった後は、仕事の鬱憤や夫への欲望を限界ギリギリまで堪能したのは言うまでもない。
いつの日か、彼らには本当の幸せが訪れるのかもしれない。というか訪れて欲しいものだ。 完
「そうです。今後の事も考えどぐぅえぇ!」
ここは砂漠のど真ん中に位置する遺跡群。
今は明緑魔界として栄え、正式に「魔界領シャングリラ区」として仲間たちと共に協力し合い国として栄えている。
そういった「国」においては、大臣に位置する者たちによる統治案の話し合いによるバランスの調整が不可欠である。
訳なのだが…
「姉上っ!今は大事な会議の場なのですよ?!」
「あらぁ?フルールちゃんは石頭さんですわねー。オアシスさん困っちゃうわ〜?ね〜、ルネリスさまぁ〜?」
「いや、会議中に旦那見て発情した上に股間へ指を這わせる方が間違いだと思いますが……ぐっ…」
今、この場に居る三人が甘い吐息に包まれていた。
何も全員が発情している訳ではなく、暴走している一人だけが頭の中お花畑となっている訳で。
「あらぁ?こっちはすぐにでも始めたいみたいですわよー?」
「オアシスの事は放置して大丈夫でしょう。さぁ、フルール?続きをお願いします」
眼鏡をかけた青年が、くねくねと身体を絡ませてくる犬耳の女性の一切を無視して眼鏡の位置を直す。
その様子に若干驚いていたが、フルールと呼ばれた犬耳の女性は当初の予定通り会議を続ける事となった。
「旦那様……そうですね。ではまず、食糧の配給制度についてですがいくらか苦情が…」
「ふむ……やはり明緑魔界に物を言わせた菜食中心の生活ではミネラルは摂取出来てもやはり肉が足りないですか……はうっ!?」
「んっふっふ〜……会議なんてポイして、前回の続きにしましょうよー?ほれほれぇ♪」
二人の女性に囲まれ、理性と野性という正反対の物に苛まれていたルネリスであったが、理性から急に野性へと引き摺り込まれる。
黄金色に輝く液体を手に塗り込んだオアシスが、彼の尻の穴に指を突っ込んだのだ。
魔物娘、ひいてはアヌビスである彼女たちの手は有り体に言ってしまえば肉球をイメージした形状をしている。
それはつまり、指が大きいという事に他ならない。
「ひぎっ!…お……オア…っはぁぁっ!……やめっ…いぎっ!!」
「ほぉらほらぁ、こっちも元気になっちゃってぇ……ホントはシたかったんでしょー?どうせ会議の内容なんて最後にそれっぽく纏めて報告したら終わりなんだからぁ……ホラ、フルールの顔も涎垂らしてるわよ?」
「はぁ…はぁぁ……はぁあぁぁぁぁ……ご…ごしゅじんさまぁぁ…」
さっきまでキリッとした面持ちで会議をしていた筈のフルールは、ルネリスを…もっと言えば彼のギンギンに勃起している肉棒を凝視しながら自分の股間を弄っていた。
隠す気の全くない、水着だから大丈夫という程露出した下着が濡れて、まるで涎のように愛液がダラダラと垂れていく。
徐々に彼へ近づいて行くフルールの表情は、赤く上気してトロンとした目がルネリスを逃すまいと見つめていた。
「ほぉら、射精したい時に出せばいいのよー?お姉さんが許しちゃうからねー?」
「あっぁぁぁっ!!お…オアシス……やめっ…ひぎっ!!フルールっ!?でるぅっ!!」
「あむっ……じゅるるるる…むにゅむにゅむにゅぅ…」
ルネリスのモノを口に含むと、舌を這わせながら口の中を圧縮していきモゴモゴと口の中で転がす感じで圧迫していく。
ただでさえ背後から前立腺あたりを爪でコリコリと刺激されては我慢など保つはずもない。
尻穴から指を抜いたと同時に、耐え切れず射精してしまう。
今日一発目だからか、その量はとんでもなく多く感じられた。
「……んんぅぅっ………んぐっ………ぷっはあぁぁぁぁ…」
「はぁ…はぁ……ふ、二人ともいい加減に…」
「さって、そろそろいいよね〜?答えは聞いてないけどね〜……んぅぅっ!きったはぁぁぁぁ!!」
その場にヘタリと座り込むルネリスへ向かい合う形で、オアシスが流れるような動作で彼へ跨る。
勿論肉棒はするりと彼女の膣内へ飲まれていく。
「うぅっ……おあ…しすっ…」
「あらあら……うん、とどめさしちゃうわね?そぉれっと」
「うあぁぁぁあああ!!」
もう一度、彼の尻へ指を突っ込んだオアシスは、その刺激だけで果ててしまったルネリスの迸りの全てを受け入れる。
ぞくぞくとした感覚が襲う度に、彼女の一番奥へと注ぎ込むのが暫く続く。
射精が終わってオアシスが退く頃には、すっかり出来上がってしまう程に盛っているフルールがいた。
「待ってた……はぁ…はぁ……ずぅっと……」
「ふぅぅ……私は満足したし、今度はフルールの番よね?」
「ごしゅじんさまぁぁぁ!!」
「ふぐぁぁぁ!!」
オアシスがさっきまで居た場所に、今度はフルールが座り込む。
そのまま腰を下ろして、一気にルネリスのモノを呑み込んでしまう。
「お、落ち着いて…ゆっくり……あぐぅっ!」
「あふぅ!下からもっとバンバン突き上げてぇ!」
「………うふふっ…」
激しく、獣のように交わり合う夫と妹を見ながら、オアシスは柔らかな笑みを浮かべるのだった。
そこから三人が会議と言う名目で始めたセックスは暫く続く事となる。
―――――――――――――――――
「はぁ…はぁ…はぁっ……」
「えっへへ…もぅ……らめへぇ…」
「あはは……お疲れ様、フルール…」
やっと終わる頃には、もう日はとっくに暮れて夜が訪れていた。
本当なら夜になってからそういった事をしろと言いたい所だが、そういう訳にもいかずズルズルとここまで来てしまった。
「……ねぇあなた?」
「はぁ…はぁ……何ですか、オアシス…?」
三人の情事によってそこらじゅうに飛び散った愛液やら精液やらが乾燥で壁や床にこびりついている。
それをキレイにしようと拭き取っているルネリスに、オアシスはフルールを伴って話し掛ける。
消耗してはいても、フルールの方も気を失っている訳ではないようで、話の聞き手に回っている訳だ。
「私が、こんな性格してる理由って知ってるかしら?」
「前に言ってましたね……永い時を生きてきた上で学んだ末の結果…でしたか?」
彼のその答えを、オアシスは唇で塞いで遮った。
「んっ……ちょっと違うわね………元は私だって、フルールみたいに頭堅かったのよ?」
「なるほど、アヌビス種そのものだったと……どうしてそんな性格に?」
「そうねぇ………心が一度死んだ、とでも言えば良いかしらね…?」
そこから彼女が話してくれたのは、一種の昔話のような物だった。
砂漠に住まう二人の少女が、互いに神や王と呼ばれる誰かに仕えていた、そんな時代。
だけど、二人の少女は、ちょっとしたきっかけで引き離される。
姉は常世に留まり監視せよと、妹は共に眠り期を待てと。
逆らう事は許されず、姉は流浪の身となった。
何も追放された訳ではないのに、彼女は妹と引き離されるのが死ぬほど辛かったのだ。
今までずっと一緒に居たのに、誰とも知れない誰かからの命令一つで引き裂かれてしまう。
次には会えるかどうかも分からない。
長い時を生きる中で、いつしか彼女の心は消え去っていた。
王たちの眠る墓を守る役目を任され、宝だ財宝だと喜びながら暴きに来た者たちはことごとく何かの餌食にしてやった。
気が付けば少女の姿になっていてもなんら驚く事はなかった。
思えばその頃だったかも知れない、こんな性格になったのは。
「……なぁんて、クサかったかしら…えっ…」
「…辛かったんですね……ずっと…でももう大丈夫…一人なんかじゃないですからね…」
「えっと…あの……その…」
何かを誤魔化すように笑って見せたオアシスだったが、起き上がったルネリスに優しく抱かれて言葉が一個も出なくなってしまう。
別に口を塞がれたり首を絞められている訳じゃない。
優しく、彼女を包むようにルネリスがそっと抱き寄せて頭を撫でていた。
「泣いてもいいんですよ…?私なら受け止めて……ん?」
「………やっぱり無理…歯止めとか無くなっちゃった……もう一回シたいなぁ…」
折角いいムードだったというのに。
オアシスがルネリスの股間を摩り始めてそんな空気は爆ぜて消えた。
まぁ彼も二人の妻を同時に相手にしたのだから、もう勃起させられるだけの余力など残っていない訳だが。
「それは……別の機会にしましょうか…」
「えー?なんでよー?」
「ファラオ様が見てます…」
「げっ…」
こうして、彼らはシャングリラの頭脳として働いていく事だろう。
ピンク色の脳細胞、なんて自分の事を呼ばせていたオアシスにはその後、仕事の大半を押し付けられる罰が待っている訳だが、それはまた別の話。
逆に、オアシスに仕事のほとんどを流されてしまい暇となったフルールがルネリスと三日三晩愛し合ったのもまた別の話。
なおオアシスの仕事が全部終わった後は、仕事の鬱憤や夫への欲望を限界ギリギリまで堪能したのは言うまでもない。
いつの日か、彼らには本当の幸せが訪れるのかもしれない。というか訪れて欲しいものだ。 完
16/04/12 21:33更新 / 兎と兎