アタック24
「―――ここで問題です。いつまで経っても起きないネボスケはだーれだ…」
「うぅん……うるさいなぁ……ボクでいいよ…」
「はにゃんっ!寝言でもピリッと来ちゃうぅ♪」
ここは周りを砂漠に囲まれた中にポッカリと出来た巨大なオアシス地帯の中にある遺跡。
先月、ファラオの力により現出したばかりの新しい街である。
以前は遺跡があった場所を中心に広がっている為か、住む所も豊富である。
何故か全てが修復した上で増築されている為、ちょっとした摩天楼のようになっている場所もあるんだとか。
まぁ、とにかくそんな居住区の中の一室で、甘い声を張り上げた女性がいた。
「……ダメ、スイッチ入っちゃったわ……シちゃうわよ?オイフィス…」
「……っ?!ピクスッ?!」
ピクスと呼ばれた女性が、オイフィスと呼ぶ青年の入る布団へ潜り込んでくる。
モゾモゾと潜ってすぐにでも、彼の顔のすぐ目の前へ顔を出す。
その瞳は、自身の術にかかってなのか、それともただ単にそうしたいだけか、甘く蕩けていた。
「んっ……れろろろろろぉん……ぷぁ!にゃふふ……寝起きだからくっさぁい♪」
「だったらやらなきゃいいだろう…」
キスをしたかと思えば、即座に舌を口の中へ捻じ込んできて縦横無尽に掻き回しまくる。
口を離せば唾液が納豆のように糸を引き、やがてプツンと切れた。
「んもう……そうやって嫌がって、私を誘ってるんでしょう?ほらほらぁ…」
「全く………いつも君はそう……これも問いに入るのかっ?!」
身体に違和感を感じたオイフィスだったがもう既に遅い。
ピクスが触るだけで彼の股間はこれでもかという程に膨れ上がってビクビクと猛々しく震える。
手に触れてそうなっていると確信したピクスは、一気に布団を剥いで彼のズボンも引っぺがす。
どうやら呆れた感じの返答でも、先延ばしにしようとしたように判断されたのだろう。
彼女の呪いが成功して、オイフィスの身体を襲う。
「あぁむっ♪」
「うおぁっ!!」
身体がその場で大きく跳ね、刺激に耐えれず彼女の口の中を精液で満たす。
いきなりの事に頭を抱えたい気持ちだったオイフィスは、ピクスの頭を抱えていた。
「はぁ……はぁ…」
「んぐっ……ぷはぁ♪朝の一番搾りおいし〜!」
寝転がったまま荒い息になっているオイフィスと、彼の足にのしかかって徐々に勢いを失っている彼のモノを舌で舐めていくピクス。
二人は実を言うと、結ばれてからまだ一月程しか経っていない新婚夫婦なのである。
――――――――――――――――――――――
この話は、一か月ほど時を遡って行く。
少し前にオアシス帯を呑み込む形で現れたこの遺跡群は、総じてシャングリラと呼ばれていた。
今までに何人もの冒険家や盗掘屋が潜り、誰一人として帰ってきた者は居ないとされる。
大規模な人数を動員し、今度こそ情報や宝を持って帰ろうと言うのが今回の調査隊の結成のあらすじだ。
その中に、オイフィスの姿もしっかりとあった。
「………」
「どうしたよ、オイフィス?元気が無いが?」
「あぁ…アテンさん…」
周辺の捜索から入っていた彼は、この調査隊の分隊長を務めているアテンという男性。
沢山の人望と、それを守れるだけの実力を備え持つ、言ってしまえばヒーローのような人物である。
「……少し前から、変な夢を見るんです…」
「変な夢?」
「えぇ、実は…」
彼が話した夢の内容はいつもこんな感じであった。
真っ暗な空間に居たかと思えば、目の前に現れた女性に問いを掛けられ、ついでに正解も教えてもらうと言うものだった。
その問いはいつも決まって「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足の生き物とは?」という物で、その後すぐに「答えは人間である」と別の誰かに教えてもらうのだ。
そこでいつも目が醒めるのが繰り返されている。
「……けったいな夢もある物だな…」
「荒唐無稽でよく分からない話ですよね…」
そんな事は体験した自分が一番そう思っている。
なにせ、問答を掛けてきたかと思えばすぐに答えを出してしまうのだから。
馬鹿らしいと最初は気にかけてすらいなかったものの、流石に何回も連続して同じ夢を見ているのでは気味が悪い。
―――――――――――――――――
「………」
そんな事を思い出しながら、オイフィスは目の前の状況に唖然としていた。
確かに今日は遺跡に突入して着実に歩を進める予定だった。
なのに今の現状はどうだ、一度目のトラップに半数の者が引っ掛かり、何もする事無く地下深くへ落ちていく。
二度目のトラップで更に半数が濁流に飲み込まれてどこかへ流されていく。
三度目のトラップを超えた頃には、もうオイフィス以外には誰も居なかった。
そして今、目の前の状況が最も理解し難かった。
「んにゃぁ…?……よぉくここまで来たにゃぁ……はにゃっ?!」
「……」
ネコミミを付けた、褐色肌の女性がオイフィスの行く手を阻むように眠りこけていた。
見れば手足や尻尾までネコのようであり、仮装パーティーの帰りかとも思ったほどだ。
そんな怪しい者の声を、当然何一つ聞く気はない。
心ではそう思っていた彼だったが、彼女の声に言葉に、彼はおのずと反応してしまう。
「誰なんだ、キミは…」
「私かにゃ?私はピクス、この先にある神殿の門番やってるにゃ!で、あにゃたは?!」
「僕はオイフィス・ロット。その神殿の調査に来た…」
そこまで言ったオイフィスだったが、それ以上は何も話せなかった。
話せなかったと言うよりは、まるで何かに拒まれてるかのように舌が回らなくなったのだ。
ついでに身体の自由も効かなくなって、無意識の間にその場へ座り込む。
同じ目線へ屈んだピクスは、彼へこう告げる。
「ここから先に進みたいにゃら、私の出す問いに答えるのにゃ。正解なら通ってよし。不正解なら……んにゃぁ♪」
「んむぅっ?!?!」
言葉を途中で切ったかと思えば、彼女は自らの股間を晒して、動けないオイフィスの口へ擦りつける。
ぐりぐりと捻じ込むように擦りつけ、自らもその快感に酔い痴れる。
オイフィスの方も、あまりに唐突過ぎる彼女の行動に思考がこんがらがっていた。
「はにゃぁぁ……ここで、キミの事を食べちゃうにゃ♪」
「ゲホゲホッ……た、食べる…」
「そっ♪搾り取っちゃうにゃぁ♪」
固唾を飲むオイフィスに、今度は抱きつくようにして彼女が跨ってくる。
いつの間にかギンギンになっていた彼のモノへ、自分で腰を押し付けに行く。
今にも射精してしまいそうなほどもがくオイフィスだったが、不思議と一滴たりとも垂れては来ない。
そうこうしている間に、ピクスによる問答が始まる。
「じゃあ行くにゃ?朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足の生き物ってなーんにゃ?」
「人間」
「はにゃぅっ?!」
彼女の問答、実はつい先日にも同じ問題を出されていた。
出題してきたのは、他でもないアテンだ。
出発前夜の集いにおいて、「面白い事を聞いた」と教えてくれたのが、この問題である。
「赤ん坊の頃は這うから4本足、昼は立ち上がって二本足、夜は歳取って杖ついて三本足」との事。
あっさりとそれを答えた。
その直後から、彼女の様子は突然におかしくなる。
「にゃっ……あにゃぁぁぁ……や、やっぱり使命帯びた問答の時のはキッツィにゃぁ…あっはぁぁああああ!!」
「うおっ!?」
オイフィスの肩を強く握ったまま、ダンスでも踊っていたかのように身体を逸らせて甘い声を垂れ流す。
と同時に彼は自分の股間に何か生温かい物が流れ込んできたのを感じ取る。
視線を腰の方へ向けると、案の定、湯でもぶっかけられたかのように濡れていた。
何も漏らした訳ではない。
強いて言うなら、彼女の方が漏らしたのだ。
それもかなり盛大に。
「まぁきんぐなのにゃぁー……も〜誰にもわたしゃ〜ん…んんぅぅぅっ!!」
「マーキングっておいおい…っ?!」
またしても驚くべき事が彼の身に降りかかる。
さっきまで動けなかった身体が、今度は動けないどころか制御が効かなくなっていたのだ。
気が付けば、上に跨っていた彼女を抱きしめ服を剥ぎ、彼女の敏感そうな小さな乳首にじわじわと顔を近づけていたではないか。
あと少しで舐め回したりしゃぶったり出来そうな程の距離。
しかしそれ以上前へは進めない。
オイフィス自身、そんな事を望んでいる訳でもなければ、これ以上進んでしまえば確実に戻れなくなると本能的に察知していたからだ。
「遠慮しないでにゃ〜っ♪んにゃぅ♪」
「んうっ?!?!?!?!」
恐れていたにも関わらず、そんな事など考えもしないピクスはオイフィスの頭を引っ手繰るように自身の身体へ擦り付ける。
彼女の乳首を口に含んだ瞬間、彼の理性とか知性とか、そう言った邪魔なものが一斉に崩れ去った。
「んぶぅっ!!じゅるるるっ!ちゅぱっ!じゅるるるっ!」
「にゃっ?!にゃにゃぁああっ!!」
獲物を捕らえた肉食獣のように、己の欲を剥き出しにして彼女と言う名の得物を存分に啜る。
そこに居たのは「彼と彼女」ではなく「狩人と獲物」だったのかもしれない。
「ぷぁっ!!はぁ…はぁぁぁ……」
「んにゃぅっ!乱暴なのにゃ……でも、イタミワケなら…んひぅっ…」
荒く獣じみた呼吸で彼女に迫るオイフィスには、最早人間と思わせるような部分は見た目くらいしか残されて居なかった。
状況を完全に無視したシチュエーションであれば、ネコミミの女性をレイプする暴漢以外には見えないだろう。
彼女の言うイタミワケ、と言うのは要するにどっちにも呪いが作用しているという事なのだろう。
とか考えていたピクスを襲う様にして、オイフィスは彼女の衣服をあっと言う間に剥いでしまう。
ついでに自分の衣服もその場で脱ぎ捨てる。
元から彼女のマーキングのせいでびしょ濡れだった事もあってか、普通に服を脱ぐよりもずっと開放的な感覚が彼の身体を包み込む。
「はぁ…はぁ……っ……あ…れ…」
「ふっふ〜ん。正気に戻るのもいきなりなのにゃ……ママのおっぱい恋しいかにゃー?ほれほれ…んにゃぅ!」
自分の胸を手で持ち上げ、オイフィスの目の前でほれほれと揺らして見せる。
するとどうだろう、彼の股間のモノの方が返事を返すではないか。
下は正直とか良く言うが、まさにその通りであった。
「にゃっはは〜!今にもここに入れたそうに震えてるのにゃー?」
「うあぁぁぁ!な、んだ…これぇぇ…」
彼女の膣口に亀頭の先端がほんの少し触れるだけで、頭の中が狂ってしまいそうな程の快感が彼を襲う。
勿論、それは勘違いや敏感になっているとかそういう問題ではない。
確かに多少は性行の際に相性が良い程感じやすいとか聞くが、そういう物ではない。
魔物なのだからそりゃ魔力に満ちた毒壺のような場所へ招き入れようと言うのだ。
その瘴気に充てられて正気で居られるはずも無い。 上手い事言った気がするなぁ。
「それじゃ一気に挿入れちゃうにゃ?んぅ……にゃっはぁぁぁ!!」
「ま…待ってk…うはぁあぁぁぁぁぁ…」
ゆっくりと、快感を噛み締めるようにじっくりと腰を沈めてオイフィスのモノを自分の膣内へ受け入れて行くピクス。
その表情は喜びと快楽とが混ざり合って、とても人前でしてはいけない程に捻じ曲がってしまっている事だろう。
水も無ければ鏡もないのだから確かめるすべはないが。
「んにゅぅふぅぅぅ……ぜぇんぶ入ったにゃぁ…?」
「はぁ…はぁぁあぁぁぁ……こしが……とろけそうで…うぐぅっ…」
歪んだ笑みを向けながら挿入の余韻に浸るピクスとは違い、オイフィスは奥まで挿入するだけで精一杯らしかった。
少しでも油断していると取り返しのつかない事になってしまいそうになる。
具体的な事を言ってしまえば逝ってしまいそうなのだ。
捕えた獲物を逃さないような、来た者を全力でもてなすような、理性を破壊しにかかっているピクスの膣に、オイフィスはどんどん追い詰められていた。
「はっ…はぁっ……んにゃふぅ…じゅっぽじゅっぽいってるにゃぁ……れろんっ」
「ふぁっ!そ…それ…うあぁぁぁぁぁあああ!!」
最初こそ我慢出来ていたが、ピクスに耳を舐められた瞬間には我慢も何もかも砕け散ってしまう。
出すまいと思っていたにも関わらず、彼女の一番奥へ出せる限りの精液をどくどくと流し込む。
びくんびくんと脈打つ度に精が吐き出されて行く。
「ふにゃぁぁぁぁ……たっぷりきてるにゃぁぁ」
「うあぁぁぁ……っはぁ…はぁっ…」
射精してる間も気持ち良さそうに腰を動かしていたピクスが、不意に腰を浮かせて二人の繋がりが解かれる。
当然と言えば当然だが、互いの吐き出した物が混ざり合ってねばついている。
「にゃふふ……決めたにゃ…というか、私の問いを返した時点で決まったにゃ?あ・にゃ・た?」
「はぁ…はぁ………はっ?」
こうして、二人は結ばれましたとさ。
―――――――――――――
「あれから…んぁん!……驚いたのよっ?…○○にゃ!を…んぅっ……やめろってね?」
「正直言うと、最初は…ぅぐっ…ふ、ふざけてるものだと思…って…」
今となっては夫であるオイフィスにのしかかり、今日もピクスは腰を振る。
互いに気持ちいいのだからどこに問題が?と言いたげに、オイフィスも腰を突き上げて妻へ刺激と快楽を叩きつけて行く。
愛の営み、というよりはもう快楽を貪り合うと言った方が正しいかもしれない。
「あらぁ?それじゃやめよっかぁ?前みたいにするにゃぁ?」
「それもいいかもだけど……うぐっ!……やっぱり、今の方がいいかなぁ…なんか、似合わない」
最後の一言がいけなかったのだと、オイフィスは後悔する事になる。
それも今すぐにだ。
「うわぁ!ひっどぉい!……今日一日ずーっとSEXしてくれなきゃ許さなーい!」
「おいおい、ルネリスさん達に怒られ…うぁぁぁ!」
急に腰を深く沈め、一気にキュッと締め上げる。
そうするとオイフィスは我慢できずすぐに射精してしまう。
「ほぉら、ママのおっぱいでちゅよー?」
「はぁ…はぁ……こんのぉ!」
「んひゃぁぁぅ!やっぱりちゅうちゅうすりゅの気持ちいいぃ♪」
こうして、二人はいつまでも愛しあい、快楽を貪り続けるのだった。
なお、この後普通にアヌビスの上司に説教をされるのだが、それはまた別の話。 完
「うぅん……うるさいなぁ……ボクでいいよ…」
「はにゃんっ!寝言でもピリッと来ちゃうぅ♪」
ここは周りを砂漠に囲まれた中にポッカリと出来た巨大なオアシス地帯の中にある遺跡。
先月、ファラオの力により現出したばかりの新しい街である。
以前は遺跡があった場所を中心に広がっている為か、住む所も豊富である。
何故か全てが修復した上で増築されている為、ちょっとした摩天楼のようになっている場所もあるんだとか。
まぁ、とにかくそんな居住区の中の一室で、甘い声を張り上げた女性がいた。
「……ダメ、スイッチ入っちゃったわ……シちゃうわよ?オイフィス…」
「……っ?!ピクスッ?!」
ピクスと呼ばれた女性が、オイフィスと呼ぶ青年の入る布団へ潜り込んでくる。
モゾモゾと潜ってすぐにでも、彼の顔のすぐ目の前へ顔を出す。
その瞳は、自身の術にかかってなのか、それともただ単にそうしたいだけか、甘く蕩けていた。
「んっ……れろろろろろぉん……ぷぁ!にゃふふ……寝起きだからくっさぁい♪」
「だったらやらなきゃいいだろう…」
キスをしたかと思えば、即座に舌を口の中へ捻じ込んできて縦横無尽に掻き回しまくる。
口を離せば唾液が納豆のように糸を引き、やがてプツンと切れた。
「んもう……そうやって嫌がって、私を誘ってるんでしょう?ほらほらぁ…」
「全く………いつも君はそう……これも問いに入るのかっ?!」
身体に違和感を感じたオイフィスだったがもう既に遅い。
ピクスが触るだけで彼の股間はこれでもかという程に膨れ上がってビクビクと猛々しく震える。
手に触れてそうなっていると確信したピクスは、一気に布団を剥いで彼のズボンも引っぺがす。
どうやら呆れた感じの返答でも、先延ばしにしようとしたように判断されたのだろう。
彼女の呪いが成功して、オイフィスの身体を襲う。
「あぁむっ♪」
「うおぁっ!!」
身体がその場で大きく跳ね、刺激に耐えれず彼女の口の中を精液で満たす。
いきなりの事に頭を抱えたい気持ちだったオイフィスは、ピクスの頭を抱えていた。
「はぁ……はぁ…」
「んぐっ……ぷはぁ♪朝の一番搾りおいし〜!」
寝転がったまま荒い息になっているオイフィスと、彼の足にのしかかって徐々に勢いを失っている彼のモノを舌で舐めていくピクス。
二人は実を言うと、結ばれてからまだ一月程しか経っていない新婚夫婦なのである。
――――――――――――――――――――――
この話は、一か月ほど時を遡って行く。
少し前にオアシス帯を呑み込む形で現れたこの遺跡群は、総じてシャングリラと呼ばれていた。
今までに何人もの冒険家や盗掘屋が潜り、誰一人として帰ってきた者は居ないとされる。
大規模な人数を動員し、今度こそ情報や宝を持って帰ろうと言うのが今回の調査隊の結成のあらすじだ。
その中に、オイフィスの姿もしっかりとあった。
「………」
「どうしたよ、オイフィス?元気が無いが?」
「あぁ…アテンさん…」
周辺の捜索から入っていた彼は、この調査隊の分隊長を務めているアテンという男性。
沢山の人望と、それを守れるだけの実力を備え持つ、言ってしまえばヒーローのような人物である。
「……少し前から、変な夢を見るんです…」
「変な夢?」
「えぇ、実は…」
彼が話した夢の内容はいつもこんな感じであった。
真っ暗な空間に居たかと思えば、目の前に現れた女性に問いを掛けられ、ついでに正解も教えてもらうと言うものだった。
その問いはいつも決まって「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足の生き物とは?」という物で、その後すぐに「答えは人間である」と別の誰かに教えてもらうのだ。
そこでいつも目が醒めるのが繰り返されている。
「……けったいな夢もある物だな…」
「荒唐無稽でよく分からない話ですよね…」
そんな事は体験した自分が一番そう思っている。
なにせ、問答を掛けてきたかと思えばすぐに答えを出してしまうのだから。
馬鹿らしいと最初は気にかけてすらいなかったものの、流石に何回も連続して同じ夢を見ているのでは気味が悪い。
―――――――――――――――――
「………」
そんな事を思い出しながら、オイフィスは目の前の状況に唖然としていた。
確かに今日は遺跡に突入して着実に歩を進める予定だった。
なのに今の現状はどうだ、一度目のトラップに半数の者が引っ掛かり、何もする事無く地下深くへ落ちていく。
二度目のトラップで更に半数が濁流に飲み込まれてどこかへ流されていく。
三度目のトラップを超えた頃には、もうオイフィス以外には誰も居なかった。
そして今、目の前の状況が最も理解し難かった。
「んにゃぁ…?……よぉくここまで来たにゃぁ……はにゃっ?!」
「……」
ネコミミを付けた、褐色肌の女性がオイフィスの行く手を阻むように眠りこけていた。
見れば手足や尻尾までネコのようであり、仮装パーティーの帰りかとも思ったほどだ。
そんな怪しい者の声を、当然何一つ聞く気はない。
心ではそう思っていた彼だったが、彼女の声に言葉に、彼はおのずと反応してしまう。
「誰なんだ、キミは…」
「私かにゃ?私はピクス、この先にある神殿の門番やってるにゃ!で、あにゃたは?!」
「僕はオイフィス・ロット。その神殿の調査に来た…」
そこまで言ったオイフィスだったが、それ以上は何も話せなかった。
話せなかったと言うよりは、まるで何かに拒まれてるかのように舌が回らなくなったのだ。
ついでに身体の自由も効かなくなって、無意識の間にその場へ座り込む。
同じ目線へ屈んだピクスは、彼へこう告げる。
「ここから先に進みたいにゃら、私の出す問いに答えるのにゃ。正解なら通ってよし。不正解なら……んにゃぁ♪」
「んむぅっ?!?!」
言葉を途中で切ったかと思えば、彼女は自らの股間を晒して、動けないオイフィスの口へ擦りつける。
ぐりぐりと捻じ込むように擦りつけ、自らもその快感に酔い痴れる。
オイフィスの方も、あまりに唐突過ぎる彼女の行動に思考がこんがらがっていた。
「はにゃぁぁ……ここで、キミの事を食べちゃうにゃ♪」
「ゲホゲホッ……た、食べる…」
「そっ♪搾り取っちゃうにゃぁ♪」
固唾を飲むオイフィスに、今度は抱きつくようにして彼女が跨ってくる。
いつの間にかギンギンになっていた彼のモノへ、自分で腰を押し付けに行く。
今にも射精してしまいそうなほどもがくオイフィスだったが、不思議と一滴たりとも垂れては来ない。
そうこうしている間に、ピクスによる問答が始まる。
「じゃあ行くにゃ?朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足の生き物ってなーんにゃ?」
「人間」
「はにゃぅっ?!」
彼女の問答、実はつい先日にも同じ問題を出されていた。
出題してきたのは、他でもないアテンだ。
出発前夜の集いにおいて、「面白い事を聞いた」と教えてくれたのが、この問題である。
「赤ん坊の頃は這うから4本足、昼は立ち上がって二本足、夜は歳取って杖ついて三本足」との事。
あっさりとそれを答えた。
その直後から、彼女の様子は突然におかしくなる。
「にゃっ……あにゃぁぁぁ……や、やっぱり使命帯びた問答の時のはキッツィにゃぁ…あっはぁぁああああ!!」
「うおっ!?」
オイフィスの肩を強く握ったまま、ダンスでも踊っていたかのように身体を逸らせて甘い声を垂れ流す。
と同時に彼は自分の股間に何か生温かい物が流れ込んできたのを感じ取る。
視線を腰の方へ向けると、案の定、湯でもぶっかけられたかのように濡れていた。
何も漏らした訳ではない。
強いて言うなら、彼女の方が漏らしたのだ。
それもかなり盛大に。
「まぁきんぐなのにゃぁー……も〜誰にもわたしゃ〜ん…んんぅぅぅっ!!」
「マーキングっておいおい…っ?!」
またしても驚くべき事が彼の身に降りかかる。
さっきまで動けなかった身体が、今度は動けないどころか制御が効かなくなっていたのだ。
気が付けば、上に跨っていた彼女を抱きしめ服を剥ぎ、彼女の敏感そうな小さな乳首にじわじわと顔を近づけていたではないか。
あと少しで舐め回したりしゃぶったり出来そうな程の距離。
しかしそれ以上前へは進めない。
オイフィス自身、そんな事を望んでいる訳でもなければ、これ以上進んでしまえば確実に戻れなくなると本能的に察知していたからだ。
「遠慮しないでにゃ〜っ♪んにゃぅ♪」
「んうっ?!?!?!?!」
恐れていたにも関わらず、そんな事など考えもしないピクスはオイフィスの頭を引っ手繰るように自身の身体へ擦り付ける。
彼女の乳首を口に含んだ瞬間、彼の理性とか知性とか、そう言った邪魔なものが一斉に崩れ去った。
「んぶぅっ!!じゅるるるっ!ちゅぱっ!じゅるるるっ!」
「にゃっ?!にゃにゃぁああっ!!」
獲物を捕らえた肉食獣のように、己の欲を剥き出しにして彼女と言う名の得物を存分に啜る。
そこに居たのは「彼と彼女」ではなく「狩人と獲物」だったのかもしれない。
「ぷぁっ!!はぁ…はぁぁぁ……」
「んにゃぅっ!乱暴なのにゃ……でも、イタミワケなら…んひぅっ…」
荒く獣じみた呼吸で彼女に迫るオイフィスには、最早人間と思わせるような部分は見た目くらいしか残されて居なかった。
状況を完全に無視したシチュエーションであれば、ネコミミの女性をレイプする暴漢以外には見えないだろう。
彼女の言うイタミワケ、と言うのは要するにどっちにも呪いが作用しているという事なのだろう。
とか考えていたピクスを襲う様にして、オイフィスは彼女の衣服をあっと言う間に剥いでしまう。
ついでに自分の衣服もその場で脱ぎ捨てる。
元から彼女のマーキングのせいでびしょ濡れだった事もあってか、普通に服を脱ぐよりもずっと開放的な感覚が彼の身体を包み込む。
「はぁ…はぁ……っ……あ…れ…」
「ふっふ〜ん。正気に戻るのもいきなりなのにゃ……ママのおっぱい恋しいかにゃー?ほれほれ…んにゃぅ!」
自分の胸を手で持ち上げ、オイフィスの目の前でほれほれと揺らして見せる。
するとどうだろう、彼の股間のモノの方が返事を返すではないか。
下は正直とか良く言うが、まさにその通りであった。
「にゃっはは〜!今にもここに入れたそうに震えてるのにゃー?」
「うあぁぁぁ!な、んだ…これぇぇ…」
彼女の膣口に亀頭の先端がほんの少し触れるだけで、頭の中が狂ってしまいそうな程の快感が彼を襲う。
勿論、それは勘違いや敏感になっているとかそういう問題ではない。
確かに多少は性行の際に相性が良い程感じやすいとか聞くが、そういう物ではない。
魔物なのだからそりゃ魔力に満ちた毒壺のような場所へ招き入れようと言うのだ。
その瘴気に充てられて正気で居られるはずも無い。 上手い事言った気がするなぁ。
「それじゃ一気に挿入れちゃうにゃ?んぅ……にゃっはぁぁぁ!!」
「ま…待ってk…うはぁあぁぁぁぁぁ…」
ゆっくりと、快感を噛み締めるようにじっくりと腰を沈めてオイフィスのモノを自分の膣内へ受け入れて行くピクス。
その表情は喜びと快楽とが混ざり合って、とても人前でしてはいけない程に捻じ曲がってしまっている事だろう。
水も無ければ鏡もないのだから確かめるすべはないが。
「んにゅぅふぅぅぅ……ぜぇんぶ入ったにゃぁ…?」
「はぁ…はぁぁあぁぁぁ……こしが……とろけそうで…うぐぅっ…」
歪んだ笑みを向けながら挿入の余韻に浸るピクスとは違い、オイフィスは奥まで挿入するだけで精一杯らしかった。
少しでも油断していると取り返しのつかない事になってしまいそうになる。
具体的な事を言ってしまえば逝ってしまいそうなのだ。
捕えた獲物を逃さないような、来た者を全力でもてなすような、理性を破壊しにかかっているピクスの膣に、オイフィスはどんどん追い詰められていた。
「はっ…はぁっ……んにゃふぅ…じゅっぽじゅっぽいってるにゃぁ……れろんっ」
「ふぁっ!そ…それ…うあぁぁぁぁぁあああ!!」
最初こそ我慢出来ていたが、ピクスに耳を舐められた瞬間には我慢も何もかも砕け散ってしまう。
出すまいと思っていたにも関わらず、彼女の一番奥へ出せる限りの精液をどくどくと流し込む。
びくんびくんと脈打つ度に精が吐き出されて行く。
「ふにゃぁぁぁぁ……たっぷりきてるにゃぁぁ」
「うあぁぁぁ……っはぁ…はぁっ…」
射精してる間も気持ち良さそうに腰を動かしていたピクスが、不意に腰を浮かせて二人の繋がりが解かれる。
当然と言えば当然だが、互いの吐き出した物が混ざり合ってねばついている。
「にゃふふ……決めたにゃ…というか、私の問いを返した時点で決まったにゃ?あ・にゃ・た?」
「はぁ…はぁ………はっ?」
こうして、二人は結ばれましたとさ。
―――――――――――――
「あれから…んぁん!……驚いたのよっ?…○○にゃ!を…んぅっ……やめろってね?」
「正直言うと、最初は…ぅぐっ…ふ、ふざけてるものだと思…って…」
今となっては夫であるオイフィスにのしかかり、今日もピクスは腰を振る。
互いに気持ちいいのだからどこに問題が?と言いたげに、オイフィスも腰を突き上げて妻へ刺激と快楽を叩きつけて行く。
愛の営み、というよりはもう快楽を貪り合うと言った方が正しいかもしれない。
「あらぁ?それじゃやめよっかぁ?前みたいにするにゃぁ?」
「それもいいかもだけど……うぐっ!……やっぱり、今の方がいいかなぁ…なんか、似合わない」
最後の一言がいけなかったのだと、オイフィスは後悔する事になる。
それも今すぐにだ。
「うわぁ!ひっどぉい!……今日一日ずーっとSEXしてくれなきゃ許さなーい!」
「おいおい、ルネリスさん達に怒られ…うぁぁぁ!」
急に腰を深く沈め、一気にキュッと締め上げる。
そうするとオイフィスは我慢できずすぐに射精してしまう。
「ほぉら、ママのおっぱいでちゅよー?」
「はぁ…はぁ……こんのぉ!」
「んひゃぁぁぅ!やっぱりちゅうちゅうすりゅの気持ちいいぃ♪」
こうして、二人はいつまでも愛しあい、快楽を貪り続けるのだった。
なお、この後普通にアヌビスの上司に説教をされるのだが、それはまた別の話。 完
16/04/07 22:27更新 / 兎と兎