幸せの四つ葉
――――――いったい、どれほどの時間をこの暗い場所で過ごした事だろう。
―――――自分が何者かは分かっているし、感覚だってちゃんとある。
――――ただ、私は地上に出たことなんて無いし出ようとも思わない。
―――いつだったか、動物たちが言っていたような気がする、人間とは怖い生き物なんだ、私たちを殺して食べてしまうんだって。
――君たちだって植物や動物を食べてるでしょうと言ってあげようかとも思ったけれど、土の中に居るんなら仕方ない。
―頭の上に咲いている綺麗な花、実はちょっとした自慢なんだぁ……まぁ、外に出たことなんて無いんだけれど…
「………ぁぃたっ…」
花びらでも齧られた?いや、それならもっと痛いはずだしお花の蔓なんかが叩いて追っ払ってくれるはず。
大きい子にでも踏まれたかな?
「………ふぇっ?!」
掴まれたっ?!
茎のところを何かにガシッって…
「……ぷぇあっ!………」
「……どうも…」
目の前には見た事も無い人の顔が。
なんというか、怒っているような睨んできているような、そんな顔つきで私を見てました。
こんにちは、初めて会う人。
そしてごめんなさい、怖いです泣きたいです泣いちゃいます。
「…キャアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!??」
「っ?!コレ…は…」
何人かでも殺してきたような目つきが、私を見つめているんですよ?
そりゃ怖くって怖くって、気が動転してどうかしてしまいそうにもなっちゃいます。
しかも、今になって頭の花を引っ張られた痛みがジンジンと脳に響くみたいに駆け巡って来てすっごく痛いです。
「っ……はぁ…はぁ……ぇぐっ……ひぐっ…」
ひとしきり泣き叫んだら、疲れたのとまだ怖さが抜けてないのとで思いっきり泣きじゃくってました。
涙なのか樹液なのか蜜なのかなんて私、覚えてないです。
とにかく泣いて泣いて泣きまくってましたね。
でもそんな時。
「えぇと……その……すみません…」
「ひぅっ……ふぁぃ…んむっ?!」
それは、突然の出来事でした。
土から出てきて間もない私の、きっと泥だらけだったであろう唇が奪われちゃいました。
あの時ほど驚いた事なんて無いんじゃないかな。
だって、軽くキスするくらいならともかくそのまま舌絡まされて、その場に押し倒されちゃって…
「んっっ?!?!んぅぅぅぅ?!?!んんんんぅぅぅ〜!」
「っっっっ………ぷぁ……すみません………本当に……すみませんっ!」
やっと濃厚なキスが終わったかと思ったら、私の身体を軽々と持ち上げて抱っこしてくれて。
そのまま連れて行かれたのは、暗がりの映える湖のすぐそばでしたっけ。
なんでそんなに謝ってばっかりなのかはさておき、ロケーションはバッチリだったと思います。
「えぇと……その……んひゃぅ?!」
走ってたから息が荒いんだと思ってたら、そばの樹に座って抱いたままの私の乳首をカプリ。
詳しくは分からないけれど、人間で言えばだいたい12歳くらいの体つきだった私の身体は、彼からすればおもちゃみたいに軽かったんでしょうね。
「んんぅぅぅぅぅ……はぁあぁ……こりこり…ってぇぇ…!!」
ちょっと噛んでは牛が草とかすり潰すみたいに敏感な所をコリコリっていじめて。
そういえばこの頃からでしたっけ、体中の蔓が動かせるようになり始めたのって。
「っっっ?!?!やらっ……らめぇぇぇ…」
「すみません……もう少しの辛抱ですから…」
おまたの所をごしごしってされてた時が、きっと愛撫で一番感じてたんだと思います。
だって体中がぞくぞくってしていろんなところがびくびくってしてましたもん。
「……もう十分ですね………いきますよ…」
「はぁ…はぁ……ふぇ?!っっぅう?!!」
身体の内側に何かが入ってくる感触に、最初は驚いてました。
けど、それもすぐに痛さに変わって、気付いたら痛さから色々連想して怖さと繋がってたんだと思います。
その時はただ必死で、甘くて気持ちいいけど怖いこの感覚を、ちょっとでも和らげたいとか考えてたかな。
「……はいっ……りました……」
「ふぁっ……ふあぁぁぁぁ……」
「うっ……動きます…ね……」
「んぅぅっ……お…おねがいぃ…」
頭の中お花畑とは言うけれど、この時ばかりは頭の中も上も下もお花畑になってたと思います。
えっ?全然上手くないって?
ふぇぇ……お話しながら考えてたのにぃ…
「うぐっ……きもちよすぎてっ……でるっ!!」
「あっ…ぬけちゃぅ……やだぁ……あっ…」
しばらくお互いに腰振ってたら、途中で果てちゃったんですよね、確か。
で、抜こうとしてたと思ったから蔓と足とで身体を密着させて、身体の一番奥に捻じ込んでもらってそのままどぴゅどぴゅって出てきて…
――――――――――――
―――――――――――――――――
「そう……でしたか…?」
「へー、マドールちゃんって以外に大胆なんだー。ドレイクさんも奥手だと思ってたのにねー」
「はぅぅ……お、お話したんだから返してよぉ〜…」
回想が終わってしまえば、ただのノロケ話であった。
ここは、一風変わった事を生業とする者たちが集う場所。
休憩用にと置かれている長いソファには、一人の青年と二人の少女が座っていた。
その生業とは…
「はぁいはい、心のひろーいアプリコットさまはちゃーんと返してあげちゃうよーっと…あり?」
「………」
「あぅっ……わ、私が倒れても第二第三の私がぁ…」
ドレイクと呼ばれた青年が、ひょいっとアプリコットの持つアイテムを瞬時に取り上げてやる。
それを返してほしいからとマドールはドレイクとの馴れ初めを話すことになっていた訳だ。
樹から離れたドリアードなど、まな板の上の鯉のようなものなのだ。
「これは……栞…?」
「っ?!プロデューサーさんっ?!」
アプリコットから引っ手繰った物は、四つ葉のクローバーを包んだ栞だった。
それを見たマドールが、泣きそうな顔でドレイクへ抱きつく。
彼女が彼を呼んだ時の呼び方が役職での呼び方だったが、これでここがどんな場所で、ここに居る者たちがどのような役職なのかは分かっただろう。
「っ!?………どうぞ……マドールさん…」
「は、はいっ……ありがとうごz…」
「やっぱり大胆だよねー。どうせ私は、マドールちゃんみたいにおっぱい大きくないですよーだ…」
お礼を言おうとしたマドールの言葉を遮るように喋り出したアプリコット。
その目線は、マドールの胸へ集中していた。
いくらか幼さの残る身体とは不釣り合いに大きく、しかし形の良い胸が、抱きついた位置が悪いからかドレイクの股間に押し付けられている。
栞を渡そうとしていたドレイクの様子がおかしかった事もこれで説明がいくだろう。
「おっぱじめちゃったらいいんじゃなーい?私も後で混ぜてよねー……おやすみぃ…」
「えっ?!あ、アプリコットさ…んぅっ?!」
「……ぷはぁ……ぷろd……ドレイクさぁん…」
良い雰囲気になって来ていた訳だが…
「ドレイクさぁん、ヴィントが書いた詩と楽譜持ってき……うっひゃぁぁ!」
「っ?!り、リンシー…さん…?」
「りっ!りりりりりんしーちゃんんっ?!」
休憩室の扉を開けて入ってきた少女には、二人とも見覚えがある。
彼女はドレイクたちがよく世話になる作詞と作曲を引き受けてくれている人の妻である。
昔は腕のいいピアニストだったらしいが、色々あって今は作詞作曲をしている。
まぁ、そんな彼女が入ってきたタイミングたるや…
「わぁ……綺麗な糸引いちゃって……ヴィントにもやってもらおっかな…たっはぁぁぁぁぁぁ!」
「そろそろ新しい子がここにスカウトされてきそうだね〜っと……あぃ、配送ごくろーさん…」
二人のやりとりを見て、顔を真っ赤にしながらその場で8の字に歩き回るリンシー。
それを見て適当な予言と共に書類を受け取り、周りの状況に呆れきっているアプリコット。
「……プロデューサー?……ドレイクさんでいっか……今度は私にもやってよね…」
「あっ……はい…」
「はぅぅ……あぅぅぅ……」
そんなこんなで、新設されたばかりの芸能プロダクションのこれから先は…
なお、ここから一年もしない内にリンシーの届けた唄が世界的な大ヒットを打ち出す事になるがそれはまたいずれ。
Fin
―――――自分が何者かは分かっているし、感覚だってちゃんとある。
――――ただ、私は地上に出たことなんて無いし出ようとも思わない。
―――いつだったか、動物たちが言っていたような気がする、人間とは怖い生き物なんだ、私たちを殺して食べてしまうんだって。
――君たちだって植物や動物を食べてるでしょうと言ってあげようかとも思ったけれど、土の中に居るんなら仕方ない。
―頭の上に咲いている綺麗な花、実はちょっとした自慢なんだぁ……まぁ、外に出たことなんて無いんだけれど…
「………ぁぃたっ…」
花びらでも齧られた?いや、それならもっと痛いはずだしお花の蔓なんかが叩いて追っ払ってくれるはず。
大きい子にでも踏まれたかな?
「………ふぇっ?!」
掴まれたっ?!
茎のところを何かにガシッって…
「……ぷぇあっ!………」
「……どうも…」
目の前には見た事も無い人の顔が。
なんというか、怒っているような睨んできているような、そんな顔つきで私を見てました。
こんにちは、初めて会う人。
そしてごめんなさい、怖いです泣きたいです泣いちゃいます。
「…キャアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!??」
「っ?!コレ…は…」
何人かでも殺してきたような目つきが、私を見つめているんですよ?
そりゃ怖くって怖くって、気が動転してどうかしてしまいそうにもなっちゃいます。
しかも、今になって頭の花を引っ張られた痛みがジンジンと脳に響くみたいに駆け巡って来てすっごく痛いです。
「っ……はぁ…はぁ……ぇぐっ……ひぐっ…」
ひとしきり泣き叫んだら、疲れたのとまだ怖さが抜けてないのとで思いっきり泣きじゃくってました。
涙なのか樹液なのか蜜なのかなんて私、覚えてないです。
とにかく泣いて泣いて泣きまくってましたね。
でもそんな時。
「えぇと……その……すみません…」
「ひぅっ……ふぁぃ…んむっ?!」
それは、突然の出来事でした。
土から出てきて間もない私の、きっと泥だらけだったであろう唇が奪われちゃいました。
あの時ほど驚いた事なんて無いんじゃないかな。
だって、軽くキスするくらいならともかくそのまま舌絡まされて、その場に押し倒されちゃって…
「んっっ?!?!んぅぅぅぅ?!?!んんんんぅぅぅ〜!」
「っっっっ………ぷぁ……すみません………本当に……すみませんっ!」
やっと濃厚なキスが終わったかと思ったら、私の身体を軽々と持ち上げて抱っこしてくれて。
そのまま連れて行かれたのは、暗がりの映える湖のすぐそばでしたっけ。
なんでそんなに謝ってばっかりなのかはさておき、ロケーションはバッチリだったと思います。
「えぇと……その……んひゃぅ?!」
走ってたから息が荒いんだと思ってたら、そばの樹に座って抱いたままの私の乳首をカプリ。
詳しくは分からないけれど、人間で言えばだいたい12歳くらいの体つきだった私の身体は、彼からすればおもちゃみたいに軽かったんでしょうね。
「んんぅぅぅぅぅ……はぁあぁ……こりこり…ってぇぇ…!!」
ちょっと噛んでは牛が草とかすり潰すみたいに敏感な所をコリコリっていじめて。
そういえばこの頃からでしたっけ、体中の蔓が動かせるようになり始めたのって。
「っっっ?!?!やらっ……らめぇぇぇ…」
「すみません……もう少しの辛抱ですから…」
おまたの所をごしごしってされてた時が、きっと愛撫で一番感じてたんだと思います。
だって体中がぞくぞくってしていろんなところがびくびくってしてましたもん。
「……もう十分ですね………いきますよ…」
「はぁ…はぁ……ふぇ?!っっぅう?!!」
身体の内側に何かが入ってくる感触に、最初は驚いてました。
けど、それもすぐに痛さに変わって、気付いたら痛さから色々連想して怖さと繋がってたんだと思います。
その時はただ必死で、甘くて気持ちいいけど怖いこの感覚を、ちょっとでも和らげたいとか考えてたかな。
「……はいっ……りました……」
「ふぁっ……ふあぁぁぁぁ……」
「うっ……動きます…ね……」
「んぅぅっ……お…おねがいぃ…」
頭の中お花畑とは言うけれど、この時ばかりは頭の中も上も下もお花畑になってたと思います。
えっ?全然上手くないって?
ふぇぇ……お話しながら考えてたのにぃ…
「うぐっ……きもちよすぎてっ……でるっ!!」
「あっ…ぬけちゃぅ……やだぁ……あっ…」
しばらくお互いに腰振ってたら、途中で果てちゃったんですよね、確か。
で、抜こうとしてたと思ったから蔓と足とで身体を密着させて、身体の一番奥に捻じ込んでもらってそのままどぴゅどぴゅって出てきて…
――――――――――――
―――――――――――――――――
「そう……でしたか…?」
「へー、マドールちゃんって以外に大胆なんだー。ドレイクさんも奥手だと思ってたのにねー」
「はぅぅ……お、お話したんだから返してよぉ〜…」
回想が終わってしまえば、ただのノロケ話であった。
ここは、一風変わった事を生業とする者たちが集う場所。
休憩用にと置かれている長いソファには、一人の青年と二人の少女が座っていた。
その生業とは…
「はぁいはい、心のひろーいアプリコットさまはちゃーんと返してあげちゃうよーっと…あり?」
「………」
「あぅっ……わ、私が倒れても第二第三の私がぁ…」
ドレイクと呼ばれた青年が、ひょいっとアプリコットの持つアイテムを瞬時に取り上げてやる。
それを返してほしいからとマドールはドレイクとの馴れ初めを話すことになっていた訳だ。
樹から離れたドリアードなど、まな板の上の鯉のようなものなのだ。
「これは……栞…?」
「っ?!プロデューサーさんっ?!」
アプリコットから引っ手繰った物は、四つ葉のクローバーを包んだ栞だった。
それを見たマドールが、泣きそうな顔でドレイクへ抱きつく。
彼女が彼を呼んだ時の呼び方が役職での呼び方だったが、これでここがどんな場所で、ここに居る者たちがどのような役職なのかは分かっただろう。
「っ!?………どうぞ……マドールさん…」
「は、はいっ……ありがとうごz…」
「やっぱり大胆だよねー。どうせ私は、マドールちゃんみたいにおっぱい大きくないですよーだ…」
お礼を言おうとしたマドールの言葉を遮るように喋り出したアプリコット。
その目線は、マドールの胸へ集中していた。
いくらか幼さの残る身体とは不釣り合いに大きく、しかし形の良い胸が、抱きついた位置が悪いからかドレイクの股間に押し付けられている。
栞を渡そうとしていたドレイクの様子がおかしかった事もこれで説明がいくだろう。
「おっぱじめちゃったらいいんじゃなーい?私も後で混ぜてよねー……おやすみぃ…」
「えっ?!あ、アプリコットさ…んぅっ?!」
「……ぷはぁ……ぷろd……ドレイクさぁん…」
良い雰囲気になって来ていた訳だが…
「ドレイクさぁん、ヴィントが書いた詩と楽譜持ってき……うっひゃぁぁ!」
「っ?!り、リンシー…さん…?」
「りっ!りりりりりんしーちゃんんっ?!」
休憩室の扉を開けて入ってきた少女には、二人とも見覚えがある。
彼女はドレイクたちがよく世話になる作詞と作曲を引き受けてくれている人の妻である。
昔は腕のいいピアニストだったらしいが、色々あって今は作詞作曲をしている。
まぁ、そんな彼女が入ってきたタイミングたるや…
「わぁ……綺麗な糸引いちゃって……ヴィントにもやってもらおっかな…たっはぁぁぁぁぁぁ!」
「そろそろ新しい子がここにスカウトされてきそうだね〜っと……あぃ、配送ごくろーさん…」
二人のやりとりを見て、顔を真っ赤にしながらその場で8の字に歩き回るリンシー。
それを見て適当な予言と共に書類を受け取り、周りの状況に呆れきっているアプリコット。
「……プロデューサー?……ドレイクさんでいっか……今度は私にもやってよね…」
「あっ……はい…」
「はぅぅ……あぅぅぅ……」
そんなこんなで、新設されたばかりの芸能プロダクションのこれから先は…
なお、ここから一年もしない内にリンシーの届けた唄が世界的な大ヒットを打ち出す事になるがそれはまたいずれ。
Fin
16/01/22 17:03更新 / 兎と兎