謎のメモ用紙をリーフが落としたのを拾ったネル。タイミングを見計らって電話を掛けて、その相手が女性で、しかも聞き覚えのある。そう、あの時に一歩間違えればリーフの初めてを奪っていたかもしれないアラクネ、ラニィだと分かったネルは心の中にそのラニィに対する嫉妬心と、リーフを自分の物にしたいと思う独占欲だけ持ってリーフの部屋へと向かった。

「・・お兄ちゃん・・」
そして、ネルは直ぐにリーフの部屋に到着した。元々そこまで広くないのだ。直ぐに到着してしまう。そして、リーフは走らせていたペンを止めてネルの傍まで歩いて来た。

「・・ネル？どうしたの？気分悪い？」
ネルの顔を覗き込んだリーフは、ネルの顔色が優れていないと一目で分かった。ただ、その原因は他の場所にある。気分が悪い等の一般的な物とは違う。もっとどす黒い物にネルは顔色を悪くしていた。

「お兄ちゃん・・アレ・・した後にまた誰かとした？」
リーフに顔を覗きこまれたネルは、リーフにギリギリ聞こえる程度の小さな声で呟いた。

「な・・何言って・・」
「ホントはシチャッタンダヨネ・・あのお姉さんと・・」
リーフはもちろん否定しようとしたが、ネルがそれを片言になりつつある声で遮った。その声にはいつものような明るい声色は一切含まれていなかった。

「だって・・お兄ちゃんの体・・あの女の匂いがするもの・・」
「ちょっと待て！俺がラニィといつ・・！？」
「ほぅら、やっぱりシチャったんだ。私を放って・・」
「違うっ！そんな事してなんか・・」
「嘘だっ！！」
リーフが必死に否定を続けていたが、ネルはそれを認めようとはしなかった。心の中ではそうあって欲しくないと思っている筈だ。しかし、リーフの挙動が考えを裏切っておらずこれは予想通りだとしかネルには考えられなかった。尚も否定を続けようとしたリーフだが、ネルはその可愛らしい声から出るとは思えないような大きな声でリーフの口を一言で閉ざした。

「嘘はいけないんだよ？お兄ちゃん。それでね？私考えたの。お兄ちゃんがまたあの頃みたいに優しいお兄ちゃんに戻ってくれる方法。」
ゆっくりと自分の胸を撫で下ろしたネルは、リーフの隙を突いて四肢を全て蔓で縛り上げて磔にした。以前の様に勢いを付けるだけで千切れるような細さでは無い。相当に太い蔓を使っている。

「それはね？お兄ちゃんが私だけの物になる事なんだよ？」
そう言ってネルはリーフと同じ高さになるように自分も蔓で持ち上げると、リーフの体を撫でまわし始めた。昨日までは快楽と言う言葉すら知らなかったネルが、今は本能を頼りにリーフを恋している。

「さて、お兄ちゃん。またシヨウ？一緒にキモチヨクなろうよ。」
もはや本能の赴くままに自分の義理の兄を犯そうとしているネル。その時リーフはネルの瞳を見てただでさえ開けないでいる口が、息が止まるほどの痛みを感じた。その瞳は、焦点が何処かへ飛んでいって瞳孔が開いているように色の境目が見えない。しかも目尻には零れんばかりの涙が溜まっていた。

「お兄ちゃん・・ワタシ・・お兄ちゃんの事・・スキダヨ？」
片言になりつつもリーフを見つめたネルは、蔓を使ってリーフの服を器用に脱がせた。一瞬だけ、四肢の内の片方を外していたので反撃も出来た筈のリーフだったが、ネルがその間ずっと壊れた涙目で見つめているのを見て、まるでサキュバスが駆使すると言われる魅了の魔法を受けたかのように体の自由が利かなかった。

「お兄ちゃん。これからも・・ズット・・ずっと・・イッショダヨ？」
そう呟いたネルは、衣類全てを脱がされたリーフの唇に自分の唇を重ねた。そしてそのままリーフの口に舌を潜り込ませたネルは、熱いキスをリーフと交わした。その間、ネルとリーフの粘膜が接触する嫌らしい音は家の中全体に伝わっていた。

「んむ・・あむ・・んっ・・はぁっ・・」
リーフとどれくらいの間舌を交わらせただろう。かなりの時間舌を絡ませたネルは、暫くして名残惜しそうな顔をして口を離した。すると、二人の口からは粘膜が作り上げた白い糸のような物が橋の様になって二人を繋いでいた。

「ふふっ・・お兄ちゃん。マダマダダヨ？」
口から糸の橋が掛かったのを見たネルは、そのままリーフともう一度キスを交わした。

「(くっ・・このままじゃ・・心が・・死ぬ・・)」
ネルに何度も舌を絡まされ、段々と頭の中がフワフワとしてきたような感覚に陥っていたリーフだが、体には力も入らず、思考能力もだんだんと失われてきた。

「はぁ・・オニイチャン。あの女が汚した此処・・キレイにシテアゲル・・はむっ・・」
ネルが、またさり気無くリーフの口の中に淫蜜を流し込み、呼吸に余裕が無くなったネルは一度口を離した。そこで自分も息継ぎをしたリーフだが、ネルは今度はキスで肥大化しているリーフの大きくなった棒をいきなり喉元まで銜え込んだ。あまりの快楽に体を捩らせていたリーフだが、ネルは御構い無しに棒を責め立てる様にして頭を上下に動かしていた。

「んむっ・・はむっ・・んぅ・・！ｺﾞｸｯ･･ｺﾞｸｯ･･お兄ちゃんの美味しい・・」
ネルは、リーフの表情など見もしないで棒を銜えこんでいた。しかし、リーフは顔に余裕が無くなって行っており、ネルが最後に喉の奥まで銜えこんだときに棒をまた大きくさせた。そして間髪いれずにリーフは義理の妹の喉の中で果てて白い液体をネルの喉の中へとぶちまけた。それを美味しそうに飲み干したネルは、息も荒いうちにあっという間に残り汁も吸い出すとやっと口を離した。ネルの口からは、ネルの涎とリーフの精液が混じった液体が零れている。

「はぁ・・はぁ・・それじゃ、ホンバンダヨ？お兄ちゃん・・私を・・キモチヨクさせて？」
リーフの目の前で、蕩けてしまいそうなほど濡れた秘部を見せたネルはそのままリーフの棒へとそれを進ませようとした。

「(くっ・・このままじゃ・・！)止めるんだ！」
声を出せなかったリーフは、心の中で諦めかけていた。もう、妹に犯されて犯されて犯されて・・それしか無いと思ったその時、効果が切れたのか喉に空気が通るような感覚が起こると同時にネルを制止させようと声を上げた。結果は上々で、喋らなかったリーフを驚いたような眼で見つめたネルは腰を降ろすのを止めてリーフに抱きついた。

「お兄ちゃん・・ワタシネ？・・お兄ちゃんの、その可愛い顔がスキ。お兄ちゃんの、私とは違った色をした綺麗な髪がスキ。お兄ちゃんの、私を優しく抱いてくれる腕がスキ。お兄ちゃんの、私を優しく撫でてくれる手がスキ。お兄ちゃんの、私と違って速いその足がスキ。最後に、お兄ちゃんの、私をどこまでも気持ち良くさせてくれるこの棒がスキ。それでも、お兄ちゃんは・・私の事・・キライ？」
延々とリーフに好きと連呼したネルは、リーフに抱きついたままリーフの答えを待っていた。リーフは、なんの考えも無しに「好きだよ。」と返した。

「ヨカッタ・・お兄ちゃんは・・私の事・・嫌いじゃなかったんだ・・それじゃ、行くよ？」
目尻に溜まっていた涙を零したネルは、未だに焦点の収まっていない眼で自分の秘部をリーフの棒に合わせると、その肥大化した棒を自分の秘部で飲み込んだ。

「うあっ・・んんっ！ネル！気持ち・・はぁっ・・良過ぎだ・・」
「んぅ・・あはっ！お兄ちゃんと一つになった。これでオニイチャンは・・」
ついに下拵えの段階を超えて一つに繋がったネルとリーフ。その表情は、双方共に気持ち良さそうな良い表情をしている。そして、リーフの棒を根元まで飲み込んだネルは、快楽に身を任せて腰を振り始めた。

「ふっ・・ぐっ・・うっ・・っ！ネル・・」
「んあっ・・あん・・うんっ・・はっ・・ふっ・・お兄ちゃん。気持ちいいよ！」
蔓で磔にされているリーフの上で、ネルは自分で蔓を使って上下して快感を貪っていた。その姿は、以前の様な純粋無垢なネルの姿など微塵も無かった。今あるのは、魔物としての本能を駆使してリーフを快感へと誘っている一人のアルラウネとしてのネル一人だった。

「うぁ・・ふっ・・くっ・・」
「あぁ・・はぁ・・あんっ・・うんっ・・お兄ちゃん！モット！モット！」
ネルに正面から立っているような状態で自分の棒の侵入を許して数分後、リーフはあまりの快感に無意識のうちに縛られていない腰を使って、ネルの快楽を一緒に貪ろうと腰を力強く振っていた。それにより、始めた時よりも強い快楽に身を包んだネルは、陰部から湧き出た淫蜜を床に零しながら、絶頂の階段を着実に上っていた。

「ふっ・・あっ・・くっ・・うあっ！ネル・・離れて・・」
「出ちゃうの？膣中に・・あん・・出ちゃう・・の？ダシテ！お兄ちゃんの・・ふあぁっ・・精液、ネルに・・んんっ・・一杯・・はぁ・・頂戴！」
腰を振っていたリーフは、快楽に屈してしまいそうになっていた。それがネルに伝わったのか、ネルは腰を振りつつもリーフと自分を蔓で縛ると、二人が離れられないようにした。更にリーフの首に腕を回したネルは、そのままリーフをキスをした。

「・・ふっ・・んっ・・！あっ！うあぁぁぁ！」
「んむっ・・はぁ・・イクッ！来て・・おにいちゃ・・来たぁぁぁぁ！」
暫く同じような快感が体の周りをループしていたネルとリーフ。しかし、腰を振っていたリーフは、限界へと到達してネルの膣中に自分の精液を目一杯放って行った。精液が音を立ててネルの膣を無視して直接子宮(雌しべともとも言う)に溢れたのを感じたネルは、その感覚を覚えながら自分も果てた。そして二人を繋ぐ場所からは、ネルの愛液と淫蜜、リーフの精液とが混じった白濁色のドロっとした液体が溢れていた。

「はぁ・・はぁ・・お兄ちゃんがナカに居るのが・・ワカルヨ・・」
快感に体を震わせ、リーフと繋がったままのネルは自分のお腹を撫でてリーフの感じを堪能していた。そして気持ちよさから力が抜けたネルは、そのままリーフに倒れ込むようにして凭れかかると、呼吸も荒いままにリーフへとキスをした。

「オニイチャン・・マタ・・シヨウネ・・」
そう呟いたネルは、体から力が抜けきって床に倒れそうになった。しかし、最後の力を振り絞って蔓を使ったネルは、その蔓で自分の体を受け止めるとそのまま疲れ果てて眠ってしまった。

「はぁ・・はぁ・・ネル・・気持ちよかったよ・・」
「フフッ・・お兄ちゃん・・・・・ンッ・・」
息を切らしていたリーフは、眠った事により解放されたネルの蔓から抜け出ると、一言ネルにお礼を言って二人の繋がりを離した。その直後から、二人が繋がっていた場所からは白濁した液体が絶え間なくネルの膣から垂れ出ていた。

「さて・・これから勉強に・・無理そうかな・・一緒に寝ようか。ネル。」
ネルの気持ち良さそうな寝顔を見てから、立ちあがろうとしてこれからの事を考えていたリーフだが、腰を乱暴に振り過ぎたのか腰は震えて立てそうになかった。そこで、リーフは既に夢の中に居るネルと一緒に一夜を過ごす事にした。そして、ネルとリーフはそのまま仲良く眠りに着いた。

それから数年後。

「起きて？アナタ！もう朝だよ？・・・もう・・お兄ちゃん、起きて・・」
あれから数年が経ち、体もすっかり大人になったネルは、山になっている布団を揺らして誰かを起こそうとしていた。しかし、起こそうとしている対象はまだ眠いようで、布団から出てこようとしなかった。そこでネルは枕元にある対象の耳元であの言葉を呟いた。

「・・んんっ・・おはよう、ネル。今日は早いな。」
布団から出て来たのは、もう23になったリーフの姿だった。その姿は、あの頃と比べて随分と身長も伸びている。そしてネルはあの頃と比べて、体のいろんな所も大きくなり、花弁も冬眠時に自分を包み込むだけの大きさになっていた。そして、二人の子供も。

「おとぉさん？起きたの？」
「ああ・・おはよう。チコ。」
「ところでおとぉさん。チコ、お腹空いちゃった・・」
チコは、眼を擦りながら可愛らしい蜂のぬいぐるみを持ってリーフの寝室へとやってきた。寝ぼけているのか、下半身の花弁の手入れがなっていない。すると、ネルはため息を吐きながらチコの花弁を撫でて整えてあげた。

「あっ・・んんっ・・ありがと、おかぁさん。」
やはり花弁も体の一部なのはアルラウネは誰も変わらないらしく、ネルに整えられている間、チコは少し我慢気味に喘いでいた。まだ幼いのに、いつアルラウネとしての本能に目覚めてしまうのか心配になるリーフだったが、その直後にチコに朝ご飯をせがまれて、眼も冴えたリーフはネルと一緒に台所に向かうのだった。
リーフは学校で良い成績を収めた事が高く評価されて、現在は植物学者になっている。ネルは、その助手と言う形でリーフと一緒にいる。そしてチコは、何不自由なく、リーフの通っていた学校へ通っているのだった。

■作者メッセージ
今回でこのお話は終了です。近々にでも短編でチコの物語を書こうかなんて思っていますが、それは私の体調次第という事で。それでは、今まで読んで頂いた皆さん！ありがとうございました。感想もじゃんじゃん送ってきてくださいね。