連載小説
[TOP][目次]
一通目
拝啓

バフォ様、お久しぶりです。俺は何とか元気です。

何とか別の町にたどり着くことができました。
グランヘブンという教会都市で、名前の由来は「地上の楽園」らしいです。
この大陸では教会勢の中で一番規模が大きい街なんだそうです。周りが城壁で覆われていて、騎士の人たちが見回りをしていて警備も万全、といった感じです。
そして、確かに大きいだけあって宿屋や飲食店、雑貨店などが充実してますね。あと綺麗な石畳で道が舗装されていて、すごく歩きやすいです。
途中で立ち寄った農村とは比べ物にならないです(その村には宿屋がなかったので牛小屋を借りました)。代わりというかなんというか、その泊めてくれた農家の方がすごく親切で、ご飯とか牛乳とか、色々なものを無料で分けてくれたのはありがたかったですけど。
しかし・・・魔物っ娘が1人(1匹?)もいないのにどこが楽園なんだろうかと、この街の創始者に血を吐くほど吐かせるほどの勢いで問い詰めたい気持ちですが、速攻で命が終了しそうなのでやめておきます。そもそももう死んでるっぽいですし。残念。でも街のいたるところに創始者の銅像・胸像がおいてあってもう正直うざいです。禿げで髭面とかもう・・・。晴れてるせいで頭がピカピカ光っててまぶしくてまぶしくて・・・。
でも魔女の方々は結構潜んでいるみたいですねー。
傷薬とか風邪薬とか色々補充しようと思って薬屋に入ったら、売り子がロリロリしくて魔女っぽい子でしたし、なんか無駄にピンク色の薬とかありましたし(一応何これって聞いたら、謎の笑みで「な・い・しょ♪」と答えられました)。
とりあえずは暫くここで滞在して身体を鍛えようと思います。
使い物になるのかどうかはわかりませんが、対魔物用の訓練所とかいうのが無料開放されているらしいので、そこを利用させてもらおうと思います。
まぁ討伐する気なんて全くありませんが。
正直、逃げるためでも殴る蹴るとかはしたくないので、武術訓練とかだったらちょっとどうしようかなとか思ってますが・・・。
あと、余計なお世話かもしれませんが、お土産として魔(男)除けのお守り入れておきました。かなり効き目があるそうです。部屋の隅っこにでも飾って置いてくれたら嬉しいです。
それではまた、この町を出発する時に手紙を出そうと思います。

敬具

追伸:夏です。最近暑くなってきました。夕立が降った後がすごく涼しくて気持ちいいです。街中石で作られてるせいか、ちょっと暑すぎてぐったりしていますが、バフォ様は大丈夫でしょうか。
12/06/24 20:39更新 / マオ・チャルム
戻る 次へ

■作者メッセージ
ずいぶん前に拍手で送っていたバフォ様への手紙を追加編集してネタにしていきます。

ちなみに差出人の名前はドナー・ハイク・フォーケインです。多分出てこない。
はい、あの子のいとこです。どうやら魔物に好かれる血筋のようで。こいつは自分から愛しに行ってる側ですが。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33