ある女勇者のリリム退治!
「はははっ、ついに…ついにここまで来たぞーーーー!!」
わたしは教団所属の女勇者!
今回はここら辺にいきなり城を建て、街を侵略したクソ迷惑な魔物を退治しに来たのよ!
今やっとその城が見える所まで着いたのよ!!
えっ?一言目が女っぽくない?
………あんた、わたしの魔法で塵になりたいの?
まあいいわ。
しかしここまで来るのに随分と時間がかかって疲れたわ…
だって、ここに来るまでにいろんなものに遭遇したのよ!
出発してから順番に言えば
スライム→アルラウネ→アラクネ→泥棒→ホーネット→ワーウルフ→オーク→強盗→サキュバス→リザードマン→オーガ→盗賊→アマゾネス→ヴァンパイア→ドラゴン→おっさん(性犯罪者)
ってな感じで遭遇したのよ!
絶対に疲れるでしょ!!
最初はスライムだったからこりゃあ楽勝だね!とか思ってたら後半無駄に強い魔物ばっかりだったし!
3回魔物と遭遇したら何故か決まって悪い人間が出てくるし!
ちなみに人間は全員捕まえて縛り上げて警備兵に差し出したわ。男なんてザコよザコ!
魔物はもちろん皆さくっと退治したわよ。
……え?『魔物を退治するなんて酷い!』って?ああ、殺してはいないわよ。
全員わたしの魔法で吹っ飛ばした後に聖剣でおもいっきり『殴って』気絶させただけ。
いくら相手が魔物だからって命までは奪わないわよ。悪い事やってる奴を吹っ飛ばして気絶させるだけ。
魔物であろうが命を簡単に奪うのは勇者じゃなくて殺人鬼よ!そいつは悪魔だ!!
なんか主神は魔物滅ぼせとか言ってるらしいけど、滅ぼすよりはこちらのほうが強いことを見せつけておとなしくしてもらった方がまだ平和じゃん?
わたし勇者だもん。平和大好きだもん。
……なんか話が大分あさっての方向に飛んでいった気がするわね…
とにかく、わたしは最近になっていきなり城を建て、街を侵略したクソ迷惑な魔物の退治に来たのよ!
しかもそのクソ迷惑な魔物、魔王の娘らしいのよ。つまりリリムらしいの。
まーたすっごく面倒な奴が来たわね…だからわたしが行く事になったのね……
ん?『だから』ってどういう事かって?
ああ、わたしはこれでも相当強いのよ!いわゆるチートキャラみたいなものよ!チートが良く分からないけど。
ここに来るまでもアマゾネスまでは所謂ノーダメージよ!!
さすがにヴァンパイアは夜だった事もあるし、ドラゴンも旧魔王時代の姿かつトンネル内での戦闘だったから1、2発は攻撃喰らったけど大したダメージじゃ無かったし、こっちも攻撃魔法2、3発ぶっ放してから聖剣で殴ったら簡単に気絶したわ。
おっさんは論外。あんな女の子を無理やり襲う性犯罪者じゃ相手にもならないわ。
それぐらいわたしは強いってこと。理解できた?
だからわたしにこの仕事がまわってきたのよ……頼られるのも考えものね…
だってリリムなんて下手したらドラゴンがザコになるレベルの実力持ってるのだっているじゃない?
……ホント、めんどうだわ……
はやく帰ってごろごろしたい……
こんなこと考えているうちに、いつの間にかリリムが居る城の入口まで着いてしまった。
「はぁ〜〜〜ここが目的地かぁ…でかすぎるだろちくしょう!!」
入り口の門だけでわたしの10倍以上の高さがあるとか身長140ちょいセンチのわたしに対する嫌がらせか!!
「まあいいや……さっさとクソ迷惑なリリムを倒しに行きますか……」
=====================
「そこのお嬢さん!お待ちなさい!!」
「ん?」
城の中をぐんぐんと進んでいたらいきなり横から声をかけられた。
「お嬢さんってわたしの事?」
「あなた以外にだれが居るのですか!」
「まあいないけど…なに?」
声をした方を向いてみると…メイド服を着た魔物が立っていた。
紫の尻尾に蝙蝠のような同じく紫の翼、それに角…間違いない、サキュバスね。
「なにって…あなたはここに何をしにきたのですか?」
「ここに勝手に城を建てて街を侵略したクソ迷惑なリリム退治に!」
「な、なんですって…そんな……」
サキュバスぐらいなら襲われても特に問題ないから素直に答えたわ。
さあ、どうでるかな…
「そんな…この城を建てることの許可はきちんととってあります!」
「へ!?」
なんですと!?
「この街の元領主さんにきちんと了承を得てからここに家を建てました!だから勝手とか迷惑とか言われても困ります!」
「え〜、マジで?」
「当たり前です!何なら今から聞きに行ってみたらどうですか?住所教えますから!」
「いや、めんどいのでいいです…」
…なんてこったい。
せっかくここまで苦労してきたっていうのに別に勝手に建てて迷惑かけたわけでは無いとか…
しかも話し的に絶対穏やかな雰囲気で行われているわね…
侵略もきっとしてないわ…たぶんもともと元領主は親魔物派だったのね…
もうやってらんない…
「はぁぁ〜〜、何か疲れた…」
「ところで、あなた勇者ですか?」
「そうだけど何?」
これからどうしようかと思っていたところにメイドサキュバスが話しかけてきた。
「ここの主が王女様と知っていて来られたのですよね?」
「そうよ。私なら倒せるんじゃないかと思った教団のおえらいさんに言われてね」
今考えればたぶん勝手に迷惑とか侵略したとか言ってたのあのおえらいさんよね。
帰ったら一回文句言ってやろうかしら。言ったら多分異端扱いされて人生終わる気がするから言わないけど。
とか考えていたら…
「では、あなたを帰らせる訳にはいかなくなりました」
「へ?なんで?」
メイドサキュバスがいきなり訳の分らん事を言ってきた。急展開過ぎる。
「他の魔物娘の為にも、王女様を倒せる可能性を持った勇者を放っておく訳にはいきません」
「ちょ、ちょっとまってよ!」
何か勘違いされてそうだからこれだけは言っておかないと!
「わたしは一回も魔物の命を奪った事は無いわよ!別に危険でも何でもないじゃない!」
「いいえ。命までは奪わなくても彼女たちを傷つけることには変わりありません。十分危険です!」
まあ確かには攻撃はするけど…だってしないとこっちがやられちゃうじゃん!
「それにあなたですよね?ここ最近にドラゴンさんを簡単に退けた女勇者というのは」
「あ〜確かに退けたわ。ここに来る途中のトンネル内に寝床を造った迷惑な奴の事でしょ?」
「何を言っているんですか!?あのドラゴンさんはあなた達教団の人間が簡単にこの街に侵入できないようにあそこで守ってもらっていたのですよ!?」
「あ、そうだったのか」
だからわたしは何もしないで素通りしようとしただけなのにあのドラゴン襲って来たのね。納得。
じゃああのドラゴンには悪いことしちゃったわね〜。帰りにあやまっておこう。
無事に帰れたらだけど。
なんせ今目の前には今にも攻撃してきそうなメイドサキュバスがいるからね…
「で、どうするの?わたしを帰さないって言ってたけど、サキュバスごときじゃわたしは倒せないわよ?」
「…私は王女様の御世話係、名はリリー。そこいらのサキュバスと同じと思わない方が良いですよ?」
ふーん、やっぱりやる気ね。
感じる魔力から本当にそこいらのサキュバスとは格が違うみたいね…
ここで人生を捨てる気は無いから、悪いけど速攻で倒してしまうわ。
「あっそう……敵を追尾し電撃よ…『電撃波』!」
「!?」
わたしは相手を追尾する電気の波を発射し、メイドサキュバス、もといリリーにあてた。
普通のサキュバスならこれで大体気絶させられるのだが、はたしてどうかな!?
「…いきなりですか。しかも規格外の威力ですね」
「へぇ〜、喋る余裕もあるんだ…確かに他のサキュバスとは違うわね…」
言うだけあって、リリーはピンピンしていた!
「では、今度はこちらから…『マッドボム』!」
リリーが魔力でできた泥の塊をこちらに向けて飛ばしてきたが…
「は!遅いね!」
わたしは簡単に横に跳び避けた。
「…やはり一筋縄ではいきませんか。では…『マッディストリーム』!」
「あまい!暴れ狂う風の怒りよ…『ストーム』!」
今度は泥の大波が襲ってきたが、わたしは暴風を生み出してそれを打ち消した。
「くっ!これもダメとは…」
「あーら、余所見なんかしてていいの?わたしの魔法はまだ消えてないわよ!」
「えっ!?…きゃああ!!」
まだ威力が残っていた暴風を上からリリーに当ててやった。そのままリリーを壁に叩きつけたわ!
わたしの魔力を嘗めないでもらいたい。わたしは魔法を主力とする勇者なのよ?
魔法の威力と壁に叩きつけられた衝撃でリリーもさすがにボロボロね。もう動けそうにもないわ…
っと、リリーの魔力が集まり始めたわ…回復でもするつもりね…
「うっ…ま、まだまだ…『セルフリカ…』」
「させないわ!『回復封じ』!」
「な!?回復系の封印魔法!?そんな高度なものも使えるのですか!?」
そうとうびっくりしてるわね…まあ回復魔法の封印なんて魔物でも使える人は限られているって聞くしね。
では、そろそろ止めをさしますか。
「悪いけどわたし帰るからね。じゃあお休み♪」
そう言ってわたしは聖剣をリリーの頭に振り下ろした。もちろん刃が無い面を相手に向けて。
しかし……
ガシッ!!
「あーら、私が良い事思いついて早速行動しようとしたところにお客さん?タイミングが良いのやら悪いのやら…」
「わたしにとっては最悪のタイミングね…」
「あ……王女……さ……ま……」
聖剣を素手で止められた。しかも止めたのはリリーの主のリリムだ。
「ところであなた、相当な実力の持ち主のようね…リリーを一方的に追い込むなんて魔物の中でもそうそういないわよ?」
「一応これでもリリム退治を任されるぐらいの実力はあるんで」
ボロボロになったリリーをちらっと見てから、リリムがわたしに話しかけてきた。
どうやらリリーはこのリリムが来た事によって安心したのか気絶したようだ。
こんな近距離で何かされると困るので間合いを取るために後ろに飛び退いた。
「ふふっ、素晴らしいじゃない!あなたからものすごい魔力が感じられるわ♪」
「リリムに褒められたって嬉しくないわ…あ、わたしに誘惑は効かないからね」
「わかっているわよ。ここに来てからずっと魔力を放出し続けているけど、あなた一向にかからないもの」
そう、わたしには誘惑は効かない。
ポケットの中にある特殊なお守り(自家製)がその手の魔力から身を守ってくれているからだ。
「あ、そうだわ!あなた魔物にならない?」
「はぁ?」
またもや急展開。いきなりリリムが魔物にならないかと誘ってきた。
いったい何を考えているんだこいつは…
「断るに決まっているでしょ!いったい何が目的?」
「そうね…ほら、そんな強い勇者なんて放っておけるかーみたいな?あとそれが私の使命みたいな?」
「みたいな?って…」
…嘘だな。今考えただろそれ。
「本当はどうなの?」
「あなたの精を私に頂戴♪ついでに魔物にしてあげる♪」
はああああああああああああああああああああああああああ!?
「………ふっざけるなああああああああああ!!!!」
「あら?良い計画だと思ったのに…」
わたしはまだ人生捨てる気は無い!こいつの都合で魔物になってたまるか!
「しょうがない…あまり乗り気では無いけれど実力行使しかないか」
「出来るものならやってみなさい!聖なる神の炎よ…『ホーリーフレイム』!」
先手必勝!わたしが使える魔法の中でも特に威力が高いものを使う!
ホーリーフレイムなら例えリリムでもダメージを与えられるはず!上手くいけば火傷もするわ!
「わー怖い!なんてね♪『スノーストーム』!」
リリムがそう言うと、リリムを中心に猛吹雪が発生した。
そのままわたしが放った神聖な炎の塊を包んで…!
「なっ!?わたしのホーリーフレイムがかき消された!」
そんな!スノーストームなら相性的にもこちらが勝っているはずだ!
それだけわたしとあのリリムの実力差があると言うのか!?
「じゃあ次はこっちから行くね♪『デストラクションレーザー』!」
「!!やばっ!!!」
今度はリリムから無属性の極太レーザーが放たれた!あんなのまともに当たったら即気絶よ!
「くそっ、回避が間に合わない!こうなったら…『光の壁』!」
がしいぃぃぃぃん……
「あら…対魔術抵抗魔法を使えるのね…思った以上にやるわね…」
「はぁ…はぁ…危なかったあ〜…」
今ので相当魔力を使ってしまったが、まだ大技の一つぐらいは出せるだろう。
それに、今のでリリムの魔力も相当減ったはずだ。まだ勝算はある。
なにもリリムを完全にやっつける必要は無い。隙を見て逃げだせばいいのだから。
「魔力も減ってきた事だし…そろそろ終わらせるね♪」
「それはこっちのセリフよ!生命の力よ…敵を焼き尽くす爆炎と成れ!『ラウドエクスプロージョン』!」
「!?」
こっちの生命力ギリギリまで削った大爆発魔法だ!これぐらいやればいくらリリムでも隙ぐらい出来るはずだ!
まだ手元には聖剣もある。これならこのリリムから逃げ切れるだろう。
そう思っていた時期がわたしにもありました。丁寧な言葉遣いってなんか新鮮ね。
「あぶなかったわ…もう少し判断が遅ければやられていたかも…」
「な、む、無傷…だと…!」
「ええ…『パーフェクトプロテクト』って言えばわかるかしら?」
「なにぃ!?絶対防御魔法だと…!」
パーフェクトプロテクト…どんな攻撃(一部例外あり)も一定時間効かなくする絶対防御魔法…
そんなの使えるなんて聞いてないんだけど!しかもほぼ予備動作なしでなんて!
こんなのわたしじゃ勝てないわよ!!
もうわたしには相手の攻撃を防ぐ手段がほとんど無い!絶体絶命の大ピンチ!!
でも、今の魔法でリリムの魔力も一気に減ったはずだ。
弱い魔法や肉弾戦になったらまだ聖剣が残っているわたしが無事帰れる可能性も…
「じゃあ、大人しくなってね♪全てを凍てつかせし絶望の冷気よ…『アブソリュートゼロ』!」
「ここにきて最上級攻撃魔法だと…!!」
あ、おわった。なんでそんなのまだ使えるのよ…
あんなの魔力や生命力が全快でも耐えられる自信ないわ…
一撃必殺ってひどいよね…
わたしの身体が凄まじい冷気によって冷たくなっていくのがわかる…
ああ、わたしは負けちゃったのね…
わたしの意識は、ここで無くなった…
=====================
ちゅう…ぺろ…れろ…はむ…
「んんっ!?」
何か胸の辺りでヌメッとした変な、それでいて気持ちが良い感触がしてわたしの意識が戻ってきた。
「れろ…あら?目を覚ましたのね♪」
「…ちょっとアンタ!いったい何して…ぅあん!」
「ふふっ♪気持ちいいでしょ♪はむっ♪ちゅう〜♪」
「いや!やめて!乳首吸わないでえぇぇ!」
「ちゅう〜〜〜♪」
目を覚ましたらリリムがわたしのおっぱいを舌で舐めていた。
というかわたしはいつの間にか生まれたままの姿にされていた。
そしてわたしが起きた事を確認すると、今度は乳首を吸ってきた!
やばい!服も全て脱がされているからわたしには一切の抵抗手段が無い!
「ふふふっ♪あなたのおっぱいおいしいわよ♪小さいけど♪」
「一言余計よ!」
「こんなにピンッと勃てちゃって…ものすごく気持ちいいでしょ?」
「そ、そんなわけ…ヒヒャ!」
「あら?下のお口が濡れているわよ?やっぱり気持ちいいんじゃない♪」
自分では一回も触ったことない所をリリムが撫でてきた!
撫でられた瞬間、何とも言えない衝動がわたしの中を走った!
魔物なんかに触られても気持ち悪いはずなのに、なぜか少し気持ちよく感じる。
「じゃあ、キスしてあげるね♪ちゅう♪」
「やめんぶっ!」
「ちゅ…ちゅる……れる……れろ……ちゅぶ……」
「んーーー!んんーーーー♪」
リリムに唇を奪われた!
そのまま口の中にリリムの舌が入ってきて、激しく口内を犯してきた…
なんか……きもちよくなってきた…♪
「ぷはあ!…ふふっ♪とろけてきたわね…これはどうかしら?」
くちゅっ
「ひゃあん♪」
長いキスが終わったと思ったら今度はわたしの性器に指を入れてきた。
入れられたとき、あまりの快感に喘ぎ声をあげてしまった。
「あら♪いい声だすわね♪もっと動かしてあげる♪」
「や、やめひゃああああんんん♪あん♪」
くちゅ ぐちゅ ぬちゃ ねちゃ
入れられた指がわたしの膣内と外をいったりきたりさせている!
しかもただ動かすだけでなく、正確に感じるところを擦ってくる!
「ひゃあん♪やめて!おかしくなっちゃうぅ〜!」
「うふふっ♪いいのよ♪おかしくなっちゃうくらい気持ちよくしてあげる♪」
身体のどこを愛撫されてもすごく感じてしまう。
それこそ、胸や性器だけでなく、背中や頭を撫でられてもだ。
これが魔物の、リリムの性技といったところか。
先程の戦闘で抵抗力が極端に落ちているわたしに、この快感から逃れる術は無かった。
「あら♪いっぱい愛液が垂れてきたわ♪」
「ああ♪…はあぁん♪…ひゃん♪」
「床に溢すなんてもったいないから飲んであげるね♪じゅるるるるる〜♪」
「ひゃ!んあああああああぁぁああっっ♪」
リリムがわたしの性器に顔を持ってきて、下を膣に入れつつ思いっきり吸って来た!
その未知の感覚によって、わたしの身体が限界突破した!
あまりもの気持ちよさに、身体が反り返って、わたしの意思に関係なくガクガクと痙攣しだした。
「はぁっ!はぁっ!…はぁっ…」
「あらら?イっちゃったのね♪とっても気持ち良かったでしょ♪」
「はぁ…はい…きもち…良かった…」
「んふ♪素直になってきたわね♪じゃあ次はもっとすごい事してあげる♪」
そうリリムがいった後、何かわたしの股に少し硬い何かがあたっている感覚がした。
いまこのリリムの手は、わたしの顔と胸の上に一つずつあるので手ではない。
足はわたしの足を抑えているのに使っているから、足でもない。
じゃあ一体何だろうか?
と思っていたら、わたしの考えを察したのかリリムがわたしの顔を少し持ち上げてくれた。
股のほうを見てみると、白くて先端が少しハート型に膨らんでいる細長いものが見えた。
ずっと目で追っていくと…リリムの腰の下辺りに繋がっていた…
つまり…尻尾?
「しっぽを…入れるの…?」
「うん♪いくわよ……えいっ♪」
くちゅり…ずりゅっ!ずちゅっ!
「ひゃあああああああああああああああああああ♪」
リリムの尻尾がわたしの膣内に入ってきた!
あまりの衝撃、いや、快感にわたしはおもわず叫んでしまった。
「あん♪どう?奥までとどいたわよ♪」
「ひぃん♪…ひゃあぁぁん♪」
リリムの尻尾の先がわたしの奥を、子宮をつついてくる。
初めてだったはずなのに全く痛みは無く、気持ちよさだけを感じた。
「ひゃん♪あん♪んんあ♪」
「ああっ♪そんなにしっぽをぎゅうってしたら…いいわよっ♪そろそろ出ちゃう♪」
脳みそがとろけてしまったのか快楽以外の事を考えられなくなっていた。
自然とわたしの膣がぎゅうぎゅうと締まり、リリムの尻尾をはなさまいとしていた。
何度も何度もわたしの性器に尻尾が出し入れされ、わたしは快感を与えられ続けていた。
そんな中でリリムが突然何か言っても、わたしの耳には届かなかった。
「も、もう!でる!…うぁぁあああん♪」
ビュッ!ビュクッ!ビュルルル……
「あ♪にゃんか、あちゅいものが♪にゃかに…ひゃああああああああああ♪」
プシャーーーーーッ!
リリムが高い声をあげながら身体をのけ反らせた…どうやら彼女もイったようだ。
そして、わたしの子宮に何か熱い液体みたいなものが注がれた。
それを感じたと同時にわたしはイってしまった。
「あっ♪あっ♪な、にゃにこれぇ〜…♪にゃんかかりゃだがあちゅいぃ〜♪」
次々と襲ってくる快感に飲まれていると、子宮から広がっていくように身体中が熱くなってきた。
それと同時に手足や尾てい骨、頭からなにかむずむずとした、何かが出てくるような感覚がした。
「ひゃあ!にゃ、にゃにこれえぇ…きもちいい〜!」
さわ…さわさわ…さっ!
「ああぁぁぁあ♪」
わたしの手と足に茶色い毛が生えてきた。
ずず…ひゅっ!
「んはあああ♪」
尾てい骨の辺りからはふさふさの尻尾が生えてきて…
ぐぐぐぐ……めきょ!
「ひゃあぁぁあん♪」
頭からなにか―おそらく角であろう―が飛び出し、同時に手の形も動物の様なものに変化し、足は蹄みたいになった。
「はぁあああ♪わたし、ま、まもにょになっちゃ…ひゃあああ♪」
そう、わたしはこのリリムの手によって魔物になってしまった。
だが、嫌では無い。
むしろとても嬉しかった。
なぜだかわからないが、心が解放された感じだ。
と、ここで…
「んふふ♪もっと、もっと気持ちよくしてあげる♪」
「ひゃあああああ♪らめ!こりぇいじょうイっちゃったら…ひぃああああああ!!」
イってから少しの間意識がとんでいたのか特に動かなかったリリムが再び尻尾を動かし始めた。
しかも、正確にわたしの敏感なところを擦ってくる。
与えられる快感は、ただでさえイったばかりであるだけでなく、魔物化したばかりですごく敏感になっているわたしが耐えられるものではなかった。
「ああぁああぁあああ♪らめえぇぇぇぇぇぇぇぇぇんあああーーーー!!!」
「ふふふっ♪かわいい〜〜〜♪ちゅう〜〜♪」
さらにはビンビンに勃ちっぱなしの乳首まで吸ってきて……
「ああぁぁああんああああぁああああ〜〜〜〜〜♪」
わたしはかんがえることをやめた。
というか、かんがえることができなかった。
「……で、どうしてこうなったわけ?」
「……ごめんなさい。魔力を減らしすぎて理性というものが外れてしまいました…」
ひととおり落ち着いた後、新たに動かせるようになったヤギ耳をピクピクと動かしながら、目の前で正座しているリリムに対して怒っていた。
だって、いきなり気絶していたわたし相手にエッチな事をしてきた挙句、勝手に魔物にされたのよ!?
例えわたしじゃなくても怒るに決まっているわ!
「はぁ……も〜どうしてくれるのよこのユリリム!!」
「……私はユーリムだもん。ユリリムじゃないもん…」
「だ・ま・れ!わたしに百合行為したリリムだからアンタはユリリムよ!」
「…別に百合がしたくて襲ったわけじゃないもん。誰かさんをやっつける為に魔力を消費しすぎたから補給したかっただけだもん」
「もんとか言うな!じゃあ何?補給ついでに人を万年ロリ魔物に変えましたってか?」
まあ大体の人はわかっていると思うが、わたしはこのユリリム、もといユーリムにバフォメットにされた。
人間だったときとは比べ物にならない程の魔力が自分の中に感じる。
魔法についての研究などが私の趣味だった。
バフォメットになったことで出来る事の幅が広がったなど魔物になった事のメリットは大きいのでこの際魔物にされたことはひとまず良いとしよう。
だが、わたしは低い身長にコンプレックスを持っていた。なので、万年ロリにされた事は許せない。
「いや…私は何か特定の魔物にしようとしてやった訳じゃないから、あなたがバフォメットになったのは、あなた自身の理想や性格、適性がバフォメットに向いていたからよ。 たぶん」
「…マジでか!?」
「うんマジで」
じゃあしょうがない。
とはいかないが、まあバフォメットは皆こんなロリ体型だし、バフォメットとしてなら低身長でも別にいいかと思う。
なによりもこのバフォメット特有の膨大な魔力は嬉しい。
「まあ、私をバフォメットにした事はもういいわ…これからどうしよう…」
「これからって?」
「ユリリムさんがわたしを魔物に変えちゃったから本当に家に帰れなくなったからどうしようかとね…」
「うっ…ユリリムさんって言わないで…私は男の人が好きなのよ…」
「理想が高すぎていい男の人と出会えなくて、精が欲しいけど夫と決めた男以外から精をもらいたくないからって『女の子を襲って精をもらってついでに魔物に変えて魔王の理想への手助けをしよう!』なんて考えが思いつく事がユリリムって証拠よ!」
「ううぅ…違わないけど違うのに…」
ここで問題なのがこれからの生活だ。
わたしの家は完全なる反魔物領にある。魔物になったわたしが帰れるわけが無い。
人に化けてこっそりと暮らすというのもあるが、バレたときのリスクを考えると得策とは言えない。
そんなにあの家に未練があるわけでもないし、家族も別にいない。なので元の家に帰るという選択肢を選ぶ必要は無い。
じゃあどうしようか、ということである。
「なら私に一つ提案があります」
「あらリリー。もう大丈夫なの?」
悩んでいたところに怪我をユーリムに治療してもらって復活したリリーが話しに入ってきた。
「はい、王女様のおかげで助かりました。ありがとうございます」
「いいわよお礼なんて。いつも私の生活を助けてもらっているし。でも王女様って呼ぶのはやめてほしいな…」
「わかりました、ユーリム様」
「…で、提案って何?」
一通りリリーとユーリムの会話が終わったので早速聞いてみることにした。
「はい。あなた様がユーリム様の従者としてここで働きながら暮らすというのはどうですか?」
「「はあっ!?」」
何をいきなり言うんだこのメイドは!?
「ユーリム様と私だけでは領主としての仕事やこのお城の保持、さらに攻めてきた勇者や教団の人間の撃退までするのはとても大変なので、もう一人従者を増やしたいと思っていた所ではありませんか」
「…確かにそうね!あなたなら元勇者なだけあって強いし、口は悪いけど可愛いからちょうどいいわ♪じゃあ決定ね♪」
「ちょっと勝手に決めないでよ!?」
ユーリムまでこの案に賛成してきた。そこまで大変なのか?
それと、張本人であるわたしの意思を無視しないでほしいのだが。
「あら、あなたにとってもメリットはたくさんあると思うわよ?」
「……例えば何よ?」
「まず家や食事については心配なくなるわ。家事については基本的にリリーに任せてあるからね。このお城は広いから部屋もいっぱい余っているからいくらでも好きに使ってくれて構わないわよ?」
「ふむふむ、じゃあいくつかの部屋を実験部屋とかにしても良いと?」
「ええ!」
確かにこの条件なら悪くは無い。
「さらに、私はこれでもリリム、魔王の娘なの。だからいろんな繋がりがあるの。あなたが望むのなら魔界の奥にしか存在しない魔法薬なんかも簡単に取り寄せてあげるわよ。もちろんそのかわりいろいろと働いてはもらうけどね♪」
「ほ、ほんとうに?」
「ええ!ほんとうよ!」
それどころか、最高の条件じゃない!
「……きめたわ!わたしここでユーリムさんの従者として働くわ!」
「まあ♪ありがとう♪」
「ではまずはこのお城の案内をいたします」
こんなに良い条件なら全然問題ない。そう思ってわたしは従者になることを決めた。
これだけじゃない。もうひとつ大きなメリットが存在するからだ。
昔から強かった自分は、結婚するなら自分より強い男が良いと決めていたのだ。
リリムが相手ならばわたしみたいに強い兵士や勇者を教団は派遣するであろう。
その中にはわたしよりも強い男がいるかもしれない。わたしが望む男が現れる可能性が高いのだ。
その男をユーリムが倒してしまえばわたしのものになる。強くて頼りになるわたしの夫、バフォメット風にいえばお兄ちゃんが
いつかは出来ると言う訳だ。
こんなに良い事は滅多にない。従者にならずにどうしようと言うのか。
「と、その前に…あなたの名前をまだ聞いていなかったわね?これから一緒に暮らすのにあなたって呼ぶのは変でしょ?」
「そう言えばそうね…」
今までいろいろあって名前を言っていなかったわね。
これから一緒に暮らす訳だし、ちゃんと名前は言わないとね。
「わたしの名前はムイリ!リリーさん、ユーリムさん、これからよろしくお願いします!」
「はい、よろしくお願いします、ムイリさん!」
「よろしくね、ムイリ!」
こうして、魔物としてのわたしの新たなる生活が始まったのであった。
=====================
「はぁ…また女勇者が攻めてくるのかぁ…教団ってやっぱ馬鹿しかいないのか?」
街の情報屋から勇者が攻めてくると言う知らせを聞いたわたしは一応ユーリムに報告に行く事にした。
しかし、なぜ教団は女勇者にばっかり攻めさせるのだろうか?
ユーリムは人々を無理やり魔物化させるって反魔物領では言われているのに、わざわざ魔物化する女性を討伐に向かわせているのだ。馬鹿だとしか言いようが無い。
もちろん男の勇者も来るには来るのだが、この城までたどり着けたものは一人しかいない。しかも弱い攻撃魔法一発で倒せるような運だけのザコだった。
こんなんじゃあわたしもユーリムも夫が出来るのはずいぶん先になるわね…ちょっと悲しいわ…
ちなみにわたし以外は本人が望んで魔物になっている訳だから、無理やりってのも少し違う。
まあそっちのほうが教団にとっては都合が良いのだろうけど。情報は正しく扱うべきよね。
「あれ?ムイリさん、こんな所でどうかしましたか?」
「あ、リリー。いまユーリムがどこにいるか知らない?」
ユーリムがどこにいるのかわからず探していたところで、掃除中のリリーに出会ったのでどこにいるか聞いてみた。
なんだかんだいってみんな忙しくて、昼間は部屋にいない事が多い。なのでどこにいるかわからない事が多いのだ。
一応わたしは探知魔法も使えるには使えるが、このお城の中では万が一に備えて探知系は使えないようになっているのだ。
だが、リリーはユーリムの仕事を完璧に把握しているらしく、おおよそどこにいるのかの検討がついている事が多い。なのでちょうどいいやと思い聞いてみた。
「現在でしたら、書斎で書類の確認を行っていると思いますよ。何か用事でもあるのですか?」
「うん、また女勇者が攻めてくるんだって。一応報告しにいこうかとおもってね…たぶん追い払うのはわたしの役目になるけどね…」
「それは大変ですね…おつかれさまです」
「毎日この広いお城を掃除しているリリーよりは楽よ。おつかれさん…」
「いえ、どうも」
書斎にいると言う事なので、わたしは早速リリーと別れて書斎に向かう事にした。
トントンッ!
カチャリ
「失礼します。また女勇者が攻めてくるそう……ってあれ?いない?」
書斎に行って早速報告しようと思ったらそこにユーリムは居なかった。
机を見てみると書類を見ていた跡があるうえ、冷めきって無い紅茶が置いてあったので、さっきまで居たのは間違いないさそうなのだが…
「いったいどこに消えたんだ?…ってなんだこの紙?メモか?」
机の上に書類とは違う小さい紙が置いてあったので見てみると、そこには…
『魔力が減ってきたし、女の子が魔物になりたいと言う声が聞こえた気がするのでちょっといってきます。』
と書かれていた。
「……あんのユリリムがあああああああああああああああああああああああ!!!!!」
怒りで思わず叫んでしまった。
仕事が大量に残っているうえ勇者まで攻めてくるってときに何女の子襲いに行ってるんだ!
ふざけているのか!?
「せめて仕事ぐらいちゃんと終わらせてからにしろよ!!!今日までのもあるんだぞあのバカ!!!どこに行きやがった!!」
そう叫んだあと、わたしはユリリムを探しに城を飛びだし、探知魔法を使って場所を突き止めむかった。
最後にもう一度だけ叫ばせてもらおう。そうでもしなければわたしの怒りは収まらないのだ。
「あんのユリリムがあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
わたしは教団所属の女勇者!
今回はここら辺にいきなり城を建て、街を侵略したクソ迷惑な魔物を退治しに来たのよ!
今やっとその城が見える所まで着いたのよ!!
えっ?一言目が女っぽくない?
………あんた、わたしの魔法で塵になりたいの?
まあいいわ。
しかしここまで来るのに随分と時間がかかって疲れたわ…
だって、ここに来るまでにいろんなものに遭遇したのよ!
出発してから順番に言えば
スライム→アルラウネ→アラクネ→泥棒→ホーネット→ワーウルフ→オーク→強盗→サキュバス→リザードマン→オーガ→盗賊→アマゾネス→ヴァンパイア→ドラゴン→おっさん(性犯罪者)
ってな感じで遭遇したのよ!
絶対に疲れるでしょ!!
最初はスライムだったからこりゃあ楽勝だね!とか思ってたら後半無駄に強い魔物ばっかりだったし!
3回魔物と遭遇したら何故か決まって悪い人間が出てくるし!
ちなみに人間は全員捕まえて縛り上げて警備兵に差し出したわ。男なんてザコよザコ!
魔物はもちろん皆さくっと退治したわよ。
……え?『魔物を退治するなんて酷い!』って?ああ、殺してはいないわよ。
全員わたしの魔法で吹っ飛ばした後に聖剣でおもいっきり『殴って』気絶させただけ。
いくら相手が魔物だからって命までは奪わないわよ。悪い事やってる奴を吹っ飛ばして気絶させるだけ。
魔物であろうが命を簡単に奪うのは勇者じゃなくて殺人鬼よ!そいつは悪魔だ!!
なんか主神は魔物滅ぼせとか言ってるらしいけど、滅ぼすよりはこちらのほうが強いことを見せつけておとなしくしてもらった方がまだ平和じゃん?
わたし勇者だもん。平和大好きだもん。
……なんか話が大分あさっての方向に飛んでいった気がするわね…
とにかく、わたしは最近になっていきなり城を建て、街を侵略したクソ迷惑な魔物の退治に来たのよ!
しかもそのクソ迷惑な魔物、魔王の娘らしいのよ。つまりリリムらしいの。
まーたすっごく面倒な奴が来たわね…だからわたしが行く事になったのね……
ん?『だから』ってどういう事かって?
ああ、わたしはこれでも相当強いのよ!いわゆるチートキャラみたいなものよ!チートが良く分からないけど。
ここに来るまでもアマゾネスまでは所謂ノーダメージよ!!
さすがにヴァンパイアは夜だった事もあるし、ドラゴンも旧魔王時代の姿かつトンネル内での戦闘だったから1、2発は攻撃喰らったけど大したダメージじゃ無かったし、こっちも攻撃魔法2、3発ぶっ放してから聖剣で殴ったら簡単に気絶したわ。
おっさんは論外。あんな女の子を無理やり襲う性犯罪者じゃ相手にもならないわ。
それぐらいわたしは強いってこと。理解できた?
だからわたしにこの仕事がまわってきたのよ……頼られるのも考えものね…
だってリリムなんて下手したらドラゴンがザコになるレベルの実力持ってるのだっているじゃない?
……ホント、めんどうだわ……
はやく帰ってごろごろしたい……
こんなこと考えているうちに、いつの間にかリリムが居る城の入口まで着いてしまった。
「はぁ〜〜〜ここが目的地かぁ…でかすぎるだろちくしょう!!」
入り口の門だけでわたしの10倍以上の高さがあるとか身長140ちょいセンチのわたしに対する嫌がらせか!!
「まあいいや……さっさとクソ迷惑なリリムを倒しに行きますか……」
=====================
「そこのお嬢さん!お待ちなさい!!」
「ん?」
城の中をぐんぐんと進んでいたらいきなり横から声をかけられた。
「お嬢さんってわたしの事?」
「あなた以外にだれが居るのですか!」
「まあいないけど…なに?」
声をした方を向いてみると…メイド服を着た魔物が立っていた。
紫の尻尾に蝙蝠のような同じく紫の翼、それに角…間違いない、サキュバスね。
「なにって…あなたはここに何をしにきたのですか?」
「ここに勝手に城を建てて街を侵略したクソ迷惑なリリム退治に!」
「な、なんですって…そんな……」
サキュバスぐらいなら襲われても特に問題ないから素直に答えたわ。
さあ、どうでるかな…
「そんな…この城を建てることの許可はきちんととってあります!」
「へ!?」
なんですと!?
「この街の元領主さんにきちんと了承を得てからここに家を建てました!だから勝手とか迷惑とか言われても困ります!」
「え〜、マジで?」
「当たり前です!何なら今から聞きに行ってみたらどうですか?住所教えますから!」
「いや、めんどいのでいいです…」
…なんてこったい。
せっかくここまで苦労してきたっていうのに別に勝手に建てて迷惑かけたわけでは無いとか…
しかも話し的に絶対穏やかな雰囲気で行われているわね…
侵略もきっとしてないわ…たぶんもともと元領主は親魔物派だったのね…
もうやってらんない…
「はぁぁ〜〜、何か疲れた…」
「ところで、あなた勇者ですか?」
「そうだけど何?」
これからどうしようかと思っていたところにメイドサキュバスが話しかけてきた。
「ここの主が王女様と知っていて来られたのですよね?」
「そうよ。私なら倒せるんじゃないかと思った教団のおえらいさんに言われてね」
今考えればたぶん勝手に迷惑とか侵略したとか言ってたのあのおえらいさんよね。
帰ったら一回文句言ってやろうかしら。言ったら多分異端扱いされて人生終わる気がするから言わないけど。
とか考えていたら…
「では、あなたを帰らせる訳にはいかなくなりました」
「へ?なんで?」
メイドサキュバスがいきなり訳の分らん事を言ってきた。急展開過ぎる。
「他の魔物娘の為にも、王女様を倒せる可能性を持った勇者を放っておく訳にはいきません」
「ちょ、ちょっとまってよ!」
何か勘違いされてそうだからこれだけは言っておかないと!
「わたしは一回も魔物の命を奪った事は無いわよ!別に危険でも何でもないじゃない!」
「いいえ。命までは奪わなくても彼女たちを傷つけることには変わりありません。十分危険です!」
まあ確かには攻撃はするけど…だってしないとこっちがやられちゃうじゃん!
「それにあなたですよね?ここ最近にドラゴンさんを簡単に退けた女勇者というのは」
「あ〜確かに退けたわ。ここに来る途中のトンネル内に寝床を造った迷惑な奴の事でしょ?」
「何を言っているんですか!?あのドラゴンさんはあなた達教団の人間が簡単にこの街に侵入できないようにあそこで守ってもらっていたのですよ!?」
「あ、そうだったのか」
だからわたしは何もしないで素通りしようとしただけなのにあのドラゴン襲って来たのね。納得。
じゃああのドラゴンには悪いことしちゃったわね〜。帰りにあやまっておこう。
無事に帰れたらだけど。
なんせ今目の前には今にも攻撃してきそうなメイドサキュバスがいるからね…
「で、どうするの?わたしを帰さないって言ってたけど、サキュバスごときじゃわたしは倒せないわよ?」
「…私は王女様の御世話係、名はリリー。そこいらのサキュバスと同じと思わない方が良いですよ?」
ふーん、やっぱりやる気ね。
感じる魔力から本当にそこいらのサキュバスとは格が違うみたいね…
ここで人生を捨てる気は無いから、悪いけど速攻で倒してしまうわ。
「あっそう……敵を追尾し電撃よ…『電撃波』!」
「!?」
わたしは相手を追尾する電気の波を発射し、メイドサキュバス、もといリリーにあてた。
普通のサキュバスならこれで大体気絶させられるのだが、はたしてどうかな!?
「…いきなりですか。しかも規格外の威力ですね」
「へぇ〜、喋る余裕もあるんだ…確かに他のサキュバスとは違うわね…」
言うだけあって、リリーはピンピンしていた!
「では、今度はこちらから…『マッドボム』!」
リリーが魔力でできた泥の塊をこちらに向けて飛ばしてきたが…
「は!遅いね!」
わたしは簡単に横に跳び避けた。
「…やはり一筋縄ではいきませんか。では…『マッディストリーム』!」
「あまい!暴れ狂う風の怒りよ…『ストーム』!」
今度は泥の大波が襲ってきたが、わたしは暴風を生み出してそれを打ち消した。
「くっ!これもダメとは…」
「あーら、余所見なんかしてていいの?わたしの魔法はまだ消えてないわよ!」
「えっ!?…きゃああ!!」
まだ威力が残っていた暴風を上からリリーに当ててやった。そのままリリーを壁に叩きつけたわ!
わたしの魔力を嘗めないでもらいたい。わたしは魔法を主力とする勇者なのよ?
魔法の威力と壁に叩きつけられた衝撃でリリーもさすがにボロボロね。もう動けそうにもないわ…
っと、リリーの魔力が集まり始めたわ…回復でもするつもりね…
「うっ…ま、まだまだ…『セルフリカ…』」
「させないわ!『回復封じ』!」
「な!?回復系の封印魔法!?そんな高度なものも使えるのですか!?」
そうとうびっくりしてるわね…まあ回復魔法の封印なんて魔物でも使える人は限られているって聞くしね。
では、そろそろ止めをさしますか。
「悪いけどわたし帰るからね。じゃあお休み♪」
そう言ってわたしは聖剣をリリーの頭に振り下ろした。もちろん刃が無い面を相手に向けて。
しかし……
ガシッ!!
「あーら、私が良い事思いついて早速行動しようとしたところにお客さん?タイミングが良いのやら悪いのやら…」
「わたしにとっては最悪のタイミングね…」
「あ……王女……さ……ま……」
聖剣を素手で止められた。しかも止めたのはリリーの主のリリムだ。
「ところであなた、相当な実力の持ち主のようね…リリーを一方的に追い込むなんて魔物の中でもそうそういないわよ?」
「一応これでもリリム退治を任されるぐらいの実力はあるんで」
ボロボロになったリリーをちらっと見てから、リリムがわたしに話しかけてきた。
どうやらリリーはこのリリムが来た事によって安心したのか気絶したようだ。
こんな近距離で何かされると困るので間合いを取るために後ろに飛び退いた。
「ふふっ、素晴らしいじゃない!あなたからものすごい魔力が感じられるわ♪」
「リリムに褒められたって嬉しくないわ…あ、わたしに誘惑は効かないからね」
「わかっているわよ。ここに来てからずっと魔力を放出し続けているけど、あなた一向にかからないもの」
そう、わたしには誘惑は効かない。
ポケットの中にある特殊なお守り(自家製)がその手の魔力から身を守ってくれているからだ。
「あ、そうだわ!あなた魔物にならない?」
「はぁ?」
またもや急展開。いきなりリリムが魔物にならないかと誘ってきた。
いったい何を考えているんだこいつは…
「断るに決まっているでしょ!いったい何が目的?」
「そうね…ほら、そんな強い勇者なんて放っておけるかーみたいな?あとそれが私の使命みたいな?」
「みたいな?って…」
…嘘だな。今考えただろそれ。
「本当はどうなの?」
「あなたの精を私に頂戴♪ついでに魔物にしてあげる♪」
はああああああああああああああああああああああああああ!?
「………ふっざけるなああああああああああ!!!!」
「あら?良い計画だと思ったのに…」
わたしはまだ人生捨てる気は無い!こいつの都合で魔物になってたまるか!
「しょうがない…あまり乗り気では無いけれど実力行使しかないか」
「出来るものならやってみなさい!聖なる神の炎よ…『ホーリーフレイム』!」
先手必勝!わたしが使える魔法の中でも特に威力が高いものを使う!
ホーリーフレイムなら例えリリムでもダメージを与えられるはず!上手くいけば火傷もするわ!
「わー怖い!なんてね♪『スノーストーム』!」
リリムがそう言うと、リリムを中心に猛吹雪が発生した。
そのままわたしが放った神聖な炎の塊を包んで…!
「なっ!?わたしのホーリーフレイムがかき消された!」
そんな!スノーストームなら相性的にもこちらが勝っているはずだ!
それだけわたしとあのリリムの実力差があると言うのか!?
「じゃあ次はこっちから行くね♪『デストラクションレーザー』!」
「!!やばっ!!!」
今度はリリムから無属性の極太レーザーが放たれた!あんなのまともに当たったら即気絶よ!
「くそっ、回避が間に合わない!こうなったら…『光の壁』!」
がしいぃぃぃぃん……
「あら…対魔術抵抗魔法を使えるのね…思った以上にやるわね…」
「はぁ…はぁ…危なかったあ〜…」
今ので相当魔力を使ってしまったが、まだ大技の一つぐらいは出せるだろう。
それに、今のでリリムの魔力も相当減ったはずだ。まだ勝算はある。
なにもリリムを完全にやっつける必要は無い。隙を見て逃げだせばいいのだから。
「魔力も減ってきた事だし…そろそろ終わらせるね♪」
「それはこっちのセリフよ!生命の力よ…敵を焼き尽くす爆炎と成れ!『ラウドエクスプロージョン』!」
「!?」
こっちの生命力ギリギリまで削った大爆発魔法だ!これぐらいやればいくらリリムでも隙ぐらい出来るはずだ!
まだ手元には聖剣もある。これならこのリリムから逃げ切れるだろう。
そう思っていた時期がわたしにもありました。丁寧な言葉遣いってなんか新鮮ね。
「あぶなかったわ…もう少し判断が遅ければやられていたかも…」
「な、む、無傷…だと…!」
「ええ…『パーフェクトプロテクト』って言えばわかるかしら?」
「なにぃ!?絶対防御魔法だと…!」
パーフェクトプロテクト…どんな攻撃(一部例外あり)も一定時間効かなくする絶対防御魔法…
そんなの使えるなんて聞いてないんだけど!しかもほぼ予備動作なしでなんて!
こんなのわたしじゃ勝てないわよ!!
もうわたしには相手の攻撃を防ぐ手段がほとんど無い!絶体絶命の大ピンチ!!
でも、今の魔法でリリムの魔力も一気に減ったはずだ。
弱い魔法や肉弾戦になったらまだ聖剣が残っているわたしが無事帰れる可能性も…
「じゃあ、大人しくなってね♪全てを凍てつかせし絶望の冷気よ…『アブソリュートゼロ』!」
「ここにきて最上級攻撃魔法だと…!!」
あ、おわった。なんでそんなのまだ使えるのよ…
あんなの魔力や生命力が全快でも耐えられる自信ないわ…
一撃必殺ってひどいよね…
わたしの身体が凄まじい冷気によって冷たくなっていくのがわかる…
ああ、わたしは負けちゃったのね…
わたしの意識は、ここで無くなった…
=====================
ちゅう…ぺろ…れろ…はむ…
「んんっ!?」
何か胸の辺りでヌメッとした変な、それでいて気持ちが良い感触がしてわたしの意識が戻ってきた。
「れろ…あら?目を覚ましたのね♪」
「…ちょっとアンタ!いったい何して…ぅあん!」
「ふふっ♪気持ちいいでしょ♪はむっ♪ちゅう〜♪」
「いや!やめて!乳首吸わないでえぇぇ!」
「ちゅう〜〜〜♪」
目を覚ましたらリリムがわたしのおっぱいを舌で舐めていた。
というかわたしはいつの間にか生まれたままの姿にされていた。
そしてわたしが起きた事を確認すると、今度は乳首を吸ってきた!
やばい!服も全て脱がされているからわたしには一切の抵抗手段が無い!
「ふふふっ♪あなたのおっぱいおいしいわよ♪小さいけど♪」
「一言余計よ!」
「こんなにピンッと勃てちゃって…ものすごく気持ちいいでしょ?」
「そ、そんなわけ…ヒヒャ!」
「あら?下のお口が濡れているわよ?やっぱり気持ちいいんじゃない♪」
自分では一回も触ったことない所をリリムが撫でてきた!
撫でられた瞬間、何とも言えない衝動がわたしの中を走った!
魔物なんかに触られても気持ち悪いはずなのに、なぜか少し気持ちよく感じる。
「じゃあ、キスしてあげるね♪ちゅう♪」
「やめんぶっ!」
「ちゅ…ちゅる……れる……れろ……ちゅぶ……」
「んーーー!んんーーーー♪」
リリムに唇を奪われた!
そのまま口の中にリリムの舌が入ってきて、激しく口内を犯してきた…
なんか……きもちよくなってきた…♪
「ぷはあ!…ふふっ♪とろけてきたわね…これはどうかしら?」
くちゅっ
「ひゃあん♪」
長いキスが終わったと思ったら今度はわたしの性器に指を入れてきた。
入れられたとき、あまりの快感に喘ぎ声をあげてしまった。
「あら♪いい声だすわね♪もっと動かしてあげる♪」
「や、やめひゃああああんんん♪あん♪」
くちゅ ぐちゅ ぬちゃ ねちゃ
入れられた指がわたしの膣内と外をいったりきたりさせている!
しかもただ動かすだけでなく、正確に感じるところを擦ってくる!
「ひゃあん♪やめて!おかしくなっちゃうぅ〜!」
「うふふっ♪いいのよ♪おかしくなっちゃうくらい気持ちよくしてあげる♪」
身体のどこを愛撫されてもすごく感じてしまう。
それこそ、胸や性器だけでなく、背中や頭を撫でられてもだ。
これが魔物の、リリムの性技といったところか。
先程の戦闘で抵抗力が極端に落ちているわたしに、この快感から逃れる術は無かった。
「あら♪いっぱい愛液が垂れてきたわ♪」
「ああ♪…はあぁん♪…ひゃん♪」
「床に溢すなんてもったいないから飲んであげるね♪じゅるるるるる〜♪」
「ひゃ!んあああああああぁぁああっっ♪」
リリムがわたしの性器に顔を持ってきて、下を膣に入れつつ思いっきり吸って来た!
その未知の感覚によって、わたしの身体が限界突破した!
あまりもの気持ちよさに、身体が反り返って、わたしの意思に関係なくガクガクと痙攣しだした。
「はぁっ!はぁっ!…はぁっ…」
「あらら?イっちゃったのね♪とっても気持ち良かったでしょ♪」
「はぁ…はい…きもち…良かった…」
「んふ♪素直になってきたわね♪じゃあ次はもっとすごい事してあげる♪」
そうリリムがいった後、何かわたしの股に少し硬い何かがあたっている感覚がした。
いまこのリリムの手は、わたしの顔と胸の上に一つずつあるので手ではない。
足はわたしの足を抑えているのに使っているから、足でもない。
じゃあ一体何だろうか?
と思っていたら、わたしの考えを察したのかリリムがわたしの顔を少し持ち上げてくれた。
股のほうを見てみると、白くて先端が少しハート型に膨らんでいる細長いものが見えた。
ずっと目で追っていくと…リリムの腰の下辺りに繋がっていた…
つまり…尻尾?
「しっぽを…入れるの…?」
「うん♪いくわよ……えいっ♪」
くちゅり…ずりゅっ!ずちゅっ!
「ひゃあああああああああああああああああああ♪」
リリムの尻尾がわたしの膣内に入ってきた!
あまりの衝撃、いや、快感にわたしはおもわず叫んでしまった。
「あん♪どう?奥までとどいたわよ♪」
「ひぃん♪…ひゃあぁぁん♪」
リリムの尻尾の先がわたしの奥を、子宮をつついてくる。
初めてだったはずなのに全く痛みは無く、気持ちよさだけを感じた。
「ひゃん♪あん♪んんあ♪」
「ああっ♪そんなにしっぽをぎゅうってしたら…いいわよっ♪そろそろ出ちゃう♪」
脳みそがとろけてしまったのか快楽以外の事を考えられなくなっていた。
自然とわたしの膣がぎゅうぎゅうと締まり、リリムの尻尾をはなさまいとしていた。
何度も何度もわたしの性器に尻尾が出し入れされ、わたしは快感を与えられ続けていた。
そんな中でリリムが突然何か言っても、わたしの耳には届かなかった。
「も、もう!でる!…うぁぁあああん♪」
ビュッ!ビュクッ!ビュルルル……
「あ♪にゃんか、あちゅいものが♪にゃかに…ひゃああああああああああ♪」
プシャーーーーーッ!
リリムが高い声をあげながら身体をのけ反らせた…どうやら彼女もイったようだ。
そして、わたしの子宮に何か熱い液体みたいなものが注がれた。
それを感じたと同時にわたしはイってしまった。
「あっ♪あっ♪な、にゃにこれぇ〜…♪にゃんかかりゃだがあちゅいぃ〜♪」
次々と襲ってくる快感に飲まれていると、子宮から広がっていくように身体中が熱くなってきた。
それと同時に手足や尾てい骨、頭からなにかむずむずとした、何かが出てくるような感覚がした。
「ひゃあ!にゃ、にゃにこれえぇ…きもちいい〜!」
さわ…さわさわ…さっ!
「ああぁぁぁあ♪」
わたしの手と足に茶色い毛が生えてきた。
ずず…ひゅっ!
「んはあああ♪」
尾てい骨の辺りからはふさふさの尻尾が生えてきて…
ぐぐぐぐ……めきょ!
「ひゃあぁぁあん♪」
頭からなにか―おそらく角であろう―が飛び出し、同時に手の形も動物の様なものに変化し、足は蹄みたいになった。
「はぁあああ♪わたし、ま、まもにょになっちゃ…ひゃあああ♪」
そう、わたしはこのリリムの手によって魔物になってしまった。
だが、嫌では無い。
むしろとても嬉しかった。
なぜだかわからないが、心が解放された感じだ。
と、ここで…
「んふふ♪もっと、もっと気持ちよくしてあげる♪」
「ひゃあああああ♪らめ!こりぇいじょうイっちゃったら…ひぃああああああ!!」
イってから少しの間意識がとんでいたのか特に動かなかったリリムが再び尻尾を動かし始めた。
しかも、正確にわたしの敏感なところを擦ってくる。
与えられる快感は、ただでさえイったばかりであるだけでなく、魔物化したばかりですごく敏感になっているわたしが耐えられるものではなかった。
「ああぁああぁあああ♪らめえぇぇぇぇぇぇぇぇぇんあああーーーー!!!」
「ふふふっ♪かわいい〜〜〜♪ちゅう〜〜♪」
さらにはビンビンに勃ちっぱなしの乳首まで吸ってきて……
「ああぁぁああんああああぁああああ〜〜〜〜〜♪」
わたしはかんがえることをやめた。
というか、かんがえることができなかった。
「……で、どうしてこうなったわけ?」
「……ごめんなさい。魔力を減らしすぎて理性というものが外れてしまいました…」
ひととおり落ち着いた後、新たに動かせるようになったヤギ耳をピクピクと動かしながら、目の前で正座しているリリムに対して怒っていた。
だって、いきなり気絶していたわたし相手にエッチな事をしてきた挙句、勝手に魔物にされたのよ!?
例えわたしじゃなくても怒るに決まっているわ!
「はぁ……も〜どうしてくれるのよこのユリリム!!」
「……私はユーリムだもん。ユリリムじゃないもん…」
「だ・ま・れ!わたしに百合行為したリリムだからアンタはユリリムよ!」
「…別に百合がしたくて襲ったわけじゃないもん。誰かさんをやっつける為に魔力を消費しすぎたから補給したかっただけだもん」
「もんとか言うな!じゃあ何?補給ついでに人を万年ロリ魔物に変えましたってか?」
まあ大体の人はわかっていると思うが、わたしはこのユリリム、もといユーリムにバフォメットにされた。
人間だったときとは比べ物にならない程の魔力が自分の中に感じる。
魔法についての研究などが私の趣味だった。
バフォメットになったことで出来る事の幅が広がったなど魔物になった事のメリットは大きいのでこの際魔物にされたことはひとまず良いとしよう。
だが、わたしは低い身長にコンプレックスを持っていた。なので、万年ロリにされた事は許せない。
「いや…私は何か特定の魔物にしようとしてやった訳じゃないから、あなたがバフォメットになったのは、あなた自身の理想や性格、適性がバフォメットに向いていたからよ。 たぶん」
「…マジでか!?」
「うんマジで」
じゃあしょうがない。
とはいかないが、まあバフォメットは皆こんなロリ体型だし、バフォメットとしてなら低身長でも別にいいかと思う。
なによりもこのバフォメット特有の膨大な魔力は嬉しい。
「まあ、私をバフォメットにした事はもういいわ…これからどうしよう…」
「これからって?」
「ユリリムさんがわたしを魔物に変えちゃったから本当に家に帰れなくなったからどうしようかとね…」
「うっ…ユリリムさんって言わないで…私は男の人が好きなのよ…」
「理想が高すぎていい男の人と出会えなくて、精が欲しいけど夫と決めた男以外から精をもらいたくないからって『女の子を襲って精をもらってついでに魔物に変えて魔王の理想への手助けをしよう!』なんて考えが思いつく事がユリリムって証拠よ!」
「ううぅ…違わないけど違うのに…」
ここで問題なのがこれからの生活だ。
わたしの家は完全なる反魔物領にある。魔物になったわたしが帰れるわけが無い。
人に化けてこっそりと暮らすというのもあるが、バレたときのリスクを考えると得策とは言えない。
そんなにあの家に未練があるわけでもないし、家族も別にいない。なので元の家に帰るという選択肢を選ぶ必要は無い。
じゃあどうしようか、ということである。
「なら私に一つ提案があります」
「あらリリー。もう大丈夫なの?」
悩んでいたところに怪我をユーリムに治療してもらって復活したリリーが話しに入ってきた。
「はい、王女様のおかげで助かりました。ありがとうございます」
「いいわよお礼なんて。いつも私の生活を助けてもらっているし。でも王女様って呼ぶのはやめてほしいな…」
「わかりました、ユーリム様」
「…で、提案って何?」
一通りリリーとユーリムの会話が終わったので早速聞いてみることにした。
「はい。あなた様がユーリム様の従者としてここで働きながら暮らすというのはどうですか?」
「「はあっ!?」」
何をいきなり言うんだこのメイドは!?
「ユーリム様と私だけでは領主としての仕事やこのお城の保持、さらに攻めてきた勇者や教団の人間の撃退までするのはとても大変なので、もう一人従者を増やしたいと思っていた所ではありませんか」
「…確かにそうね!あなたなら元勇者なだけあって強いし、口は悪いけど可愛いからちょうどいいわ♪じゃあ決定ね♪」
「ちょっと勝手に決めないでよ!?」
ユーリムまでこの案に賛成してきた。そこまで大変なのか?
それと、張本人であるわたしの意思を無視しないでほしいのだが。
「あら、あなたにとってもメリットはたくさんあると思うわよ?」
「……例えば何よ?」
「まず家や食事については心配なくなるわ。家事については基本的にリリーに任せてあるからね。このお城は広いから部屋もいっぱい余っているからいくらでも好きに使ってくれて構わないわよ?」
「ふむふむ、じゃあいくつかの部屋を実験部屋とかにしても良いと?」
「ええ!」
確かにこの条件なら悪くは無い。
「さらに、私はこれでもリリム、魔王の娘なの。だからいろんな繋がりがあるの。あなたが望むのなら魔界の奥にしか存在しない魔法薬なんかも簡単に取り寄せてあげるわよ。もちろんそのかわりいろいろと働いてはもらうけどね♪」
「ほ、ほんとうに?」
「ええ!ほんとうよ!」
それどころか、最高の条件じゃない!
「……きめたわ!わたしここでユーリムさんの従者として働くわ!」
「まあ♪ありがとう♪」
「ではまずはこのお城の案内をいたします」
こんなに良い条件なら全然問題ない。そう思ってわたしは従者になることを決めた。
これだけじゃない。もうひとつ大きなメリットが存在するからだ。
昔から強かった自分は、結婚するなら自分より強い男が良いと決めていたのだ。
リリムが相手ならばわたしみたいに強い兵士や勇者を教団は派遣するであろう。
その中にはわたしよりも強い男がいるかもしれない。わたしが望む男が現れる可能性が高いのだ。
その男をユーリムが倒してしまえばわたしのものになる。強くて頼りになるわたしの夫、バフォメット風にいえばお兄ちゃんが
いつかは出来ると言う訳だ。
こんなに良い事は滅多にない。従者にならずにどうしようと言うのか。
「と、その前に…あなたの名前をまだ聞いていなかったわね?これから一緒に暮らすのにあなたって呼ぶのは変でしょ?」
「そう言えばそうね…」
今までいろいろあって名前を言っていなかったわね。
これから一緒に暮らす訳だし、ちゃんと名前は言わないとね。
「わたしの名前はムイリ!リリーさん、ユーリムさん、これからよろしくお願いします!」
「はい、よろしくお願いします、ムイリさん!」
「よろしくね、ムイリ!」
こうして、魔物としてのわたしの新たなる生活が始まったのであった。
=====================
「はぁ…また女勇者が攻めてくるのかぁ…教団ってやっぱ馬鹿しかいないのか?」
街の情報屋から勇者が攻めてくると言う知らせを聞いたわたしは一応ユーリムに報告に行く事にした。
しかし、なぜ教団は女勇者にばっかり攻めさせるのだろうか?
ユーリムは人々を無理やり魔物化させるって反魔物領では言われているのに、わざわざ魔物化する女性を討伐に向かわせているのだ。馬鹿だとしか言いようが無い。
もちろん男の勇者も来るには来るのだが、この城までたどり着けたものは一人しかいない。しかも弱い攻撃魔法一発で倒せるような運だけのザコだった。
こんなんじゃあわたしもユーリムも夫が出来るのはずいぶん先になるわね…ちょっと悲しいわ…
ちなみにわたし以外は本人が望んで魔物になっている訳だから、無理やりってのも少し違う。
まあそっちのほうが教団にとっては都合が良いのだろうけど。情報は正しく扱うべきよね。
「あれ?ムイリさん、こんな所でどうかしましたか?」
「あ、リリー。いまユーリムがどこにいるか知らない?」
ユーリムがどこにいるのかわからず探していたところで、掃除中のリリーに出会ったのでどこにいるか聞いてみた。
なんだかんだいってみんな忙しくて、昼間は部屋にいない事が多い。なのでどこにいるかわからない事が多いのだ。
一応わたしは探知魔法も使えるには使えるが、このお城の中では万が一に備えて探知系は使えないようになっているのだ。
だが、リリーはユーリムの仕事を完璧に把握しているらしく、おおよそどこにいるのかの検討がついている事が多い。なのでちょうどいいやと思い聞いてみた。
「現在でしたら、書斎で書類の確認を行っていると思いますよ。何か用事でもあるのですか?」
「うん、また女勇者が攻めてくるんだって。一応報告しにいこうかとおもってね…たぶん追い払うのはわたしの役目になるけどね…」
「それは大変ですね…おつかれさまです」
「毎日この広いお城を掃除しているリリーよりは楽よ。おつかれさん…」
「いえ、どうも」
書斎にいると言う事なので、わたしは早速リリーと別れて書斎に向かう事にした。
トントンッ!
カチャリ
「失礼します。また女勇者が攻めてくるそう……ってあれ?いない?」
書斎に行って早速報告しようと思ったらそこにユーリムは居なかった。
机を見てみると書類を見ていた跡があるうえ、冷めきって無い紅茶が置いてあったので、さっきまで居たのは間違いないさそうなのだが…
「いったいどこに消えたんだ?…ってなんだこの紙?メモか?」
机の上に書類とは違う小さい紙が置いてあったので見てみると、そこには…
『魔力が減ってきたし、女の子が魔物になりたいと言う声が聞こえた気がするのでちょっといってきます。』
と書かれていた。
「……あんのユリリムがあああああああああああああああああああああああ!!!!!」
怒りで思わず叫んでしまった。
仕事が大量に残っているうえ勇者まで攻めてくるってときに何女の子襲いに行ってるんだ!
ふざけているのか!?
「せめて仕事ぐらいちゃんと終わらせてからにしろよ!!!今日までのもあるんだぞあのバカ!!!どこに行きやがった!!」
そう叫んだあと、わたしはユリリムを探しに城を飛びだし、探知魔法を使って場所を突き止めむかった。
最後にもう一度だけ叫ばせてもらおう。そうでもしなければわたしの怒りは収まらないのだ。
「あんのユリリムがあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
12/01/13 12:45更新 / マイクロミー