「入学式」の報告書
「ここがモンシィーヌ学園…」
入学式当日、私を出迎えたのは桃色の花びらが吹き乱れる美しい木々だった。
この桃色の木は何という植物なのだろうか?
「サクラの木を見るのは初めて?」
突然声をかけられた方を向いてみると、自分よりやや背が低めの女の子が立っていた。
「物珍しそうにサクラ並木を眺めていたからね。きっとそうなんだろうねって思ったんだ。」
女の子は人間ではない。
頭には獣の耳が、そして何より目を引くであろう身の丈以上はあるであろう大きな尻尾が付いていた。
彼女は獣人、魔物娘だ。
「そんなに私、目立ってましたか?」
「サクラの木は本来ジパング固有の植物なんだけど、その美しさから様々な場所に輸出されてね。 今なら親魔物領なら知らない人は居ないメジャーな存在になったんだ。」
「サクラの木を珍しそうに眺めていたキミは少なくても地元出身者ではないってことになるね。」
「そうでしたか…」
迂闊だった。
入学式早々目立つような行動を取ってしまうとは…
「まぁ、地元出身じゃないのはキミだけではないけどね。」
少女は周囲に目をやった。
周りには少女と同じような獣人や下半身が異形のもの、形が定まっていないものなど多種多様な少女たちが闊歩していた。
そう、彼女達も皆魔物娘だ。
「此処は魔モンシィーヌ学園、東西南北から多種多様の魔物が集まる学校なのさ。」
魔モンシィーヌ学園
とある親魔物領に設立された学園都市にひっそりと佇む低学年の魔物娘が通う学校である。
私もその学園の生徒の一人として入学する事となった。
「そいえば自己紹介がまだだったね。わたしはマルタ、見ての通りラタトスクさ。」
「私はカノン…種族はサキュバスです。」
私は自分の角を撫でながらお互いの自己紹介を済ました。
「よろしくね!カノン!」
「そいえばこれから向かう教室の場所は分かる?」
「はい、確か1-Bだったはず…です。」
「奇遇だね! わたしも1-Bなんだ!」
「本当に奇遇ですね…」
「良かったら一緒に行こうよ! 教室一緒なんだし!」
「はい…!」
断れば印象を悪くしてしまいそうなので、拒否する選択肢は実質無かった。
◇〜◇〜◇
教室にはさらに見慣れない魔物娘が待っていた。
手足が鱗に覆われた少女。
椅子の代わりにピンク色の物体に跨った少女。
大蛇と見まごうような大きな蟲…というかコレは魔物娘なのか?
一瞬蟲と目線があったような気がしたが、すぐにそっぽ向いてしまった。
そして教卓には…
「さて、皆様お揃いですね。」
「今日からこの教室を受け持つことになったクノイチのアヤメと申します。」
黒髪の美しい女性が立っていた。
彼女は一見普通の人間にも見えなくも無いが、よく見ると細いしっぽが腰から生えていた。
「私の事はひとまず置いておいて、まずは校長先生からお言葉があるようなので、少しの間ご清聴願いますね。」
アヤメ先生が黒板に手を触れると黒板から人の顔、もとい魔物娘の顔が映し出された。
『新入生の皆様、初めまして。 校長を任されている白澤のパイリンと申します。』
『地元から通っている子も、遥々遠くから通ってる子も我が校に入学して頂きありがとうございます。』
『私からの願いは、全生徒が淫らで健やかな学園生活を送れることです。』
『長話も何ですので、私からの話はこれにて…それでは皆さん、良き学園生活を♪』
そう言うと黒板は元の深緑色一色に戻っていった。
というか短い! 校長先生の話短いですよッ!
「では校長先生のお話も終わったことなので休憩に入りましょう♪ 休憩の後は最初のホームルームをやりますよ♪」
「「「はーい!!!」」」
「休憩時間何してよっか?」
「すみません…私ちょっとお手洗いの方に…」
「そこは淑女たるもの、お花を摘みに行ってきますと言う所だよ。(ニヤニヤ」
「えぇと…お花を摘みに行ってきますね!」
「はい、いってらっしゃ〜い!」
私はお手洗いの方に小走りで向かった。
「やっぱりカノンは面白い娘だな〜♪」
◇〜◇〜◇
「さて…」
モンシィーヌ学園のトイレは完全防音仕様となっている。
それは内気な魔物娘がトイレ内で満足に秘め事をする為にそういう設計となっているらしい。
そしてこれは自分の様な者にとっても好都合だった。
私は自分の角に手をかけ力を入れる。
キュポン
小気味良い音をたてながら角が外れた。
私は淡い光を放つ角の断面を眺めていた。
「潜入…成功です…」
そして懐から手記とペンを取り出した。
入学式当日、私を出迎えたのは桃色の花びらが吹き乱れる美しい木々だった。
この桃色の木は何という植物なのだろうか?
「サクラの木を見るのは初めて?」
突然声をかけられた方を向いてみると、自分よりやや背が低めの女の子が立っていた。
「物珍しそうにサクラ並木を眺めていたからね。きっとそうなんだろうねって思ったんだ。」
女の子は人間ではない。
頭には獣の耳が、そして何より目を引くであろう身の丈以上はあるであろう大きな尻尾が付いていた。
彼女は獣人、魔物娘だ。
「そんなに私、目立ってましたか?」
「サクラの木は本来ジパング固有の植物なんだけど、その美しさから様々な場所に輸出されてね。 今なら親魔物領なら知らない人は居ないメジャーな存在になったんだ。」
「サクラの木を珍しそうに眺めていたキミは少なくても地元出身者ではないってことになるね。」
「そうでしたか…」
迂闊だった。
入学式早々目立つような行動を取ってしまうとは…
「まぁ、地元出身じゃないのはキミだけではないけどね。」
少女は周囲に目をやった。
周りには少女と同じような獣人や下半身が異形のもの、形が定まっていないものなど多種多様な少女たちが闊歩していた。
そう、彼女達も皆魔物娘だ。
「此処は魔モンシィーヌ学園、東西南北から多種多様の魔物が集まる学校なのさ。」
魔モンシィーヌ学園
とある親魔物領に設立された学園都市にひっそりと佇む低学年の魔物娘が通う学校である。
私もその学園の生徒の一人として入学する事となった。
「そいえば自己紹介がまだだったね。わたしはマルタ、見ての通りラタトスクさ。」
「私はカノン…種族はサキュバスです。」
私は自分の角を撫でながらお互いの自己紹介を済ました。
「よろしくね!カノン!」
「そいえばこれから向かう教室の場所は分かる?」
「はい、確か1-Bだったはず…です。」
「奇遇だね! わたしも1-Bなんだ!」
「本当に奇遇ですね…」
「良かったら一緒に行こうよ! 教室一緒なんだし!」
「はい…!」
断れば印象を悪くしてしまいそうなので、拒否する選択肢は実質無かった。
◇〜◇〜◇
教室にはさらに見慣れない魔物娘が待っていた。
手足が鱗に覆われた少女。
椅子の代わりにピンク色の物体に跨った少女。
大蛇と見まごうような大きな蟲…というかコレは魔物娘なのか?
一瞬蟲と目線があったような気がしたが、すぐにそっぽ向いてしまった。
そして教卓には…
「さて、皆様お揃いですね。」
「今日からこの教室を受け持つことになったクノイチのアヤメと申します。」
黒髪の美しい女性が立っていた。
彼女は一見普通の人間にも見えなくも無いが、よく見ると細いしっぽが腰から生えていた。
「私の事はひとまず置いておいて、まずは校長先生からお言葉があるようなので、少しの間ご清聴願いますね。」
アヤメ先生が黒板に手を触れると黒板から人の顔、もとい魔物娘の顔が映し出された。
『新入生の皆様、初めまして。 校長を任されている白澤のパイリンと申します。』
『地元から通っている子も、遥々遠くから通ってる子も我が校に入学して頂きありがとうございます。』
『私からの願いは、全生徒が淫らで健やかな学園生活を送れることです。』
『長話も何ですので、私からの話はこれにて…それでは皆さん、良き学園生活を♪』
そう言うと黒板は元の深緑色一色に戻っていった。
というか短い! 校長先生の話短いですよッ!
「では校長先生のお話も終わったことなので休憩に入りましょう♪ 休憩の後は最初のホームルームをやりますよ♪」
「「「はーい!!!」」」
「休憩時間何してよっか?」
「すみません…私ちょっとお手洗いの方に…」
「そこは淑女たるもの、お花を摘みに行ってきますと言う所だよ。(ニヤニヤ」
「えぇと…お花を摘みに行ってきますね!」
「はい、いってらっしゃ〜い!」
私はお手洗いの方に小走りで向かった。
「やっぱりカノンは面白い娘だな〜♪」
◇〜◇〜◇
「さて…」
モンシィーヌ学園のトイレは完全防音仕様となっている。
それは内気な魔物娘がトイレ内で満足に秘め事をする為にそういう設計となっているらしい。
そしてこれは自分の様な者にとっても好都合だった。
私は自分の角に手をかけ力を入れる。
キュポン
小気味良い音をたてながら角が外れた。
私は淡い光を放つ角の断面を眺めていた。
「潜入…成功です…」
そして懐から手記とペンを取り出した。
19/01/12 00:11更新 / kahn
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