Phase1 -出会い-
『---裕...大丈夫だよ...』
---誰だ...?
よく聞こえない...だが...懐かしい気がする...
顔に...いや、体の前面に感じる冷たい感触
それなのに背中は温かい...
浮上してきた意識にゆっくりと目を開けると、目の前に地面が見えた
...あぁ、うつぶせに寝てるのか...
等と考えてから状況中という事を思い出し慌てて起き上がる
「何で俺寝てんだよ......え?」
視線は相変わらず地面だが...見ている情報に...いや、体に入ってくる情報全てに、激しく違和感がある
恐る恐る目線を上げると...呆然とした
「...富士じゃない...」
そう、11月の半ばならすすきだらけのはずの東富士演習場にいた筈なのに目の前に広がる光景は...『森』
そう、広大に広がる森林である
更に、11月のはずなのに暖かい、濡れていた防弾ベストから上る湯気がそれを裏づけする
「何で...俺...富士に居た筈なのに...!」
(そうだ、あの光!)
ようやく自分に何が起きたのか思い出したが...はっきり言って現状を打破できるものでもなかった...
とにかく、自分の現在地を確認しようとしたが.......はっきり言って失敗した
「...エラー?」
GPSのディスプレイを見ていた裕の顔が怪訝なものになる
『ERROR,SIGNAL LOST』
GPSが電波を受信できない、日本ならありえないことだった
電源を切ってリュックに入れていた携帯も圏外...ますます訳がわからなくなった
デジタルが頼れないからと草木から大まかな場所を判別しようとしたが......これも失敗した
「...見たことないんですけど...こんな草」
今まで見たこともないような草や花がびっしり...
「てか...これ花か?」
ハート型の花とか見たことない(笑)
結論、どこにいるかわからない
「が、少なくとも日本でもないな...」
人に会えば、近くに町なり村なり在れば...いずれにせよ、どこにいるか判らない以上安全の確保は最優先事項だった
が、またしても問題発生
「...丸腰だ...」
そう、この男現在丸腰なのだ
ここで読者の方は「鉄砲あるだろ!」と思うかもしれない、確かに手には自衛隊制式採用の89式小銃(ライフル)がある、太もものホルスターには同じく制式採用の9mm自動拳銃(ピストル)があり、おまけで腰には小銃に装着できる銃剣まである、いったいどこが丸腰か...
「...空砲じゃあなあ...」
弾倉を見ればそこに入っているのは弾頭のないただの空砲である
一般的に演習なんだから弾ぐらい持っていると思われがちだが、通常演習においては実弾演習(富士総合火力演習等)を除き空砲を使用するため実弾は装備されていないのだ
小銃の弾倉は空砲、拳銃は空、銃剣に至っては刃がついていない(安全確保のため自衛隊では銃剣の刃は潰してあり、有事の際に研いで使用できるようにする)結一の頼みの綱はポーチに入れていた私物の軍用ナイフぐらいである
思わずいつもの溜息が出てしまう今日この頃である
とりあえず、小銃を持って移動を開始した
空砲でも威嚇ぐらいなら使えると考えての選択だった
「...ん?」
移動を開始して10分何かの気配を感じた
気配を感じた方向を見ると白い何かが見える
「...人...だよ...な?」
すごいスピードで近づいてくるそれはよく見たら人間の形をしていた、白い何かはその人物の髪だとようやく判った
顔が判別できる距離まで来たかと思うと、それは女の子だった、それも超美人の
助かったと思い声をかけようとして固まった
---その少女が発する鬼気迫る気迫に
「止まれ!止まらないと撃つぞ!」
小銃を構えて警告を発した、動物的な本能が咄嗟に取った防衛行動だった
だが、止まらない
真っ直ぐ裕に向けて突っ込んでくる
威嚇射撃、と考えている内に突っ込んできた少女に体当たりを食らう
後ろに転がりながら受身を取り直ぐに起き上がる
咄嗟にナイフを抜き構えながら少女を見て...驚愕した
銀に近い白い髪の毛、整っていて短い髪型と相成って活発そうに見える18〜19歳位に見える綺麗な顔には、般若のような鬼気迫る表情が浮かべられている
体は...肉付きの少ないスレンダーな体躯に胸と股間の大事な部分をぼろぼろの布で覆っているだけで白い綺麗な肌が目を引く
しかし、それ以外の部分は「人」の形をしていなっかった
腕は肘辺りから髪の毛と同じ白い毛で覆われ、手には鋭い爪まで生えている
足も同じく膝から下が毛で覆われていた
極めつけは、尻の辺りから見える尻尾と髪の間から見える耳、他の部位と同じく白い毛で覆われたそれはまさに『狼』だった
犬歯を剥き出しにしながら唸り、爛々と輝く目、まさに獲物を見つけた狼のそれだった
そう、目の前にいるのはこの世界でいうワーウルフだった、もちろんそんなことは裕にはわからなかったが...
「マジかよ...」
ナイフを構えながら、ただのコスプレじゃないと瞬時に判断し睨み合う
小銃は倒れた時に飛ばされた、拳銃は空、あるのは手にあるナイフのみ
(やれるか?...いや、やるしかない...)
じりじりと間合いを計っている少女を見据えながら戦うしかないと覚悟を決めた時、少女の動きが止まった
(−−−来る−−−)
本能的に感じた
少女がまた突っ込んでくる、しかも、今度は手の爪を構えながら
戦いのラッパは吹かれた
to be a continued...
---誰だ...?
よく聞こえない...だが...懐かしい気がする...
顔に...いや、体の前面に感じる冷たい感触
それなのに背中は温かい...
浮上してきた意識にゆっくりと目を開けると、目の前に地面が見えた
...あぁ、うつぶせに寝てるのか...
等と考えてから状況中という事を思い出し慌てて起き上がる
「何で俺寝てんだよ......え?」
視線は相変わらず地面だが...見ている情報に...いや、体に入ってくる情報全てに、激しく違和感がある
恐る恐る目線を上げると...呆然とした
「...富士じゃない...」
そう、11月の半ばならすすきだらけのはずの東富士演習場にいた筈なのに目の前に広がる光景は...『森』
そう、広大に広がる森林である
更に、11月のはずなのに暖かい、濡れていた防弾ベストから上る湯気がそれを裏づけする
「何で...俺...富士に居た筈なのに...!」
(そうだ、あの光!)
ようやく自分に何が起きたのか思い出したが...はっきり言って現状を打破できるものでもなかった...
とにかく、自分の現在地を確認しようとしたが.......はっきり言って失敗した
「...エラー?」
GPSのディスプレイを見ていた裕の顔が怪訝なものになる
『ERROR,SIGNAL LOST』
GPSが電波を受信できない、日本ならありえないことだった
電源を切ってリュックに入れていた携帯も圏外...ますます訳がわからなくなった
デジタルが頼れないからと草木から大まかな場所を判別しようとしたが......これも失敗した
「...見たことないんですけど...こんな草」
今まで見たこともないような草や花がびっしり...
「てか...これ花か?」
ハート型の花とか見たことない(笑)
結論、どこにいるかわからない
「が、少なくとも日本でもないな...」
人に会えば、近くに町なり村なり在れば...いずれにせよ、どこにいるか判らない以上安全の確保は最優先事項だった
が、またしても問題発生
「...丸腰だ...」
そう、この男現在丸腰なのだ
ここで読者の方は「鉄砲あるだろ!」と思うかもしれない、確かに手には自衛隊制式採用の89式小銃(ライフル)がある、太もものホルスターには同じく制式採用の9mm自動拳銃(ピストル)があり、おまけで腰には小銃に装着できる銃剣まである、いったいどこが丸腰か...
「...空砲じゃあなあ...」
弾倉を見ればそこに入っているのは弾頭のないただの空砲である
一般的に演習なんだから弾ぐらい持っていると思われがちだが、通常演習においては実弾演習(富士総合火力演習等)を除き空砲を使用するため実弾は装備されていないのだ
小銃の弾倉は空砲、拳銃は空、銃剣に至っては刃がついていない(安全確保のため自衛隊では銃剣の刃は潰してあり、有事の際に研いで使用できるようにする)結一の頼みの綱はポーチに入れていた私物の軍用ナイフぐらいである
思わずいつもの溜息が出てしまう今日この頃である
とりあえず、小銃を持って移動を開始した
空砲でも威嚇ぐらいなら使えると考えての選択だった
「...ん?」
移動を開始して10分何かの気配を感じた
気配を感じた方向を見ると白い何かが見える
「...人...だよ...な?」
すごいスピードで近づいてくるそれはよく見たら人間の形をしていた、白い何かはその人物の髪だとようやく判った
顔が判別できる距離まで来たかと思うと、それは女の子だった、それも超美人の
助かったと思い声をかけようとして固まった
---その少女が発する鬼気迫る気迫に
「止まれ!止まらないと撃つぞ!」
小銃を構えて警告を発した、動物的な本能が咄嗟に取った防衛行動だった
だが、止まらない
真っ直ぐ裕に向けて突っ込んでくる
威嚇射撃、と考えている内に突っ込んできた少女に体当たりを食らう
後ろに転がりながら受身を取り直ぐに起き上がる
咄嗟にナイフを抜き構えながら少女を見て...驚愕した
銀に近い白い髪の毛、整っていて短い髪型と相成って活発そうに見える18〜19歳位に見える綺麗な顔には、般若のような鬼気迫る表情が浮かべられている
体は...肉付きの少ないスレンダーな体躯に胸と股間の大事な部分をぼろぼろの布で覆っているだけで白い綺麗な肌が目を引く
しかし、それ以外の部分は「人」の形をしていなっかった
腕は肘辺りから髪の毛と同じ白い毛で覆われ、手には鋭い爪まで生えている
足も同じく膝から下が毛で覆われていた
極めつけは、尻の辺りから見える尻尾と髪の間から見える耳、他の部位と同じく白い毛で覆われたそれはまさに『狼』だった
犬歯を剥き出しにしながら唸り、爛々と輝く目、まさに獲物を見つけた狼のそれだった
そう、目の前にいるのはこの世界でいうワーウルフだった、もちろんそんなことは裕にはわからなかったが...
「マジかよ...」
ナイフを構えながら、ただのコスプレじゃないと瞬時に判断し睨み合う
小銃は倒れた時に飛ばされた、拳銃は空、あるのは手にあるナイフのみ
(やれるか?...いや、やるしかない...)
じりじりと間合いを計っている少女を見据えながら戦うしかないと覚悟を決めた時、少女の動きが止まった
(−−−来る−−−)
本能的に感じた
少女がまた突っ込んでくる、しかも、今度は手の爪を構えながら
戦いのラッパは吹かれた
to be a continued...
13/12/08 20:51更新 / chababa
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