とある自えい業の1日 〜仕事編〜
刺すような強い日差し、四方から隙間なく爆音を響かせる蝉の声、そして止めに30度オーバーの気温を下げる気のない生温い風…
絵に書いたような真夏日の中、迷彩服に88式鉄帽を被り、肩から吊るしたサスペンダーには弾帯が吊るされ、弾帯には水筒、銃剣、救急品袋(救急包帯、止血帯入り)、弾倉が入った弾納が4個(1本用2個と2本用が2個)、そして最後に負い紐で肩から吊るした89式5.56mm小銃…つまり、ほぼフル装備の状態の俺は隊容検査(持ち物の数や防水処置、必要な知識をしっかり覚えているかの点検)を終えると指定されている車両に乗り込み、予定されている演習場へ進入していった
進入したら車両を偽装し、指揮所の設置や侯敵資材(ようはトラップ)、掩体等の防御陣地の作成を行う
半日以上かけて全てを準備し終わると日も昇り(敵にばれない様に夕方頃に進入する)朝飯ついでにようやく一息つけるタイミングが来た
朝飯を食べ終わり、煙草に火を点けて一服していると声が聞こえた
何だろうと行ってみると、先輩が掘った掩体(深さ1m20cm)の中にラージマウスが落ちて半ベソかいていた
「…何してるの?」
「う〜…助けて〜出られない…(泣)」
溜息をつきながら仕方ないと掩体に入り、出そうとすると遊んでいるつもりか狭い掩体(直径1m)の中をチョロチョロと逃げ回る
「あ、コラ!待て!」
「わ〜い!逃げろ〜!」
「大人しくしろ!」
何とか逃げ回るラージマウスを捕まえ、穴から出してやると「ありがとー!」と、元気良く山の中に消えて行った、そして俺はラージマウスが暴れたせいで崩れた掩体を治してから指揮所に帰った
…休憩時間は終わっていた(泣)
歩哨から帰って来て仮眠を取っていると緊急配備が発令された
急いで自分の掩体に飛び込み、敵を待ち構える態勢を取る
…掩体に入って暫くして、後ろのほうが騒がしい
「…」
「ちょ、ちょっと貴方達…!」
「それー!」
「高ーい!」
「きゃはははっ!」
小さなジャイアントアントの子供(たくさん)が大百足さんに群がっていた
「いい加減離れてよぉ…」
「やわーい」
「Σあ!そこは!」
「ふにふにー」
「あっ…ダメ…」
「むにゅー」
「アーッ!♀」
「…」
暫く見ていたが、関わってはいけないと判断し、警戒に戻る
「…はぁ…はぁ…はぅ〜…」
「…お疲れ様」
約10分後、ようやく子供の群れから開放されぐったりしていた大百足さんが動き出したので話かけてみた
「…見てたのなら助けて欲しかったです…」
「俺、仕事中なんで」
ジト目で見てくる大百足さんをさらりと警戒しながら受け流すと、「冷たいです…グスッ」と言いながらのそのそと帰って行った
大百足さんが見えなくなったころ、緊急配備が解除されたので俺は掩体から指揮所に帰った
夜間の歩哨を終え、指揮所に戻っていると顔に何か張り付いて来た
「うわっ!?何だ!?」
「あら、ゴメンなさい」
声のした方を見るとジョロウグモさんがいた、どうやら彼女の蜘蛛の巣に引っ掛かってしまったようだ
「いえ、大丈夫です…ただここはたくさん人が通るので違う所に作って頂けますか?」
「あら、そうなの?」
次の人が困らないように移動をお願いし、「巣に引っ掛かったから獲物にしていい?」と目を輝かせるジョロウグモさんを丁重にお断りして指揮所に帰った
「…ん?」
夜明け近くに歩哨についていると目の前をワーラビットがチョロチョロしているのが見えた
どうしたのかと尋ねると「お腹が減ったけどご飯が見つからないの」、と涙目になりながら言ってきた
可哀想だったので持っていたカロ◯ーメイト(フルーツ味)をあげたら凄い勢いで食べ始めた
微笑ましく見ていたらビクッと何かに反応したかと思うと突然ダッシュで逃げて行った
何だろうと不思議に思っていたら交代が来た
指揮所に帰り、仮眠所で寝ていたら物音で目が覚めた
見ると仮眠所の入り口から先ほどのワーラビットが顔を覗かせていた
どうしたのかと声をかけようとしたらこちらに気付き、「ありがとう」と言うとすぐに帰ってしまった
俺の今年の訓練(夏)はこんな感じだった
オチはない
絵に書いたような真夏日の中、迷彩服に88式鉄帽を被り、肩から吊るしたサスペンダーには弾帯が吊るされ、弾帯には水筒、銃剣、救急品袋(救急包帯、止血帯入り)、弾倉が入った弾納が4個(1本用2個と2本用が2個)、そして最後に負い紐で肩から吊るした89式5.56mm小銃…つまり、ほぼフル装備の状態の俺は隊容検査(持ち物の数や防水処置、必要な知識をしっかり覚えているかの点検)を終えると指定されている車両に乗り込み、予定されている演習場へ進入していった
進入したら車両を偽装し、指揮所の設置や侯敵資材(ようはトラップ)、掩体等の防御陣地の作成を行う
半日以上かけて全てを準備し終わると日も昇り(敵にばれない様に夕方頃に進入する)朝飯ついでにようやく一息つけるタイミングが来た
朝飯を食べ終わり、煙草に火を点けて一服していると声が聞こえた
何だろうと行ってみると、先輩が掘った掩体(深さ1m20cm)の中にラージマウスが落ちて半ベソかいていた
「…何してるの?」
「う〜…助けて〜出られない…(泣)」
溜息をつきながら仕方ないと掩体に入り、出そうとすると遊んでいるつもりか狭い掩体(直径1m)の中をチョロチョロと逃げ回る
「あ、コラ!待て!」
「わ〜い!逃げろ〜!」
「大人しくしろ!」
何とか逃げ回るラージマウスを捕まえ、穴から出してやると「ありがとー!」と、元気良く山の中に消えて行った、そして俺はラージマウスが暴れたせいで崩れた掩体を治してから指揮所に帰った
…休憩時間は終わっていた(泣)
歩哨から帰って来て仮眠を取っていると緊急配備が発令された
急いで自分の掩体に飛び込み、敵を待ち構える態勢を取る
…掩体に入って暫くして、後ろのほうが騒がしい
「…」
「ちょ、ちょっと貴方達…!」
「それー!」
「高ーい!」
「きゃはははっ!」
小さなジャイアントアントの子供(たくさん)が大百足さんに群がっていた
「いい加減離れてよぉ…」
「やわーい」
「Σあ!そこは!」
「ふにふにー」
「あっ…ダメ…」
「むにゅー」
「アーッ!♀」
「…」
暫く見ていたが、関わってはいけないと判断し、警戒に戻る
「…はぁ…はぁ…はぅ〜…」
「…お疲れ様」
約10分後、ようやく子供の群れから開放されぐったりしていた大百足さんが動き出したので話かけてみた
「…見てたのなら助けて欲しかったです…」
「俺、仕事中なんで」
ジト目で見てくる大百足さんをさらりと警戒しながら受け流すと、「冷たいです…グスッ」と言いながらのそのそと帰って行った
大百足さんが見えなくなったころ、緊急配備が解除されたので俺は掩体から指揮所に帰った
夜間の歩哨を終え、指揮所に戻っていると顔に何か張り付いて来た
「うわっ!?何だ!?」
「あら、ゴメンなさい」
声のした方を見るとジョロウグモさんがいた、どうやら彼女の蜘蛛の巣に引っ掛かってしまったようだ
「いえ、大丈夫です…ただここはたくさん人が通るので違う所に作って頂けますか?」
「あら、そうなの?」
次の人が困らないように移動をお願いし、「巣に引っ掛かったから獲物にしていい?」と目を輝かせるジョロウグモさんを丁重にお断りして指揮所に帰った
「…ん?」
夜明け近くに歩哨についていると目の前をワーラビットがチョロチョロしているのが見えた
どうしたのかと尋ねると「お腹が減ったけどご飯が見つからないの」、と涙目になりながら言ってきた
可哀想だったので持っていたカロ◯ーメイト(フルーツ味)をあげたら凄い勢いで食べ始めた
微笑ましく見ていたらビクッと何かに反応したかと思うと突然ダッシュで逃げて行った
何だろうと不思議に思っていたら交代が来た
指揮所に帰り、仮眠所で寝ていたら物音で目が覚めた
見ると仮眠所の入り口から先ほどのワーラビットが顔を覗かせていた
どうしたのかと声をかけようとしたらこちらに気付き、「ありがとう」と言うとすぐに帰ってしまった
俺の今年の訓練(夏)はこんな感じだった
オチはない
15/09/03 01:31更新 / chababa