第3話:双百合開花 〜リリラウネ育成&観察日記〜
〜氷堂 夜路、中弐之譚〜
俺は氷堂 夜路、逢魔学園中等部2年生だ。今日は俺の誕生日である。
母さんからはバレッタを貰った。そして親父からは…個包装された何かの種を貰った。
夜路
「親父、何の種だコレ?」
親父
「ん?」
「あーほら、父さんホームセンターの園芸コーナーと花屋で仕事してるだろ。で、今日園芸コーナーに花を買いに来た客がいてな。その客、刑部狸でな。なんでも“知り合いが結婚するからそのお祝い用に花を買いたい。”だとさ。
で俺的オススメを薦めたら“これ、お礼です。”って言って、この種を貰ったんだ。」
夜路
「いやそれなんか胡散臭くねえか、それ!? しかも貰った相手が刑部狸とか余計胡散臭えぞ!!?」
「てかその刑部狸、人間に化けてた!?それとも最初から正体出してた!?どっちだった!!?」
親父
「えっと…後者だった。」
母さん
「大丈夫よ、夜路。
だって刑部狸が人間に化けてモノ売りに来たとしても、R18チックなようにはなっても悪いようにはならないから。だから大丈夫。
そこはお母さんが保証するわ♡」
夜路
「う〜ん、母さんがそう言うなら…だがやっぱ怪しい気がしないでもない……。」
そう言いつつとりあえずその種を育ててみることにした俺である。
そして翌日……
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〜リリラウネ育成&観察日記之譚〜
-謎の種育成&観察日記 by氷堂 夜路-
人魔暦2017/12/13
昨日親父から誕生日プレゼントとして貰った“謎の種”を育てることにした。そしてこれに際して今日から育成&観察日記を付けることにした。
とりあえず持ってる図鑑とかを読み漁って、種の形から種類を特定できた。どうやらユリの種だったらしい。にしても大きすぎるが…。
さて前置きはここまでにして、本題に移ろう。
まず下準備第1段階。鞘から取り出したばかりの種は湿っているので乾燥させる必要があるが、この種は既に乾燥してたのでこのまま消毒に移ろう。↓
@まずはバケツを用意する。
Aそこに種を入れ、水和剤を500倍に薄めたものを入れる。ただ、種は見てくれよりかなり軽かったので、適当な石で浮いてこないようにした。これが思いの外大変だった。
あとはこれを30分程放置する。そして日陰でしっかり乾燥させる。次の作業は翌日しようと思う。
人魔暦2017/12/14
昨日消毒し乾燥させた種を植える…が今日はその下準備をもう一段階踏むことにする。まずは必要なものを揃える。↓
@消毒・乾燥を済ませた種
Aバーミキュライト
B水
C適度な大きさのカップ
Dビニール袋
Eホッチキス
そして下準備第2段階。↓
@まず種1:バーミキュライト3:水1でカップに入れてよく混ぜる。
A@で混ぜたものをビニール袋に入れる。
Bビニール袋の口を数回折って、ホッチキスで留める。袋の口が開くと種が空気に触れて傷みやすくなるので注意!
人魔暦2017/12/15
さていよいよ下準備を済ませた種を植える。まず適当な鉢と赤玉砂利、腐葉土を揃える。鉢、赤玉砂利、腐葉土は新品を揃えた。土の配合は赤玉砂利7:腐葉土3とした。そして鉢の約7割まで土を入れて平らに均したあとよく湿らせて、そこに種を播いて種が隠れる程に土で覆う。
ちなみに鉢は使用歴有りのものを使う場合はしっかり消毒するといいとあった。また土も花壇や畑のものではなく新しいものを使うといいとあった。培養土も検討したが調べたところ、大きさの割に育ちが悪くなることがあるのでおすすめできないとのこと。
あとは直射日光を避けて、程よい日陰に置いておく。土が乾燥してきたなと思ったら、水をかける。あと夏場の乾燥が酷い場合は、土の表面にもみ殻などをかけると乾燥し過ぎるのを防止できるとあった。
(中略)
人魔暦2018/07/28
今月は7月にしてはかなり暑かった。今日も暑い…ι(´Д`υ) 念のために水を与えようと様子を見に行ったら、初めての芽が出ていた!やったー(^^♪
…あれ……百合って発芽こんなに早かったっけ?確か自然任せにしたら1年半位で芽が出るってあったが(・・?
それに何かの声が聞こえたような気もした。気のせいか?
(中略)
人魔暦2018/11/20
いよいよ冬が近づいてきたって感じの寒さになってきた。そろそろ寒さ対策する時期かな。
…そうそう、謎の種も友人の知り合いの知り合いの農家の人から貰ったもみ殻を撒いて寒さ対策しておこう。
(中略)
人魔暦2019/3/17
去年11月に寒さ対策用に撒いたもみ殻を取り除く。これは後で腐葉土にでもして家でやってる家庭菜園に使おうと思う。
(中略)
人魔暦2019/6/7
新しい芽が出てきた。発芽2年目以降は追肥を芽が出てきた頃と梅雨明けの2回するとあった。
分量は一般的なプランターに対し約5gとあったが、今使ってるプランターでは少々多い気がしたので4g程にした。
肥料与えるときは葉に触れないように注意とあった。あとやや少なめを意識すると肥料焼けしないで済むとのこと。
(中略)
人魔暦2019/07/19
やっと梅雨明けした…。今回も追肥をする。今回も4g程肥料を与えた。
ここ最近は謎の種に対して妙な感情が湧く。ただどういった感情かはよく分からない。漠然としたもの…的な感じだった。今日もそんな感情が湧いてきた。日ごとに増していく感じもする。気のせい?
(中略)
人魔暦2019/10/18
別の日陰にプランターを移動させようとしたら、異様に重かった。
そろそろ別のプランターに植え替えする時期かな。そう思って新しい鉢、新しい赤玉砂利と腐葉土を用意し、一旦置いとく。
そして掘り出して驚いた!!なんとあの手のひらサイズだった謎の種が巨大な球根に成長していたのだ!!!パッと見、少々大きめなタマネギよかはるかに大きかったのだ!!!
…さて気を取り直して、まず水洗いで土を洗い落とした。特に根っこ部分は慎重に水洗いした。根を傷つけたら元も子もない。マジで慎重になった…というか育て始めてから一番慎重になった(´・ω・)結構気を遣った(;;´з`)
そして500倍に薄めた水和剤に浸して再び消毒。浮いてこないように適当なサイズの石を見つけて、重しにしてガッツリ浸した。今回は種の時点よりも少々時間をかけて消毒した。
(中略)
人魔暦2019/10/20
約2日乾燥させた球根。触ったりしてみたがそんなに水気は残ってない感じだった。
さて、2日前に新しく用意した鉢、赤玉砂利と腐葉土を引っ張り出してきた。で、前と同じく赤玉砂利7:腐葉土3の配合にした。
前に使ってたプランターはよく消毒して、置いとくことにした。また別の花を育てるときに使いたいと思う。
(中略)
人魔暦2019/11/09
7月頃に書いたが、謎の種…今は球根に対して感じていた漠然とした感情が何だったのか……最近はっきりと理解できるようになった。“子どもの誕生を待ち遠しく想う親”あるいは“弟か妹の誕生を待ち遠しく想う兄貴あるいは姉貴”、そんな感情だったと理解した。
(中略)
人魔暦2020/5/26
普通なら去年の秋頃に芽が枯れる……どころかどんどん成長し、ついには超巨大な…俺どころか親父の身長(※)よか大きい、2m以上はあろうかと言わんばかりに巨大な蕾に成長した…。
去年の12月頃に「もしかして…」と思ったが、確信した。あの謎の種の正体はアルラウネだったと…。『魔物娘図鑑』などから詳しく調べたり、蕾から時折聞こえる心音のような音をよーく聞いて「間違いない」と思った。俺があの時貰った種の正体はリリラウネだと確信した。
(※)俺は身長159cm、親父は身長167.5cmだ。
(中略)
人魔暦2020/7/19
夢の中で誰かに呼ばれる声がして目が覚めた…(ノД`)・゜・。時間は…AM05:50。
(日記はここで終わっている……)
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〜双百合開花之譚〜
夢の中で誰かに呼ばれる声がして目が覚めた…(ノД`)・゜・。時間は…AM05:50。
いくらなんでも早すぎるだろ…(ノД`)・゜・。 しかも起きた後もその声が頭の中でずっと淡く響いてる感じがする…(ノД`)・゜・。
そして引き寄せられるように俺は部屋を出て、玄関へ行き、庭へ向かった。そしてあの花に…引き寄せられるようにあの花目指して歩みを進めていった。
そして、花はゆっくり…ゆっくり、ゆっくりと咲いていった。
そこから現れたのは……淡い緑の肌、桃のような髪色、そして一糸纏わぬ美しい、双子の少女だった。
思わず言葉を失った…
リリラウネ
「あら」
「あなたが私達を育ててくれた人?」
夜路
「……」
リリラウネ
「もう一度聞くわ。」
「「あなたが私達を育ててくれた人?」」
夜路
「…! えっ、あ、ああ。」
「夜路、氷堂 夜路だ。」
リリラウネ
「夜路…」
「いい名前ね。」
リリラウネ
「私達は花の魔物、リリラウネ。」
「私達に名前を、私達の名付け親になってくれる、夜路?」
夜路
「あ、ああ。」
「それじゃ、君がライラ。そして君がアイリス。」
「…で、どうかな?」
ライラ
「ライラ…」
アイリス
「アイリス…」
ライラ
「いい名前ね…」
アイリス
「ええ、いい名前…」
ライラ&アイリス
「「私達に名前を、ありがとう…夜路。」」
夜路
「ど、どういたしまして///」
ライラ
「それじゃ。」
アイリス
「そうね。」
…いつの間にか俺の両腕に蔓が巻き付いていた……!
夜路
「ちょっ、何だ!?」
ライラ
「それはもちろん…♡」
アイリス
「わかるでしょう…♡?」
夜路
「ちょちょちょちょちょっと!!何する気だ二人とも!?」
「!!!! ま、まさか…!!?」
「おい、ちょっ、まさかだろ、おい!!!?」
ライラ
「そう…♡」
アイリス
「決まってるじゃない…♡」
夜路
「ちょい待ち!!そ、そーゆーのは、そのお互いをちゃんと知ってからでないとっていうか…」
ライラ
「そんなことしなくても分かること、あるじゃない…♡」
アイリス
「そう…例えば……」
ライラ&アイリス
「「お互いの、体の相性が♡♡」」
夜路
「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァ――――――――――ッッ!!!」
(十三代目石〇五〇衛〇バリの斬撃音)
ライラ&アイリス
「「!!?」」
親父
「おっとそーはいかないぜ、お嬢さん方♡」
夜路
「お、親父!?」
ライラ
「ちょっと!」
アイリス
「何してくれちゃってるの!?」
夜路
「と、とにかく助かっt」
親父
「息子が“卒業”するのを見届けるのは、もう少し先までの楽しみに取っとくって決めてるんでね☆」
夜路
「おいッッ、息子の前で何かましてんだ、色ボケ親父!!」
親父
「い、色ボケ親父たあ何だァ!? 色ボケ親父って!」
夜路
「あんた気づいてないだろうけどな、夜中に喉乾いて水飲みに行ったとかであんたが母さんといちゃらぶしてる声何回聞いてるか…何ならあんたと母さんがいちゃらぶしてるトコ何回か見てんぞ!!」
親父
「ちょっ…! お前にそれはまだ早ァァァァァァァァいッッッ!!!」
夜路
「今更遅いわァァァァァァァァッッ!!!」
…………
ライラ
「えっと…」
アイリス
「いつまで続くのかしら、この痴話喧嘩(?)は…」
………
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Fin...?
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俺は氷堂 夜路、逢魔学園中等部2年生だ。今日は俺の誕生日である。
母さんからはバレッタを貰った。そして親父からは…個包装された何かの種を貰った。
夜路
「親父、何の種だコレ?」
親父
「ん?」
「あーほら、父さんホームセンターの園芸コーナーと花屋で仕事してるだろ。で、今日園芸コーナーに花を買いに来た客がいてな。その客、刑部狸でな。なんでも“知り合いが結婚するからそのお祝い用に花を買いたい。”だとさ。
で俺的オススメを薦めたら“これ、お礼です。”って言って、この種を貰ったんだ。」
夜路
「いやそれなんか胡散臭くねえか、それ!? しかも貰った相手が刑部狸とか余計胡散臭えぞ!!?」
「てかその刑部狸、人間に化けてた!?それとも最初から正体出してた!?どっちだった!!?」
親父
「えっと…後者だった。」
母さん
「大丈夫よ、夜路。
だって刑部狸が人間に化けてモノ売りに来たとしても、R18チックなようにはなっても悪いようにはならないから。だから大丈夫。
そこはお母さんが保証するわ♡」
夜路
「う〜ん、母さんがそう言うなら…だがやっぱ怪しい気がしないでもない……。」
そう言いつつとりあえずその種を育ててみることにした俺である。
そして翌日……
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〜リリラウネ育成&観察日記之譚〜
-謎の種育成&観察日記 by氷堂 夜路-
人魔暦2017/12/13
昨日親父から誕生日プレゼントとして貰った“謎の種”を育てることにした。そしてこれに際して今日から育成&観察日記を付けることにした。
とりあえず持ってる図鑑とかを読み漁って、種の形から種類を特定できた。どうやらユリの種だったらしい。にしても大きすぎるが…。
さて前置きはここまでにして、本題に移ろう。
まず下準備第1段階。鞘から取り出したばかりの種は湿っているので乾燥させる必要があるが、この種は既に乾燥してたのでこのまま消毒に移ろう。↓
@まずはバケツを用意する。
Aそこに種を入れ、水和剤を500倍に薄めたものを入れる。ただ、種は見てくれよりかなり軽かったので、適当な石で浮いてこないようにした。これが思いの外大変だった。
あとはこれを30分程放置する。そして日陰でしっかり乾燥させる。次の作業は翌日しようと思う。
人魔暦2017/12/14
昨日消毒し乾燥させた種を植える…が今日はその下準備をもう一段階踏むことにする。まずは必要なものを揃える。↓
@消毒・乾燥を済ませた種
Aバーミキュライト
B水
C適度な大きさのカップ
Dビニール袋
Eホッチキス
そして下準備第2段階。↓
@まず種1:バーミキュライト3:水1でカップに入れてよく混ぜる。
A@で混ぜたものをビニール袋に入れる。
Bビニール袋の口を数回折って、ホッチキスで留める。袋の口が開くと種が空気に触れて傷みやすくなるので注意!
人魔暦2017/12/15
さていよいよ下準備を済ませた種を植える。まず適当な鉢と赤玉砂利、腐葉土を揃える。鉢、赤玉砂利、腐葉土は新品を揃えた。土の配合は赤玉砂利7:腐葉土3とした。そして鉢の約7割まで土を入れて平らに均したあとよく湿らせて、そこに種を播いて種が隠れる程に土で覆う。
ちなみに鉢は使用歴有りのものを使う場合はしっかり消毒するといいとあった。また土も花壇や畑のものではなく新しいものを使うといいとあった。培養土も検討したが調べたところ、大きさの割に育ちが悪くなることがあるのでおすすめできないとのこと。
あとは直射日光を避けて、程よい日陰に置いておく。土が乾燥してきたなと思ったら、水をかける。あと夏場の乾燥が酷い場合は、土の表面にもみ殻などをかけると乾燥し過ぎるのを防止できるとあった。
(中略)
人魔暦2018/07/28
今月は7月にしてはかなり暑かった。今日も暑い…ι(´Д`υ) 念のために水を与えようと様子を見に行ったら、初めての芽が出ていた!やったー(^^♪
…あれ……百合って発芽こんなに早かったっけ?確か自然任せにしたら1年半位で芽が出るってあったが(・・?
それに何かの声が聞こえたような気もした。気のせいか?
(中略)
人魔暦2018/11/20
いよいよ冬が近づいてきたって感じの寒さになってきた。そろそろ寒さ対策する時期かな。
…そうそう、謎の種も友人の知り合いの知り合いの農家の人から貰ったもみ殻を撒いて寒さ対策しておこう。
(中略)
人魔暦2019/3/17
去年11月に寒さ対策用に撒いたもみ殻を取り除く。これは後で腐葉土にでもして家でやってる家庭菜園に使おうと思う。
(中略)
人魔暦2019/6/7
新しい芽が出てきた。発芽2年目以降は追肥を芽が出てきた頃と梅雨明けの2回するとあった。
分量は一般的なプランターに対し約5gとあったが、今使ってるプランターでは少々多い気がしたので4g程にした。
肥料与えるときは葉に触れないように注意とあった。あとやや少なめを意識すると肥料焼けしないで済むとのこと。
(中略)
人魔暦2019/07/19
やっと梅雨明けした…。今回も追肥をする。今回も4g程肥料を与えた。
ここ最近は謎の種に対して妙な感情が湧く。ただどういった感情かはよく分からない。漠然としたもの…的な感じだった。今日もそんな感情が湧いてきた。日ごとに増していく感じもする。気のせい?
(中略)
人魔暦2019/10/18
別の日陰にプランターを移動させようとしたら、異様に重かった。
そろそろ別のプランターに植え替えする時期かな。そう思って新しい鉢、新しい赤玉砂利と腐葉土を用意し、一旦置いとく。
そして掘り出して驚いた!!なんとあの手のひらサイズだった謎の種が巨大な球根に成長していたのだ!!!パッと見、少々大きめなタマネギよかはるかに大きかったのだ!!!
…さて気を取り直して、まず水洗いで土を洗い落とした。特に根っこ部分は慎重に水洗いした。根を傷つけたら元も子もない。マジで慎重になった…というか育て始めてから一番慎重になった(´・ω・)結構気を遣った(;;´з`)
そして500倍に薄めた水和剤に浸して再び消毒。浮いてこないように適当なサイズの石を見つけて、重しにしてガッツリ浸した。今回は種の時点よりも少々時間をかけて消毒した。
(中略)
人魔暦2019/10/20
約2日乾燥させた球根。触ったりしてみたがそんなに水気は残ってない感じだった。
さて、2日前に新しく用意した鉢、赤玉砂利と腐葉土を引っ張り出してきた。で、前と同じく赤玉砂利7:腐葉土3の配合にした。
前に使ってたプランターはよく消毒して、置いとくことにした。また別の花を育てるときに使いたいと思う。
(中略)
人魔暦2019/11/09
7月頃に書いたが、謎の種…今は球根に対して感じていた漠然とした感情が何だったのか……最近はっきりと理解できるようになった。“子どもの誕生を待ち遠しく想う親”あるいは“弟か妹の誕生を待ち遠しく想う兄貴あるいは姉貴”、そんな感情だったと理解した。
(中略)
人魔暦2020/5/26
普通なら去年の秋頃に芽が枯れる……どころかどんどん成長し、ついには超巨大な…俺どころか親父の身長(※)よか大きい、2m以上はあろうかと言わんばかりに巨大な蕾に成長した…。
去年の12月頃に「もしかして…」と思ったが、確信した。あの謎の種の正体はアルラウネだったと…。『魔物娘図鑑』などから詳しく調べたり、蕾から時折聞こえる心音のような音をよーく聞いて「間違いない」と思った。俺があの時貰った種の正体はリリラウネだと確信した。
(※)俺は身長159cm、親父は身長167.5cmだ。
(中略)
人魔暦2020/7/19
夢の中で誰かに呼ばれる声がして目が覚めた…(ノД`)・゜・。時間は…AM05:50。
(日記はここで終わっている……)
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〜双百合開花之譚〜
夢の中で誰かに呼ばれる声がして目が覚めた…(ノД`)・゜・。時間は…AM05:50。
いくらなんでも早すぎるだろ…(ノД`)・゜・。 しかも起きた後もその声が頭の中でずっと淡く響いてる感じがする…(ノД`)・゜・。
そして引き寄せられるように俺は部屋を出て、玄関へ行き、庭へ向かった。そしてあの花に…引き寄せられるようにあの花目指して歩みを進めていった。
そして、花はゆっくり…ゆっくり、ゆっくりと咲いていった。
そこから現れたのは……淡い緑の肌、桃のような髪色、そして一糸纏わぬ美しい、双子の少女だった。
思わず言葉を失った…
リリラウネ
「あら」
「あなたが私達を育ててくれた人?」
夜路
「……」
リリラウネ
「もう一度聞くわ。」
「「あなたが私達を育ててくれた人?」」
夜路
「…! えっ、あ、ああ。」
「夜路、氷堂 夜路だ。」
リリラウネ
「夜路…」
「いい名前ね。」
リリラウネ
「私達は花の魔物、リリラウネ。」
「私達に名前を、私達の名付け親になってくれる、夜路?」
夜路
「あ、ああ。」
「それじゃ、君がライラ。そして君がアイリス。」
「…で、どうかな?」
ライラ
「ライラ…」
アイリス
「アイリス…」
ライラ
「いい名前ね…」
アイリス
「ええ、いい名前…」
ライラ&アイリス
「「私達に名前を、ありがとう…夜路。」」
夜路
「ど、どういたしまして///」
ライラ
「それじゃ。」
アイリス
「そうね。」
…いつの間にか俺の両腕に蔓が巻き付いていた……!
夜路
「ちょっ、何だ!?」
ライラ
「それはもちろん…♡」
アイリス
「わかるでしょう…♡?」
夜路
「ちょちょちょちょちょっと!!何する気だ二人とも!?」
「!!!! ま、まさか…!!?」
「おい、ちょっ、まさかだろ、おい!!!?」
ライラ
「そう…♡」
アイリス
「決まってるじゃない…♡」
夜路
「ちょい待ち!!そ、そーゆーのは、そのお互いをちゃんと知ってからでないとっていうか…」
ライラ
「そんなことしなくても分かること、あるじゃない…♡」
アイリス
「そう…例えば……」
ライラ&アイリス
「「お互いの、体の相性が♡♡」」
夜路
「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァ――――――――――ッッ!!!」
(十三代目石〇五〇衛〇バリの斬撃音)
ライラ&アイリス
「「!!?」」
親父
「おっとそーはいかないぜ、お嬢さん方♡」
夜路
「お、親父!?」
ライラ
「ちょっと!」
アイリス
「何してくれちゃってるの!?」
夜路
「と、とにかく助かっt」
親父
「息子が“卒業”するのを見届けるのは、もう少し先までの楽しみに取っとくって決めてるんでね☆」
夜路
「おいッッ、息子の前で何かましてんだ、色ボケ親父!!」
親父
「い、色ボケ親父たあ何だァ!? 色ボケ親父って!」
夜路
「あんた気づいてないだろうけどな、夜中に喉乾いて水飲みに行ったとかであんたが母さんといちゃらぶしてる声何回聞いてるか…何ならあんたと母さんがいちゃらぶしてるトコ何回か見てんぞ!!」
親父
「ちょっ…! お前にそれはまだ早ァァァァァァァァいッッッ!!!」
夜路
「今更遅いわァァァァァァァァッッ!!!」
…………
ライラ
「えっと…」
アイリス
「いつまで続くのかしら、この痴話喧嘩(?)は…」
………
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Fin...?
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23/03/22 19:41更新 / bj12.bom
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