連載小説
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#682 不死身の豚
ITEM#:682
CODENAME:不死身の豚
Object Class:Safe→Euclid

これについては過少評価だと言わざるを得ない
Keterのクラス格上げを強く要請する-バロワ第三室長

却下-国王

取り扱い方:#682は抹殺対象になっています
現在の王国の技術では#682に傷を付ける事すら困難です
#682の内1体はバロワ第三室長の秘書として扱き使い
#682の内4体は別の1体を取り押さえ続けさせ
残り1体を使い#682抹殺の為の研究を行って下さい
この取り扱い方に基づいて#682達の仕事は日々ローテーションされます

もしも#682を抹殺出来た者には特別に報奨金を俺個人で出す
抹殺出来たのなら100万G、容易に傷付ける事が出来たら50万G、#682が嫌がる事を思案
#682が10日間以上嫌がり続けた場合10万Gを払おう-バロワ第三室長

概要:#682は豚の特徴を持った人型の女性の個体7体です
各個体の特徴で人間より腕力が強く持久性が有りますが特筆する事は有りません
しかし彼女達は人よりも敏感な痛覚を持ち
更に異常なまでの耐久性を誇り、痛みを快楽として変換する事が可能です


唯のM女じゃないか-ライト第一室長

異常なまでの耐久性って言ったろ、本気で異常なんだよ-バロワ第三室長


#682は[削除済み]にて発見され捕獲されました


場所は伏す、とある異世界の何処かと言うだけしか言えない
コイツの危険性を上が認知しない以上
#682の別個体を大量に連れてくるとか言いかねない-バロワ第三室長


#682は当初非常に凶暴かつ強気でこちらに対し攻撃を行いましたが
バロワ第三室長によって制圧された後
打って変わって非常に従順で大人しくなりました
その後、全七個体は全て回収されました


ぶっちゃけ、攪乱の為に30分砂埃上げただけで全面降伏されると思わなかった
そのまま放置して帰れば良かったと反省している-バロワ第三室長

砂埃が舞って肌に当たるのは実際痛いぞ
と言うか30分もやれば俺でも嫌になるわ-アイク第四室




インタビュー記録#682

インタビュー対象:#682-1
インタビュアー:バロワ第三室長

バロワ室長:ではインタビューを始めます、貴女の姓名と年齢をどうぞ

#682-1:いやですわ、御主人様
『貴様の名と歳を答えろ雌豚』位の荒々しさで構いませんわ

バロワ室長:・・・お前さっきは
『あたし等の奴隷にしてやるよ[削除済み]野郎』とか言ってなかったか?

#682-1:はい、それについては申し訳有りません、自分を恥じます
私は支配される悦びを知らない子供でした
ですが貴方様の責めで支配される悦び、一匹の豚としての有り方
その全てを悟らせて頂きました、先の暴言に対し如何なる罰も受けます

バロワ室長:態度が変わり過ぎだな

#682-1:私達の種族は
『弱者に対し強く当たり、強者に対し献身的に尽くす』のがモットーですから

バロワ室長:ゴミみてぇなモットーだな

#682-1:はい!!私達はゴミみたいな屑豚ですぅぅぅ!!!

#682-1が興奮し始めた、バロワ室長はそれを冷めた目で見る

#682-1:あああ・・・御主人様に軽蔑されてるぅぅぅ
ごめんなさい・・・屑でマゾな雌豚ですみませんんんんんんん
あひいいい・・・・・

#682-1が股から[削除済み]

バロワ室長:・・・・・

バロワ第三室長が黙ってインタビュー室から出る

#682-1:あああ、勝手にイったから御主人様に嫌われちゃったぁ・・・
・・・・・・・・・あぁあああああああああいくうううううううう!!!!

インタビュー終了


バロワの依頼でこのインタビュー記録を演技なのか色々調べた結果
俺の経験則と本職の方々に見せた結果、素だと判明した-レフ第二室長

本職の方々って何だよ-バロワ第三室長




検査の為に様々な実験を行い、概要冒頭の事が判明しました
また実験の為に行った事象全てに快楽の反応を示しました



実験記録#682-1
実験内容:細胞を観察する為に細胞サンプルを取る
結果:注射器は針が、刃物は刃先が刺さらず、サンプルを取る事は不可能です
#682はナイフや針が体に触れている最中に恍惚の表情を浮かべていました

ここで『?』ってなったんだよ
今にして思えば悪夢の始まりだな-バロワ第三室長


実験記録#682-7
これまでの実験から相当思い切りやらないとサンプルの採取すら出来ない事から
かなり無茶な実験として批判された
実験内容:ギロチンで腕を切断する
結果:痛がったが、直ぐに涎を垂らし恍惚の反応を示した

始める前は助手共が反対したが始めた後は助手共も引き始めた-バロワ第三室長


実験記録#682-13
バロワ第三室長の提言によって#682の抹殺を前提とした実験第一号
実験内容:高所に上らせ飛び降りさせた
結果:落下後2,3度快感で跳ねた後通常通り立ち上がった

とりあえず国内の処刑方法は一通り試そう-バロワ第三室長


実験記録#682-14
実験内容:荒縄を使用した一般的な絞首刑
結果:吊り下げた後、暫く苦しんでいたが快感に変わったらしく揺れ始め
45時間後に揺れの振動に絞首台が耐え切れず破損し実験中断

呼吸する必要が無いのか?ちょっと別の形で試してみよう-バロワ第三室長


実験記録#682-15
実験内容:水で満たした密閉した水槽の中に沈め溺死させる
結果:72時間経過しても溺死は愚か苦痛の様子無く泳ぎ回っていました

首絞められて一時的とはいえ苦しんだのに
何で水中で普通にしているんだ?-バロワ第三室長


実験記録#682-16
実験内容:処刑人にハンマーで頭を叩き割らせる
結果:処刑人の心が折れました

最初は励ましてやる気を出させ様としてたが
最終的にあの豚処刑人を煽ってたな-ライト第一室長

で、体育座りしだした処刑人に言い過ぎた、ごめんなさいとか言い始めるんだよ
それが傷口に塩を塗ると分からないのかね-サルメゾン第一王子

そ れ だ-バロワ第三室長


実験記録#682-17
実験内容:処刑人に先程の行いを謝らせたりなどさせ優しくさせてみる
結果:最初の内は混乱しましたが、そういうプレイかと納得されました

処刑人が休暇届出して飛び出したけど何したんだ-グデラス大臣

人の心の痛みが分からないのかお前は-ライト第一室長

うん、ごめんね-バロワ第三室長


実験#682-16の時点で若干バロワ室長の情緒が不安定になりつつ有ったので
レフ第二室長の元で#682の有効活用法を見出す為の実験が行われました


実験記録#682-18
実験内容:部屋一つを掃除させてみた
結果:時間がかかった上に雑な部分が目立った

態々#682を使う必要があるのかと問われたら自信を持って『無い』と言えます
しかし不器用だが力は人より有るみたいだ
力仕事をやらせてみるか-レフ第二室長


実験記録#682-19
実験内容:鉱山での採掘作業従事
結果:馬鹿力で無計画に掘り進んだ結果、落盤事故が発生
幸いにも#682が埋まるだけの結果になった、後に回収された

これは#682よりも現場責任者に問題が有るんじゃないか?-サルメゾン第一王子

ですな、これは責任逃れの為のフェイクの可能性も有ります-ライト第一室長

いや、アイツ等が故意にやった可能性もある
従順に見せかけて、俺達を油断させる作戦だと俺は確信している-バロワ第三室長

バロワ、貴方疲れてるのよ-ライン第七室長


実験記録#682-20
実験内容:バロワ第三室長の看病
結果:[削除済み]、バロワ第三室長には休暇が与えられましたが断られました

あのくそったれ豚女共とレフを抹殺するまで休めるか!!-バロワ第三室長

むしろ俺が代わりたい位なんだが・・・-レフ第二室長


実験記録#682-21
実験内容:自殺を強要した
結果:無理だと断られた

首吊っても飛び降りても無傷に相手に無茶な注文だったな、うん-バロワ第三室長


実験記録#682-22
実験内容:火山の中に突き落とす
結果:アイク第四室長によって阻止された

#682の耐久力は単純な肉体の強さでは無く肉体に含まれる魔力の多さだと思う
肉体サンプルの採取自体不可能だから実証は出来ないが
もしコイツの耐久が魔力由来の物で
火山に突き落とした場合
#682死亡時に制御を失った魔力が火山内部のマグマに一体どんな影響を齎すか
想像しただけで恐ろしい-ライト第四室長


実験記録#682-23
実験内容:各個体を個別に放置する

何か苦痛を与える事がアイツ等にとっての快楽なら『何もしない』
これこそがアイツ等を殺す為の解っ!!-バロワ第三室長

結果:放置して五日目までかなりの苦痛を感じていたが
放置していること自体に悦楽を感じ始めた、実験は中止

・・・・・如何しろと言うんだ-バロワ第三室長

五日目までは『苦痛を感じていた』
つまり『痛さ=快楽』でも『苦痛=快楽』では無い
今回の実験でダメージは一応通っていた、だが慣れてしまって無効化された
結論として#682が嫌がる事を#682が慣れる前に次々と行い続ければ良いのではないか?-"K"第六室長


"K"室長のこの発言から#682が嫌がる事を知る為に
#682の内1体はバロワ第三室長の秘書として扱う事で
普段の所作から何を嫌がるかの観察を行い
もう1体を使い#682抹殺の為に様々な研究実験を行い
残りは#682の4体で別の1体を取り押さえ続けさせるという指示で拘束しています


現状で行った実験に付いては別に纏めてあるので
#682対策チームは絶対に見ておく事
更に他のオブジェクトで#682を破壊出来ないか
クロステストを現在申請しているので
許可の為の署名運動の署名も行う事-バロワ第三室長

却下する、確かに不死性は脅威だが
他のオブジェクトとのクロステストとか碌な事にならないだろ-国王
15/08/15 00:29更新 / Mr.後困る
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■作者メッセージ
参考にしたSCP
SCP-682 不死身の爬虫類
執筆者:Dr Gears様
http://scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-682

ども夢の中でSCP-036-JP内部に居ましたMr.後困るです
先生方に襲われなかったし、追加で誰か入って来たし
私の立ち位置が部屋の奥だったから教員のポジションだったのか?
確かに好きなSCPだけども実際に体験するのは御免蒙る

今回は682でした、本来の予定では682にはそれ相応に恐ろしいのを用意していたのですが
バロワさんのキャラクターを書きたかったのです書いている内にキャラクターも出来てきましたし
これからのバロワさんの活躍に御期待下さい

次は本来ならば682に当てられる筈だった方です、ではどうぞ

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