ロー&スイート
「ちょっと待て、純子、ハメるのは駄目だ、ズルいだろ」
「違うね、ボクがこうする事をわかっていながら対策をしなかった頼人が悪いんだよ」
そのまま俺は順子になすすべも無く倒された。そして目の前に映るのはK.O.の二文字。
「よっしゃー!! ボクの勝ちだね。約束どおり、敗者には罰ゲームとして勝者の言う事を一つ聞いてもらおうか」
「そんな約束してねえだろ! それに折角の休日ぐらい俺に一人で過ごさせてくれよ!」
「なにを言っているんだい? 罰ゲームの無い勝負なんてつまらないじゃないか。それに休日にボクが遊びに来るのはいつものことだろう?」
そう、家が隣同士な事もあって純子が休日にも遊びに来るのはいつものことだ。だから俺は純子に会わなかった日が無い、それほどまでにコイツと一緒にいる時間が長い。
それに加えて最近はほとんど俺の部屋に入り浸っていておそらく順子が自分の家にいるよりも俺の部屋にいる時間の方が長いくらいだ。
「ってか、お前は家でやること無いのか」
「んー……家にいると母さんが武術を教えようとしてくるから頼人の部屋の方が居心地がいいんだよね」
ポスンっと俺の膝の上に乗っかりながら答える純子。
コイツの両親はそれこそ典型的な火鼠夫婦のような人達で、道場を経営している。それを考えると改めて純子がこんなにも運動嫌いなのかが不思議だ。
思えば、何でコイツが運動が嫌いなのかを俺は聞いたことが無かった気がする。
「なあ、お前はなんで」
「意味無いから」
俺の質問を遮るように先に答えてくる。
「まだ何も言って無いんだけど」
「ボクが何年頼人と一緒にいると思っているの? どんな質問しようとしたかくらい分かるよ、どうせ何で運動が嫌いかとか聞こうと思ったんでしょ」
「いやまあ、その通りだったんだけど。意味無いって?」
「そのままの意味。ずっと前から、ボクは体を動かしても興奮を、炎を静めるが出来ないんだよ」
確か火鼠の炎が収まらない場合は唯一つ、夫がいる場合だけのはずだ。
それで、純子が一緒にいる時間が長い男は間違いなく俺だ。
「ちょっと待て、もしかして俺が憶えてないだけで……まさか純子と?」
「言っとくけどボクはまだ処女だぞ、でも半分ぐらいは合ってるかも」
「半分って、どういうことだよ」
「……ちょっとボクの毛皮触ってみて」
俺はそう言われて純子のフワフワとした毛をなでる、すると赤く燃えていた純子の毛は俺が撫でた所から白く染まっていく。
「えっ触っただけでこうなるものなのか?」
「普通はならないよ、ボクがちょっと特殊なんだ。だからね、ボクが頼人近くにいるのはキミを襲わないためなんだよ」
「ちょっと意味わかんないな」
「いいかい、ボクは君が好きだ。でも無理やり襲うなんてしたくない、だから君のそばにいる。わかった? これ以上の説明をボクにさせるなら面倒だから襲うからな」
「わかった、わかったから服を脱ごうとするな」
喋るのが面倒になったのか肉体言語で話そうとしてくる、危ないやつだ。
「……じゃあ、何がわかったのか言ってみてよ」
「えっと、お前は特殊な体質で俺のそばにいないと火が静まらないから運動する必要が無いと」
「合ってるけど、ボクのちょっとした勇気を返せ」
「あと、お前が俺の事を好きだって事」
俺がそのことに触れた途端に純子の顔が毛皮のように真っ赤に染まった。
「なっ……それは気付かれないと思ったから、その」
いつもはどんな時でもダルそうにしている分なんだか焦っているのを見ると新鮮で可愛いな、なんて言うかいじりたくなる。
と言うわけで俺はいつも迷惑をかけられている分悪戯をさせて貰おう。
「だから……ボクの本心と言うわけじゃ、ひゃうん!? なにしてるのさ!!」
「いや、色が変わるのが面白いから。で、本心じゃなんだって?」
そう言いながらも俺はモフモフで炎のような毛皮をくすぐるように撫でていく。優しく、傷つけないように丁寧に。
「やめ……んっ、くすぐったいから……あっん」
「ふっふっふ、日頃の恨みはらさせて貰おうか」
「まっ……て……ほんとに、よわいから……ひゃぁ」
純子の全身が白く染まる頃には彼女の息は絶え絶えになっており、目にはうっすらと涙も浮かんでいた。さらに順子が服を脱ごうとしていたこともあって服装も崩れている。
もしもこのタイミングで誰かに見られたら、俺が順子を襲ったようにしか見えないだろ!!
「ごめん、調子に乗りすぎたわ、立てるか?」
「立てない……頼人、抱っこ」
「はいはい、まあ今回は俺が悪いからな」
純子お姫様だっこすると、彼女は不意打ち気味に俺の頬にキスをしてきた。
「頼人は優しいから、ボクだぁいすき♥」
とろけそうな笑顔で甘えてくる純子。……もしかして純子って火を消したら甘えん坊になるのか?
それにしてもこれは反則だ、こんなことされて惚れない男なんていないだろうが。
「俺もお前のことが好きだよ」
「えへへ。じゃあ、ずっとボクのそばにいてね、約束だよ♥」
「約束する、俺はお前のそばにいるよ。いつまでもずっとな」
多分これからも純子には迷惑をかけられたり、甘えられたりするんだろう。
それでも俺は彼女の隣で一緒に歩んでいく。それは約束であり、俺たちが恋人だから。
「違うね、ボクがこうする事をわかっていながら対策をしなかった頼人が悪いんだよ」
そのまま俺は順子になすすべも無く倒された。そして目の前に映るのはK.O.の二文字。
「よっしゃー!! ボクの勝ちだね。約束どおり、敗者には罰ゲームとして勝者の言う事を一つ聞いてもらおうか」
「そんな約束してねえだろ! それに折角の休日ぐらい俺に一人で過ごさせてくれよ!」
「なにを言っているんだい? 罰ゲームの無い勝負なんてつまらないじゃないか。それに休日にボクが遊びに来るのはいつものことだろう?」
そう、家が隣同士な事もあって純子が休日にも遊びに来るのはいつものことだ。だから俺は純子に会わなかった日が無い、それほどまでにコイツと一緒にいる時間が長い。
それに加えて最近はほとんど俺の部屋に入り浸っていておそらく順子が自分の家にいるよりも俺の部屋にいる時間の方が長いくらいだ。
「ってか、お前は家でやること無いのか」
「んー……家にいると母さんが武術を教えようとしてくるから頼人の部屋の方が居心地がいいんだよね」
ポスンっと俺の膝の上に乗っかりながら答える純子。
コイツの両親はそれこそ典型的な火鼠夫婦のような人達で、道場を経営している。それを考えると改めて純子がこんなにも運動嫌いなのかが不思議だ。
思えば、何でコイツが運動が嫌いなのかを俺は聞いたことが無かった気がする。
「なあ、お前はなんで」
「意味無いから」
俺の質問を遮るように先に答えてくる。
「まだ何も言って無いんだけど」
「ボクが何年頼人と一緒にいると思っているの? どんな質問しようとしたかくらい分かるよ、どうせ何で運動が嫌いかとか聞こうと思ったんでしょ」
「いやまあ、その通りだったんだけど。意味無いって?」
「そのままの意味。ずっと前から、ボクは体を動かしても興奮を、炎を静めるが出来ないんだよ」
確か火鼠の炎が収まらない場合は唯一つ、夫がいる場合だけのはずだ。
それで、純子が一緒にいる時間が長い男は間違いなく俺だ。
「ちょっと待て、もしかして俺が憶えてないだけで……まさか純子と?」
「言っとくけどボクはまだ処女だぞ、でも半分ぐらいは合ってるかも」
「半分って、どういうことだよ」
「……ちょっとボクの毛皮触ってみて」
俺はそう言われて純子のフワフワとした毛をなでる、すると赤く燃えていた純子の毛は俺が撫でた所から白く染まっていく。
「えっ触っただけでこうなるものなのか?」
「普通はならないよ、ボクがちょっと特殊なんだ。だからね、ボクが頼人近くにいるのはキミを襲わないためなんだよ」
「ちょっと意味わかんないな」
「いいかい、ボクは君が好きだ。でも無理やり襲うなんてしたくない、だから君のそばにいる。わかった? これ以上の説明をボクにさせるなら面倒だから襲うからな」
「わかった、わかったから服を脱ごうとするな」
喋るのが面倒になったのか肉体言語で話そうとしてくる、危ないやつだ。
「……じゃあ、何がわかったのか言ってみてよ」
「えっと、お前は特殊な体質で俺のそばにいないと火が静まらないから運動する必要が無いと」
「合ってるけど、ボクのちょっとした勇気を返せ」
「あと、お前が俺の事を好きだって事」
俺がそのことに触れた途端に純子の顔が毛皮のように真っ赤に染まった。
「なっ……それは気付かれないと思ったから、その」
いつもはどんな時でもダルそうにしている分なんだか焦っているのを見ると新鮮で可愛いな、なんて言うかいじりたくなる。
と言うわけで俺はいつも迷惑をかけられている分悪戯をさせて貰おう。
「だから……ボクの本心と言うわけじゃ、ひゃうん!? なにしてるのさ!!」
「いや、色が変わるのが面白いから。で、本心じゃなんだって?」
そう言いながらも俺はモフモフで炎のような毛皮をくすぐるように撫でていく。優しく、傷つけないように丁寧に。
「やめ……んっ、くすぐったいから……あっん」
「ふっふっふ、日頃の恨みはらさせて貰おうか」
「まっ……て……ほんとに、よわいから……ひゃぁ」
純子の全身が白く染まる頃には彼女の息は絶え絶えになっており、目にはうっすらと涙も浮かんでいた。さらに順子が服を脱ごうとしていたこともあって服装も崩れている。
もしもこのタイミングで誰かに見られたら、俺が順子を襲ったようにしか見えないだろ!!
「ごめん、調子に乗りすぎたわ、立てるか?」
「立てない……頼人、抱っこ」
「はいはい、まあ今回は俺が悪いからな」
純子お姫様だっこすると、彼女は不意打ち気味に俺の頬にキスをしてきた。
「頼人は優しいから、ボクだぁいすき♥」
とろけそうな笑顔で甘えてくる純子。……もしかして純子って火を消したら甘えん坊になるのか?
それにしてもこれは反則だ、こんなことされて惚れない男なんていないだろうが。
「俺もお前のことが好きだよ」
「えへへ。じゃあ、ずっとボクのそばにいてね、約束だよ♥」
「約束する、俺はお前のそばにいるよ。いつまでもずっとな」
多分これからも純子には迷惑をかけられたり、甘えられたりするんだろう。
それでも俺は彼女の隣で一緒に歩んでいく。それは約束であり、俺たちが恋人だから。
14/11/24 00:32更新 / アンノウン