人虎さんだって女の子!
「ライオン丸、見回りに行くぞ!!」
放課後、帰ろうとしていた俺の前に幼馴染みの智虎(ともこ)が立ちふさがり、そう言った。
「ライオン丸言うんじゃねぇよ、俺はお前乗り物じゃあ無いんだからな」
「零雄(れお)だからライオン丸、いたって普通のあだ名ではないか」
「あだ名の方が長くなってるじゃねえか! ってか見回りは風紀委員の仕事だろ、俺は関係無いはずだ」
「キミは遅刻と居眠りで奉仕ポイントが溜まっているだろう? だからボクが風紀委員の権限を使ってそれを学校の見回りで済ませてあげようと申請を通しておいた」
バンッと俺の目の前に出されたのはご丁寧に理事長の判まで押された申請書だった。
「なんで本人が知らない間に申請書が通ってるんですかねぇ?」
「理事長先生にボクの事情を話したら簡単に判子を押してくれたよ」
この学校の生徒管理は適当過ぎるだろ。
そう思いながらも俺は智虎に引きずられながら学校の見回りに連れていかれるのであった。
「ここら辺なら誰も居ないな?」
空き教室の確認をしていると智虎がふいにそう呟いた。
その瞳には獲物を狙う狩人としての光が宿っている、俺は危機を感じとりすぐさま逃げようとするが身体能力は人虎である智虎の方が上だ、俺はなすすべもなく彼女に捕らえられてしまった。
「れお、なでなでしてぇ♪」
喉をゴロゴロと鳴らしながら甘えてくる。
やっぱりコイツは虎なんかじゃなくてただの大きい猫だろ!
この状態の智虎を拒否でき無いことを俺は過去の経験から学んでいる、ここは素直に智虎の言うことにしたがっておこう。
「にゃふ〜、れおの手は温かいなぁ♪」
俺が智虎の頭を撫でるたびに彼女はまるで犬のように尻尾を左右に揺らし、ツンとはった耳もピコピコと嬉しそうに動かしている。
「れお、ボクはキミのことが好きだぞ ♥ 」
「はいはい」
甘えてくるときの智虎はいつもこれだ、いつもの威厳の欠片なんて微塵も感じさせない。
この好きだって猫が飼い主に甘えるみたいなものだ、本気にする必要なんてあるはずがないんだ。
「あー、本気にしてないだろぉ?」
「だってこんなふざけてるような状況で本気にできるはずがないだろ」
「言っとくけどボクはこっちの方が素なんだからな、それに……れおの申請所の条件だってキミに告白することだったんだからな ♥ 」
「ちょっと待て、誰が俺に告白するんだ?」
「誰って……ここにれおとボク以外に誰もいないでしょ? だからさ……れお、ボクと付き合ってくれないかな?」
そんなこと突然言われても答えに困る。
「ちなみに答えは『はい』か『イエス』か『喜んで』以外に認めないからね」
「待て、考えさせてくれないか?」
「だーめ、今すぐボクと付き合うか今すぐボクに襲われるかのどっちかしかないよ」
「結果が変わらないじゃねぇか」
「知らなかったの? 魔物に狙われたら逃げることなんてできないんだよ、それにボクはれおのこと信じてるから」
好きか嫌いかで聞かれたら間違いなく智虎のことは好きだ、だけど恋愛となったら……やっぱり好きだ。
畜生、なんで俺の本心まで分かりきっているんだよコイツは。
「俺も好きだ、これでいいか?」
「心から言ってる?」
「子供の頃からお前のことが大好きだ、愛してる」
「ふふ、よくできました。 御褒美にボクがキスしてあげる」
智虎の柔らかい唇が俺の唇と触れる、そしてお互いの舌を絡めより激しく求めあう。
「っと、これ以上は教室の使用許可をとってないから続きはボクの家で……ね ♥ 」
「そうだな、さっさと見回りを終わらせるか」
二人で学校の見回りを再開する、一緒に手を繋ぎながら。
放課後、帰ろうとしていた俺の前に幼馴染みの智虎(ともこ)が立ちふさがり、そう言った。
「ライオン丸言うんじゃねぇよ、俺はお前乗り物じゃあ無いんだからな」
「零雄(れお)だからライオン丸、いたって普通のあだ名ではないか」
「あだ名の方が長くなってるじゃねえか! ってか見回りは風紀委員の仕事だろ、俺は関係無いはずだ」
「キミは遅刻と居眠りで奉仕ポイントが溜まっているだろう? だからボクが風紀委員の権限を使ってそれを学校の見回りで済ませてあげようと申請を通しておいた」
バンッと俺の目の前に出されたのはご丁寧に理事長の判まで押された申請書だった。
「なんで本人が知らない間に申請書が通ってるんですかねぇ?」
「理事長先生にボクの事情を話したら簡単に判子を押してくれたよ」
この学校の生徒管理は適当過ぎるだろ。
そう思いながらも俺は智虎に引きずられながら学校の見回りに連れていかれるのであった。
「ここら辺なら誰も居ないな?」
空き教室の確認をしていると智虎がふいにそう呟いた。
その瞳には獲物を狙う狩人としての光が宿っている、俺は危機を感じとりすぐさま逃げようとするが身体能力は人虎である智虎の方が上だ、俺はなすすべもなく彼女に捕らえられてしまった。
「れお、なでなでしてぇ♪」
喉をゴロゴロと鳴らしながら甘えてくる。
やっぱりコイツは虎なんかじゃなくてただの大きい猫だろ!
この状態の智虎を拒否でき無いことを俺は過去の経験から学んでいる、ここは素直に智虎の言うことにしたがっておこう。
「にゃふ〜、れおの手は温かいなぁ♪」
俺が智虎の頭を撫でるたびに彼女はまるで犬のように尻尾を左右に揺らし、ツンとはった耳もピコピコと嬉しそうに動かしている。
「れお、ボクはキミのことが好きだぞ ♥ 」
「はいはい」
甘えてくるときの智虎はいつもこれだ、いつもの威厳の欠片なんて微塵も感じさせない。
この好きだって猫が飼い主に甘えるみたいなものだ、本気にする必要なんてあるはずがないんだ。
「あー、本気にしてないだろぉ?」
「だってこんなふざけてるような状況で本気にできるはずがないだろ」
「言っとくけどボクはこっちの方が素なんだからな、それに……れおの申請所の条件だってキミに告白することだったんだからな ♥ 」
「ちょっと待て、誰が俺に告白するんだ?」
「誰って……ここにれおとボク以外に誰もいないでしょ? だからさ……れお、ボクと付き合ってくれないかな?」
そんなこと突然言われても答えに困る。
「ちなみに答えは『はい』か『イエス』か『喜んで』以外に認めないからね」
「待て、考えさせてくれないか?」
「だーめ、今すぐボクと付き合うか今すぐボクに襲われるかのどっちかしかないよ」
「結果が変わらないじゃねぇか」
「知らなかったの? 魔物に狙われたら逃げることなんてできないんだよ、それにボクはれおのこと信じてるから」
好きか嫌いかで聞かれたら間違いなく智虎のことは好きだ、だけど恋愛となったら……やっぱり好きだ。
畜生、なんで俺の本心まで分かりきっているんだよコイツは。
「俺も好きだ、これでいいか?」
「心から言ってる?」
「子供の頃からお前のことが大好きだ、愛してる」
「ふふ、よくできました。 御褒美にボクがキスしてあげる」
智虎の柔らかい唇が俺の唇と触れる、そしてお互いの舌を絡めより激しく求めあう。
「っと、これ以上は教室の使用許可をとってないから続きはボクの家で……ね ♥ 」
「そうだな、さっさと見回りを終わらせるか」
二人で学校の見回りを再開する、一緒に手を繋ぎながら。
14/09/17 08:33更新 / アンノウン