読切小説
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好きになるってそういうものでしょ?
「お前さ、なんで俺が好きなの?」

帰り道に彼はボクにそんなことを聞いてくる、たぶんさっき告白したからなんだろうけど。
ボクと彼は小さい頃から仲の良いことや家の近いこともあって、いつも一緒に帰っている、それはボクが彼に告白した今日も変わらなかった。

「なんとなく、かな?」

いつのまにかボクは彼を好きになっていた。本当にそれだけ、特別な思い出とかがあるわけでもない。

「なんとなくでいいのかよ、てっきりちゃんとした理由があると思った」
「いいんじゃない、人を好きになるってたぶんそういうものなんじゃない?」
「そんなもんなのかねぇ、てっきり俺が覚えてないだけで小さい頃に結婚の約束とかしてるかと思った」
「その発想はゲームのやりすぎじゃないかな? ボクも結婚の約束をした記憶は無いよ」

ボクが覚えてる限りそんな約束はした覚えは無い、してたらそれはそれでロマンチックなんだろうけど。

「そうか、そんな展開はなかったのか……少し残念だ」
「でさ、返事はどうなの?」

まだボクは彼から答えを聞いてない。答えはもう分かってる、だけど彼の口から聞きたいから。

「んー、俺もお前のこと好きだからいいけど」
「なんか軽いノリだね」
「いいんじゃない、俺とお前らしくてさ」
「それもそうだね」

うん、いつもと変わらない。でも今からは胸を張って彼の彼女だって言える、そんな些細な変化がボクにはとても嬉しかった。

「あのさ、こっち向いてもらっていいかな?」

ボクはそう言ってこっちを向いた彼の唇に自分の唇を重ねる。お礼の代わり、これなら少しは恋人らしいと思うから。

「お前な、人前でいきなりそういうことするなよ」
「いいじゃん、もう恋人同士なんだからさ。それとも人前じゃなければいくらでもして良かったの?」

突然のことでビックリしたのか顔を真っ赤にした彼を少しからかいながら一緒に歩く。きっとボク達はずっとこんな感じなんだろうな。





「おっす、遊びに来たぞ」

ボク達が恋人になって初めての休日、この日も彼はいつもと同じようにボクの部屋に遊びに来た。

「彼女の部屋だぞ、喜ぶがいい」
「いつも来てんじゃねぇか。それよりお前、顔赤いぞ風邪でも引いたか?」

彼が心配して近づいてくる、なんでだろういつもよりドキドキする。

「そんな事無いけど、むしろ体調はいつもより良いくらいだよ。声の調子もいいし」
「そうか、ならいいんだけど」

そう言って彼がベッドに座っているボクの隣に座る、彼の匂いでボクは自分が発情期に入ってるのがわかった。だってボクが何度も嗅いだことのある優しい匂いと精の匂いが頭の中をピンク色に染め上げボクの子宮をキュンと喜ばせ、彼の事しか考えられなくなっていたから。
ボクはそのまま彼を押し倒してキスをした。舌と舌を絡ませて彼を味わう。甘くて心を蕩けさせていくようにボクはもっと何も考えられなくなっていく。

「いきなりなにすんだよ」
「ゴメン……でも、恋人になれたからかな、発情期がいつもより早く来ちゃったみたい」

彼は何も言わずに抱きしめてくれた、気にしなくていいって事なんだろう。だからボクは思いっきり甘えるようにもう一度キスをする、さっきよりも情熱的にお互いに夢中になれるように。
舌が触れるたびにボクの体は熱くなっていく、痺れるような喜びが体を巡っていき、そしてボクは呆気もなく達してしまった。

「キミとのキス、気持ちよすぎだよぉ。おかげで……ボクはもうイっちゃたんだから♪」
「そんなこといわれても、俺だって夢中になってて何も考えられなくなってたって」

そして、ボクの目に映ったのは彼の雄の匂いが一番濃い所に張られているテントだった、魔物としての本能だろうかボクはそこに吸い寄せられるように近づいていく。
ボクは翼で彼のズボンを下げると、濃厚な精の匂いと共に大きく反り返った彼の男の象徴がボクの目の前に飛び出てきた。
それを見たとたんにボクの胸が熱くなる、これがボクの膣内に入ってメチャクチャにされてしまうんだ。そう考えると胸の鼓動が一段と早くなりより自分が興奮しているのがわかる、今すぐにでもこれでメチャクチャしてほしいけど、味見ぐらいしてもいいよね。
そう考えたボクは何もためらわずに彼自身を咥えた、甘くて愛おしいそんな味がする。ダメだ、絶対にこんなの癖になっちゃう。でも彼とはずっと一緒にいるんだから癖になってもいいんだよね、だったら我慢しなくてもいいんだ。
彼の気持ちいい場所を探る、裏筋に沿って舐めてみたり、カリ裏を舐めたり、そのたびに彼のオチンポがビクッと震えているのがわかると、それを可愛くそしてより愛おしく感じる。

「もうっでる」

何度もボクが試行錯誤を繰り返してると彼が苦しそうに叫び、それはビクビクっと震えてボクの口内に熱い精を放つ。
ああ、これが精の味なんだ、今まで味わったなによりも美味しい。ボクはそう思いながら、それを飲み込むと一人の魔物娘として愛する人の精の味の虜になっていた。

「ごめん、俺も我慢できない」

彼はそう言うと、上に乗っかっているボクを転がるようにして下にすると、少し乱暴にボクのスカートの下に履いているパンティーを脱がした。
彼の逸物がボクのオマンコに触れて、掻き分けられる感触と共にそれが少しずつボクの膣内に進入してくるのがわかる。まだ半分も入ってないのに僕は何度もイキそうになってその波に耐えようと必死に歯を食いしばった。
そして、それが全部ボクの膣内に入りきると彼と一つになれたという幸福感と満足感が体を包む。

「全部……入ったんだよね♪」

セイレーンとしての本能だろうか、目の前の愛しくてたまらない雄を逃さないように発する声がすべて特別な歌になり自然と声に魔力が乗り甘えるような声になってしまう。

「大丈夫か、痛くないか」

そう言われて結合部を見ると破瓜の血が流れている、気持ちよすぎて痛みなんか感じなかったけれど彼はそれを心配してくれているようだ。やっぱり彼を好きになって良かった、こんなに優しい人を独占できるんだから。

「ボクは……大丈夫だよ♪ 何回かイキそうになるぐらい……気持ちよかったし……好きなように動いていいよ♪」

それを聞いて安心したのか彼がゆっくりと動き出す、電流のように身体中に快感が走っていく、彼の専用の雌にボクが作り替えられる。そんな甘い痺れがボクを支配して何も考えられない。

「いいよぉ……♪ もっと……ボクで気持ちよくなって♪ ボクが……壊れるくらい……乱暴にしていいからぁ♪」

それに答えるように彼の動きはだんだん激しくなり、ボクで気持ちよくなってくれているのがわかる。なんて幸せなんだろう、愛する人が自分を求めてくれるのがこんなにも女として喜ばしいことだなんて。

「イくっ……ボク、もう……イっちゃうぅ♪」

ついに耐え切れなくなってボクは絶頂した、一度壊れてしまえば波を抑える手段などなくボクは何度も果ててしまう。

「俺も、そろそろ限界」

もう数え切れないぐらいボクが達した頃に彼が言った、もうその時のボクは雌としての本能しか残っておらず、ただ目の前にいる愛しい雄を求め、その人との子を成すことしか考えることが出来なくなっていた。

「れるの……♪ キミの……あかひゃんのもと……♪ ボクに……いっぱいらして……ボクをはらませてぇ♪」

呂律も回らないまま彼に甘えるようにして中出しを求める、たぶん今のボクは蕩けきった雌の顔をしながらおねだりをしているんだろうな。

「出す、ぞ」
「でてりゅ♪ せーしで……ボクのなか……いっぱいにされてるぅ♪」

身体中が喜ぶ、彼の味を全身で覚える、彼の熱い精液を膣内で受け止めることで魔物として雌としての本能が満たされていく。そしてボクの膣はそれを一滴も逃さないように搾り取るように蠢いていく。

「まだ……ボクが満足するまで……離さないんだから♪」

それでもボクは歌い足りない、まだ二人だけのコンサートは始まったばかりなんだから。





「もう、何にも出ねえ」
「ごめん、ボクもだいぶ落ち着いたから」

結局あの後何回もアンコールをした。今はボクが彼に腕枕をされながら、二人で裸のまま布団のなかでお互いの体温を感じあっている。

「いいさ、どうせいつかはすることだったし。それに乱れてる時のお前も可愛かったしな」

彼はボクの頭を撫でながらそう言った。好きな人にやさしく撫でられて純粋に一人の女の子として嬉しく思う。

「もう、ばかぁ」

照れ隠しにそう言いながらボクは彼の頬にキスをする。彼はお返しに言うようにキスを返してくる、何度も何度もお互いに鳥がついばむようなキスを繰り返す。

「ボクね、キミを好きになって本当に良かった。なんとなくだけどキミがボクの全部を満たしてくれるんだ、たぶん好きになるってそういうものでしょ?」
「そうだな、俺もお前が好きで、お前が俺を満たしてくれるからそうなのかもな」

彼の腕に抱かれながらまどろむ、ボク達の幸せで変わらないいつもどおりはこの先もずっと続いてるのがわかって安心しながら。
14/09/17 08:38更新 / アンノウン

■作者メッセージ
数年後。

「あっ今動いたよ」

ボクは大事に抱えている卵が揺れ動いたのを夫に伝える。

「そうか、パパもママも楽しみにしてるから元気に生まれてくるんだぞ」

夫はボクが抱えている卵を大事そうに撫でながらまだ見ぬボク達の子供に話しかけた。

「ねぇ、ボクはキミに会えてからいつも幸せだよ。だからこの子も幸せにしてあげなきゃね」
「俺もお前と一緒で幸せだ、この子にもそんな廻り合わせがあるといいな」

幸せな毎日は変わらずに過ぎていく。

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