読切小説
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とあるスライムキャリアのお話
小さい頃の思い出だ、ボクは幼馴染の男の子を誘って探検に出かけたんだ。近所の川とか山をうろつくだけの些細なものだったけどね。探検も二時間ぐらいした頃にボク達はつけれてきてね休憩するためにちょっと大き目の岩に登ろうとしたんだ、その日は日差しもよくて岩もちょうどいい感じに温まっていたから。
その時にボクは寄生スライムに襲われたんだ。そう、ボクが椅子代わりに使って顔をボクの頭の上に乗せてキョロキョロしてるこの子だよ。他の女性をこの子が襲わないのかって?ボクは頼まれない限りそんなことするつもりは無いかな。ボクとこの子は一心同体なんだ、ボクの考えていることはこの子には全部伝わってしまうからね、だからこの子はボクが望まないことはやりはしないよ。
話がそれてしまったね、続きを話そうか。
この子に襲われてボクは何もできなかったよ、なすすべも無く取り込まれていったんだ。この子が身体を這っていく部分が熱くなって、風がその部分を撫でると感じてしまう位に敏感になるんだ。
初めは怖かったよ、その頃のボクはそんな知識は一切無かったからね。だけど、すぐに恐怖なんて感情は吹き飛んでしまった。それほどに気持ちよかったからね、体を作り変えられて人間じゃなくなっているのに快楽には逆らえなかったよ。
そして、この子の一部分を飲み込んだ時にボクは生まれて初めてイってしまったんだ、心が解けてしまうような気持ち良さに包まれながらね。
ボクが覚えてる中で三番目ぐらいの快楽だったんじゃないかなこれは、二番目はやっぱり旦那様に犯されてる時だね、一番は想像がつくだろうけど後で話すから待っててくれないかな。
そのあと先に岩の上まで登っていたボクの幼馴染が異変を察したのか降りてきたのだけれど、ボクは彼に抱きついてキスを奪ったんだ、大丈夫だよソフトなやつだったらしいから。と言ってもその後の事はボクはあんまり覚えてないんだ、幼いボクの体には取り込まれる刺激が強かったみたいで気絶してしまったから、後で彼に話を聞いたら幸せそうな顔をしながら倒れたって言ってたね。

気を失った後、ボクの家までこの子と彼が運んでくれたらしいんだ。ボクの両親は人間じゃなくなったボクを見てもあまり驚かなかったね、そもそも母さんはレッサーサキュバスになったばかりの頃だったから。
何をそんなに驚いているんだい?ここは魔物がこの世界に現れた時に一番最初に一緒に暮らし始めた所だよ、その頃はもう魔物化なんてそこまで驚くようなことじゃ無かったんだから。
ボクが目覚める頃には完全にこの子と一心同体になってたね。それと同時かな、ボクが幼馴染で一緒に探検した男の子に恋し始めたのは、元から好きではあったんだけど確実に恋と呼べるようになったのはその頃なんだ。
それ以来は彼とほとんど一緒にいるようになったかな、でもそこまで大きな進展はあまり無かったねボクが我慢できずにキスすることは年に三回ぐらいあったけれど。
襲わなかったのかって?魔物だって好きな男性をいきなり襲うなんてことはそこまでしないんじゃないのかな、やっぱり一途に恋して好きな男性と付き合うのが理想だから。それにこの子はボクが一番気持ち良くなれる方法を知っていたみたいだしね。
それで、ボクと彼が正式に付き合うようになったのはこの町にある学園に入学してからなんだ、結構有名じゃないかな魔物と人間の共学だと一番大きいし。
そこでメロウの先生に出会ったんだ、恋の悩みから猥談まで付き合ってくれる良い先生なんだよ。その先生にボク達はほとんど毎日からかわれてたかな会うたびに『結婚式には呼びなさいよ』って、それでボク達はお互いに恥ずかしくなって少しの間は距離を置いてたんだけれど、そのうち彼が空いてる教室にボクを呼び出して『やっぱり、お前と一緒にいないと寂しいから今更だけど俺と付き合ってください』って告白されたんだ。もちろんボクは二つ返事で喜んでって言ったんだ。
そのまま何度もキスをして、そのうちキスが舌を絡ませるようなものに変化していってそのまま初めてをシちゃったかな。初めてって言っても痛みとかは全然感じなかったよ、むしろようやく一つになれたって喜びと心も体も解けてしまったって錯覚するぐらい気持ち良かったからね。やっぱりこれが一番の快楽だったかな。
そして学園を卒業してすぐに彼と結婚したんだ、これ以上先は今からの未来だからボクには分からないかな。
そろそろ旦那様が帰ってくる時間かな、話し込んでる間にもこの子が料理の支度を済ませてくれたみたいだし、何か聞きたいことがあったらまた来なよ、魔物になるってことはそんなに悪い事じゃないって教えてあげるからさ。
14/09/17 08:40更新 / アンノウン

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