きっかけ
僕は窓から入って来る朝日で目が覚めた。
「うん、今日もいい天気だ。」
僕は伸びながら呟く。
今日はいい気分に起きれた、多分見た夢がかなり心地よかったのだろう。
今日見た夢はなんだったのかを思い出そうとする。
ほとんど覚えてないのだけれど頭を撫でて貰っている感覚、たったそれだけで幸せになれる。
ゆっくりと思い出してくる。
僕の大切な人、後少し思い出せれば顔がはっきりする……
「レンー、ご飯よー、起きなさーい!!」
お母さんが僕を呼ぶ声、そのおかげで今まで順調に思い出していた夢がきれいさっぱり吹き飛んでしまった。
「今行くー。」
僕は返事をして二階から下りていく。
食卓ではお父さんとお母さんが座って待っていた。
「あのね、今日とても幸せな夢を見たよ。」
食事中に両親に今日見た夢の話をする。
「あら、どんな夢だったのかしら?」
お母さんがお父さんに甘えながら僕に聞いてくる。
「忘れたけど幸せな夢だった、ってお母さんそんなことよりいい加減にお父さんからあーんってして貰うのやめたら?新婚でもあるまいし。」
正直お母さんはいつもお父さんに甘えてる気がする。「いいじゃない腕が羽なんだから、それに私達は心はいつまでも新婚夫婦ですもの「ねー」」
お父さんとお母さんが『ねー』だけをハモらせる。いつもこんな調子なのに妹ができない理由が僕は分からない。
「料理を作ってる時は擬人魔法を使ってたくせに。」
僕がボソッと呟く。
「あら、擬人魔法は私達のような種族が人間のように生活するには必要不可欠な魔法よ、現にレンだって使ってるじゃない。」
確かに今僕はご飯を食べるために擬人魔法を使っている、だけど……
「だったらお母さんも今擬人魔法を使えばいいじゃん。」
僕の言ってる事は正しいはずだ……たぶん。
「あらそんなことしたら私達のラブラブな様子が表現出来ないじゃない」
もはや僕は自分の両親に呆れる事しか出来なかった。
「って事があったの、だから自分の親が恥ずかしいくって。」
俺は、レンに寝ていた所をたたき起されて、ギルドに無理矢理連れて来られた上に愚痴を聞かされていた。
「賑やかでいいじゃないか。」
俺はサンドイッチを頬張りながら答える。
「賑やか過ぎるのも問題だよ。あっそうだマスターの奥さん今いる?」
レンがマスターに聞く。
「彼女ならそろそろ帰ってくると思いますよ。」
マスターが俺が食べ終わったサンドイッチの皿を片付けながら言った。
「そういえばさ、マスターは奥さんはヴァンパイアだろ?一人で出かけさせて大丈夫なのか?」
俺は疑問に思ったことをマスターに聞く。
「大丈夫ですよ、日光を浴びても多少体力が衰えるだけですし、それに彼女はそこまでヘマをするような人じゃありませんよ。」
マスターは自信ありげに言った。
「ただいまー。」
噂をしていればマスターの奥さんが帰ってきた。
「お帰りなさい、レンちゃんが話があるそうですよ。」
マスターが奥さんにレンが話があることを伝えた。
「あら、じゃあちょっと二階まで来てくれる?」
「あっはい、わかりました。」
そういって二人は二階へ上がっていった。
「ところで、貴方はレンちゃんと恋人なのですか?」
突然、マスターが俺に聞いてくる。
「まっマスター!?いきなり何を聞いてくるんだよ!」
「いえ、いつも二人でいるのでカップルかと思ってました、違うのですか?」
「違うから、それにアイツには俺なんかよりも相応しいやつがいるだろうし。」
俺は内心カップルに間違えられたことに喜びつつも否定する。
「そうですか?ギルドの若手の中では一番強いじゃないですか。」
「強いとかそういうのじゃなくてアイツが気に入るかとかそんな感じのこと。」
「それはレンちゃんが決めることでしょう?」
「そうだけどさ、やっぱ俺よりも相応しいやつがいるって。」
一方その頃二階では……
「それで、いったい話ってなーに?」
「あの、誰かを好きな気持ちってどうやって伝えたら良いですか?」
僕は珍しく女の子らしい悩みを抱いていた。
「あら!レンちゃんにしては珍しい悩みね。」
「むぅ…私だって女の子ですよ!」
「わかってるわよ、好きな気持ちはね『きっかけ』があれば自ずと伝わるわよ。」
「きっかけ?どんな事をすればいいの?」
「それはあなたが考えることよ、大丈夫よ、私は恋する乙女の味方だから。」
「むぅ…なんとなくわかった気がする。」
僕はどんな『きっかけ』を作るのか考えた。
「じゃあ下に行きましょうか。」
「うん。」
「レン、話は終わったのか。」
カイがマスターとの話をそらせるように二階から降りてきたばっかの僕に聞いてきた。
「うん、終わったよ。それでさカイ、今日は私の家に泊まって行かない?」
「ん?何でだ?」
「だってカイは一人暮らしでしょ、たまにはにぎやかなのも良いじゃない。」
僕はとっさにウソを言った、僕がカイに思いを伝えるための『きっかけ』だなんて言えないから。
「それもそうだな、じゃあ今日はお言葉に甘えてそうさせてもらうか。」
「じゃあ、私はカイが泊まりに来ることを親に伝えてくるね。」
そういって僕はギルドから飛び出していった。
僕の思いが伝わるかはわからない、だけど精一杯のことをしよう。
これが僕の初恋だから。
「うん、今日もいい天気だ。」
僕は伸びながら呟く。
今日はいい気分に起きれた、多分見た夢がかなり心地よかったのだろう。
今日見た夢はなんだったのかを思い出そうとする。
ほとんど覚えてないのだけれど頭を撫でて貰っている感覚、たったそれだけで幸せになれる。
ゆっくりと思い出してくる。
僕の大切な人、後少し思い出せれば顔がはっきりする……
「レンー、ご飯よー、起きなさーい!!」
お母さんが僕を呼ぶ声、そのおかげで今まで順調に思い出していた夢がきれいさっぱり吹き飛んでしまった。
「今行くー。」
僕は返事をして二階から下りていく。
食卓ではお父さんとお母さんが座って待っていた。
「あのね、今日とても幸せな夢を見たよ。」
食事中に両親に今日見た夢の話をする。
「あら、どんな夢だったのかしら?」
お母さんがお父さんに甘えながら僕に聞いてくる。
「忘れたけど幸せな夢だった、ってお母さんそんなことよりいい加減にお父さんからあーんってして貰うのやめたら?新婚でもあるまいし。」
正直お母さんはいつもお父さんに甘えてる気がする。「いいじゃない腕が羽なんだから、それに私達は心はいつまでも新婚夫婦ですもの「ねー」」
お父さんとお母さんが『ねー』だけをハモらせる。いつもこんな調子なのに妹ができない理由が僕は分からない。
「料理を作ってる時は擬人魔法を使ってたくせに。」
僕がボソッと呟く。
「あら、擬人魔法は私達のような種族が人間のように生活するには必要不可欠な魔法よ、現にレンだって使ってるじゃない。」
確かに今僕はご飯を食べるために擬人魔法を使っている、だけど……
「だったらお母さんも今擬人魔法を使えばいいじゃん。」
僕の言ってる事は正しいはずだ……たぶん。
「あらそんなことしたら私達のラブラブな様子が表現出来ないじゃない」
もはや僕は自分の両親に呆れる事しか出来なかった。
「って事があったの、だから自分の親が恥ずかしいくって。」
俺は、レンに寝ていた所をたたき起されて、ギルドに無理矢理連れて来られた上に愚痴を聞かされていた。
「賑やかでいいじゃないか。」
俺はサンドイッチを頬張りながら答える。
「賑やか過ぎるのも問題だよ。あっそうだマスターの奥さん今いる?」
レンがマスターに聞く。
「彼女ならそろそろ帰ってくると思いますよ。」
マスターが俺が食べ終わったサンドイッチの皿を片付けながら言った。
「そういえばさ、マスターは奥さんはヴァンパイアだろ?一人で出かけさせて大丈夫なのか?」
俺は疑問に思ったことをマスターに聞く。
「大丈夫ですよ、日光を浴びても多少体力が衰えるだけですし、それに彼女はそこまでヘマをするような人じゃありませんよ。」
マスターは自信ありげに言った。
「ただいまー。」
噂をしていればマスターの奥さんが帰ってきた。
「お帰りなさい、レンちゃんが話があるそうですよ。」
マスターが奥さんにレンが話があることを伝えた。
「あら、じゃあちょっと二階まで来てくれる?」
「あっはい、わかりました。」
そういって二人は二階へ上がっていった。
「ところで、貴方はレンちゃんと恋人なのですか?」
突然、マスターが俺に聞いてくる。
「まっマスター!?いきなり何を聞いてくるんだよ!」
「いえ、いつも二人でいるのでカップルかと思ってました、違うのですか?」
「違うから、それにアイツには俺なんかよりも相応しいやつがいるだろうし。」
俺は内心カップルに間違えられたことに喜びつつも否定する。
「そうですか?ギルドの若手の中では一番強いじゃないですか。」
「強いとかそういうのじゃなくてアイツが気に入るかとかそんな感じのこと。」
「それはレンちゃんが決めることでしょう?」
「そうだけどさ、やっぱ俺よりも相応しいやつがいるって。」
一方その頃二階では……
「それで、いったい話ってなーに?」
「あの、誰かを好きな気持ちってどうやって伝えたら良いですか?」
僕は珍しく女の子らしい悩みを抱いていた。
「あら!レンちゃんにしては珍しい悩みね。」
「むぅ…私だって女の子ですよ!」
「わかってるわよ、好きな気持ちはね『きっかけ』があれば自ずと伝わるわよ。」
「きっかけ?どんな事をすればいいの?」
「それはあなたが考えることよ、大丈夫よ、私は恋する乙女の味方だから。」
「むぅ…なんとなくわかった気がする。」
僕はどんな『きっかけ』を作るのか考えた。
「じゃあ下に行きましょうか。」
「うん。」
「レン、話は終わったのか。」
カイがマスターとの話をそらせるように二階から降りてきたばっかの僕に聞いてきた。
「うん、終わったよ。それでさカイ、今日は私の家に泊まって行かない?」
「ん?何でだ?」
「だってカイは一人暮らしでしょ、たまにはにぎやかなのも良いじゃない。」
僕はとっさにウソを言った、僕がカイに思いを伝えるための『きっかけ』だなんて言えないから。
「それもそうだな、じゃあ今日はお言葉に甘えてそうさせてもらうか。」
「じゃあ、私はカイが泊まりに来ることを親に伝えてくるね。」
そういって僕はギルドから飛び出していった。
僕の思いが伝わるかはわからない、だけど精一杯のことをしよう。
これが僕の初恋だから。
10/04/13 17:47更新 / アンノウン
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