読切小説
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意中之人
付き合って三年目、俺は彼女のことが今でもこれからも大好きだ。

でも…その、なんというか、うん。キスまでしかしたことないんだよ、うん。

しかも……舌を入れたりするやつじゃなくて、軽く触れ合うぐらいの。いや、だって恥ずかしいでしょ?

それでもカップルだって!じゃあなんで三年も付き合ってるのに前進しないのかって?

いや……これでも前進してるつもりですよ、でも距離感ってあるでしょ?安全な速度でゆっくり行かなきゃ。

安全な速度でゆっくりは遅すぎだって?良いんですよ、早過ぎは良くないし。

他の男に彼女を取られるかもしれないって?……うー、それは嫌だけど彼女が望むなら……やっぱり嫌だ!

だったらマーキングしとけ?どういうこと?なっ!だから、まだエッチは早過ぎるって。

向こうだってそれを望んでる?それは無いって!大体なんで先輩がそんなこと分かるんですか?

まったく同じ状況で別れ話を持ち出した男を知ってる?

それで……その人はどうなったんですか?相手が泣きながら思いっきり蹴ってきて、説教したあげくに親に紹介した!?

……そ、そんなこともあるんですね。何と言うか凄いです。

いや、でも、だからって俺と彼女が同じだなんて限らないですよ。

えっはい。先輩の言う通り彼女はハーピーですけど……今なら大丈夫だから彼女の家に行け!?ちょっと待って下さいって。

……

…………

………………

こうして、俺は先輩の家を追い出されて、仕方なく彼女の家に来たんだけど。

なんか彼女の様子が変だった。

顔は赤いし、息は荒げているし……風邪でも引いたのだろうか?

そう思って熱を測ろうとおでこをくっつけた時に……キスをされた。

何で気づかなかったんだろう、そういえば今月は発情期じゃないか。

顔が赤くて息を荒げていたのも、そのせいじゃないか。

でも……発情期だから、そんな理由でエッチはしたくない。彼女にそう伝えた。

大好きだから、こんなにも寂しいのに、恋しくてたまらないのに、だから……繋がりたいのに。

そんなこと言われたら、押し倒すしかないでしょ!



彼女とそっと唇が触れる。恥ずかしくてたまらないけど……もっとしたい。

もう一度、唇が触れる……さっきよりも少しだけ大胆なキス。今までは触れるだけだったキスも、少しだけ舌を絡ませてみた。

甘くて、熱くて……まるで舌から溶けていきそうだった。

もっと、もっと彼女が欲しい……求めるように舌を絡める、彼女もそれに答えるように舌を絡ませる。

ピチャピチャとお互いの舌が求め合うたびに音を出す。その音がさらにお互いを興奮させ、より激しいキスになっていく。

唇を離すとお互いの混ざり合った唾液が二人の間に少しの間、橋を作った。

俺は彼女を抱きしめ首筋にもキスをする、ゆっくり下り彼女の小さな乳房にたどり着く。

俺は片方を口に含み、もう片方を手でぎこちなく揉んでいく……

発情期の彼女は、俺のぎこちない愛撫でも少しは感じてくれているようだ。

口を離し、彼女の顔を覗いてみる。ボーっとしているが顔は赤く、どこか煽情的なものを感じさせるものがあった。

たまらなくなり俺は自身を彼女にあてがう。そして、ゆっくりと奥に入れていく。

そして……彼女が微かに言った痛いの声で正気に戻った。結合部から流れる赤い液体、血が流れている。

そうだ、彼女も初めてだったんだ。なのに、俺は自分だけ気持ち良くなろうとして……最低だ。

そのとき、彼女が翼で包むように抱きついてきた。そして、触れるだけのキスをした。

そのあと、彼女は大丈夫だと言ってくれた。俺はお返しにもう一度キスをしながら、ゆっくりと腰を動かした。

彼女の膣内は熱く、そして俺を搾り取ろうと蠢いてくる。それを我慢しながら、ゆっくりゆっくり動く。

その間にもキスは続ける、舌と舌を絡ませてお互いを味わう。彼女と繋がっていることをしっかり実感できる。

徐々に腰の動きも速めていく、もっともっと、彼女を感じたい。もっと彼女と一緒に。

そのまま、自身を彼女の膣内に放った……放っちまった。

物凄い後悔に襲われる、うん。避妊してない。そんなの初めての俺だって何を意味するか分かる。

それなのに、彼女は凄く満足そうな顔をして余韻に浸ってるし……どうしよう。

………………

…………

……


で娘が出来ちゃった訳です。

俺は先輩に報告がてら娘自慢に来ている。まぁ先輩が諸悪の根源だし良いよね!あの後もうどうにでもなれって生で夜が明けるまでし続けた俺は悪くない!

嫁の腕には娘がスヤスヤと幸せそうに眠っている。やはり嫁に似て可愛いとしか言いようが無い。

そして娘が気になって仕方がないようで必死に覗こうとしている先輩の娘の姿もかわいいなぁと思う。

黒い羽……?先輩の奥さんってブラックハーピーでしたっけ?

あぁ、カラステングでしたか、すみません。だって黒いから違いがわからない……なんで叩くんですか!!

無礼なことと惚気話の罰だ!?そんな無茶苦茶なぁー!!
14/09/17 08:43更新 / アンノウン

■作者メッセージ
次回予告!
先輩の昔話!

えっ作者はまともに予定したものを書いたことが無いって?
そんなこと知るか!?

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