火花スペクトル
「ありゅじー、おきてー、あちゃだよー!!」
部屋に少女の声が響いた、少女といってもその姿はまだ幼い。
「別に休みの日ぐらい寝ててもいいだろ?」
俺は布団に潜り込みながら言う、今日は日曜日でありそれくらい許されるはずである。
「だめなの、ひなちゅぼちがまじょきゅあをみりゅから、ありゅじもおきて。」
残酷にもヒナツボシは俺が眠ることを許さない、しかも自分の娯楽のためである。ヒナツボシは俺のことを主と呼んでいるが、もしかしたら彼女は何故に彼女の主になっているのか理由が分からないのかもしれない。
いや、分かっているのなら俺は二つの意味で寝ているだろうし。
「ヒナツボシは一人でテレビぐらい見れるでしょ、だから俺は寝かせて。」
ヒナツボシは俺と契約している火の精霊イグニスである。しかし、ヒナツボシが幼い姿をしている理由は二つある。
一つ目は、単に俺の潜在的な魔力が少なかったから。
二つ目は、魔界と繋がった今では魔物が住んでいる地域では、魔物の魔力が自然にも多少なりとも染み込んでいるからである。
後者により精霊が女性の姿をとるようになり、前者によって幼い姿をとらざるを得なくなってしまった、だから決して俺の趣味で幼い姿にしているわけでは絶対無い。
「ひなちゅぼちは、ありゅじのおひじゃのうえで、てりぇびみりゅの!!」
どうやらヒナツボシは俺のことを主として考えてるのではなく、椅子として考えているようだ……っておかしくね?百歩譲って主として見られていないのはいいよ、俺の魔力が少なかったから幼い姿になったからな、でも椅子ってどういうことだよ?人じゃないよ、家具だよ、道具だよ、所有物だよ。
いくらなんでも酷くないかい?せめて人扱いしてほしいね、俺は。
「りゃってね、ひなちゅぼちはありゅじといっしょに、いたいんらもん!」
前言撤回、ヒナツボシは可愛い。だって一緒に居たいだなんて子供らしくて可愛い理由じゃないか。そんなことだったら俺の膝ぐらい、いくらでも使わせてやるよ。
まったくヒナツボシは可愛いなぁ。
ヒナツボシは俺の膝の上で「おぉー!」とか「ちゅげー!」とか声を出して目を輝かせながらテレビの画面を食い入るように見ている。
なんとも微笑ましいな、俺にも娘がいたらこんな感じなんだろうな、俺とヒナツボシは親子じゃないけどそれに近い関係だと俺は思っている。
「ありゅじー、あたちもおおきくなったりゃ、まじょきゅあみたいな、せいぎのひりょいんになりゅ!」
ヒナツボシが笑顔で俺に宣言する。どうやらテレビに影響を受けたようだ。
そういえば俺も昔は親に○○レンジャーになるっとか言ってたなぁ、子供は誰でも一度は通る道なのかな?
「じゃあ、俺が怪人に襲われたらヒナツボシが助けてくれよ?」
「やだー。」
瞬時に拒否された、泣きたい。
「らって、ありゅじはあたちがぴんちのときに、たちゅけにきてくれりゅ、ひーろーらもん。」
最高、ほんっとヒナツボシは最高。そうか、俺はヒナツボシにとってヒーローなのか、うれしいなぁ。
「ヒナツボシ、ありがとな。」
そう言って俺はヒナツボシのおでこにキスをした。
「おぉ!ありゅじもうれちいのか!」
どうやらヒナツボシも嬉しいようだ、笑顔で抱きついてきた。
「ヒナツボシ、嬉しいのは分かるが火を出すな!熱い!」
ヒナツボシは何故かイグニスなのに火の調整ができない、どんな感情でも高まればヒナツボシは炎を出してしまう。この前は泣き出して火事になりそうになったくらいだ。
やはり幼い姿をしているのが原因だろうか?
「ありゅじ、ごめんなしゃい。」
ヒナツボシがシュンっとしょげる、少しきつく言ってしまったか?
「そんなにしょげるな、アイスを一緒に食べよう、な。」
アイスと言う単語を耳にしたとたんヒナツボシはパアァっと元気になった。全く現金なやつめ。
「あいちゅあるの!?ひなちゅぼちもたべりゅ!」
まぁ、こいつの笑顔にアイス一本は安いもんだな、と思いながら俺は冷凍庫から自分の分とヒナツボシの分、二本のアイスを取り出した。
ヒナツボシは「あいちゅ!あいちゅ!」と言いながら謎のダンスを踊っている、やはり子供だなヒナツボシは。
「ホレ、ヒナツボシの分だ。」
俺はヒナツボシにアイスを渡すが、ヒナツボシは受け取らない。何故だ?
「いらないのか?だったら俺が食べちゃうぞ?」
「いりゅけど、ひなちゅぼちはくちうちゅちがいいー!」
とんでもない事を言いましたよ、こいつ。口移しだなんてどこで覚えてくるんだか。
「そういうことは大人の人がやるものだからヒナツボシには早いと思うよー。」
口移しなんてしたら俺がロリコン疑惑どころかロリコン確定するじゃないか。
「ちょうなの?らっていんぷのおねーちゃんは、たべものはくちうちゅちでたべるのがりゅーりゅらっていってたよ。」
犯人が特定できた、あの色ボケ新婚インプか。あんにゃろー子供になんてことを教えてるんだよ、もっとやr……もとい、けしからん。
「ヒナツボシはちゃんと自分で食べなさい、それは一部の大人だけのルールだから。」
「はーい。」
ヒナツボシはアイスを「ちべちゃい」とか言いながら食べている、火の精霊の癖にアイスが好きとは可愛いやつだ。
「あたちもおちょなになったりゃ、ありゅじがくちうちゅちちてくれりゅの?」
こいつはそんなに口移しをしてもらいたいのか、マセガキめ。だが大人になったら、か。それだったらいいのかもな。
「ヒナツボシが大人になって俺にしてもらいたかったらな。」
「りゃったら、もんらいないね、らってひなちゅぼちはありゅじがらいすきらもん。」
この日ヒナツボシが大人になるのが楽しみになったのは言うまでもない。
部屋に少女の声が響いた、少女といってもその姿はまだ幼い。
「別に休みの日ぐらい寝ててもいいだろ?」
俺は布団に潜り込みながら言う、今日は日曜日でありそれくらい許されるはずである。
「だめなの、ひなちゅぼちがまじょきゅあをみりゅから、ありゅじもおきて。」
残酷にもヒナツボシは俺が眠ることを許さない、しかも自分の娯楽のためである。ヒナツボシは俺のことを主と呼んでいるが、もしかしたら彼女は何故に彼女の主になっているのか理由が分からないのかもしれない。
いや、分かっているのなら俺は二つの意味で寝ているだろうし。
「ヒナツボシは一人でテレビぐらい見れるでしょ、だから俺は寝かせて。」
ヒナツボシは俺と契約している火の精霊イグニスである。しかし、ヒナツボシが幼い姿をしている理由は二つある。
一つ目は、単に俺の潜在的な魔力が少なかったから。
二つ目は、魔界と繋がった今では魔物が住んでいる地域では、魔物の魔力が自然にも多少なりとも染み込んでいるからである。
後者により精霊が女性の姿をとるようになり、前者によって幼い姿をとらざるを得なくなってしまった、だから決して俺の趣味で幼い姿にしているわけでは絶対無い。
「ひなちゅぼちは、ありゅじのおひじゃのうえで、てりぇびみりゅの!!」
どうやらヒナツボシは俺のことを主として考えてるのではなく、椅子として考えているようだ……っておかしくね?百歩譲って主として見られていないのはいいよ、俺の魔力が少なかったから幼い姿になったからな、でも椅子ってどういうことだよ?人じゃないよ、家具だよ、道具だよ、所有物だよ。
いくらなんでも酷くないかい?せめて人扱いしてほしいね、俺は。
「りゃってね、ひなちゅぼちはありゅじといっしょに、いたいんらもん!」
前言撤回、ヒナツボシは可愛い。だって一緒に居たいだなんて子供らしくて可愛い理由じゃないか。そんなことだったら俺の膝ぐらい、いくらでも使わせてやるよ。
まったくヒナツボシは可愛いなぁ。
ヒナツボシは俺の膝の上で「おぉー!」とか「ちゅげー!」とか声を出して目を輝かせながらテレビの画面を食い入るように見ている。
なんとも微笑ましいな、俺にも娘がいたらこんな感じなんだろうな、俺とヒナツボシは親子じゃないけどそれに近い関係だと俺は思っている。
「ありゅじー、あたちもおおきくなったりゃ、まじょきゅあみたいな、せいぎのひりょいんになりゅ!」
ヒナツボシが笑顔で俺に宣言する。どうやらテレビに影響を受けたようだ。
そういえば俺も昔は親に○○レンジャーになるっとか言ってたなぁ、子供は誰でも一度は通る道なのかな?
「じゃあ、俺が怪人に襲われたらヒナツボシが助けてくれよ?」
「やだー。」
瞬時に拒否された、泣きたい。
「らって、ありゅじはあたちがぴんちのときに、たちゅけにきてくれりゅ、ひーろーらもん。」
最高、ほんっとヒナツボシは最高。そうか、俺はヒナツボシにとってヒーローなのか、うれしいなぁ。
「ヒナツボシ、ありがとな。」
そう言って俺はヒナツボシのおでこにキスをした。
「おぉ!ありゅじもうれちいのか!」
どうやらヒナツボシも嬉しいようだ、笑顔で抱きついてきた。
「ヒナツボシ、嬉しいのは分かるが火を出すな!熱い!」
ヒナツボシは何故かイグニスなのに火の調整ができない、どんな感情でも高まればヒナツボシは炎を出してしまう。この前は泣き出して火事になりそうになったくらいだ。
やはり幼い姿をしているのが原因だろうか?
「ありゅじ、ごめんなしゃい。」
ヒナツボシがシュンっとしょげる、少しきつく言ってしまったか?
「そんなにしょげるな、アイスを一緒に食べよう、な。」
アイスと言う単語を耳にしたとたんヒナツボシはパアァっと元気になった。全く現金なやつめ。
「あいちゅあるの!?ひなちゅぼちもたべりゅ!」
まぁ、こいつの笑顔にアイス一本は安いもんだな、と思いながら俺は冷凍庫から自分の分とヒナツボシの分、二本のアイスを取り出した。
ヒナツボシは「あいちゅ!あいちゅ!」と言いながら謎のダンスを踊っている、やはり子供だなヒナツボシは。
「ホレ、ヒナツボシの分だ。」
俺はヒナツボシにアイスを渡すが、ヒナツボシは受け取らない。何故だ?
「いらないのか?だったら俺が食べちゃうぞ?」
「いりゅけど、ひなちゅぼちはくちうちゅちがいいー!」
とんでもない事を言いましたよ、こいつ。口移しだなんてどこで覚えてくるんだか。
「そういうことは大人の人がやるものだからヒナツボシには早いと思うよー。」
口移しなんてしたら俺がロリコン疑惑どころかロリコン確定するじゃないか。
「ちょうなの?らっていんぷのおねーちゃんは、たべものはくちうちゅちでたべるのがりゅーりゅらっていってたよ。」
犯人が特定できた、あの色ボケ新婚インプか。あんにゃろー子供になんてことを教えてるんだよ、もっとやr……もとい、けしからん。
「ヒナツボシはちゃんと自分で食べなさい、それは一部の大人だけのルールだから。」
「はーい。」
ヒナツボシはアイスを「ちべちゃい」とか言いながら食べている、火の精霊の癖にアイスが好きとは可愛いやつだ。
「あたちもおちょなになったりゃ、ありゅじがくちうちゅちちてくれりゅの?」
こいつはそんなに口移しをしてもらいたいのか、マセガキめ。だが大人になったら、か。それだったらいいのかもな。
「ヒナツボシが大人になって俺にしてもらいたかったらな。」
「りゃったら、もんらいないね、らってひなちゅぼちはありゅじがらいすきらもん。」
この日ヒナツボシが大人になるのが楽しみになったのは言うまでもない。
14/09/17 08:45更新 / アンノウン