読切小説
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お医者様でも草津の湯でも惚れた病は治りゃせぬ
出会いから一年、アタイとダーリンはめでたくゴールインしたのだが、それは省略しよう。今回のメインはアタイの奥様としてのパーフェクトな一日だからな。
まずは、朝からだな。起床はダーリンより早くなければならないな、何故かって?もちろん悪戯の為に決まってるだろ、アタイはインプなんだからな。
起きて最初にすることは隣に寝ているダーリンにキスだな、毎朝の最初のキスはダーリンが知らないうちに奪われている。我ながらなかなか良い悪戯だとアタイは思っている。
次にベットの中に潜って昨晩アタイの中に入って思う存分暴れていたダーリンのしたの顔にもおはようのキスをする。まだ寝ぼけているダーリンの竿を手で優しくしごいてあげる。起きて元気を取り戻してきた所で口に含んで一生懸命に奉仕をする。
ダーリンのはアタイには大きくて口の中に入りきらない、だからダーリンの感じやすい場所を集中的に攻める。
すじに沿って舐めたりカリ裏を攻めたりしているとダーリンがようやく起きる。
「おはよう、ダーリンは起きるのが遅いな、こっちはこんなに早起きなのに。」
「おはよう、だってこんなに可愛い奥さんが相手だからね、こっちは早起きしちゃうよ。」
やっぱりダーリンはアタイの喜ぶポイントがわかっている、可愛い奥さんだなんて、まぁもっと正確に言えば可愛くてパーフェクトな奥様だけどな。
「ダーリンもこのままだと満足できないだろ?だから最後まで、ね。」
そういってアタイはダーリンの上に跨った、アタイはすでにダーリンの奉仕をしているときから準備はできている。そしてアタイはしっかり狙いをつけて腰を下ろした。
ダーリンがゆっくりとアタイの中に入ってくる、アタイはダーリンの形を確かめながらしっかりと味わって飲み込んでいく。
「んっっやっぱりダーリンのは大きくて逞しいな。」
「んー、これでも平均サイズと同じくらいなんだけどなぁ。でも、この前にやっと全部入りきるようになったんだから無理しちゃダメだよ。」
やっぱりダーリンは自分の気持ち良さよりもアタイの事を心配してくれる。そこがダーリンの良いところなんだけど、アタイは魔物だからそんな事気にしなくてもいいのに。
「アタイは大丈夫だよ、ダーリン。だからダーリンは気持ち良くなってね。」
「ダメだよ、ちゃんとキミも気持ち良くなってくれないと、僕も気持ち良くなれないよ。」
あぁ、なんでダーリンはアタイをキュンキュンとときめかせる事ができるんだろう、愛する人にそんな事を言われたら痛いものだって痛く感じないよ、アタイは。
「大丈夫、アタイも気持ち良いよ。だから、心配しないでね。」
アタイはダーリンに向かってニカっと笑ってみせる。アタイはダーリンに悪戯はするけど心配はさせたくないぞ。
「そろそろ動くよ、ダーリン。」
そう言ってアタイはダーリンの上で動き始めた。アタイの大事な大事なダーリンがアタイの中で昨夜のように暴れだす。
「ねぇ、キスも……しよ。」
アタイはダーリンに繋がったままキスを求める。ダーリンもそれに応じてくれる。アタイとダーリンの唇が触れ、そして重なる。そして、そのままアタイの舌をダーリンの口内に入り込ませる、ダーリンの舌とアタイの舌がダンスをしてるかのように動く。
アタイは幸せを感じる、上も下もダーリンと深く繋がっているこの時にアタイは本当にこの人と出会えてよかったって感じられる。
お互いを貪るような激しいキスが終わり、アタイとダーリンの間に銀色の艶かしい糸が垂れた。アタイは少し寂しい気もしたが、思いっきり特上の笑顔をダーリンに見せる。
これはダーリンがアタイのお願いを聞いてくれたご褒美、逆にダーリンの願いをアタイが聞いてあげたときもアタイはダーリンの特上の笑顔を見る事ができる、アタイとダーリンの二人の間での約束。
そろそろダーリンの精液が出るのだろう、ダーリンがアタイの中でビクビクと震えてる。
「ダーリン出していいよ。……中にっ……中に出してぇっ。」
ドクッドクッとダーリンからアタイの中に精液が出てるのがわかる。これが赤ちゃんの素、熱くてアタイはユキオンナじゃないのにお腹の中がとろけそうになる。
「じゃあボクは朝ごはん作ってくるからシャワー浴びてなよ。」
アタイが幸せの余韻に浸っているとダーリンがそう声をかけてくれた。ダーリンはやっぱり優しいな、アタイはダーリンの言葉に甘えて先にシャワーを浴びる事にした。

ぬるい程度のシャワーが勢い良く肌に当たる、昨夜と今朝の行為でかいてしまった汗を流すために。やっぱり汗をかいた後のシャワーは心地よい、唯一不満があるとすればダーリンが一緒じゃない事とアタイの割れ目から出て行ってしまっているダーリンの精液の事か。
いやこれだと唯一じゃないが気にしないで置こう、それにダーリンとお風呂に入るのは夜でもいいし。でもやっぱりダーリンの精液が出て行ってるのは不満だ、ちゃんとアタイの中で結びついてるならダーリンに赤ちゃんが出来ちゃったって悪戯が出来るのに……そしたらダーリンは泣いて喜んでくれるんだろうなぁ。
そんな妄想をしつつアタイはシャワーを浴びた。

アタイがシャワーを浴び終わり、着替えて食卓に行くとそこにはダーリンの手料理があった、って当たり前か朝ごはんを作ってくれるのは毎朝ダーリンだし。
さてと今日のメニューはお味噌汁と白いご飯、それと焼き魚。和風のメニューだ、それが一人分……一人分?
アタイは時計を見た六時十五分ぐらいを時計の針は示している、ダーリンが仕事に行く時間は六時半……もうすぐじゃん!!
だから朝ごはんがアタイ一人分のしかないのだな、そしてシャワーを浴びて着替えた後にすぐ仕事に行くつもりなのだな、ダーリンは。
そうはさせんぞ!!行ってらっしゃいのキスをしない限りは仕事に行かせないぞ。行ってらっしゃいのキスも奥様の仕事の一つだからな。
そうと決まれば玄関で待ち伏せせねば。
六時二十七分、ダーリンが着替えを済まして急いで玄関に来た、だがアタイは通さない。
「あれ、待っててくれたの?ありがとう。」
そう言ってダーリンはアタイのおでこにキスをしてくれた。アタイがダーリンにキスをする予定だったのに、これじゃあ逆じゃないか。でも、ダーリンとキスは出来るわけだしまあいいかな。
「ねぇ、おでこだけ?アタイは口にもしてもらいたいなぁ。」
アタイはダーリンにおねだりをする、行ってらっしゃいのキスは口にするものと決まっているのだ。それにダーリンも満更じゃなさそうだしな。
唇同士がふれるだけのキス、行ってらっしゃいのキスはこれだけ。エッチなキスは玄関とか人目の付く場所ではしない、これはダーリンが決めたルール。
理由は恥ずかしいからなんだとか、アタイはダーリンとラブラブな所が見られても恥ずかしくない、というかむしろ誇らしいと思うんだけどな。
「じゃあ、いってきます。」
「いってらっしゃい。」
アタイはダーリンを玄関で見送る、あれだなコックってのは大変な職業なんだな、朝早くから仕事に行って料理の仕込をしなきゃいけないのか。
さてと、ダーリンの愛情がたっぷりの朝ごはんでも食べますか。



ダーリンが仕事に行った後はアタイは普通の主婦と同じ事をする。掃除したり洗濯物したり、でも二人暮しだとすぐに終わるから暇になっちゃうんだよね。
あまりにも暇だから外に出て散歩をしていると近所に住んでるコカトリスを発見、魔物の癖に性の知識に疎かったり、どう考えても幼馴染と付き合えるだろうって状況でも付き合ってなかったりする魔物としては常識知らずのコカトリスだ。
あれか、アタイがきっかけを作ってあげるべきか?近所に住む綺麗なおねーさんとして。丁度この前ダーリンとデートした遊園地の割引券があるし。
どうやら、夏休みの課題が終わって丁度どこかへ遊びに行きたいらしい。アタイは絶対二人で行くように言ってから割引券を渡す。ついでに財布の中にお金がたまるとか言われて入れておいたゴムも友達からランクアップする為の物と言って渡しておく、どうせアタイとダーリンには必要ないものだし。
さっそく誘ってみる、と言って走って行ってしまった。やっぱりコカトリスにしては行動力がありすぎだろう。まぁ、あの行動力があればすぐに付き合い始めるだろうな。
でも、あいつを見てたらダーリンの事を恋しくなっちゃったな……そう思うっていると今朝のダーリンとの行為を思い出しアタイの体は火照り始めていた、その火照りを鎮めようと手が陰部にのびかける、しかしアタイはなんとか自身を制御する。こんな所で自慰なんかしてしまったらアタイはパーフェクトな奥様では無く、ただの痴女じゃないかそうなってしまったらダーリンに会わす顔が無い。

アタイは家に急ぐ、しかし一歩また一歩と進むごとに体はそれに比例するかのごとく熱くなっていく。時折このまま自分の欲望を曝け出して楽になった方がいいのではないかという思いがでてくる、しかしアタイはダーリンの為に痴態を見せるわけには行かないという思いだけがアタイを支えてくれた。
そして、ようやくの思いで家に着いた時にはアタイの体も心も我慢の限界に達していた。アタイはそのまま玄関に鍵をかけ、その場に倒れこんだ。アタイの恥部からはとろりとろりと愛液が溢れ出している、アタイは何も考えられなくなって恥部に指を沿わせる。そのとたん体に電撃が走ったかのように感じた、イってしまった、指が触れただけでイってしまったのだ。アタイは自分がどれだけダーリンを思って我慢をしていたのか分かった。
それでも熱を帯びた体は頭の中を蝕み、快楽を得る事を命じる。アタイはその命令に逆らえず、恥部に指を絡ませた。頭の中で愛する人想い描きながらアタイは指を膣内で動かす、そのたびにネチョネチョといやらしい音が玄関に響く、指が動くたびに絶え間なく果てる。
「…んっ……はぁ…はぁ……指…じゃ……指だけじゃ…たりない…よぅ……」
アタイはよだれを垂らし恍惚の表情を浮かべながら快楽を貪る事しか出来なかった。
アタイが正気に戻った頃には周りに大きな水溜りが出来ていた、時間はもうすぐ五時になろうとしている。アタイが帰ってきたのは正午位だったから五時間も自慰をしていた事になる。
結局、アタイはただのインプだったんだ。完璧な奥様を演じていても、結局は淫乱な痴女で変態なインプだったんだアタイは。
そんな考えから逃げるように、アタイのせいで汚れちゃった所を綺麗にしないと、とかお風呂掃除しないとなどの考えが頭に浮かぶ。
結局はそんな事しても一時間しか時間は潰せなかった、ダーリンが帰ってくるまであと一時間何をして時間を潰せばいい?今は何かしてないと不安で仕方がないんだ。
そうだ、料理を作ろう。そうすれば時間を潰せるし、その上もしかしたらダーリンも喜んでくれるかもしれない。
そして、アタイが料理が壊滅的に下手なことを知ったのは目玉焼きが黒焦げになってからだった。
「なにを作ってくれてるの?」
後ろからダーリンの声がする。振り返るとそこにはやっぱりダーリンがいた。
「ななな、何でダーリンがもういるんだよ!!それにこれは目玉焼きを作ろうとしてたんじゃなくて、フライパンを焦がしてダーリンを困らせようとしてたんだからな。」
「いやぁー、お前は新婚なんだから早く嫁さんのところに帰ってやれって言われちゃって。そのお言葉に甘えて帰ってきたんだけど、いいものが見れたなー。」
ダーリンが笑顔で恥ずかしげもなくそんなことを言う。それなのにアタイは自分のことも言えずにずっと完璧な奥様のふりをしているだけ。
泣いた、おもいっきり泣いた、自分のことが言い出せないのが情けなくて泣いた。そして、正直に言った、自分自身を曝け出した、完璧な奥様のふりをしてたことも、自分が淫乱なことも全部言った。
「やっぱり、嫌いだよね。アタイみたいな嘘つきで淫乱なインプなんか。あなたの事をダーリンって呼ぶ資格なんてないよねアタイには。」
これでサヨウナラ、そうなると思っていた。
「別に、キミが僕に嘘をついてたからって嫌いにはならないよ、キミがエッチだったからって失望しないよ。だって僕のことを想っていたからしたことでしょ?だったら僕はキミがそんな嘘をついたりエッチになったりするほど愛されているんだから幸せだよ。」
ダーリンはやっぱり笑顔でそう言ってくれた。その笑顔のおかげでアタイの不安は晴れていく。
この人はこんなにもアタイを信じて愛してくれているんだ。そう思わせてくれる。
「今から一緒に晩ご飯を作ろっか。」
「うん!」
アタイはまんべんの笑みで答えた。アタイとダーリンが患った恋という名の病は、いつまでも治る気がしない。
14/09/17 08:45更新 / アンノウン

■作者メッセージ
後日談
「ふっふっふ、やっぱりあのコカトリスには彼氏ができたか。これもすべてアタイのおかげだな。」
「ん?どうしたの?」
「ちょっと知り合いにカップルができただけ、早くアタイに料理のレクチャーしてよ、ダーリン。」
「わかってるけど、今度は火から目を離さないでね。危ないから。」

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