連載小説
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Report.03 俺と魚人と蟇蛙 後編
「あぁん? ……い、ぎっ!? あぎゃがうあえいうふぁぢうはおいはいふぃうあっ!?」
「え、何なの? 何が起こってるの?」
「コレは、一体……?」
「…………?」
強烈な怒気を孕んだ声に白一色の少年が反応した途端、突然言葉にならない苦悶の叫びを上げながら彼が悶え始める。
突如悶え始めた白一色の少年に、フェラン、コラム、キーンの三人は首を傾げるしかない。

「んしぴあふぃさふぃんんあけいあしおさいうりおふぃしふぃっ!? ふぁおいふぃあでぃあさふぃうしゃいそいじゃおいっ!?」
怪異は終わらない……不可解な叫びを上げながら、悶え苦しむ白一色の少年の身体からは紅い蒸気が噴き始め、地底湖の水も突然沸騰し始める。
先程の声に聞き覚えのあるフェランとコラムは、その声の主に視線を向ける。
二人の視線の先には……

「がぎいぎぎいいふぁがぢあいだぎぎっ!? がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
悶え苦しむ白一色の少年は体内の魔力を暴走させ、体内を蝕む『何か』を弾き飛ばす。
弾き飛ばしたはいいが、その代償は大きく、エヴァンの『風刃牢』で痛めつけられていた身体は更にボロボロになる。
「がはっ! がほぁっ! テ、テメェ……エヴァン、シャルズヴェニィ!」

×××

「ふざけん、なよ、糞ガキがぁ……人の奥さんを、旦那の前でさぁ、慰み者にするとか、言ってんじゃ、ねぇっ……」
ユラリと、幽鬼の如く立ち上がるエヴァン。
エヴァンが頭を振ると、先程の滅多打ちで蔓が壊れたらしい黒眼鏡が、カチャン…と音を立てて落ちる。
その黒眼鏡の奥、フェランとコラムですら見た事の無い、エヴァンの素顔。
「「「「…………!」」」」
その素顔を見た四人は、言葉を失った。

「は、ははっ、ははははっ……何だよ、何なんだよぉ、テメェ!」
絶句する四人。
逸早く我に帰った白一色の少年の声は、先程までの凶悪さが嘘のように消えた、震えた声。

虚無。

在るべきモノの欠けた、エヴァンの素顔。
エヴァンの素顔には、『目』が存在していなかった。
眼球が存在しなくてはならない部分には、真っ黒な闇を秘めた穴があるだけだった。
「あん? コレか? 驚いただろ?」
白一色の少年の震えた声に、エヴァンはおどけるように答え、其処には何も無い事を証明するかの如く、自分の指をがらんどうの眼孔に出し入れする。

「見ての通り、俺に目玉は無いのさ……なにせ、『自分』で抉り抜いたかんな」
「はぁっ!? バッカじゃねぇの!? テメェ、頭の螺子でも抜けてんのか!? 脳味噌、月までブッ飛んでんのか!? 自分で自分の目玉、刳り抜くなんてさぁっ!」
自分で眼球を抉り抜いたと言うエヴァン、白一色の少年は震えたままの声で彼を罵倒する。
その罵倒を切欠にエヴァンの怒気が膨れ上がり、先程以上の彼の怒気に白一色の少年は、思わず一歩後ずさる。

「あぁ? 頭の螺子が抜けてるのかって、テメェが言うか? 目玉を抉った原因のテメェ等が、『教団』が言うのかよっ!」
「はぁっ?」
目玉を抉り抜いた原因が『教団』だと言うエヴァンに、白一色の少年は間抜けな声を上げる。
エヴァンは独白する、自分で目玉を抉り抜いた原因を。

「一〇年前だっけなぁ……教団の教会で、俺は神様に聞いたんだよ」
一〇年前、エヴァンは教団の教会で神に問うた。
『何故、神は魔物を嫌うのだ』と、神に問うた。
神に問うた、その日の晩……エヴァンは、彼の心に深い傷を刻んだ極上の悪夢を見た。
何もかもを塗り潰す純白の闇、その純白の闇の中に輪郭の曖昧な人型の何かが現れ、人型の何かは荘厳な声でエヴァンに話し掛けてきた。

『魔物と魔物を統べる魔王は、神たる我の失敗作なり。
 我が創りし箱庭に住まう事許されるは、我が愛する人間と同胞のみ。
 失敗作たる魔物が我の箱庭に住まう事、神たる我は許さぬ、認めぬ。
 故に、神たる我は魔物を滅ぼす、魔物は一匹たりとも存在を許さぬ』

「神様も、クソッタレだよなぁ……自分で創っときながらさぁ、失敗作だから魔物は死ねって? ふざけんなっ! 幾等神様でも、身勝手過ぎんだろうがっ!」
極上の悪夢から目覚めたエヴァンは、己の眼球を抉り抜いた。
二度と傲慢な神を見たくないが故に、己の眼球を抉り抜いた。
眼球を抉り抜いた激痛も、人間からも神からも虐げられる魔物達の事を思うと、不思議と痛くはなかった。
されど、エヴァンの心には傲慢な神の姿が焼きついた、エヴァンの耳には傲慢な神の声が残響の如く響いた。

「俺は忘れたくて……あのクソッタレな神様の事を忘れたくて、魔法を一生懸命勉強して、探検をずっと続けてきたんだ」
心に深く残る神を忘れたかったエヴァンは、振り切るように魔法の会得に専念した。
探検家として活動を始めた時からは、探検を繰り返す事で神を忘れようとした。
それでも、エヴァンの心には神の姿がこびり付き、彼に付きまとった。

「逃げてきた、逃げてきた、ずぅっと俺は逃げてきたさ……だけど、逃げるのはもう止めだ。あのクソッタレな神様信じる、テメェ等が居る以上、逃げてもキリがねぇからなぁ!」
その言葉を最後にエヴァンの独白は終わり、終わると同時に彼は『嵐鎚』を白一色の少年目掛けて振り下ろす。
「ははっ、はははっ、ははははははっ!」
振り下ろされる『嵐鎚』を後方へ跳躍して避けた白一色の少年は、乾いた声で笑う。

「何言ってんだ、テメェ! 僕達が信じる神様の威光にションベンチビって腰抜かした負け犬が、今更粋がってんじゃねぇよっ!」
白一色の少年は言う、エヴァンを負け犬と。
「小便漏らす覚悟もねぇ、腰抜かす無様も晒せねぇ、クソッタレな神様に尻尾振って、媚びるしか出来ねぇ飼い犬が何をほざいてやがる!」
エヴァンは言う、白一色の少年を飼い犬と。
エヴァンと白一色の少年の間に流れる一触即発の空気に、フェラン達は息を飲む。

「はっ、今日はここまでにしてやるっ! エヴァン・シャルズヴェニィ! テメェの面は憶えた! 今度会ったら、メチャメチャのグチャグチャのギタギタにぶっ殺す!」
先に動いたのは白一色の少年……白一色の少年は背後の空間に渦を作り出し、捨て台詞を叫びながら、渦の中に飛び込んだ。
白一色の少年を飲み込んだ渦は空間の歪みを伴いながら急速に縮小し、消失する。
渦が消えた後、エヴァンは吼える……白一色の少年に宣言するように。
「コッチの台詞だ、糞ガキ! オリバー・ウェイトリィ! テメェの面は心の目に焼きつけたっ! 今度その面を見たら、完膚無きにブッ飛ばす!」

×××

「ふぅ……」
転移魔法で何処かに跳んだ糞ガキ、オリバー・ウェイトリィの魔力を感じなくなった後、俺は溜息を吐く。
滅多打ちされて気絶してたのは、僅か数分……目が覚めたら、あの糞ガキがフェランとコラムを教団の慰み者にするってほざいた所だった。
その言葉にキレた俺は、切り札である『星間駆ける皇帝の葬送曲』をかましたんだが、流石に本調子じゃなかったから、威力はガタ落ちだ。

「威力が落ちてても、アレかよ……」
それでも、糞ガキの血液や湖の水を蒸発させるくらいの振動は生み出せるらしい。
窮極必滅とか、禁断とか言われてるのは伊達じゃないって事か。
不思議なのは、フェラン達を巻き込まなかった事……使ったのはコレで三回目だが、『障壁』で守ってたコラムは兎も角、以前は周囲のモノを巻き込んでた。
だけど、今回はあの糞ガキだけが、『星間駆ける皇帝の葬送曲』の対象になってた。
無我夢中だったから、どうしてそうなったのかが全く分からん。

「「エヴァン(さん)!」」
「…………」
どうしてフェラン達を巻き込まなかったのかを考えてたら、フェラン達が近付いてくる。
良かった、無事だったか……もし、巻き込んでたら、自分で自分を切り刻んでたぜ。
「エヴァン、聞いていい?」
俺に近付いてきたフェランが、多分俺の顔を指差しながら
「そんな目で見えるの?」
なんて、聞いてきやがった。

「……ってな具合だな」
俺はフェラン達に、改めて自分の目の事を話した。
一〇年前、自分で目を抉り抜いた事。
目を抉り抜いた事で魔法的感覚が鋭くなり、魔力探知で周りを把握出来るようになった事。
魔力探知で周りを把握出来るのはいいが、ソレだと輪郭の曖昧なボンヤリとした映像で、色とか判断し難い欠点がある。
実際、フェラン達も輪郭が曖昧で、魔力の波長で個人を判断してる状態だ。
俺が何時も掛けてる黒眼鏡はゲイリー特製の魔道具であり、失った目玉の代わりの働きをしてくれてる事。
コレが無いと視覚的な色とか顔とかが、めっさ判断し難いんだ。

「そうなんだ……」
「エヴァンさんが、何時も眼鏡を掛けている理由が分かりましたけど……」
「…………」
俺の話を聞いたフェランとコラムは、俺が何時も眼鏡を掛けてた理由を知って納得した。
キーンは、まぁ……会って間もないから、あまり気にしてない模様。
「今まで隠してて、ゴメンな」
話す必要は無いと思って今まで話さなかった事を俺は詫びると、フェランとコラムは気にしてないからと答えてくれた。

「それよりも……エヴァンさん、身体の方は大丈夫ですか?」
治癒魔法を施しましたが、と付け加えたコラムは、心配そうに俺の身体の事を聞いてくる。
身体、ねぇ……怪我の方はコラムの治癒魔法で粗方治ってるが、問題は

―ドクンッ……

「……っ!?」
やっぱりか!? やっぱ、くるよなぁ、畜生っ!
枯渇した魔力を回復させようと、魔力供給衝動が俺の体内を荒れ狂う。
本気、で、勘弁、して、くれ……状況、から、考えて、めっさ、嫌な、予感が、する、ぞ。
「うわぁ……エヴァンが黒い❤」
「また、激しくされるのですね……❤」
「…………?」
ソコのフタリ、ウレしそうなイロをすんな。
キーンは、コレからナニがオこるのかをワかっていないみてぇだ。
ホしい、ホしい、ホしい……サンニンまとめて、オレはホしい。

×××

「んむっ、れるっ、ちゅるっ、ちゅずるっ」
オレはコラムの手を掴んで引き寄せ、彼女の唇を奪う。
舌をコラムの口腔内に潜り込ませ、彼女の舌とオレの舌を絡ませる。
その光景をフェランは期待で、キーンは驚愕で魔力が仄かに紅く輝いている。
眼球の代替を果たす黒眼鏡が無い以上、フェラン達の表情が分からないが、魔力の輝きや質で感情は理解出来る。
二人共、興奮を示す紅が魔力に表れている当然だろうな。
「んふっ、はふっ…れるっ、ぢゅずっ、んんっ……ぷはっ」
唇を離すと、恍惚としたコラムの魔力を感じ取る。

「エヴァンさんのキスだけで、もうこんなになってしまいました❤」
輪郭の曖昧なコラムの手がオレの手を掴んで秘所へ誘うと、オレの手には濡れた感覚。
どうやら、キスだけで準備は整ったらしい。
オレはズボンの前を開けてからコラムの背後に回り、彼女の引き締まった尻を掴む。
「あっ……また其方で、ひゃぅんっ!」
オレは魔力供給衝動で熱く滾るモノを挿し入れ、歓喜でキツく締め付けるコラムの秘所を最初から激しく責める。

「あんっ、ふあっ、んあぁっ❤ …エヴァンさんのっ、ふぁっ、鬼畜っ❤ ケダ、んひっ、モノォッ❤」
黒眼鏡が無く、背後故にコラムの表情は分からないが、毒々しい程の紅い魔力の輝きからコラムが興奮しているのは理解出来た。
そう言えば、フェランとキーンは何処に行った?
腰を休ませずに魔力を探ると、一つはコラムの前、もう一つはコラムに跨ろうとしていた。
波長からして前にいるのがフェラン、跨ろうとしているのはキーンか。

「えへへぇ……れるっ、ぢゅるっ、はふっ❤」
「…………❤」
「ひゃぁんっ!?」
コラムの驚く声と共に、オレが突いている秘所が急に締め付けを強くする。
キツいを通り越して痛い程に締め付けてくる秘所に、オレは何事かと魔力を探ると
「れるっ、んぷっ、ちゅずっ…コラムの、オマ○コ、ビショビショだね……ちゅるっ、はふっ、れろっ」
「…………」
ただ待っているのも暇だからか……膝立ちしているフェランはコラムの前の秘所を舐め、背中に跨ったキーンはコラムの胸を弄っていた。
女同士である故に弱点は本能的に理解しているようで、コラムを責める二人の手管は的確にコラムの快感を昂らせていく。
「んあぁっ、ふぁっ、あはっ、ん、んんっ、ああぁぁあぁっ❤」
前の秘所と胸を責められるコラムは甘い声で喘ぎ、悶えるように首を振る。
折角だ、オレも便乗させてもらおうか。

「ひんっ、ふぁっ、ん、あぁっ❤ 駄目、駄目ですぅっ❤ 三人でっ、んあっ、はふっ、責めないっ、でぇっ❤ ん、んんっ、あふぁっ、ふわぁっ❤」
フェランは前の秘所を舐め、キーンは胸を揉み、オレは後ろの秘所を突く。
三点からの責めはコラムには強烈で、突かれている方の秘所はモノを強く締め付けるが、ソレも心地良く、オレは腰を動かす速度を上げる。
「あはっ、コラムのお豆、プックリ膨れてる❤ 舐めちゃお、れるっ、ぢゅるっ、んむっ、れろっ」
「…………❤」
外観同様の幼さで、フェランは悪戯っ子のようにコラムの陰核を秘所と同時に責める。
豊満な胸を羨むようにキーンは乳首を抓り、揉みしだく。

「あぁ、あおぉ、おぉぉおおぉっ❤ …らめっ、らめですっ、ふあぁっ、ん、んあぁっ❤ ……もうっ、私っ、んふっ、イってっ、あんっ、しまいますぅっ❤」
三点から齎される快感に、コラムは早々と限界を告げる。
限界を裏付けるように突いている方の秘所は締まり、コラムの脚は産まれたばかりの仔馬を思わせる程にガクガクと震えている。
コラムが限界を迎える寸前だが、オレの限界は未だに訪れる気配は無い。
故に、オレはコラムの限界を後押しするように、秘所を叩きつけるが如く挿し入れする。

「ん、んあぁっ、あぁ、おぉ、はぁおおぉぉ―――――――っ❤」
「んぷっ!?」
コラムは獣じみた矯声を上げて絶頂を迎え、その際に潮を吹いたらしく、前を責めていたフェランは直撃を受けたようだ。
後ろの秘所がオレのモノをギュウギュウとキツく締め付けるのだが、それでもオレの限界は訪れなかった。
こうも早々と絶頂を迎えられても困る……交わりで幾許か魔力は回復したが極微量であり、この程度ではオレの渇きは満たされない。

「ひゃんっ!」
「…………!」
満たされぬ渇きを抱えたオレはコラムの秘所からモノを抜き、フェランとキーンを風で包みこむ。
モノを抜いた際、支えを失ったコラムが力無く座り込むが、今は気にする事でも無い。
フェランを上に、キーンが下になるように二人を包む風を操り、ゆっくりと二人を地面へと下ろす。
下ろすと同時に、オレはフェランの長外套の裾と思しき部分を捲り、ズボン(?)を下着諸共ずり下ろす。
「ねぇ、エヴァン……アタシにも、頂戴❤」
言われるまでも無い……指の感触を頼りに、オレは既に濡れていたフェランの秘所に脈動するモノを挿し入れる。

「ん、はぁぁぁっ❤ エヴァンのオチ○チン、アタシの中に入ってきたぁ❤」
オレのモノが入ってきた瞬間、待ち侘びたと言わんばかりにフェランは甘い声を上げる。
コラムとは違った締まりがオレのモノを歓迎し、オレは渇きを満たすべく激しく腰を振る。
「ん、あんっ、ん、んんっ❤ エヴァンッ、激しっ、ふぁっ、んぁっ、んくぅっ、よぉ❤」
激しい動きに揺さぶられ、甘い声を上げるフェラン。
その下ではフェランの痴態を間近で見せられ、興奮の紅で魔力を輝かせるキーン。
眼球の代替たる黒眼鏡が壊れたのが惜しい……黒眼鏡があれば、キーンの表情がどのように変化しているかが見られるのだが。

「んぁっ、ひゃんっ、ふぁっ、あぁっ❤ エヴァンッ、んふっ、やんっ、壊れちゃうっ、んんっ、くらいにっ、あふんっ、動いてぇ❤」
甘い声を上げるフェランに答えるべく、オレはモノを挿し入れする速度を上げると同時に、極僅かな魔力を循環させる。
循環された魔力はオレの身体から溢れ、四本の黒く艶やかなダークマターの触手と化す。
「んぁっ、やぁぁぁぁぁんっ❤」
オレの魔力で再現された触手の一本を、指の感触を頼りにフェランの尻穴へと潜り込ませ、穴を掘るように激しく蠕動させる。
残る三本の内、二本はフェランの胸と思しき部分を舐めるように這いずり、最後の一本はキーンの秘所らしき部分を皮膜の上から優しく撫で回す。
全く、本当に黒眼鏡を失ったのは痛い……輪郭が曖昧故に、形状からの推測でしか触手を動かす事が出来ない。

「んぁっ、んくっ、ふぁっ、あんっ❤ 気持ちっ、んふぁっ、ん、んんっ、良いよぉっ❤ お尻もぉっ、オマ○コもぉっ、んぁっ、あふっ、んんっ、エヴァンでっ、一杯ぃっ❤」
慣れ親しんだ触手と、オレのモノで喘ぐフェラン。
その甘い声と締め付けは、限界を迎えられなかったオレのモノの限界を迎えさせ、フェランの魔力も毒々しい紅の輝きを放ち、絶頂が近い事を示している。
フェランの絶頂が近い事を悟ったオレは、腰と触手の動きを激しくする。
尻穴を責める触手はより深く掘るように、胸を撫で回す触手は乳首へと吸いつき、オレのモノは子宮を叩くように。

「ひゃんっ、んぁっ、ん、んんっ、あぁっ❤ んぁっ、あふぁっ、んくぅっ、あぁぁっ❤」
甘い声で喘ぐフェランに、オレのモノは限界を訴えるように膨れ、震える。
中で膨れるオレのモノを感じたフェランの秘所は、放たれるモノを求めるようにキツく締め付け
「んぁっ、ん、んぁぁぁ――――――――――っ❤」
子宮を叩いた感覚と共にオレのモノは精液を、尻穴を責める触手はオレの魔力で作られた疑似精液を放ち、フェランは絶頂を迎えた。
絶頂を迎えると同時に、触手は構成を維持出来ずに魔力となって霧散する。
魔力は回復したが、触手と疑似精液の生成で魔力を使ってしまったオレは阿呆か。
これでは回復の意味が無いが、フェランの魔力が歓喜で輝いているので良しとしよう。

「…………❤」
絶頂を迎えて力の抜けたフェランを、自分の上からどかしたキーン。
キーンの魔力は歓喜の黄と興奮の紅が混ざり合った輝きを放っており、待ち侘びてたのがはっきりと分かる。
ソレに答えるべく、キーンに覆い被さり、指の感触を頼りに皮膜をずらしたオレは未だに衰えないモノをキーンの秘所に挿し入れる。
「…………❤」
体格的にはフェランと同程度のキーンの秘所は、侵入するオレのモノをキツく締め付ける。
押し進める内に肉を引き裂く感覚が伝わり、キーンの純潔を貰った事にオレは興奮する。

「……んっ、あっ、くひゅっ❤」
されど、処女が相手でもオレは渇きを満たすべく激しく腰を動かし始め、終始無口だったキーンの口からは言葉数は少ないが甘い声が漏れる。
初めて聞いたキーンの声は、外観相応の可愛らしい声。
可愛らしくも快感に悶える甘さの籠もった声は、興奮を昂らせるには充分だ。
「……ふぁっ、ん、くぁっ、んんっ❤」
手加減無しの動きに翻弄されるキーンは腕を首に、足を腰に回して、オレの身体を拘束する。
長外套越しに伝わるキーンの体温は若干低いが、興奮で火照った身体には心地良い冷たさ。

「……エヴァンッ、好きっ、んぁっ、好きっ❤」
甘い声を上げつつキーンは好きだと告白するが、会って間もないオレに何故好意を抱く?
まさか、吊り橋効果―恐怖を感じた時、異性と出会うなり、共に過ごしたりすると好意や親近感が湧く現象―というモノか?
だが、ヒトならざるモノとは言えど、美少女に『好き』と言われて拒んでは男が廃る。
「……エヴァンッ、ふぁっ、んんっ、あぁっ❤」
キーンの告白に、オレは腰の動きを強く、鋭くする事で答える。

「……エヴァンッ、エヴァンッ、エヴァンッ❤」
純潔を散らされた時以上の激しい動きに、オレとの体格差が大きいキーンは翻弄される。
傍から見れば少女を強姦する悪漢に見えなくもないが、人が居ない以上、外聞を気にする必要は無い。
動く度に結合部から響く淫らな水音に、オレとキーンは興奮を昂らせる。
「……ん、んんっ、あふっ、ふぁっ❤」
キーンの秘所はギュウギュウとオレのモノをキツく締め付け、締め付けを掻き分けながらオレは腰を動かし続ける。

「……エヴァンッ、駄目っ❤」
元々キツい締め付けが更にキツくなり、強く抱きしめてきた事で、キーンの限界が近い事を悟ったオレは蹂躙するかの如く、荒々しく腰を叩きつける。
最奥を熱く滾るモノで叩かれるキーンの身体は小刻みに震え、撹拌された愛液は先走りと混ざり合って泡となる。
「……あふっ、ん、ふぁんっ、はふっ❤」
快感に悶えるキーンはカリカリとオレの肩を引っ掻き、腰に回した足は拘束を強める。

「……駄目っ、ん、んんっ、んあぁぁ―――――っ❤」
一際高い声を上げたキーンの秘所は収縮し、オレのモノを締め付ける。
キーンが絶頂を迎えると同時に、オレのモノは秘所の最奥に精液を叩きつけるように放つ。
二回目とは思えない程に大量に放たれた精液は最奥を埋め尽くし、逆流した精液が結合部から零れる。
「…………❤」
絶頂を迎えて弛緩したキーンは心底幸せそうな魔力の輝きを放っているが、オレの魔力は五分の一程も回復していない。
故に、満たす……満たされるまで、オレは交わり続ける。
キーンからモノを抜いたオレは二人と交わっている間、快感で動けなかったコラムへ近付いた。

×××

「あ〜あ、本当に……」
嫌になるぜ、俺の魔力供給衝動にはさ。
レンズは無事だった黒眼鏡に魔力で再現した触手を蔓代わりにして、黒眼鏡を掛けた俺は溜息を吐く。
俺の周りには快感で気絶したフェラン、コラム、キーンの三人。
揃いも揃って、大事な部分からは滝のように精液が溢れてる。

「……つぅか、悪循環?」
俺が『星間駆ける皇帝の葬送曲』を使えば、強烈な魔力供給衝動が襲う。
魔力供給衝動を落ち着かせる為にフェラン達と交わると魔力保有量が増す、魔力保有量が増えれば魔力供給衝動も大きくなる。
魔力供給衝動が大きければ、回数も比例して多くなる……うわ、何だよ、この悪循環。
『星間駆ける皇帝の葬送曲』を使えば使う程、俺は鬼畜化が進行すんのか?

「それにしても、オリバー・ウェイトリィって名乗ったっけ……」
悪循環にヘコみそうになった俺は、何処かで聞き覚えのある名前の糞ガキの事を思考する。
オリバー・ウェイトリィ……魔物を『屑』呼ばわりする、真っ白けの糞ガキ。
戦っている間は気にする余裕も無かったが、あの糞ガキの魔力は何というか混沌だ。
胸糞悪くなる程にドス黒い魔力のくせに、何処か神聖さを放ってた糞ガキの魔力。
あの神聖さは感じた覚えがある……嫌でも感じた事のある波長、ソレは

「あの糞ガキ、『教団』なのか……」
そう、教団……ステンドグラスに描かれる姿は御立派なくせに、中身はクソッタレな神様を狂信する、クソッタレの集まりが持つ波長。
神の加護を得た聖騎士や修道者が放つ神聖さを、あの糞ガキの魔力は放ってた。
実際、あの糞ガキはフェラン達を慰み者にしてやると、ほざいてたし。
あんな糞ガキを擁するなんて、何処まで頭の螺子が吹っ飛んでんだ?
其処までして滅ぼそうとするクソッタレな神様を信仰するくらいなら、俺はダークエンジェルとかダークプリーストが信仰してる堕落神を信仰すんぞ。

「オリバー・ウェイトリィ、か……」
何というか、あの糞ガキとは何処かで会いそうな予感がしてならねぇ。
そもそも、俺が遭遇した怪物にも、あの糞ガキは関わってそうだ。
包帯も、蚯蚓も、今回の蛙も、揃いも揃って魔物に何らかの害を与える怪物。
包帯は魔物の死体を依代に、安らかな眠りを妨げるという死者の冒涜。
蚯蚓と蛙は魔物を餌としか見ず、ただただ貪り喰らう。
あの糞ガキが教団の一員だとしたら、俺が遭遇した怪物共に関わってても不思議じゃねぇ。
「あの噂も、強ち眉唾って訳でもなさそうだ……」
教団は対魔物用の『何か』を作ってる、という眉唾物の噂。
こうして魔物を害する怪物を目の当たりにすっと、強ち間違ってはいねぇと思える。

「あのクソッタレ共と関わるなんてなぁ……」
あの極上に最悪な悪夢を見て以来、極力関わろうとしなかった教団。
魔法の勉強や探検で逃げ続けてきたが、どうやら年貢の納め時という奴か。
丁度良いや……教団の過激な活動には、ほとほとウンザリしてたんだ。
過去をふっ切るついでに、あの糞ガキを宣言通りにブッ飛ばすとすっか。
そう決意した俺は、気絶してるフェラン達に近付いた。

×××

〜ングラネク山脈・森林〜
「が、あぁぁっ……あのクソッタレがぁ……」
ングラネク山脈の森林を、血塗れの身体を引き摺って歩くオリバー。
オリバーの口からは絶える事無く、エヴァンへの憎悪が漏れていた。
「クソッタレ、クソッタレ、クソッタレェッ……あのエヴァンとかいうクソッタレ、本気で許さねぇ……」
魔力の暴走で『星間駆ける皇帝の葬送曲』の超振動を弾いた代償は大きく、一応聖職者であるオリバーの治癒魔法でも治癒が困難な程に、体内は傷付いていた。

「神様をクソッタレ呼ばわり……僕達を飼い犬なんて言いやがって……オマケに……」
オリバーがエヴァンに抱いたのは、彼への憎悪だけではない。
オリバーはエヴァンに驚愕していた……何故ならば
「あのクソッタレェ……何で、あの魔法を使えんだよぉ……『星間駆ける皇帝の葬送曲』、アレは『僕が編み出した』魔法だぞ……」
エヴァンの切り札である『星間駆ける皇帝の葬送曲』は、オリバーが編み出した彼独自の魔法だからだ。
個人が編み出した魔法は術式を物理的に残さない限り、基本的にソレを編み出した者しか行使する事は出来ない。
にも関わらず、エヴァンは威力が落ちていたとはいえ行使したのだ。

「アレの術式は、大陸の北の最果て……『常吹雪の永久凍土』の奥に建てた僕の研究所に隠した筈だぞ……あのクソッタレェ、まさか辿り着いたのかよ……」
オリバーは知らない……『常吹雪の永久凍土』と呼ばれる最北方の地こそが、エヴァンが将来有望な若手探検家と呼ばれる切欠となった地である事を。
故に、オリバーは自身の身を以て、『星間駆ける皇帝の葬送曲』の窮極的な破壊力の片鱗を体験する事になったのだ。
尤も、エヴァンが其処に辿り着いたのは偶然の重なりだが、ソレもオリバーは知らない。

「あぁっ、クソッタレェ……まさか、自分で自分の魔法をくらうとは、よぉ……」
然し、オリバーの言葉が真実ならば、一つの疑問が浮上する。
獣の吼える森で巨大蚯蚓が消滅した時、オリバーは『三〇〇年掛けて育てた』と言った。
エヴァンが注目される切欠となった遺跡は、魔王が代替わりする以前の時代のモノだった。
その遺跡がオリバーの研究所であるなら、彼は一体何年の刻(トキ)を生きてきたのか?
その答えはオリバー自身が自ら口にするまで、誰も知る術は無い……

Report.03 俺と魚人と蟇蛙 Closed
12/10/06 04:31更新 / 斬魔大聖
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■作者メッセージ
お待たせしました、後編です。
白一色の少年、此処で漸く名前が出てきました。
白一色の少年改めオリバー・ウェイトリィの正体及び教団との関係が、本作のタグにその他と付いている理由の一つですが、残りの理由はまた後のお話になります。
そして、明かされたエヴァンの事情……失明では無く、物理的な喪失による盲目が、エヴァンの魔法に関する感覚が鋭い理由です。
次の第五話も鋭意執筆中ですので、楽しみにしていてください。

ついで。
エヴァンの必殺技のイメージですが、SRW好きな方ならライ○ィーンかラーゼ○ォンの(ゴッ○)ボイスを連想してくだされば分かり易いかと。

それでは人物説明をさせてもらいます。
―キーン―
ングラネク山脈の地底湖に住むサハギンで、地底湖で暮らしていた為、体色が白い。
サハギンらしく無口・無表情で、何かを伝える時は相手の身体に文字を書くか、ボディランゲージをする。
右耳にあたる部分の鰭が傷んでいるのは、エヴァンを捕まえた際に藻掻く彼の足がぶつかった為であり、ソレを知ったエヴァンは彼女にちゃんと謝罪した。

―オリバー・ウェイトリィ―
言動は極悪非道だが、教団の一員らしい謎の少年。
本作の重要人物であり、エヴァンの推測では怪物に何らかの関わりがあるとされている。
エヴァン曰く、糞ガキ。

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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33