連載小説
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泡銭でまずはお腹を満たす
俺は緑川蒼人。ある動画サイトの投稿者の一人で、2人チームでやっている。今日は臨時収入があったので最近スランプ気味な相方を誘って叙々苑で焼き肉ランチと行こう。早速彼の家に行きチャイムをならすと相方が出てきた。相方の名前は千石皇牙と言いコスプレで顔を隠しつついろいろな動画を投稿している。皇牙は「臨時収入って、どうした?」と聞いてくる。俺は「昨日の買い物の帰りに宝くじの店でスクラッチやったら10万当たった。最近スランプとかで落ち込んでたからたまには豪華にいこうかとな」と説明すると皇牙は「…なら、ご馳走になろうか。」とスランプにより苦悩した顔が少しだけ明るくなる。









叙々苑に歩いている道で話すが、自分のやりたいことと視聴者の求めていることのリンクが難しくなかなか再生数が伸びない。
そんなことを皇牙は話す。そこのところは確かに本当に難しく今の段階ではかなり好き嫌いが分かれるのは確かだと思う。そんな話をしていると叙々苑が見えてきた。

店に入ると早速予約していたランチメニューと飲み物を頼み、届いた飲み物を飲みつつ待つ。
少しして、ランチの肉やご飯が来た。焼いては食べていくが、良い肉は柔らかい上で油もくどくなくて美味しい。当たり前のような言葉だがそんな言葉が浮かぶ。
皇牙も美味しいらしく少し表情が緩んでいる…気分が少しでも上向けば良いものが作れるかも知れない。
その意思を理解していてもしていなくても嬉しそうなら俺の目的はある程度は達成されたのだから。





食事を終え、帰ろうと店を出て心地よい満腹感を感じながら歩いていると少なくとも行きは空き店舗だったはずの店が小さなカードショップになっていた。不思議と興味を引かれるのはなぜか?そんなことを思っていると皇牙も「動画の種になれば良いし行ってみるか?」と言う。

早速入ってみると、女性の店員が『いらっしゃいませ』と出迎えてくれた。ショーケースを見ると、魔物娘図鑑のキャラクターのカード飾られている。
よく見てみるも皇牙は「魔物娘は魔物娘だが、ロリ系が多いな…」と言う。確かに皇牙の見ている方はバフォメットを筆頭にサバトにいそうな魔物娘がたくさんならんでいる…俺の見ている方はダークエルフ、オーク、海和尚、マンティコアと攻めにしろ受けにしろ偏りまくっている魔物娘がたくさんならんでいる…この店のセンスはかなり極端だな…と思っていると店員が『ここに来たお客様には、カードパックを買う権利があります』と俺たちにおなじ見た目のパックを渡してきた。

そのパックには、『慈愛の抱擁』と書かれていてデーモン、ティターニア、ブギーといった魔物娘が両手を広げてこちらを招くようなイラストが描かれている。俺は嬉しさで「これは…なかなか…」と言葉が漏れる。皇牙も「なるほど…」た興味深げに見ている。
店員は「貴方たちはわかっている側の人みたいだから説明するわね。」と説明を始めた。

と言うのもどうやら図鑑世界とこの世界が繋がったが警戒されないように少数ずつ、そして図鑑世界を知るものか偏見の少ないものから優先的にくっつけて溶け込ませていく。と言う作戦らしい…だとしたらと俺は「カードに描かれてる魔物娘は…」と聞くと彼女は『そう言うことよ、貴方たちの精を好む魔物娘が描かれていて、召喚が出来るようにそのためのカードもセットとして入っているわよ?』と言う。俺は迷わず財布を出して「で、お値段は?」と聞くと税込み150円と言われて「良心的だ…!!」と言い即購入する。皇牙はと言うと「今のところおかしいところはないな…」と言う。すると店員は『これで信用できるかしら?』と身体が光り青い鱗をもつラミアの姿になった。俺は「信じます」と答え皇牙は「マジものだった…信じるよ。」と少し笑みを見せて財布を出して購入した。

皇牙は「誰が出るかな…」と少し不安そうにしていたが店員は『さっきの話は聞いていたわ。極端な攻めや受けは苦手、お姉さん系の方が好きと見たわ』と言うと皇牙は「そこも調整してくれてたのか…」と返す。
店員は『あんまり強引なのも苦手そうに見えたわ』と言うと「そこら辺もわかるのか…」と皇牙は返す。






購入を終えて、開封をここでさせてもらえるらしく早速開封してみる。

まず一枚目は図鑑世界の説明が書かれたカードだ。改めて図鑑世界の説明を見ることになる。
二枚目は俺の方は黄色い液体の入った小瓶、皇牙の方は黒紫色で少し光る液体の入ったのでだった。
三枚目がキャラクター、つまり魔物娘のカードが確定と聞いた。緊張しつつ見てみると俺の方はレアリティSRの白澤。皇牙の方はレアリティはURのデーモンだった。俺は思わずガッツポーズをしてしまう。皇牙も安心した顔をしている。

四枚目は魔方陣の描かれたカードだった。これが召喚のカードらしい。

五枚目は他のパックの宣伝の描かれたカードだった。

それから俺たちは店員に礼を言い店から出る、そして軽い足取りで家路につく。皇牙は「入って、良かった」と嬉しそうに言う。それに俺は「そうだな、家に帰ったら召喚をやってみよう」と言うと皇牙は「もうすぐ新しい動画が出来るからそれ終わってからやるかな」と言う、また無理をして倒れたりしなければ良いが…と思う。
と言うのも皇牙は割と無理を躊躇わずにする。2ヶ月ほど前にも仕事と動画製作で睡眠時間まで削った結果動画の打ち合わせに来ず家まで向かってみると熱を出して寝込んでいたことがある、それから数日看病をすることになったから自分が思うほど皇牙の身体は頑強ではないことを言うもあまり反応がない。これを機に改善したら良いのだが…
そんなことを考えていると皇牙の住んでいるアパートの前に着き、解散した。

それからさらに少しあるいて俺も自分の住んでいるアパートに着いて鍵を開け、部屋にはいる。

部屋で楽な服に着替え、早速召喚を聞いたやり方通りに行う。
まずは魔物娘のカードを置いて、その上に召喚のカードを置く。これで召喚が出来るはずだ、するとまばゆい光が発生して目を開けていられなくなる…!

続く
23/05/16 20:11更新 / サボテン
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