連載小説
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過激派の来訪者
冬支度も済ませ、今年も残り1ヶ月に差し掛かろうとした日の昼下がり、特に予約もないのに魔物が来た

和也「誰だ…?予約はないはずだが…」

モニターから確認すると、青い肌の魔物、サキュバスのようだが多分デーモンとかいう魔物だ、過激派の彼女が何の用だ…?

和也「…何か?」

デーモン『そんなに警戒しなくても大丈夫よ…』

和也「で…?」

警戒しつつ迎える

デーモン『貴方たちのところにある人間を魔物に変える植物の事で解ったことをレポートとして持ってきたのよ』

和也「なるほど…」

そう話していると楓が来た

楓『エリカさん、久しぶりね』

彼女はエリカという名前で知り合いらしい

和也「知り合い?」

楓『えぇ。』

和也「なるほど…」

そのまま上がってもらう

エリカ『どこから話したら良いかしらね…』

和也「そうだな…」

エリカ『とりあえず、おさらいとしてあの植物は貴方たち古代種の魔物の魔力を得て特異な変化を起こした魔界に昔からある植物なのは大丈夫かしら?』

和也「大丈夫だ。」

エリカ『まず、ひとつ目に分かったことはこの植物には意思があることよ』

和也「え」

エリカ『というよりも相手の考えから判断して変異先の魔物を決めるという感じね』

和也「なるほど、だから相手に適した魔物に…」

エリカ『そうよ』

雫『魔力、そんなに考えずに込めたんですが』

エリカ『元々の基礎的なものが違うのよ、それに貴方たちは魔力の系統に長けた進化をしているからよ』

和也「なるほど…」

エリカ『で、次だけど』

和也「ああ」

エリカ『ある種の魔物に変えた上で融合させたりしてるつぼとしての能力もあるみたいよ』

和也「マイ、シーナか…」

エリカ『えぇ。』

瑠璃『他にどんなことが?』

エリカ『そして、何故みんな体格に差はあれど豊満になるか?これもわかったのよ』

和也「そういや、なんでだろうなと…」

エリカ『調べてみたら彼女たち、古代種の魔物なのはそうなんだけど嘗て女神に仕えていた神獣の扱いを受けていた狐の子孫よ』

和也「そんな立派な家系だったとは…」

エリカ『正式名でいうなら、えっと…』

彼女は資料にある細かいメモを出して読む

エリカ『宇迦之御魂神、ウカミノタマね…』

和也「確か、お稲荷さまの女神でもあったよな…」

エリカ『ご名答、そして豊穣の女神でもあるわ』

和也「体にも豊穣を与えたと」

エリカ『そういうことよ』

和也「紐解かれていくな」

エリカ『種族として妖狐なのは大陸を越えて生活してきた影響だと考えられるわ』

和也「そういうことか…」

エリカ『本質的な性格が妖狐というよりは稲荷に近いのも先祖の影響、私達はそう結論を出したわ』

和也「なるほどな…」

瑠璃『知らなかった』

楓『私も知りませんでした…』

エリカ『苦労したわよ、調べるの…』

和也「お疲れ様だな、これ、持っていくといい。」

俺は噺の核になった植物の果実を小さなかごに入れて渡した

エリカ『ありがとう、ちょうど欲しがってる娘が居たのよ』

和也「滋養強壮のやつは侵攻したところにいる弱ってるやつにでも使うといい」

エリカ『そうさせてもらうわね。貴方たちのためにも。』

和也「!助かる…」

彼女を見送って、夕方になった

和也「まさか、神獣の末裔とはな」

楓『知らなかった…』

和也「???」

三人がすがるように見てきている

楓『神獣の末裔でも…』

和也「…」

雫『私達から…』

瑠璃『離れていかないよね…?』

和也「ああ、もちろん。」

そのまま三人に三方向から抱きつかれる、俺の決心は変わらないのによほど心配だったのだろう…

和也「余程の事がない限りどこにもいかん。」

そのまま疲れてしまって翌朝まで眠ってしまった…



過激派の来訪者 おわり
19/11/21 23:23更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです

今回の話はいかがだったでしょうか?

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