ああ、やっぱり教団の人間ってクソだわ…
ネズミ娘が修行を初めて数日、今度は魔界からの依頼を改めて受けた
和也「魔界からとは、どうかしたのか?」
リリム『彼女よ…』
全身を火傷したのか、包帯だらけの女性が居た。
和也「お前さんは?」
???「私は、シーナと、言います…」
和也「お前さんに、何があった…?」
???「実は…」
話によると、彼女は動物と長い間一緒に暮らしてきて心を通わせ意思を飛ばして会話ができる力を得たところ、「自分達と違う力を持ち神の摂理に背いた」という理由で教団の兵士達に家を焼き討ちされてこうなったらしい
和也「教団の人間って、所属で差別はしないようにしようと思ってきたがやっぱりクソだわ…」
静かに怒りが滲んだらしく手からスパークが迸る
リリム『落ち着いて…』
和也「そいつらは?」
リリム『逃走中よ…じき捕まるだろうけど』
和也「そうか、ならとりあえず火傷とかが治ってからだな、やるにしても」
シーナ「よろしく、お願いします…」
と言うのが三週間ほど前の話
和也「こいつらだろ?」
俺は丸太に巻き付けた三人の人間を指差す
シーナ「!!」
彼女は頷く
和也「ここからは、手出し無用で頼みたい。」
楓『!』
雫『まさか…』
瑠璃『和也の目が…』
リリム『…』
和也「こいつらをどうしたい?処置を君に任せる。魔物達に引き渡せというならそうするし、消し炭にしてくれというならそうしてやる。」
シーナ「焼かなくていいので二度とこんなことを出来ないようにしてください…」
和也「わかった。」
そのまま先ず一人を掴み上げて脳天から叩きつける
リリム『頭が真っ平らになってる…!!』
雫『あれでもまだ彼からしたら優しい方ですよ、二度とできなくする、つまり斬首とかしても彼女の願いを叶えた訳ですから…そうなったら止めますけどね…』
和也「これでこいつの脳ミソは使い物にならんだろう、それこそ生物学的には生きているだけだ。」
シーナ「…」
瑠璃『笑ってる…でも悲しそう…』
楓『例えあの三人が死んでも身体は戻らない、だから空しさもあるのかもしれませんね…
』
和也「さて、もうひとりは…」
雫『殺してはいけませんよ?』
和也「ああ、わかってる。」
瑠璃『なにやるの…?』
和也「そうだ、火山にでも放り込むか」
楓『火山に申し訳ないと思いませんか?』
和也「焼くなって言われてたな、なら…」
俺はそいつの腕を掴み、指を突き刺すように沈み込ませる
リリム『引きちぎる気!?』
和也「いや…」
そのまま電撃を流し込み、腕を炭化させていく
雫『これがあと三回も…』
和也「何かしていいのはされる覚悟のあるやつだけだ、良いことも悪いこともな」
瑠璃『どうしてそこまでやるの?』
和也「仮にこいつらをこのまま普通の刑罰にして、もし繰り返したら責任とれるか?」
楓『ならここで断つ、と…』
和也「断てないからそれに近いことをやる」
リリム『でもそれなら腱を破壊するだけでいいはずよね…』
和也「その程度だと鍛練次第で動けるようになる、根本から刈り取る」
瑠璃『和也の怒り、私たちの思ったより数段強くて深い…』
和也「俺の友人が放火で家をなくした挙げ句そいつはただ捕まって牢屋行きに成っただけだからな…それもあるのかも…」
雫『そんなことが…』
和也「だから許さない、覚悟しろ。」
両手で両足の脹脛に指を突き刺すように沈み込ませ、同じようにする
リリム『ショック死するわよ!落ち着きなさい!』
和也「安心しろ、発狂もショック死もさせない、該当箇所にのみ強力な電撃を流しているだけだから」
楓『…』
最後の腕も炭化させ、蹴り飛ばす
和也「あとは好きにしろ、ただ、次はないからな。」
リリム『ええ、痛みと恐怖で精神に刻み込まれたと思うわ、こいつは私たちが責任をもって管理するから…』
和也「さて、最後だな。」
最後の一人は女だった。
和也「そうだ、あれやるか」
雫『まさか…』
和也「因果応報だろう?」
楓『もう…』
和也「?」
早速その女の首を掴み、命を吸い上げる
和也「あと、あと少しだ…」
楓『もう…もうやめて!!!!!』
和也「!?」
びっくりして手を離してしまう
楓『こんな奴らのために、貴方が修羅になるのを見たくない!!!!!』
和也「…」
手を離すが、その女の生命力は一滴残っているかどうかといったところだ
楓『私が止めないと、吸い尽くすつもりだったでしょう?』
和也「いや、数時間ぶんの命は残す」
雫『懺悔のための時間…?』
和也「ああ、そうだ。」
シーナ「…!」
彼女は恐怖こそしているが目を逸らさずに見ている
和也「背負うものとして、見届けるか。気に入った、よく我慢してくれたな…。」
瑠璃『やっと目が戻った…』
和也「これはお前のものだ。」
シーナにその搾った命の光を与えていく…
シーナ「!!!!!」
顔の火傷と、手足の火傷は痕ひとつなくなった
和也「足りなかったか、使えないな…」
シーナ「彼女は、どうなるんですか?」
和也「話によるとこいつだけ消極的だったらしいからな、ひとつまみだけ軽くしてやるか」
俺はその女の首をまた掴む
和也「お前が許されたなら、お前から吸い上げた命は戻る、だが残りの命が尽きるまでに赦されなければお前はそこまでだ。」
かつてマイの母親にしたように、俺はその女の首を放す
リリム『古代種の伴侶って、ここまで苛烈なものなの…?』
雫『元々普段は落ち着いていますけど怒ると危険な典型例なんですよ、しかもそれがかつてのトラウマを刺激するならこうもなります、殺さなかっただけ感謝ですよ…』
瑠璃『やっと怖い和也が引っ込んでいった…良かった…戻ってこなかったらどうしようかって…』
楓『聞いた通りの二面性ですね…義憤も含めて予想以上です…』
三人まとめて抱きついてきた、瑠璃に至っては泣いている…
和也「俺はダメだな、結局泣かせてしまった…」
瑠璃『それだけ辛かったの、なんで話してくれなかったの…?』
和也「会う前の話だからな、聞かれん限り話す必要性も無いと感じた」
雫『後で話してくださいね』
和也「…わかった。」
楓『そんなのを感じさせないほど、気丈に振る舞って…』
和也「いや、塗りつぶされてただけ。」
リリム『なら、後は任せたわよ…』
和也「ああ。」
彼女達が引き払って、早速シーナを空いた花に入るように促す
和也「この中で君は魔物になる、どんな魔物かは君次第だ。」
シーナ「これ、持っていっていいですか?」
彼女が持っているのは、獣の角や爪…?
和也「構わない、さしずめ話していた動物達の形見だろ?」
シーナ「はい…」
和也「なら一緒に入るといい。」
シーナ「ありがとう、ございます。」
彼女は花の中央に入ると花びらは閉じていった。
雫『では、話してもらいますよ』
和也「あれは俺が雫と瑠璃に会う十年弱前の話だ、俺の友は放火犯に家を焼かれた」
瑠璃『…』
和也「そして、友は父親と妹を失った。」
楓『そんな…』
和也「まあ、妹の方は魔物になって生き返ったが父親は結局母親が魔物になってやっと魂を繋げたんだ。」
瑠璃『…』
和也「その場に俺は居た、友の妹は俺が助けられなかった。」
雫『?』
和也「俺が火の中に入って担いできたんだが、間に合わなかった…」
瑠璃『…!』
そのまま三人に抱き締められる
和也「だからと言って負の念に心を支配されてはいけなかったとは思うが、がまんできなかった。」
雫『…』
それだけ話すと俺はそのまま意識を手放した…
数日して、彼女の変化が終わったらしい
和也「さて、何が出るか…」
花が開くと、そこには複数の動物の特徴を持つ魔物が居た。
和也「なるほど、友と共にか…」
彼女はキマイラという魔物になって居た、鷲のような大きな翼、ヤギのような衣装の右腕と角、狼のような衣装の左腕、そして熊のような耳と力強い佇まいとそれに見合わぬ小柄な体、そして相変わらず巨大な胸…
シーナ「あの子達の魂は、私の中に…」
和也「なら、これからよろしく。」
シーナ「よろしくお願いします。」
ああ、やっぱり教団の人間ってクソだわ… おわり
和也「魔界からとは、どうかしたのか?」
リリム『彼女よ…』
全身を火傷したのか、包帯だらけの女性が居た。
和也「お前さんは?」
???「私は、シーナと、言います…」
和也「お前さんに、何があった…?」
???「実は…」
話によると、彼女は動物と長い間一緒に暮らしてきて心を通わせ意思を飛ばして会話ができる力を得たところ、「自分達と違う力を持ち神の摂理に背いた」という理由で教団の兵士達に家を焼き討ちされてこうなったらしい
和也「教団の人間って、所属で差別はしないようにしようと思ってきたがやっぱりクソだわ…」
静かに怒りが滲んだらしく手からスパークが迸る
リリム『落ち着いて…』
和也「そいつらは?」
リリム『逃走中よ…じき捕まるだろうけど』
和也「そうか、ならとりあえず火傷とかが治ってからだな、やるにしても」
シーナ「よろしく、お願いします…」
と言うのが三週間ほど前の話
和也「こいつらだろ?」
俺は丸太に巻き付けた三人の人間を指差す
シーナ「!!」
彼女は頷く
和也「ここからは、手出し無用で頼みたい。」
楓『!』
雫『まさか…』
瑠璃『和也の目が…』
リリム『…』
和也「こいつらをどうしたい?処置を君に任せる。魔物達に引き渡せというならそうするし、消し炭にしてくれというならそうしてやる。」
シーナ「焼かなくていいので二度とこんなことを出来ないようにしてください…」
和也「わかった。」
そのまま先ず一人を掴み上げて脳天から叩きつける
リリム『頭が真っ平らになってる…!!』
雫『あれでもまだ彼からしたら優しい方ですよ、二度とできなくする、つまり斬首とかしても彼女の願いを叶えた訳ですから…そうなったら止めますけどね…』
和也「これでこいつの脳ミソは使い物にならんだろう、それこそ生物学的には生きているだけだ。」
シーナ「…」
瑠璃『笑ってる…でも悲しそう…』
楓『例えあの三人が死んでも身体は戻らない、だから空しさもあるのかもしれませんね…
』
和也「さて、もうひとりは…」
雫『殺してはいけませんよ?』
和也「ああ、わかってる。」
瑠璃『なにやるの…?』
和也「そうだ、火山にでも放り込むか」
楓『火山に申し訳ないと思いませんか?』
和也「焼くなって言われてたな、なら…」
俺はそいつの腕を掴み、指を突き刺すように沈み込ませる
リリム『引きちぎる気!?』
和也「いや…」
そのまま電撃を流し込み、腕を炭化させていく
雫『これがあと三回も…』
和也「何かしていいのはされる覚悟のあるやつだけだ、良いことも悪いこともな」
瑠璃『どうしてそこまでやるの?』
和也「仮にこいつらをこのまま普通の刑罰にして、もし繰り返したら責任とれるか?」
楓『ならここで断つ、と…』
和也「断てないからそれに近いことをやる」
リリム『でもそれなら腱を破壊するだけでいいはずよね…』
和也「その程度だと鍛練次第で動けるようになる、根本から刈り取る」
瑠璃『和也の怒り、私たちの思ったより数段強くて深い…』
和也「俺の友人が放火で家をなくした挙げ句そいつはただ捕まって牢屋行きに成っただけだからな…それもあるのかも…」
雫『そんなことが…』
和也「だから許さない、覚悟しろ。」
両手で両足の脹脛に指を突き刺すように沈み込ませ、同じようにする
リリム『ショック死するわよ!落ち着きなさい!』
和也「安心しろ、発狂もショック死もさせない、該当箇所にのみ強力な電撃を流しているだけだから」
楓『…』
最後の腕も炭化させ、蹴り飛ばす
和也「あとは好きにしろ、ただ、次はないからな。」
リリム『ええ、痛みと恐怖で精神に刻み込まれたと思うわ、こいつは私たちが責任をもって管理するから…』
和也「さて、最後だな。」
最後の一人は女だった。
和也「そうだ、あれやるか」
雫『まさか…』
和也「因果応報だろう?」
楓『もう…』
和也「?」
早速その女の首を掴み、命を吸い上げる
和也「あと、あと少しだ…」
楓『もう…もうやめて!!!!!』
和也「!?」
びっくりして手を離してしまう
楓『こんな奴らのために、貴方が修羅になるのを見たくない!!!!!』
和也「…」
手を離すが、その女の生命力は一滴残っているかどうかといったところだ
楓『私が止めないと、吸い尽くすつもりだったでしょう?』
和也「いや、数時間ぶんの命は残す」
雫『懺悔のための時間…?』
和也「ああ、そうだ。」
シーナ「…!」
彼女は恐怖こそしているが目を逸らさずに見ている
和也「背負うものとして、見届けるか。気に入った、よく我慢してくれたな…。」
瑠璃『やっと目が戻った…』
和也「これはお前のものだ。」
シーナにその搾った命の光を与えていく…
シーナ「!!!!!」
顔の火傷と、手足の火傷は痕ひとつなくなった
和也「足りなかったか、使えないな…」
シーナ「彼女は、どうなるんですか?」
和也「話によるとこいつだけ消極的だったらしいからな、ひとつまみだけ軽くしてやるか」
俺はその女の首をまた掴む
和也「お前が許されたなら、お前から吸い上げた命は戻る、だが残りの命が尽きるまでに赦されなければお前はそこまでだ。」
かつてマイの母親にしたように、俺はその女の首を放す
リリム『古代種の伴侶って、ここまで苛烈なものなの…?』
雫『元々普段は落ち着いていますけど怒ると危険な典型例なんですよ、しかもそれがかつてのトラウマを刺激するならこうもなります、殺さなかっただけ感謝ですよ…』
瑠璃『やっと怖い和也が引っ込んでいった…良かった…戻ってこなかったらどうしようかって…』
楓『聞いた通りの二面性ですね…義憤も含めて予想以上です…』
三人まとめて抱きついてきた、瑠璃に至っては泣いている…
和也「俺はダメだな、結局泣かせてしまった…」
瑠璃『それだけ辛かったの、なんで話してくれなかったの…?』
和也「会う前の話だからな、聞かれん限り話す必要性も無いと感じた」
雫『後で話してくださいね』
和也「…わかった。」
楓『そんなのを感じさせないほど、気丈に振る舞って…』
和也「いや、塗りつぶされてただけ。」
リリム『なら、後は任せたわよ…』
和也「ああ。」
彼女達が引き払って、早速シーナを空いた花に入るように促す
和也「この中で君は魔物になる、どんな魔物かは君次第だ。」
シーナ「これ、持っていっていいですか?」
彼女が持っているのは、獣の角や爪…?
和也「構わない、さしずめ話していた動物達の形見だろ?」
シーナ「はい…」
和也「なら一緒に入るといい。」
シーナ「ありがとう、ございます。」
彼女は花の中央に入ると花びらは閉じていった。
雫『では、話してもらいますよ』
和也「あれは俺が雫と瑠璃に会う十年弱前の話だ、俺の友は放火犯に家を焼かれた」
瑠璃『…』
和也「そして、友は父親と妹を失った。」
楓『そんな…』
和也「まあ、妹の方は魔物になって生き返ったが父親は結局母親が魔物になってやっと魂を繋げたんだ。」
瑠璃『…』
和也「その場に俺は居た、友の妹は俺が助けられなかった。」
雫『?』
和也「俺が火の中に入って担いできたんだが、間に合わなかった…」
瑠璃『…!』
そのまま三人に抱き締められる
和也「だからと言って負の念に心を支配されてはいけなかったとは思うが、がまんできなかった。」
雫『…』
それだけ話すと俺はそのまま意識を手放した…
数日して、彼女の変化が終わったらしい
和也「さて、何が出るか…」
花が開くと、そこには複数の動物の特徴を持つ魔物が居た。
和也「なるほど、友と共にか…」
彼女はキマイラという魔物になって居た、鷲のような大きな翼、ヤギのような衣装の右腕と角、狼のような衣装の左腕、そして熊のような耳と力強い佇まいとそれに見合わぬ小柄な体、そして相変わらず巨大な胸…
シーナ「あの子達の魂は、私の中に…」
和也「なら、これからよろしく。」
シーナ「よろしくお願いします。」
ああ、やっぱり教団の人間ってクソだわ… おわり
19/08/16 00:18更新 / サボテン
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