連載小説
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子取鬼の沈黙
俺は岩倉京二。昨日から俺の周りで怪現象が起きている…というのも、俺が昨日仕事に行こうとしたら窓のそとに背でかいぬいぐるみのような、身長2メートルほどはあろうかという手足が大きな女?が浮いていたのだ。
目の錯覚か霊現象かと思い、眼科に行こうか迷うが書く視界がおかしくなったりはしてないのでおそらく後者なのではないかと考え、とりあえず仕事に向かう…

仕事場では幸いにもあのよくわからない女らしきものは現れなかった。と思っていた…

仕事場から出ると、奴は一定の距離を保ち直立していた。本当になんなんだこいつは…家路についてもひたすら奴は一定の距離を保ちながら追いかけてくる、恐ろしいのは直立でスライドするように追いかけてくるのだ…手足を一切動かさずに…

それから数日して、今度は浮遊しながらついてきている…本当になんなんだこいつは…振り向いて追いかけようとすると一定の距離を保つように逃げる。そして彼女の眼差しは敵意がないのがなおさら不気味だ…

更に数日が経ち、どれだけ走ろうと彼女を振り切れず最近では距離が近づき5メートルくらいだったのが最近では2メートルくらいまで近づいている…なにもいわないしなにもしてこない、お前は俺に何を伝えたい、あるいは俺に何をしたいのかがわからない…だからこそ怖い、本当にこいつはなんなんだろうか…

最近は奴の漠然とした恐怖と見られている感覚であまり眠れていない…本当に何とかしなければ…
それから休みの日になったが、奴は相変わらず俺の近くにいる。本当になんなんだ…攻撃してくるわけでも敵意があるわけでもない、そんなことを考えていると俺は思い切り後ろに引っ張られた…!!!









俺が振り向くと、あいつが俺を後ろから抱き抱える形で引き寄せたらしい。そしてその直後に車が俺の歩こうとしたところを走っていった。どうやら俺を助けてくれたらしい…

俺が「助けてくれたのか?」と聞くと彼女はゆっくり頷く、そこから一度帰宅することにして彼女のことを聞くことにした。

わかったのは

・まず彼女は最近数を増やしていっている魔物娘であること

・なぜずっとまとわりつくように近くにいたのかといえば魔物娘的感覚で美味しそうだったが恥ずかしかったということ

・喋らなかったのもそれが理由

とのことだった、人騒がせな…

とりあえず彼女が目の錯覚でも霊的なものでもなく魔物娘であることがわかったのでそこは安心した、しかしなにか言えよ…とは思う。

彼女の手が俺に触れ、ふわふわとした感触が俺の頭を撫で『怖がらせてごめんね…』と俺をそのまま抱き抱える…今日は久々によく寝れそうだ…。











翌朝、俺は彼女のことを聞いてみた。まず君は何者なのか?と聞くと『私、クリス。』と名前を教えてくれた。
次に「なぜ自分を選んだのか?」と聞いてみると『寂しそうで心で泣きそうだったから』と彼女は答えた。そんなに寂しそうにしていたかな…

幸い今日も休みなのでしばらく彼女に抱き抱えられていることにする、なぜか腹まで満たされていく…魔物娘とは本当にふしぎないきものだ…

それから少しして、俺が失踪扱いになるのはまた別の話…

おわり

24/04/06 02:57更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです

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