一途な想いと困惑 Earnest imagination and perplexity
翌日…
『あら?早いわね。』
「日課になってるんだなこれが。」
『戦い、終わったのに?』
「だから日課。」
『そう…。』
「終わったからシャワー浴びて来るよ。」
俺はシャワーを浴びに浴室に向かった。
「さて、これからどうするかな…。」
『入るわよ〜♪』
「もう今さらあたふたしない。」
『背中、流すわね♪』
「お、おう…。」
『加減、こんな感じでいいかしら?』
「…いい感じだ。」
『良かったぁ♪』
「!?」
ブランは後ろから抱き付いてきた、当然柔らかいものが当たり、俺も一応年頃の男子な訳で…。
『あらら?顔がリンゴみたいに真っ赤よ♪』
「…。(抑えろ、そうしないとどんどん転げ堕ちてしまう…。)」
『今度は私の背中、洗ってくれるかしら?』
「お、おう…。(とりあえず解放されたな、危なかった。)」
『出来たら手で洗ってくれるかしら?』
「俺の手、意外とカサついてるけどいいのか?」
『確かに意外とカサついてるわね…。』
「保湿しないとな、割れる前に…。」
『そうした方がいいわね、上がったら保湿剤塗るといいわ。』
「助かる。」
『ならタオルかスポンジでしてくれるかしら?』
「わかった、ってこれは一体!?」
『手袋とスポンジを1つにしたものよ♪』
「なんでそんなことを…。」
『夫婦で洗い合うときのためのものよ♪』
「少なくともまだ夫婦と決まってはいないだろ…。」
『まあ確かにそうね、[まだ]夫婦ではないわね。』
「まあこのままだとなるんだろうけど。」
『それがいいわね♪』
「それも悪くないと思ってるしな。」
『ふふふ♪』
「こんな感じでいいか?」
『少しくすぐったいわね♪』
「そうか…(ブランの肌、すべすべだ…こんな肌にくっつかれたら心地よいんだろうな…。)」
とりあえず何とかシャワーを終え、着替えた。
「グリネ村の様子を見に行こうかな…。」
『どうやって行くの?歩いて?』
「いや、転位術式を使おうかと。」
『そう、なら私も行くわね♪』
「あぁ。」
俺達はグリネ村に向かった。
「お、あれは?」
「ジュン…なのか?」
「村長!?」
「見違えたよ。」
「村長も蘇ったんだ、良かった…。」
「泣かなくてもいいから。」
「敵、討って来ました…。」
「教団の支配している街が次々と陥落していったのは、きみが関係していたのか。」
「はい、教団が総崩れになったところを魔王軍に任せてました。」
「聞いたところからするに、トップを殺したのが君なのか。」
「いえ、俺だけではないんです。」
「どういうことだ…?」
『彼は報復者を集めて教団のトップを殺していたのよ。』
「なるほど、同じ悲しみを持った者達なら裏切ることも少ないね。」
「おかげで俺も仲間達も全員敵討ちに成功しました。」
「そうか…。」
「まあ素直には喜べないのは分かります。」
「まあ無事で何よりだ。」
「はい!」
村の復興具合を確かめた後、俺達は魔王城に戻った。
「みんな蘇ってて良かった。」
『貴方が泣くところ、初めて見たわね…。』
「俺だって涙を流すさ。」
『まあ安心したわ♪』
「夕食らしいな。」
『行きましょう。』
「だな。」
夕食を済ませ、何をしようか考えているとブランが近づいて来た。
「なに?」
『好きな人のそばに居たいことに理由は必要ないわ♪』
「全く物好きな…。」
『何を言われても変わらないわよ♪』
「お、おう…。」
『ふふふ♪』
そう言ってブランは後ろから腕を回して来た。
「こんな殺戮者のどこがいいんだよ…。」
『貴方がただの殺戮者とは思わないわ。』
「だが殺戮は殺戮だろうよ…。」
『まぁそうね、だけど貴方がそうでもしないと自分を保てなかったことを私は知ってるのよ。』
「それでも俺のやったことは消えない。」
『?』
「どうにかして清算しないといけない。」
『その清算が私の夫になることよ♪』
「…。」
『?』
「俺達は、教団所属の奴らの憎しみを一心に集める存在だ。」
『…。』
「そんな奴の側に居れば、お前にも火の粉が降り掛かる。」
『…。』
「それがわからないわけじゃないだろう。」
『…。』
「だからやめた方がいいと言ったんだよ…。」
『降り掛かる火の粉がなくなればいいのよね?』
「俺達が教団所属の街や国を皆殺しにして血の海にすれば確実だろうな。」
『何なのよその地獄絵図…。』
「教団の奴らが言うには「魔物は存在自体が罪なおぞましい生き物で、人間を崩壊させる悪だ」と言っていたが、おぞましい生き物で悪はどっちだよって話だ。」
『かもしれないわね。』
「俺は俺の居場所のために邪魔をする奴らを殲滅するだけだ、善悪が入る余地はないよ。」
『…少なくとも教団の人間には言う権利はないわね。』
「犠牲を出さずに勝つなんて幻想に過ぎないんだよ。」
『幻想でも理想論でも、私達は私達の理想のために動くわよ、貴方と同じようにね。』
「それは強者だから出来ることだ、弱者に加減ができるわけもなし。したら自分たちが死ぬからな。」
『…。』
「生まれながらの強者と弱者の違いだ。」
『そんなに違いがあるものなの?』
「人間は自分たちより弱いものを虐げて自分を守る生き物だからな。」
『…。』
「そんな人間のどこがいいのか、全く今の代の魔王の考える事はわからん。」
『だからこそ人間がいとおしいのよ。』
「?」
『確かに人間は弱い生き物よ、だからこそいとおしい、だからこそ私達が愛さないといけないんだと思うわ♪』
「全く、適わんなぁ…。」
雑談をしているうちに眠くなってきたので、寝ることにした。
「んじゃ俺寝るわ、眠い。」
『私もいっしょに。』
「止めたところで聞かないのは分かってるから好きにしたらいい…。」
『そうさせてもらうわね♪』
結局、俺はブランに後ろから抱き抱えられる格好で寝ることになったが、はっきり言って眠れない…。
「…(目が冴えてしまって眠れない…。)」
『ふふ…。』
「…寝言か。」
『式は、いつに…。』
「なんとも、幸せそうだな…。」
『ぎゅ〜♪』
「!?」
一瞬のうちに俺は正面に身体の向きを変えられて思い切り密着されるかたちになっていた…。
「!(ブランの身体、すごく柔らかいし、すごくいい香りがするなぁ…。)」
俺は結局、一睡も出来なかった…。
『おはよう♪』
「あ、あぁ…。」
『どうしたの?』
「いや…。」
『?』
「…(抱き抱えられて興奮と緊張で眠れなかったなんて言ったら間違いなく堕とされる…。)」
『?』
「慣れないことをしたから眠れなかった。」
『あ、ごめんなさいね…。』
「慣れないといけないな…。」
『そうね…。』
「朝飯食べてくる。」
『行ってらっしゃい。』
何とか朝食を食べ終わり、部屋に戻るとブランはシャワー中だった。
「今のうちに一眠りしよう、そうしないと持たないな。」
眠ってしばらく経ち、身体の違和感で目を覚ました。
「何か変だな、って!?」
『ふふふ…。』
「ね、寝言か…。」
俺が感じていた違和感のもとはブランで、バスローブを来て抱き付いてきていた。
「ってバスローブはだけてるし…。」
『…。』
「…。(このままブランを襲ってしまおうか…、いやそれでは俺もタニアを傷つけた奴らと同じになってしまう、何とかして抑えないと…。)」
『そのまま…』
「よし、少し離れよう…。」
結局、俺はブランから離れて眠ることにした。
「多分これで大丈夫…。」
ブランから離れると、俺の意識はすぐに眠りに落ちて行った…。
『ずいぶん抑えているけど、襲ってくれていいのに。』
次に俺が目を覚ましたのは、昼過ぎだった。
「さて、これからどうするかな…。」
『そうね、する?』
「いい加減離れろよ…。」
『硬いわね〜♪』
「ほっとけよ…。」
『そういえば、ラミーに会いに行ったら?』
「そうだな、そうしよう。」
とにかく、俺達はラミーに会いに行くことにした。
「ラミー?」
『ジュン!』
「元気そうで何よりだ。」
『ジュンもね♪』
「そっちには慣れたか?」
『おかげさまでね。』
「何よりだ。」
『元気そうね。』
「良かった。」
『ブラン様まで〜♪』
「ん?何か話してるな、まぁ俺が聞かない方がいいこともあるだろう…。」
数分後、ブランはラミーとの会話を終えて戻ってきた。
「何の話だったんだ?」
『まぁいろいろね。』
「深くは聞かないことにしよう。」
『別に聞いてもいいのに。』
なんだかんだでラミーは元気でいたので、安心して魔王城に戻ることが出来た。
「さて、昼食べるかな。」
『そうね♪』
昼食後、ブランが両親に自分を紹介すると言ったので行くことにした。
「伝説の勇者と魔王の夫婦、会うのに緊張しないわけがない…。」
『そんなに固くならなくていいわよ…♪』
「…。」
話しているうちに、魔王夫妻の部屋の前に着いたようだ。
『パパ、ママ、入るわよ〜♪』
「…。」
「ブラン、そちらの青年は?」
「俺はジュンと言います、別の世界からこの世界に飛ばされて来ました。」
『彼、すごく強いのよ〜♪』
「いや、俺は脆いって…。」
『ふ〜ん、貴方がブランの言ってた人ね、一教団騎士団を一人で全滅させたっていう。』
「そうです。」
「もう報復は止めたのかい?」
「少なくとも今のところは。」
『ならこのまま二人で幸せになっちゃいなさいよ、それがいいわ♪』
「そうだね、君も幸せになる権利があるはずさ。」
「雇い主を見殺しにした俺に?」
『話は聞いたけど、不可抗力じゃない、それに彼らはもう蘇ったのよ、貴方が責任を感じる必要はもうないわよ♪』
「…。」
「なかなか責任感があるね、君にならブランを任せられそうだ。」
「親御さんからもOKでた!?」
『えぇ、幸せにね♪』
『うん♪』
「…。(覚悟決めた方がいいかもしれないな…。)」
『ところで。』
「はい?」
『貴方達、もう済ませたの?』
「いきなり何を!?」
『まだよ、彼、なかなか硬いのよ。』
「硬派だね、ますます気に入ったよ。」
「え、あ、はぁ…。」
『多分彼なら、ブランだけを一途に愛してくれるわね。』
「ブランをよろしく頼むよ。」
もうどう足掻いても逃げられないようだ…。
『逃がさないわよ♪』
「いや、逃げないって…。」
『逃げたところで地の果てまで追いかけるわよ♪』
「逃げないったら…。」
『それならいいんだけど。』
そう遠くないうちに、ブランと結ばれることになるのだろうと俺は思った…。
『あら?早いわね。』
「日課になってるんだなこれが。」
『戦い、終わったのに?』
「だから日課。」
『そう…。』
「終わったからシャワー浴びて来るよ。」
俺はシャワーを浴びに浴室に向かった。
「さて、これからどうするかな…。」
『入るわよ〜♪』
「もう今さらあたふたしない。」
『背中、流すわね♪』
「お、おう…。」
『加減、こんな感じでいいかしら?』
「…いい感じだ。」
『良かったぁ♪』
「!?」
ブランは後ろから抱き付いてきた、当然柔らかいものが当たり、俺も一応年頃の男子な訳で…。
『あらら?顔がリンゴみたいに真っ赤よ♪』
「…。(抑えろ、そうしないとどんどん転げ堕ちてしまう…。)」
『今度は私の背中、洗ってくれるかしら?』
「お、おう…。(とりあえず解放されたな、危なかった。)」
『出来たら手で洗ってくれるかしら?』
「俺の手、意外とカサついてるけどいいのか?」
『確かに意外とカサついてるわね…。』
「保湿しないとな、割れる前に…。」
『そうした方がいいわね、上がったら保湿剤塗るといいわ。』
「助かる。」
『ならタオルかスポンジでしてくれるかしら?』
「わかった、ってこれは一体!?」
『手袋とスポンジを1つにしたものよ♪』
「なんでそんなことを…。」
『夫婦で洗い合うときのためのものよ♪』
「少なくともまだ夫婦と決まってはいないだろ…。」
『まあ確かにそうね、[まだ]夫婦ではないわね。』
「まあこのままだとなるんだろうけど。」
『それがいいわね♪』
「それも悪くないと思ってるしな。」
『ふふふ♪』
「こんな感じでいいか?」
『少しくすぐったいわね♪』
「そうか…(ブランの肌、すべすべだ…こんな肌にくっつかれたら心地よいんだろうな…。)」
とりあえず何とかシャワーを終え、着替えた。
「グリネ村の様子を見に行こうかな…。」
『どうやって行くの?歩いて?』
「いや、転位術式を使おうかと。」
『そう、なら私も行くわね♪』
「あぁ。」
俺達はグリネ村に向かった。
「お、あれは?」
「ジュン…なのか?」
「村長!?」
「見違えたよ。」
「村長も蘇ったんだ、良かった…。」
「泣かなくてもいいから。」
「敵、討って来ました…。」
「教団の支配している街が次々と陥落していったのは、きみが関係していたのか。」
「はい、教団が総崩れになったところを魔王軍に任せてました。」
「聞いたところからするに、トップを殺したのが君なのか。」
「いえ、俺だけではないんです。」
「どういうことだ…?」
『彼は報復者を集めて教団のトップを殺していたのよ。』
「なるほど、同じ悲しみを持った者達なら裏切ることも少ないね。」
「おかげで俺も仲間達も全員敵討ちに成功しました。」
「そうか…。」
「まあ素直には喜べないのは分かります。」
「まあ無事で何よりだ。」
「はい!」
村の復興具合を確かめた後、俺達は魔王城に戻った。
「みんな蘇ってて良かった。」
『貴方が泣くところ、初めて見たわね…。』
「俺だって涙を流すさ。」
『まあ安心したわ♪』
「夕食らしいな。」
『行きましょう。』
「だな。」
夕食を済ませ、何をしようか考えているとブランが近づいて来た。
「なに?」
『好きな人のそばに居たいことに理由は必要ないわ♪』
「全く物好きな…。」
『何を言われても変わらないわよ♪』
「お、おう…。」
『ふふふ♪』
そう言ってブランは後ろから腕を回して来た。
「こんな殺戮者のどこがいいんだよ…。」
『貴方がただの殺戮者とは思わないわ。』
「だが殺戮は殺戮だろうよ…。」
『まぁそうね、だけど貴方がそうでもしないと自分を保てなかったことを私は知ってるのよ。』
「それでも俺のやったことは消えない。」
『?』
「どうにかして清算しないといけない。」
『その清算が私の夫になることよ♪』
「…。」
『?』
「俺達は、教団所属の奴らの憎しみを一心に集める存在だ。」
『…。』
「そんな奴の側に居れば、お前にも火の粉が降り掛かる。」
『…。』
「それがわからないわけじゃないだろう。」
『…。』
「だからやめた方がいいと言ったんだよ…。」
『降り掛かる火の粉がなくなればいいのよね?』
「俺達が教団所属の街や国を皆殺しにして血の海にすれば確実だろうな。」
『何なのよその地獄絵図…。』
「教団の奴らが言うには「魔物は存在自体が罪なおぞましい生き物で、人間を崩壊させる悪だ」と言っていたが、おぞましい生き物で悪はどっちだよって話だ。」
『かもしれないわね。』
「俺は俺の居場所のために邪魔をする奴らを殲滅するだけだ、善悪が入る余地はないよ。」
『…少なくとも教団の人間には言う権利はないわね。』
「犠牲を出さずに勝つなんて幻想に過ぎないんだよ。」
『幻想でも理想論でも、私達は私達の理想のために動くわよ、貴方と同じようにね。』
「それは強者だから出来ることだ、弱者に加減ができるわけもなし。したら自分たちが死ぬからな。」
『…。』
「生まれながらの強者と弱者の違いだ。」
『そんなに違いがあるものなの?』
「人間は自分たちより弱いものを虐げて自分を守る生き物だからな。」
『…。』
「そんな人間のどこがいいのか、全く今の代の魔王の考える事はわからん。」
『だからこそ人間がいとおしいのよ。』
「?」
『確かに人間は弱い生き物よ、だからこそいとおしい、だからこそ私達が愛さないといけないんだと思うわ♪』
「全く、適わんなぁ…。」
雑談をしているうちに眠くなってきたので、寝ることにした。
「んじゃ俺寝るわ、眠い。」
『私もいっしょに。』
「止めたところで聞かないのは分かってるから好きにしたらいい…。」
『そうさせてもらうわね♪』
結局、俺はブランに後ろから抱き抱えられる格好で寝ることになったが、はっきり言って眠れない…。
「…(目が冴えてしまって眠れない…。)」
『ふふ…。』
「…寝言か。」
『式は、いつに…。』
「なんとも、幸せそうだな…。」
『ぎゅ〜♪』
「!?」
一瞬のうちに俺は正面に身体の向きを変えられて思い切り密着されるかたちになっていた…。
「!(ブランの身体、すごく柔らかいし、すごくいい香りがするなぁ…。)」
俺は結局、一睡も出来なかった…。
『おはよう♪』
「あ、あぁ…。」
『どうしたの?』
「いや…。」
『?』
「…(抱き抱えられて興奮と緊張で眠れなかったなんて言ったら間違いなく堕とされる…。)」
『?』
「慣れないことをしたから眠れなかった。」
『あ、ごめんなさいね…。』
「慣れないといけないな…。」
『そうね…。』
「朝飯食べてくる。」
『行ってらっしゃい。』
何とか朝食を食べ終わり、部屋に戻るとブランはシャワー中だった。
「今のうちに一眠りしよう、そうしないと持たないな。」
眠ってしばらく経ち、身体の違和感で目を覚ました。
「何か変だな、って!?」
『ふふふ…。』
「ね、寝言か…。」
俺が感じていた違和感のもとはブランで、バスローブを来て抱き付いてきていた。
「ってバスローブはだけてるし…。」
『…。』
「…。(このままブランを襲ってしまおうか…、いやそれでは俺もタニアを傷つけた奴らと同じになってしまう、何とかして抑えないと…。)」
『そのまま…』
「よし、少し離れよう…。」
結局、俺はブランから離れて眠ることにした。
「多分これで大丈夫…。」
ブランから離れると、俺の意識はすぐに眠りに落ちて行った…。
『ずいぶん抑えているけど、襲ってくれていいのに。』
次に俺が目を覚ましたのは、昼過ぎだった。
「さて、これからどうするかな…。」
『そうね、する?』
「いい加減離れろよ…。」
『硬いわね〜♪』
「ほっとけよ…。」
『そういえば、ラミーに会いに行ったら?』
「そうだな、そうしよう。」
とにかく、俺達はラミーに会いに行くことにした。
「ラミー?」
『ジュン!』
「元気そうで何よりだ。」
『ジュンもね♪』
「そっちには慣れたか?」
『おかげさまでね。』
「何よりだ。」
『元気そうね。』
「良かった。」
『ブラン様まで〜♪』
「ん?何か話してるな、まぁ俺が聞かない方がいいこともあるだろう…。」
数分後、ブランはラミーとの会話を終えて戻ってきた。
「何の話だったんだ?」
『まぁいろいろね。』
「深くは聞かないことにしよう。」
『別に聞いてもいいのに。』
なんだかんだでラミーは元気でいたので、安心して魔王城に戻ることが出来た。
「さて、昼食べるかな。」
『そうね♪』
昼食後、ブランが両親に自分を紹介すると言ったので行くことにした。
「伝説の勇者と魔王の夫婦、会うのに緊張しないわけがない…。」
『そんなに固くならなくていいわよ…♪』
「…。」
話しているうちに、魔王夫妻の部屋の前に着いたようだ。
『パパ、ママ、入るわよ〜♪』
「…。」
「ブラン、そちらの青年は?」
「俺はジュンと言います、別の世界からこの世界に飛ばされて来ました。」
『彼、すごく強いのよ〜♪』
「いや、俺は脆いって…。」
『ふ〜ん、貴方がブランの言ってた人ね、一教団騎士団を一人で全滅させたっていう。』
「そうです。」
「もう報復は止めたのかい?」
「少なくとも今のところは。」
『ならこのまま二人で幸せになっちゃいなさいよ、それがいいわ♪』
「そうだね、君も幸せになる権利があるはずさ。」
「雇い主を見殺しにした俺に?」
『話は聞いたけど、不可抗力じゃない、それに彼らはもう蘇ったのよ、貴方が責任を感じる必要はもうないわよ♪』
「…。」
「なかなか責任感があるね、君にならブランを任せられそうだ。」
「親御さんからもOKでた!?」
『えぇ、幸せにね♪』
『うん♪』
「…。(覚悟決めた方がいいかもしれないな…。)」
『ところで。』
「はい?」
『貴方達、もう済ませたの?』
「いきなり何を!?」
『まだよ、彼、なかなか硬いのよ。』
「硬派だね、ますます気に入ったよ。」
「え、あ、はぁ…。」
『多分彼なら、ブランだけを一途に愛してくれるわね。』
「ブランをよろしく頼むよ。」
もうどう足掻いても逃げられないようだ…。
『逃がさないわよ♪』
「いや、逃げないって…。」
『逃げたところで地の果てまで追いかけるわよ♪』
「逃げないったら…。」
『それならいいんだけど。』
そう遠くないうちに、ブランと結ばれることになるのだろうと俺は思った…。
15/03/25 11:57更新 / サボテン
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