相思相愛を望む、おかしなバイコーンの私
「春海! 荷物が多いから運ぶの」
「断る」
「手伝ってドチクショー!」
肩を竦める私、塩山 春海。
ブリッジで奇声を発する幼なじみである海山 健。
今は夏休み前で、成績を決める為にこの高校では一週間授業が半ドンなのだけど、こいつは纏めて荷物を持っていくつもりらしい、私を使って。
「荷物なら私みたいに小分けで運べよ、面倒な奴だな」
「そんなこと言わないでくれよ、春海! 俺たち、幼なじみ」
「ふうん、私を荷馬車代わりに使うのが幼なじみなのか」
「だろう……全くそうは思いません」
「……まあいいや、半分の量なら載せられるし。今日だけだからな」
「ありがとう春海たん! んまっ!」
「男の投げキッスは気持ち悪いな、あと春海たんはよせ」
私は下駄箱でゴム製の蹄鉄を履かせてもらい、健の荷物を黒毛の下半身に掛ける。
「春海がバイコーンで助かったわー、まじ助かったわー」
「木〇ボイスでミサ〇顔するな、殴りたくなる」
私はため息をつく。
こいつは昔からこうなのだ。
とにかくその場その場のテンションは高いし、奇行しかしない。
最近ではブリッジのままで階段上り下りするとか、オレンジレン〇熱唱しながら廊下をパンツだけで逆立ち歩きするとか。
「春海、肩車してくれ」
「角で乳首貫くぞ」
「じゃあいい……」
ふざけた提案を却下しつつ私は健と歩く。
こいつの奇行には私まで巻き込まれる。
だがこいつは私が止めないと保育園に全裸で入るような奴なので、離れる訳にもいかない。
「なあ春海婆さん」
「なんだ健爺さん」
「明日給料日だし、今のお詫びに何か奢ってやる。何が食いたい?」
頭は十本近くネジが吹っ飛んでいる健だが、このように下手な男より根はしっかりしている。
私はちょっと考え、
「蕎麦屋」
と、言った。
昔はお年玉を出し合って健と私で「くやしいのぅwwwくやしいのぅwww一杯だけでくやしいのぅwww」と言いながら、一杯の天ぷらそばを食べていたのを思いだし、久しぶりに食べたくなったのだ。
「蕎麦屋か! 天ぷらそばにするのか?」
「ああ。……よくわかったな」
「十年の付き合いだ! それぐらいはわかる!」
馬鹿なのに、こうゆうことばかりは覚えていたり、気持ちが伝わったりする。
悲しいことに、幼なじみとはそういうものだ。
こいつの気持ちは多分、一日中付き合えばわかるだろうけど。
「あ、良かったら俺んち行くか。母さんなら大歓迎するし」
「やだよ、行く度に結婚はいつとか、妊娠はいつとか聞かれるし」
「じゃあ春海んち」
「荷物どうすんだ」
「婆ちゃんの家が途中にあるから置いてけばいい」
婆ちゃんとは私の祖母(ユニコーン)の家だ。
こいつは孫でもないのに私共々異常に可愛がられてきた。
小学校高学年の頃は一緒に泊まったものだが。
「私のお祖母ちゃんなんだからな、勘違いするなよ?」
「わかってるさ」
こいつがこう言うと八割方わかっていない。
「とゆうわけで、お婆ちゃぁあああん! 荷物置いてくなぁあああ!」
「大声出すなバカ!」
「はいよぉおおお! 明日漬け物できるからまた来なさぁあああい!」
「お祖母ちゃんも乗っかるな!」
叫ぶ健を引きずり、大急ぎで私の家に向かう。
私は鍵を開け、蹄鉄を脱いでから荷物をリビングに置いて、私の部屋へ健と一緒に入る。
「相変わらず広い部屋とベッドだよな、ラブホのキングサイズぐらいあるんじゃね」
「それぐらいないと落ちるんだよ、私が寝相悪いの知ってるだろ」
「ああ、そうだ。それで俺は落とされて骨折したんだったな」
「今更思い出したのか」
苦笑してしまう私。
健はというと部屋にある冷蔵庫から勝手にコーラを取り出し、一気に飲んで、鼻と口、両方から吹いている。
「ゲホッ……ゲホアッ! メン〇ス入れたの誰だドチクショー!」
恐らく私の妹だろうが、まさか健が一発で引き当てるとは。
私はオレンジジュースを飲みながら、健にタオルを投げる。
「あ、ありがとう……」
「拭くの終わったらそろそろするか」
「ん? 何をだ?」
「いつもの」
「……? あー、わかってる、わかってるから立って黄金の後ろ足を用意するな春海。兎に角やろう」
私と健は服を脱ぎ、健が後ろに回る。
「何だ、今日はバックがいいのか?」
「ん? 前がいいならそっちにするけど」
「後ろでいい」
見えないけれど健が私の後ろに回り、ある程度のペッティングをし、適度に後ろの膣を濡らしてから私の前に座る。
「……何がいい? 手コキ? パイズリ?」
「一番いいフェラチオを頼む」
「決め顔気持ち悪いからやめろって……れろ」
私は健の萎えているペニスを舐める。
皮を剥いて舌先で先端を少し舐めただけで健のペニスは肥大化し、私の手ぐらいの大きさになった。
その後は根元から舐め上げ、ビクンと動いてから口にゆっくり入れていく。
健が漫画のように早くフェラされたいと言い、やったことがあるのだが、私の喉奥を思い切りペニスが突き上げて……吐いた。
チンコ溶けるし、春海がツラいからやめよう、ごめん。
と、申し訳無さそうな様子だった健の顔はまだ記憶に新しい。
「春海っ……もう出そうだっ……」
「む゛っ!」
鼻にまで広がるイカ臭い精液を、私の口の中でペニスが放った。
数回飲めばもう慣れて、今はちょっと苦いカルピスのように感じている私はおかしいのか。
けれどこれは健の精液だからであり、他の男の精液なんか味を想像しただけで吐く自信がある。
「相変わらず多いな」
「春海の為に一週間オナニーしなかったんだ! ふ、我が恋人の為に精液を熟成するのは当然のことだとは思わぬか、春海クン」
「はいはい、そーだな健ハカセ」
ウェットティッシュで顔を拭こうとすると、健がすでに私の顔を拭き始めた。
「白化粧じゃかぶれるだろう?」
「…………ありがと」
こいつは変なとこで気遣いをする。
***
夜。
一向に萎えることのなかった健のペニスは、ようやく打ち止めになった。
前後の性器から溢れ出す精液を二人がかりでウェットティッシュで拭き、セックスと暑さで出た汗をタオルで拭く。
「健、風呂一緒にいいか。長柄ブラシが壊れて一人じゃ洗えないんだ」
「おう」
私は裸のまま健と浴室に向かい、湯が張るまでシャワーを浴びる。
前の方は自分で洗い、後ろの方は健にブラシで洗ってもらう。
「やっぱり」
「ん?」
「やっぱり春海の毛並みはいいよなあ。バイコーンだからか?」
「お前の精液貰ってるからだろ。ユニコーンのときはレイプされるまで、お前とセックスしなかったし」
「……すまん」
「何がだよ、レイプしたのは健じゃないだろ。深夜出歩いてた私も悪いしな」
微笑んではみるが健の顔は浮かないままだ。
私は元から二つ角のバイコーンではなく、一本角のユニコーンだった。
去年の冬、受験から解放されて浮かれ、遅くまで遊びにいっていた。
その時に裏路地を通り、物陰に潜んでいた男――指名手配されていた連続レイプ犯に犯された。
奴は何人もの魔物と交わっていたらしく、私は起きたらバイコーンになっていた。
翌日、春海の敵討ちだとサイケデリックな女装をした健により、暗がりから襲いかかったレイプ犯は捕まったのだけれど、健は怒ったままだった。
理由を聞けば責任が取れないのにセックスして、しかも私の人生を変えたから怒っている、と気持ち悪い女装の健は言った。
別にバイコーンになったからといって学校を退学になる訳ではないし、最近は医学だって発達しているから、きちんと本人と配偶者の意志を持てば処方した薬でハーレム効果だって抑えられる。
まあ、奴はそんなことお構い無しに怒っているんだろう。
……あの日、遊んだときに私と喧嘩して、ついて行かなかった自分にも。
「春海」
「ん、なんだ」
「すまん」
「……大丈夫、気にしてない」
毎回繰り返すセリフを言って、私たちは黙って体を洗い、それから部屋に戻り、二人で布団に入る
「電話しなくていいのか、健」
「俺が一日いないくらい、俺の父親は気にしないだろ、むしろ喜ぶんじゃないか」
「……そっか」
こいつは母親の連れ子であり、今の父親には小さい頃から暴力を振るわれていた。
そして暴力を振るわれないよう、父親を引かせるため、奇行の道化を演じるうちに――こんなおかしな奴になってしまった。
家にいるときのこいつはいつもよりおかしくて、精神に異常をきたしているようだった。
だが私の家、そして私といればだいぶ大人しくなり、かなり落ち着いている。
「どうしたんだ、春海。いやに抱きついて」
「……湯冷め」
適当なことを言っておいて、私は健に抱きつく。
私達は互いなしじゃ生きていけない、健は社会的にも。
ハーレムなんか作る気にもなれないし。
私はバイコーンとしてもかなり変人なんだろう、健と同じくらいに。
だからといって変人をやめるつもりはない。
「健、その」
「ウェ、どうした春海」
「あ、愛してる」
「お、俺もだ、い、一番大好きなガ〇トの山盛りポテトぐらい……」
「死ね! 永遠におやすみなさい!」
そんな短い会話を終わらせ、私は眠り始める。
とりあえず明日はお祖母ちゃんちに行き、その後蕎麦屋で健とお祖母ちゃんと一緒にお昼ご飯でも食べよう、なんて当たり前だけど、私には幸せな風景を思って。
(完)
「断る」
「手伝ってドチクショー!」
肩を竦める私、塩山 春海。
ブリッジで奇声を発する幼なじみである海山 健。
今は夏休み前で、成績を決める為にこの高校では一週間授業が半ドンなのだけど、こいつは纏めて荷物を持っていくつもりらしい、私を使って。
「荷物なら私みたいに小分けで運べよ、面倒な奴だな」
「そんなこと言わないでくれよ、春海! 俺たち、幼なじみ」
「ふうん、私を荷馬車代わりに使うのが幼なじみなのか」
「だろう……全くそうは思いません」
「……まあいいや、半分の量なら載せられるし。今日だけだからな」
「ありがとう春海たん! んまっ!」
「男の投げキッスは気持ち悪いな、あと春海たんはよせ」
私は下駄箱でゴム製の蹄鉄を履かせてもらい、健の荷物を黒毛の下半身に掛ける。
「春海がバイコーンで助かったわー、まじ助かったわー」
「木〇ボイスでミサ〇顔するな、殴りたくなる」
私はため息をつく。
こいつは昔からこうなのだ。
とにかくその場その場のテンションは高いし、奇行しかしない。
最近ではブリッジのままで階段上り下りするとか、オレンジレン〇熱唱しながら廊下をパンツだけで逆立ち歩きするとか。
「春海、肩車してくれ」
「角で乳首貫くぞ」
「じゃあいい……」
ふざけた提案を却下しつつ私は健と歩く。
こいつの奇行には私まで巻き込まれる。
だがこいつは私が止めないと保育園に全裸で入るような奴なので、離れる訳にもいかない。
「なあ春海婆さん」
「なんだ健爺さん」
「明日給料日だし、今のお詫びに何か奢ってやる。何が食いたい?」
頭は十本近くネジが吹っ飛んでいる健だが、このように下手な男より根はしっかりしている。
私はちょっと考え、
「蕎麦屋」
と、言った。
昔はお年玉を出し合って健と私で「くやしいのぅwwwくやしいのぅwww一杯だけでくやしいのぅwww」と言いながら、一杯の天ぷらそばを食べていたのを思いだし、久しぶりに食べたくなったのだ。
「蕎麦屋か! 天ぷらそばにするのか?」
「ああ。……よくわかったな」
「十年の付き合いだ! それぐらいはわかる!」
馬鹿なのに、こうゆうことばかりは覚えていたり、気持ちが伝わったりする。
悲しいことに、幼なじみとはそういうものだ。
こいつの気持ちは多分、一日中付き合えばわかるだろうけど。
「あ、良かったら俺んち行くか。母さんなら大歓迎するし」
「やだよ、行く度に結婚はいつとか、妊娠はいつとか聞かれるし」
「じゃあ春海んち」
「荷物どうすんだ」
「婆ちゃんの家が途中にあるから置いてけばいい」
婆ちゃんとは私の祖母(ユニコーン)の家だ。
こいつは孫でもないのに私共々異常に可愛がられてきた。
小学校高学年の頃は一緒に泊まったものだが。
「私のお祖母ちゃんなんだからな、勘違いするなよ?」
「わかってるさ」
こいつがこう言うと八割方わかっていない。
「とゆうわけで、お婆ちゃぁあああん! 荷物置いてくなぁあああ!」
「大声出すなバカ!」
「はいよぉおおお! 明日漬け物できるからまた来なさぁあああい!」
「お祖母ちゃんも乗っかるな!」
叫ぶ健を引きずり、大急ぎで私の家に向かう。
私は鍵を開け、蹄鉄を脱いでから荷物をリビングに置いて、私の部屋へ健と一緒に入る。
「相変わらず広い部屋とベッドだよな、ラブホのキングサイズぐらいあるんじゃね」
「それぐらいないと落ちるんだよ、私が寝相悪いの知ってるだろ」
「ああ、そうだ。それで俺は落とされて骨折したんだったな」
「今更思い出したのか」
苦笑してしまう私。
健はというと部屋にある冷蔵庫から勝手にコーラを取り出し、一気に飲んで、鼻と口、両方から吹いている。
「ゲホッ……ゲホアッ! メン〇ス入れたの誰だドチクショー!」
恐らく私の妹だろうが、まさか健が一発で引き当てるとは。
私はオレンジジュースを飲みながら、健にタオルを投げる。
「あ、ありがとう……」
「拭くの終わったらそろそろするか」
「ん? 何をだ?」
「いつもの」
「……? あー、わかってる、わかってるから立って黄金の後ろ足を用意するな春海。兎に角やろう」
私と健は服を脱ぎ、健が後ろに回る。
「何だ、今日はバックがいいのか?」
「ん? 前がいいならそっちにするけど」
「後ろでいい」
見えないけれど健が私の後ろに回り、ある程度のペッティングをし、適度に後ろの膣を濡らしてから私の前に座る。
「……何がいい? 手コキ? パイズリ?」
「一番いいフェラチオを頼む」
「決め顔気持ち悪いからやめろって……れろ」
私は健の萎えているペニスを舐める。
皮を剥いて舌先で先端を少し舐めただけで健のペニスは肥大化し、私の手ぐらいの大きさになった。
その後は根元から舐め上げ、ビクンと動いてから口にゆっくり入れていく。
健が漫画のように早くフェラされたいと言い、やったことがあるのだが、私の喉奥を思い切りペニスが突き上げて……吐いた。
チンコ溶けるし、春海がツラいからやめよう、ごめん。
と、申し訳無さそうな様子だった健の顔はまだ記憶に新しい。
「春海っ……もう出そうだっ……」
「む゛っ!」
鼻にまで広がるイカ臭い精液を、私の口の中でペニスが放った。
数回飲めばもう慣れて、今はちょっと苦いカルピスのように感じている私はおかしいのか。
けれどこれは健の精液だからであり、他の男の精液なんか味を想像しただけで吐く自信がある。
「相変わらず多いな」
「春海の為に一週間オナニーしなかったんだ! ふ、我が恋人の為に精液を熟成するのは当然のことだとは思わぬか、春海クン」
「はいはい、そーだな健ハカセ」
ウェットティッシュで顔を拭こうとすると、健がすでに私の顔を拭き始めた。
「白化粧じゃかぶれるだろう?」
「…………ありがと」
こいつは変なとこで気遣いをする。
***
夜。
一向に萎えることのなかった健のペニスは、ようやく打ち止めになった。
前後の性器から溢れ出す精液を二人がかりでウェットティッシュで拭き、セックスと暑さで出た汗をタオルで拭く。
「健、風呂一緒にいいか。長柄ブラシが壊れて一人じゃ洗えないんだ」
「おう」
私は裸のまま健と浴室に向かい、湯が張るまでシャワーを浴びる。
前の方は自分で洗い、後ろの方は健にブラシで洗ってもらう。
「やっぱり」
「ん?」
「やっぱり春海の毛並みはいいよなあ。バイコーンだからか?」
「お前の精液貰ってるからだろ。ユニコーンのときはレイプされるまで、お前とセックスしなかったし」
「……すまん」
「何がだよ、レイプしたのは健じゃないだろ。深夜出歩いてた私も悪いしな」
微笑んではみるが健の顔は浮かないままだ。
私は元から二つ角のバイコーンではなく、一本角のユニコーンだった。
去年の冬、受験から解放されて浮かれ、遅くまで遊びにいっていた。
その時に裏路地を通り、物陰に潜んでいた男――指名手配されていた連続レイプ犯に犯された。
奴は何人もの魔物と交わっていたらしく、私は起きたらバイコーンになっていた。
翌日、春海の敵討ちだとサイケデリックな女装をした健により、暗がりから襲いかかったレイプ犯は捕まったのだけれど、健は怒ったままだった。
理由を聞けば責任が取れないのにセックスして、しかも私の人生を変えたから怒っている、と気持ち悪い女装の健は言った。
別にバイコーンになったからといって学校を退学になる訳ではないし、最近は医学だって発達しているから、きちんと本人と配偶者の意志を持てば処方した薬でハーレム効果だって抑えられる。
まあ、奴はそんなことお構い無しに怒っているんだろう。
……あの日、遊んだときに私と喧嘩して、ついて行かなかった自分にも。
「春海」
「ん、なんだ」
「すまん」
「……大丈夫、気にしてない」
毎回繰り返すセリフを言って、私たちは黙って体を洗い、それから部屋に戻り、二人で布団に入る
「電話しなくていいのか、健」
「俺が一日いないくらい、俺の父親は気にしないだろ、むしろ喜ぶんじゃないか」
「……そっか」
こいつは母親の連れ子であり、今の父親には小さい頃から暴力を振るわれていた。
そして暴力を振るわれないよう、父親を引かせるため、奇行の道化を演じるうちに――こんなおかしな奴になってしまった。
家にいるときのこいつはいつもよりおかしくて、精神に異常をきたしているようだった。
だが私の家、そして私といればだいぶ大人しくなり、かなり落ち着いている。
「どうしたんだ、春海。いやに抱きついて」
「……湯冷め」
適当なことを言っておいて、私は健に抱きつく。
私達は互いなしじゃ生きていけない、健は社会的にも。
ハーレムなんか作る気にもなれないし。
私はバイコーンとしてもかなり変人なんだろう、健と同じくらいに。
だからといって変人をやめるつもりはない。
「健、その」
「ウェ、どうした春海」
「あ、愛してる」
「お、俺もだ、い、一番大好きなガ〇トの山盛りポテトぐらい……」
「死ね! 永遠におやすみなさい!」
そんな短い会話を終わらせ、私は眠り始める。
とりあえず明日はお祖母ちゃんちに行き、その後蕎麦屋で健とお祖母ちゃんと一緒にお昼ご飯でも食べよう、なんて当たり前だけど、私には幸せな風景を思って。
(完)
13/03/16 23:08更新 / 二酸化O2