滅亡の日
巨大な隕石が地球に落ちて、人類は滅亡する。
そんなありきたりな終わりが、人類という種に与えられた最後だった。
私は天文学者だった。
それを知った私は国にそれを報告し、あらゆる手段が行われたが……、結果は無意味だった。
よってある決断が行われた。
それらは知った一部の人間以外にはパニックを防ぐために伝えられず、大多数の人類はまた明日が来ると信じながら、滅びを待つという事を。
「ねえ、最後の夜、一緒に楽しみましょう」
それは同じ世界の滅びを知る天文学者の同僚の女性からの言葉だった。
偶然とはいえ、その隕石は夜に落ちる。
大多数の人は眠りについたまま、終わりを迎えるのだった。
私は彼女の提案を飲んだ。
「ああ……♡良いわ、もっと激しくして♡」
彼女との初めてで最後の交わり、それは素晴らしかった。
私は童貞だったが、そんなこと関係なくただ恐怖を紛らわすかのように交わり快楽を味わった。
空を見る、夜が明るくなる。
多くの人々は降ってくるそれを理解するのに時間がかかるだろう。
それで良い。
隕石が落ちてくる、その最後まで。
ラッパの音が聞こえた。
巨大な衝撃と共に地面が割れた。
地割れに私は落ちていく。
家族は落ちずに済んだだろうか。
落ちる、落ちる、落ちる。
下には溶岩が見えた。
私はそこに落ちるのだろう。
……ふと家族の顔を思い出す。
ちゃんと朝の喧嘩の仲直りしてなかったなぁ……。
だが溶岩は身を焼かなかった。
身体の奥底から何かが焼けていく。
熱さがまとわりつく。
熱い熱い熱い、それに戸惑っている内に溶岩が様子を変えた。
溶岩が地上に噴き出すのだ。
私は溶岩と共に打ち上げられる。
そして見つける。
家族の姿を。
すでに家族の姿は衣服を焼かれて裸だった。
娘は炎の精霊みたいな姿になって恋人を犯していた。
息子は隣に住んでいた少女に犯されている。
少女の後ろには炎でできた尻尾と耳が生えていた。
そして夫は逞しい性器を大きくさせながら私を見ていた。
私は夫の胸に飛び込む。
触れるだけでお互いイき、精液と愛液が溢れ出す。
だが熱は止まない。
燃えるようなキス、燃えるような交わり。
火に街は焼かれていく。
その中で人々は交わり尽くし、大乱交の状態と化していた。
綺麗なお花を育てていた姉妹、2人はお互い寄り添っていた。
終わりのその時まで。
そして目が覚めると花はなかった。
だが花はあることが直感できた。
目の前の血縁にキスをして愛撫する。
ただ愛おしくて。
「お、お前たちその姿は……!」
1人で姉妹を育てた父の声が聞こえる。
2人はそんな愛しい父を呼ぶ。
そこには花がある。
綺麗な花、そして甘い蜜、そしてその中にある二つの雌蕊……、そう彼女らは花となっていた。
だがまだ足りない……。
「「お父さん、甘い蜜をどうぞ」」
最後のピースとなる雄蕊が。
もはや思考は働かない。
すでに花の香りで心は解かされていた。
父はその間に足を踏み入れる。
花が閉じられる。
そして次に開く時、美しい花と化した3人が見られるだろう。
波が街を覆う、港町を覆い、全てを海に引き摺り込む。
だが何故か息ができる。
周りも見える。
周りを見渡すといろんな海洋生物の特徴を捉えた姿へと成り果てた女性が他の女性や男性を捉えていく。
私は沈む中で彼らを見ていた。
冷たいはずの海は、彼らの愛欲で温かくなる。
そして私の前にもそれは現れた。
「ただいま……!」
海に消えた彼女の姿で。
それは死者にさえ。
とある廃村。
数十年前、1人の老人を残し、災害で滅んだ村。
老人は目の前の光景を見て驚愕した。
死んだはずの村人たちが、目覚めて交わり合っているのだから。
多くの村人は飢える獣の如く、近くの人を襲う。
不思議なことは老人も居たはずなのだが何故かどれも若い姿へと変わり果てていたということである。
「お、おじい……ちゃんに……なったね……」
そして老人の長らく使ってなかった股間のそれはある女にしゃぶられて、久方ぶりに射精をした。
「……お前まで蘇ったのか?」
「……う……ん、これから……、ずっと……いっしょ」
それはかつて災害で亡くした恋人。
その笑顔はあの時と変わらなかった。
自分が死んでいるのだろうか、それでもこれが死後ならそれで良い。
老人は目の前の恋人の胸に身を投げる。
恋人は喜び、交わる。
人1人しか居なかった村は再び活気を取り戻す。
死者の大乱交の場と成り果てたとしても。
とある小さな島はその日、消えた。
それを知るのはまたしばらくかかった。
そこには一部のものしか知らない穴があった。
それが隕石によって開かれてしまった。
そこから漏れ出た混沌は人々を混沌に犯す。
気づけば男も女も常に交わる異形の怪物と成り果てた。
最後の1人がなった時、混沌に島は消えた。
隕石の中には別の生物も含まれていた。
それは触手で、何故か生き延びた人々に魔の手を伸ばす。
それはまず女を襲い、男は助けるも気づかない。
既に卵は植え付けられてしまっていることを。
とある避難所、それは目覚め、自分のつがいを堕とし、そして人々に手を伸ばした。
避難所と呼ばれたところから悲鳴が上がり、残ったのは触手に成り果てた男女のみであった。
男は星を見る。
そして地の星を見る。
「確かに人類最後の日よね」
男と交わりながら女はその生えた翼で空を飛び、ラッパを吹き鳴らす。
確かにそれは滅びの日であろう。
下を見ると、とある動物園では獣たちも人になり、同じように人も獣に成り果てた。
今や、動物園は新たな獣たちの交わりでいっぱいだった。
とある山ではキノコや植物が種を他に植え付けて仲間を増やしている。
人が大勢わたる交差点は、今や、多くの人々が交わり合う大乱交の場となっている。
気弱で夫の影に隠れがちだった後輩は、今や、豊かになったその胸で夫を搾り取っている。
化粧気がない先輩は、長年好意を寄せていた上司を犯してキスしていく。
危険物は何故か人を傷つけず、堕とすものに変わっていく。
精液と愛液が地面に……、否、下にいた人にあたっていく。
老若男女、否、死者でさえ愛と快楽を交わして交わっていく。
見知らぬ他人はもちろん、家族に見守られながら。
「悲しみの終わりなんて嫌でしょう?」
そう言った彼女の顔が可愛くてキスして射精した。
そしてそれから数ヶ月後、人類の八割が万魔殿へと行った。
時が止まった世界で人々は延々とあの大乱交の場で交わり続けるのだろう。
残った二割は僅かに残った人類の歴史を良い形で残していくと決めた。
「ねえ、あなたは何故ここに留まったの?」
空でいつものように妻と交わりながら、妻は聞いてくる。
私は射精しながら答えた。
「星を見るのが好きだからかな」
滅亡は新しい種の時代の始まりでもある。
私にはこれからどうなるかわからない。
だが確実なのは愛と快楽に満ちた時代になるだろう。
そんなありきたりな終わりが、人類という種に与えられた最後だった。
私は天文学者だった。
それを知った私は国にそれを報告し、あらゆる手段が行われたが……、結果は無意味だった。
よってある決断が行われた。
それらは知った一部の人間以外にはパニックを防ぐために伝えられず、大多数の人類はまた明日が来ると信じながら、滅びを待つという事を。
「ねえ、最後の夜、一緒に楽しみましょう」
それは同じ世界の滅びを知る天文学者の同僚の女性からの言葉だった。
偶然とはいえ、その隕石は夜に落ちる。
大多数の人は眠りについたまま、終わりを迎えるのだった。
私は彼女の提案を飲んだ。
「ああ……♡良いわ、もっと激しくして♡」
彼女との初めてで最後の交わり、それは素晴らしかった。
私は童貞だったが、そんなこと関係なくただ恐怖を紛らわすかのように交わり快楽を味わった。
空を見る、夜が明るくなる。
多くの人々は降ってくるそれを理解するのに時間がかかるだろう。
それで良い。
隕石が落ちてくる、その最後まで。
ラッパの音が聞こえた。
巨大な衝撃と共に地面が割れた。
地割れに私は落ちていく。
家族は落ちずに済んだだろうか。
落ちる、落ちる、落ちる。
下には溶岩が見えた。
私はそこに落ちるのだろう。
……ふと家族の顔を思い出す。
ちゃんと朝の喧嘩の仲直りしてなかったなぁ……。
だが溶岩は身を焼かなかった。
身体の奥底から何かが焼けていく。
熱さがまとわりつく。
熱い熱い熱い、それに戸惑っている内に溶岩が様子を変えた。
溶岩が地上に噴き出すのだ。
私は溶岩と共に打ち上げられる。
そして見つける。
家族の姿を。
すでに家族の姿は衣服を焼かれて裸だった。
娘は炎の精霊みたいな姿になって恋人を犯していた。
息子は隣に住んでいた少女に犯されている。
少女の後ろには炎でできた尻尾と耳が生えていた。
そして夫は逞しい性器を大きくさせながら私を見ていた。
私は夫の胸に飛び込む。
触れるだけでお互いイき、精液と愛液が溢れ出す。
だが熱は止まない。
燃えるようなキス、燃えるような交わり。
火に街は焼かれていく。
その中で人々は交わり尽くし、大乱交の状態と化していた。
綺麗なお花を育てていた姉妹、2人はお互い寄り添っていた。
終わりのその時まで。
そして目が覚めると花はなかった。
だが花はあることが直感できた。
目の前の血縁にキスをして愛撫する。
ただ愛おしくて。
「お、お前たちその姿は……!」
1人で姉妹を育てた父の声が聞こえる。
2人はそんな愛しい父を呼ぶ。
そこには花がある。
綺麗な花、そして甘い蜜、そしてその中にある二つの雌蕊……、そう彼女らは花となっていた。
だがまだ足りない……。
「「お父さん、甘い蜜をどうぞ」」
最後のピースとなる雄蕊が。
もはや思考は働かない。
すでに花の香りで心は解かされていた。
父はその間に足を踏み入れる。
花が閉じられる。
そして次に開く時、美しい花と化した3人が見られるだろう。
波が街を覆う、港町を覆い、全てを海に引き摺り込む。
だが何故か息ができる。
周りも見える。
周りを見渡すといろんな海洋生物の特徴を捉えた姿へと成り果てた女性が他の女性や男性を捉えていく。
私は沈む中で彼らを見ていた。
冷たいはずの海は、彼らの愛欲で温かくなる。
そして私の前にもそれは現れた。
「ただいま……!」
海に消えた彼女の姿で。
それは死者にさえ。
とある廃村。
数十年前、1人の老人を残し、災害で滅んだ村。
老人は目の前の光景を見て驚愕した。
死んだはずの村人たちが、目覚めて交わり合っているのだから。
多くの村人は飢える獣の如く、近くの人を襲う。
不思議なことは老人も居たはずなのだが何故かどれも若い姿へと変わり果てていたということである。
「お、おじい……ちゃんに……なったね……」
そして老人の長らく使ってなかった股間のそれはある女にしゃぶられて、久方ぶりに射精をした。
「……お前まで蘇ったのか?」
「……う……ん、これから……、ずっと……いっしょ」
それはかつて災害で亡くした恋人。
その笑顔はあの時と変わらなかった。
自分が死んでいるのだろうか、それでもこれが死後ならそれで良い。
老人は目の前の恋人の胸に身を投げる。
恋人は喜び、交わる。
人1人しか居なかった村は再び活気を取り戻す。
死者の大乱交の場と成り果てたとしても。
とある小さな島はその日、消えた。
それを知るのはまたしばらくかかった。
そこには一部のものしか知らない穴があった。
それが隕石によって開かれてしまった。
そこから漏れ出た混沌は人々を混沌に犯す。
気づけば男も女も常に交わる異形の怪物と成り果てた。
最後の1人がなった時、混沌に島は消えた。
隕石の中には別の生物も含まれていた。
それは触手で、何故か生き延びた人々に魔の手を伸ばす。
それはまず女を襲い、男は助けるも気づかない。
既に卵は植え付けられてしまっていることを。
とある避難所、それは目覚め、自分のつがいを堕とし、そして人々に手を伸ばした。
避難所と呼ばれたところから悲鳴が上がり、残ったのは触手に成り果てた男女のみであった。
男は星を見る。
そして地の星を見る。
「確かに人類最後の日よね」
男と交わりながら女はその生えた翼で空を飛び、ラッパを吹き鳴らす。
確かにそれは滅びの日であろう。
下を見ると、とある動物園では獣たちも人になり、同じように人も獣に成り果てた。
今や、動物園は新たな獣たちの交わりでいっぱいだった。
とある山ではキノコや植物が種を他に植え付けて仲間を増やしている。
人が大勢わたる交差点は、今や、多くの人々が交わり合う大乱交の場となっている。
気弱で夫の影に隠れがちだった後輩は、今や、豊かになったその胸で夫を搾り取っている。
化粧気がない先輩は、長年好意を寄せていた上司を犯してキスしていく。
危険物は何故か人を傷つけず、堕とすものに変わっていく。
精液と愛液が地面に……、否、下にいた人にあたっていく。
老若男女、否、死者でさえ愛と快楽を交わして交わっていく。
見知らぬ他人はもちろん、家族に見守られながら。
「悲しみの終わりなんて嫌でしょう?」
そう言った彼女の顔が可愛くてキスして射精した。
そしてそれから数ヶ月後、人類の八割が万魔殿へと行った。
時が止まった世界で人々は延々とあの大乱交の場で交わり続けるのだろう。
残った二割は僅かに残った人類の歴史を良い形で残していくと決めた。
「ねえ、あなたは何故ここに留まったの?」
空でいつものように妻と交わりながら、妻は聞いてくる。
私は射精しながら答えた。
「星を見るのが好きだからかな」
滅亡は新しい種の時代の始まりでもある。
私にはこれからどうなるかわからない。
だが確実なのは愛と快楽に満ちた時代になるだろう。
25/12/29 07:43更新 / デーカルス