読切小説
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世界を救う勇者の話
私はかつて勇者であった。
しかし力不足であった。

どんなに強い力があろうとも人の身では人を救えない。
故に私は真に人を救う力を求めた。
周りは私を狂人と呼び危険視した。

だがしかし、その時私はその力を手に入れたのだ。

「ゴルゴル国を滅ぼしたという魔女、セレンをこれより処刑する!」

都の中心、そこには大きなギロチンがある。
そしてそこで今切られようとしてるのは私だ。
だが恐怖は無い。
何故なら……

「ふん!この魔女め!さっさとくたばるが良い」

首は切られた。
しかし……

「きゃあぁぁぁぁ」

「水が!?お、溺れる!?」

「ドロドロしてて!?動きにくい!?」

私は死なない。
何故なら世界を救う力を手に入れたのだから。
この処刑場周りは窪みになっている。
そのため、私の粘液状に変化した身体からは逃げられない。

「か、身体が溶けるぅ♡」

「あ、足が無い♡」

「動けない♡なのに気持ちいい♡」

まずは女性に救いを与える。
老若問わず彼女達の身体は私の中で溶かされていく。
その間、男達からは争いの原因になる憎しみを溶かしていく。

「気持ちいいでしょ?憎しみなんて捨てて、愛を受け取りなさい」

「くっ!お前が俺の大切な人を今奪ったんだろうが!?」

「いいえ、奪ってはいませんよ?」

そして溶けていった女達は残ったコアを核に新たなスライム状の身体を手に入れたのだ。
愛する人と延々と交わえる肉体を。

「あはぁ♡♡こんなの知らなかったぁ♡こんなに良いならもっと最初からやってれば良かったぁ♡♡」

「あ、正気に戻れ!?あ、ああでるぅぅ」

生まれ変わった女達はそれぞれの想い人のところへ行き、その愛を伝えていく。

「や、止めろ!?お前達!?俺は王様だぞ!?」

「王様♡♡私達がちゃんと愛してなかったからこんな悪い子に……」

「私達が育て直してあげます♡♡」

暴君として有名だった王様も、かつては酷い暴力を受けていた妻達の愛を受け取っている。

「さあ♡愛を知った者達よ♡私が更なる救いを与えましょう♡」

まず王様達を招待しよう。
私の中は特殊である。
一種の異空間になっており、魔力あるものを飲み込めば私の身体をさらに大きくでき、私の中で快楽を与え続けることができる。

「や、止めろ!?バケモノ!?食べるなぁ!?」

「大丈夫ですよ♡もっと♡気持ちよくなりますから♡」

ああ♡また一人救われました♡
どんどん救っていきましょう。

「まさか、この歳になってこんなことになるとはのぉ……」

「爺さん♡一緒に行きましょう♡」

とある老夫婦だったカップル。

「ママ!?怖いよぉぉ!?ああ♡またでるぅ♡」

「あん♡だ、大丈夫よぉ♡ママがずーっとそばにいてあげるから♡こんなふうにたーくさん愛してあげるから♡」

一人で幼い息子を育ててた母親は、その変化した肉体で男としての成長を確かめながら、

「ねえ♡私の事好き?」

「……好きだよ」

「嬉しい!たーくさん気持ちよくしてあげる♡」

素直になれなかった幼馴染。

「おじちゃん♡気持ちいいよぉ♡もっと♡もっとだしてぇ♡」

「くそ!?ガキが煽るんじゃねぇ!?あ、でる!」

自分を買った主人に愛を捧げる奴隷の娘。

善悪問わず、悦びを分かち合い、憎しみから解放されて救済されていく。
そんな者たちを更なる救済の為、身体に取り込ませていき……。

処刑場の者たちを救済し終えた時には、家を飲み込めるぐらいの大きさになっていました。
ああ、これでさらに人々を救えます。

住宅街へ私は向かいます。

「に、逃げろ!!?」

みんなは逃げようとしますが、残念です。
私には貴方たちの愛を増幅させる眼があるのです。
ああ、ちょっと効きすぎたようです。
射精したり、潮吹きしたりしている人も居ますね。

さあ、しっかりと救済していきましょう。
最初の家は夫婦が幼い子供二人を抱きしめながら震えて篭ってました。
かわいそうに……、私の中ならそんな怖がる必要はありません。

「あん♡子供たちが見てる♡」

「でも♡身体が止まらない♡」

「ママぁぁ♡♡溶けちゃうよぉぉ♡♡溶けていっちゃうぅぅ♡♡」

「姉ちゃん♡♡きえないでぇぇ♡♡ああへんなの出るゥゥ♡」

悲しんでた彼らは悦びながらわたしの中に溶けていきます。

次の家は、新人冒険者たちの宿のようです。

「身体が♡♡ああ♡いう事を聞かない♡♡♡」

「さ、触らないで♡♡ああ♡♡♡気持ち良くて触られるだけで♡♡♡」

冒険者たちはわたしの魔眼の効果のおかげでもはやまともに動くこともできません。
もう貴方達は危険な冒険をする必要はないのです。
私の中で救われなさい。

「ああ♡♡溶けちゃう♡♡いやぁ♡♡」

「行くなぁ!?あ、あああああ♡♡」

わたしの中に沈む彼女に手を伸ばす彼……。
何と素晴らしい愛。
一緒にわたしの中で救いましょう……。

次は教会のようです。
救いを求める人たちの声がします……。

「ああ♡♡こんな傷だらけなのに♡気持ちいい♡痛くない♡」

「気持ちいい♡♡こんな身体になってもまだ気持ちいい♡♡」

そこには沢山の傷ついた人々が居ました。
一人のシスターは祈りをしていました。
そして私に気づくと……

「ああ……女神様?」

ええ、私は世界を救う女神になります。
だから私の中で救われなさい。

「女神様♡♡ありがっ!?」

まずは祈りを捧げた彼女を。

「ああ♡女神様ぁぁ♡♡♡」

「気持ちいいです♡♡♡♡気持ちいい♡♡女神様ぁ♡♡」

「しあわせっ♡♡♡からだが♡♡ぐちょくちょにされて♡溶かされて♡しあわせぇ♡♡♡」

そして傷ついた人々も救いを求めて、私に向かい飲み込まれて行きます。





そうやって街の人々も殆ど救い終わり、大きさは城並みになりました。

そして城に私は向かいました。
しかし結界が張られてて、入ることができません。
仕方ありません、貴方達に頼みます。

「はい♡必ず彼を救って見せます♡」

「もう戦う必要なんてないんだよと教えてきますね♡」

城に残ってるであろう人たちの恋人達を行かせる事にしました。

「ど、どうしたんだ!?その身体!?」

「あはぁ♡あの人に貰ったの♡もうこれさえあれば♡良いの♡だからね♡あなたもいただきまーす♡」

「や、やめろ!?結界が維持できなくなる!?ああ、でるぅ」

「良いよ、私のスライムボディを白くしてぇ♡♡」

「ほ、ほろんじゃう♡♡スライムに飲み込まれて国滅んでイグゥ♡」

あ、結界が解けたようです。

ならもう良いでしょう、城ごと救済しましょう……。



城の最上階。
そこに彼は居ました。
この国の王子。
父親と違って心優しき王子は、城の外を見て絶望の表情を浮かべていました。

「何という事だ……!」

それでも王子は頑張ってこの国を救おうと決意していました。
しかし……。

「グエル♡もう良いのよ♡」

「母上!?」

そこに居たのは幼い頃に無理やり王に犯されて自分を産み、そして死んだはずの母親であった。
王子が見たのは絵でしかない、だがその肉体は紫色の粘液になっているが間違いなく母だ。
そう本能で理解した。

「グエル♡ずっと会いたかったわ♡」

「俺もです……!母さん」

母は息子を抱きしめる。
優しく抱きしめる。

「でも俺はこの国を!?」

「よく外を見てみなさい、グエル」

王子は外を見た。
そこにあったのは、無邪気な笑顔を浮かべながら溶けて飲み込まれていく国民の姿だけだ。

「グエル、あなたも私に抱きしめられて嬉しいでしょう?暖かいでしょう?あの人はそれを全ての人に分け与えようとしてるの」

王子の体から力が抜けていく。
いつのまにか服も母の粘液で溶かされていく。

「だから私を蘇らせてくれたの、あなたを王子じゃない、ただのグエルにするために」

「母さん……」

もう剣は溶けてしまった。
だがもう一つの剣は……

「グエル♡愛してるわ♡♡母としても♡女としても♡♡」

「ああ♡母さんの中に俺のが♡♡」

母の粘液状の肉体に飲み込まれている。

「ほらぁ♡おっぱい飲んで良いのよ♡あなたはわたしの子供なんだから♡♡」

「母さん♡♡ああ♡♡」

そのスライムおっぱいを王子だった男は吸う。
かつて吸えなかった分を取り戻すかのように。

「あはぁぁ♡♡グエルのせーし♡♡たくさんキテル♡♡♡」

「ああ♡母さん♡母さん♡母さん♡あれ♡♡もっと♡♡」

「あん♡いいわよぉ♡もっと私にだしてぇ♡♡グエルの赤ちゃん産んであげる♡」

これこそが救い。
愛によって迷える魂を救済するのです。
そうやって飲み込む瞬間、ある声が聞こえました。

「……ありがとう女神様」

私は微笑みと共に彼らを救済しました。







(あはぁ♡♡ずっとでてるぅぅ♡)

(ああ、なんでこんなに悩んでだんだろうな?こんなに気持ちいいのに)

(この身体、好きなように姿形変えられる!こんなロリ体型はどう?)

(ああ、最高だ!)

(お母さん♡お兄ちゃんのが気持ちいいよぉぉ♡)

(よ、良かったわねぇ♡私もお父さんのでイグゥゥゥ♡)

(あはは♡お母さんとあいつのキスで舌がくっついちゃってる♡)

(失われちゃう♡気持ち良くて王国の歴史きえちゃうぅぅ♡)

ああ、喜びの声が聞こえる。
あらゆる苦しみから解放されて、愛を紡ぎあえる。
弱いものも、強いものも、良い人も、悪い人も、愛の前には一つなのです、
私という愛で女は溶かされて、女の愛で男は溶かされる。
私という愛に満ちた世界で、彼らに永遠の幸福を与える。

でもまだ遠くからは悲しみの声も聞こえる。
救わねば。

もう、勇者という名は捨てよう。
私は……救済の女神として全てを救おう。

次の国は、ここよりも酷く常に内戦が行われて憎しみ合ってるらしい。
救わないと……。







「くそ!!今日もアイツらのせいで大勢の仲間が!!」

「こっちだっててめえらのせいでどれだけの犠牲が!?」

「落ち着いて!?ジャック!?ここで争ったら大変よ!」

とある戦争の跡が残る街の一角で敵対する男達は言い争う。
しかし……

「救いを……」

声が聞こえた。
音ではなく心に直接。

「何だ!?この声は!?」

聞こえた方に目を向けるとそこには……

「苦しみのない永遠の幸福の世界を……」

「なんだぁ!?あれは!?」

「女神!?」

巨大な美しい女の巨人が街の入り口まで歩いてきている。
そして……

「……救いを!」

その声と共に女神の身体は紫色の粘液へと変化して街を飲み込んでいく……。
気が狂いそうな快楽と共に……







その紫の粘液が全てを覆う時、一つの救済がなされるであろう





23/11/05 23:05更新 / デーカルス

■作者メッセージ
まもむす世界での世界丸呑み系のハッピーエンド物語。

全てが終わったその時、そこにあるのは紫色の粘液の球とそこで蠢く雄や雌だけでしょう

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