連載小説
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第一話 出会い
「お〜い、翔!!遅いぞ〜!!」

「ごめん、ごめん」

「どうせお前の事だから、寝てたんじゃねえの?」

「うるせぇな」

まぁ、ずぼしだが、言うとバカにされるだろうから言わないでおこう。

「まぁ、その話は置いといて。とにかく、行くぞ」

「今日はテスト後のリフレッシュだ!!」

「元気いいな。あっ、そうか寝てたからか」

「うるせぇよ」

そうして、自転車を走らせた。
アブラゼミがうるさく鳴いていた。






『がやがや、わいわい』

「やっと着いたな」

祭りと言っても、近くの境内でやってる祭りだ。
息抜きにちょうどいいだろうと、勝が誘ってくれた。

「おい翔、飲み物いるか?」

「あぁ、できれば頂きたいね、この前のおごりの分」

「わかったよ、ちくしょう。ちょっと待ってろ、買ってくるから」

勝の奴はいつも俺に金を借りる。
まあ、憎めない奴なんだよな・・・。
ふとみると、境内の林の所に猫がいた。
猫好きな俺は何となく近づいていった。
大体の猫は離れていくが、その猫は、逆にすり寄ってきた。
俺は、その猫の頭をそっとなでた。
どうしてか俺は、猫をなでていると心が落ち着く。

「翔?何やってるんだ?」

「あぁ、猫が居たからさ」

「猫?そんなのいないぜ?」

「ほら、あれ居ない?」

「どうした?寝ぼけてるのか?」

「おかしいな・・・」

気がつくと、猫は居なくなっていた。
まあ、大体の猫は自然と離れていくから、
そこまで気にしなかった。

祭りも終わりに近づき、人もまばらになってきた。

「そろそろ帰るか、勝」

「だな、良い息抜きになったろ?」

「あぁ、ありがとな」

「んじゃ、行くか、ん?猫か?」

目の前にさっきの猫が居た。

「これがお前の言ってた猫?」

「あぁ、こんなところに居たか」

勝がなでようとした時、猫はするりと手をよけ、俺のところに来た。

「なんだよ、その猫、お前がお気に入りらしんじゃん」

「そうみたいだな」

俺は笑いながら、その猫を少しなで、帰った。
家は親が今、海外へ引っ越し俺一人だ。
自転車を家の前に止め鍵をかけようとしたら、荷台に何か乗っている。
よく見ると、それはあの猫だった。

「ニャ〜〜」

「え?ずっと乗ってたって事?」

「ニャ〜〜」

返事をするようにもう一度鳴いた。
なんだか情がわいてしまい、俺は、その猫を抱いて家の中に入った。
猫はおとなしかった。
しかし、家に入ったとたん俺の腕からするりと逃げ、
家の中に入っていった。
それを追うようにして家の中に入った。
明日、猫に必要な物を買わないとな。
11/07/19 14:03更新 / ニッポ
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■作者メッセージ
ちょうど1000文字でした

久しぶりに書いたので、あまり良い出来ではないかもしれませんが、

楽しんでいってください

ps
間違えなど、変なところがありましたら、報告お願いします

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