連載小説
[TOP][目次]
第二話 正体
「う〜ん、どれだろう・・・」

その次の日、俺は午前中に勉強を終わらせ、ホームセンターに来ていた。
とりあえず、爪研ぎ、足場がくんであるのぼり台、首輪を買った。
でもどうしても、猫缶をどれを買えば良いかがわからない。

「これか?、いや、これか?」

ふと思い出すと、あいつは野良猫だったから、
餌は自分で取ってくるんじゃないか?
そうなったら、猫用の抜け穴作らないといけないな。
とりあえず猫缶を適当に入れる。

「よし、必要な物買ってくるか」

俺は最低限必要な物を買ってホームセンターを出た。
ノコギリ、木材、ゴム板、tec・・・

「ふぅ、このぐらいで良いか・・・」

俺はその荷物を荷台に縛り、家に帰った。
早速家に帰った俺は、親に電話をかけた。

「もしもし、親父?あのさ、猫飼う事になったから。」

「は?まあ、いいけど、ちゃんと面倒見ろよ?」

「わかってるよ。後、猫用の抜け穴作るために二階の網戸に穴あけていい?」

「あぁ、別にいいけど、とにかく勉強がんばれよ?」

「はいはい、わかりました。がんばります」「ぷつっ」

面倒くさくなりそうだったから一方的に電話を切った。
まず、網戸を切ろうとしたとき、あの猫がすりよってくる。
ふと気づくと、名前を付けていなかった。

「お前の名前決めてなかったな」

「ニャ〜」

「わかるのか?」

「ニャ〜」

「?、まいいや、名前か、タマ」

「シャーー!!」

「ごめん、ごめん」

網戸を切り、そこに木の縁をはめ込んだ。

「お前が喋れれば良いんだけどな・・・」

「ニャ〜〜」

軽く猫の頭をなで、とりあえず、名前の事はおいておいた。

「よし!できた!」

そして、ゴム板をあけられるように上に付け、
ゴム板が動くのを確認し、俺は一階に下りた。
気づくと、時間は午後の4時を過ぎていた。
冷蔵庫を確認したが、あまり食材は入っておらず、
仕方なく買い出しにいく事にした。
金は月1で両親からお金をもらっている。
最低限必要なお金を。
自転車の鍵を外し、乗ろうとすると、後ろにあの猫が座っていた。

「そこお気に入りか?」

「ニャ〜」

「そうか」

そして、自転車を走らせる。
スーパーまでは自転車で5分程度、歩きで10分と言ったところだ。
スーパーでは今後の材料の買いだめと、好きなアイスを二つ買った。

「よし、予算以内だし、好きなアイスも買えたし、いい感じだ」

「ニャ〜」

「帰るか!」

「ニャ!」

「よっしゃ」

そして、家に帰った。
今使わない食材を冷蔵庫に入れて、夜飯の支度をする。
適当による飯を作り、猫には猫缶をあけた。

「よし、食うか」

「ニャア・・・」

「どうした、食べないのか?」

猫は一向に食べようとしない。

「やっぱり、だめか・・・」

猫は好きだが、飼うのは初めだから、全然わからない。

「猫にも好き嫌いはあるか・・・」

その日は、猫は何も食べなかった。
次の日、起きて一階に下り、水を飲もうと冷蔵庫を開けると、
昨日買った食品が軽く無くなっている。

「おかしい・・・、泥棒か!?、でも食い物だけだしな」

家の中の金目の物も盗まれてはいない。
俺はビデオカメラを冷蔵庫の近くに設置した。
その夜、俺は猫を膝の上で可愛がっていると、最初はじゃれてきたが、
急に走ってどこかに行ってしまった。
やっぱりよくわからない。
次の日、冷蔵庫からまた食品が無くなっていた。
俺が、カメラの映像を確認すると、そこには人影が映っていた。
俺はその夜、冷蔵庫の近くでネットを持って待ち構える。
謎の人影が冷蔵庫に近づいてくる。
そして、一気にネットをかぶせ捕まえた。

「にぁあ!」

「なんだ、この声は?」

「にゃあ、なにするにゃ!!」

そこにいたのは、猫のような耳、手足には毛が生えてる女の子だった。

「それコスプレか?」

「違うにゃ!!本物にゃ!!」

その女の子はあの猫だと主張して、境内でのお祭りの事、買い物で買ったもの、
パンツの柄まで当てた。
ここまで言われたら信じるしか無いだろう。
彼女は魔物の種類のネコマタで、名前はミカ。
家が無いため、住まわせて欲しいという事だ。
魔物がこの世界に居る事に驚きだ。

「しょうがない。住まわせるが、絶対他の人にその姿を見せるなよ?」

「わかってるにゃ、大丈夫だにゃ」

顔をよく見ると、とても可愛い顔をしていた。
じっと見ているとこちらを向いた。

「どうしたにゃ?何か顔に付いてるかにゃ?」

俺はドキッとして、赤面しているであろう顔をそらし話をそらす。

「とりあえず俺は寝るから。布団は押し入れに入ってる」

「わかったにゃ、おやすみだにゃ」

俺の部屋に行って布団に入ろうとした時、
ミカが部屋のドアの隙間からこちらを見ている。

「どうしたんだ?」

「あの、その」

「?」

「一緒に寝ても良いかにゃ?」

「え?」

「だめだったら良いんだにゃ・・・」

「べ、別に良いけど・・・」

「ありがとうにゃ!」

俺はドキドキしながら布団を半分ほどあけ、そこにミカが寝そべる。

「おやすみにゃ」

「お、おやすみ」

ミカが寝ている方の反対側に体を返し、赤面している顔を隠した。
その日は、色々起った一日だった。


11/07/28 18:57更新 / ニッポ
戻る 次へ

■作者メッセージ
書きましたが、また誤字などがありましたら、指摘をお願いします
また楽しんでもらえたら嬉しいです
まだまだ、未熟ですがお願いします

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33