第10話 大切な友達
ここにあるのは、一軒の農家。ここに住んでいるのは農夫のクラック・エディルさん、そして奥さんの香里さんアカオニだ。ここの夫婦の朝は早い、畑を耕し、作物に水をやり、動物達に餌をやる。何一つ変わらない普通の夫婦だが・・・・・・
「パパ、行って来るね〜〜」元気よく飛び出したのは、一人娘の寿美ちゃん。
「おお、気を付けていくんだぞ・・・・・・・・ってまだ朝の4時だぞ!!!!まだ開いてないだろ保育園!!!」
「そっか、てへへ」寿美ちゃんは少し天然である。
「あんた〜〜〜畑耕すの終わったよ」大きな鍬を持った、奥さんもとい香里さん
「おぉそうか、本当にお前は畑を耕すの早いな」納得するように首を縦に振るエディルさん。
「あんたに言われると嬉しいね。さて一仕事したし」香里さんは腰につけた徳利の栓を開けてガブガブとそれを飲みはじめた。
「プハ〜〜やっぱり一仕事した後の酒は格別だねぇ〜〜」
「おいおい、朝っぱらから酒かよ。まぁいいか」いつもの光景をほほえましく見ているエディルさん。その隣で指をくわえている寿美ちゃん。
「ねぇ〜パパ」
「何だ、寿美?」
「お酒っておいしいの?」首を傾げて父親に詰め寄る寿美ちゃん。
「美味いけど、寿美にはまだ早いから飲むなよ」頭をなでて寿美ちゃんの近くまでくるエディルさん。
「そうか?あたしは物覚えついた時から飲んでるけどな。寿美も飲mぐがふが」奥さんの口に手を当てるエディルさん。
「寿美、お腹すいたろ朝飯でも食うか?」話をそらし朝ご飯を進めるエディルさん・・・ナイスブロック!!!!
「うん、そしたらパン焼いてその上に目玉焼き載せて食べる〜〜〜♪」笑顔で家に戻っていく寿美ちゃん。
「ふ〜〜・・・あぶないあぶない」ホッとため息をついて胸をなでおろすエディルさん。
「もぉ〜なんだよ。もう少しで飲ませたのに〜」不満を言う香里さん。
「寿美はまだ子どもだぞ。酒なんて飲ましたらどうなるか」心配そうに言うエデェルさん
「心配性だな。あたしとアンタの子どもだぜ。酒は強いに決まってるよ」そう言ってご主人背中をバンバン叩く香里さん。実はこの夫婦、娘さんができる前は、お酒が好きで、酒場に行くと酒がなくなってしまうという。酒豪の持ち主なので、娘さんも持ってると思っている二人なのでした。
「そうかもしれないが、寿美はまだ5歳だぞ。酒なんて飲ませられるか!!!絶対に飲ませないぞ」そう心に誓うエディルさんですが、納得いかないのは奥さんの香里さん。
(つまんねぇな〜まぁジュースとかに混ぜて少しずつ味を覚えさせるか)なんかたくらんでますよ奥さん。
(そうは、させねぇ〜ぞ。香里お前の考えていることはお見通しなんだよ)さすが旦那さん、奥さんのことはわかっているんですね。そんなこんなで朝ご飯を作るエディルさん。
「寿美〜〜のど乾いたろこれ飲みな」そう言ってグラスにお酒を入れる香里さん
「寿美、お前の飲みたかった特製りんごジュース飲んでもいいぞ」すかさず、言うエディルさん。
「あれ飲んでもいいの!?やった−−−−−−」ジャンプして飛び回る寿美ちゃん。ほんとかわいいなぁ〜〜〜〜。
(やるじゃないの、あんた)
(すかさず、飲ますか・・・・・お前らしいやり方だな)なんか、お二人の間に火花散ってるんですけど・・・・・・・・・そんなやり取りをしているのにも気づかない、寿美ちゃん。ごくごくとジュースを飲むのでした。
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「先生、おはよう」物凄い勢いで走ってくる寿美ちゃんいつも一人できている。
「はい、おはよう・・・・・・本当に元気だなぁ〜〜」めちゃくちゃ元気な寿美ちゃんを見て感心する俺。
「ほんとうですねぇ〜〜いつも、一人できてるからえらいですねぇ〜〜」寿美ちゃんのクラスのリリ先生。
「あ、寿美ちゃんおはよう」
「あ・・・・・うぅぅ・おはょぅ」
この二人は、寿美ちゃんのお友達。ブラックハ―ピーのレヴィちゃんとワーバットの静ちゃん。
「おっはよーーーーレヴィちゃん・静ちゃん。今日は何して遊ぶ?」なんだか見てて癒されるな〜。いつも元気な寿美ちゃんとしっかりもののレヴィちゃんちょっと控えめの静ちゃん。この3人はいつも仲良し。
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〜クラック・エディル家〜
「あんた〜ここにあった。あたしの徳利を知らないかい?」
「ん・・・それなら台所に置いてないか?さっき俺が酒足しといたから」
「さすがあたしの旦那様だ。わかってるねぇ〜」そう言うと台所にあった。徳利を持ち出して、畑仕事をする香里さん。
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「そしたらみんな〜手を合わせていただきま〜す」
((((((いただきま〜〜す))))))
保育園の食事風景、口にご飯やオカズをつけたり、口いっぱいにトマトソースをつけてしまう子ども達。その中で、喜んで食べているのは寿美ちゃんだ。
「やった〜〜今日は、大好物のからあげだ〜〜」
「うふふ・・・あたしはミートボールだぁ」
「あたしは・・・・だいすきな・・・オムライス・・・」
(寿美ちゃんの所はお弁当の見せ合いね)微笑みながら見ているリリ先生。食事もみんな大体終わり、お昼寝タイムへ行くみんな。だけど寿美ちゃんの所はまだ終わってないみたい。
「あぅごめんね、あたしゆっくりで」申し訳なさそうに食べてる静ちゃん
「いいよ、いつものことだし」馴れているいるから落ち着いているレヴィちゃん
「そうそう、ゆっくりでいいよ。静ちゃん」優しい目で見る寿美ちゃん
「ありがとう」恥ずかしそうに下を見る静ちゃん
本当に仲がいい3人です。
「そうだ」自分の腰に徳利のふたを開ける寿美ちゃん
「これ、今日パパがりんごジュース入れてくれたの。だからみんなで飲もう」そう言ってジュースを分ける寿美ちゃん。本当に優しい子だね
「本当?寿美ちゃんありがとう」
「あ・・・ありがとう」
「えへへどういたしまして」笑いながら、ジュースを飲む寿美ちゃん。
ごくごくごくごくごくごくごく
「ん・・・ゲホゲホにが・・い」
「これ、もしかして・・・・寿美ちゃん!!!!!」
「きゃははははははははははははははははははは・・・・・・・・・・・・・何レヴィちゃん?」あれ、何か寿美ちゃんの様子がおかしい?
不審に思ったリリ先生が近づいてきた。
「どうしたの?寿美ちゃん」
「先生、あぶない!!!!!」
「え・・・・・・・きゃっっ」いきなり襲い掛かった寿美ちゃん。そしたら、リリ先生の腕を引っかいたのだ。
「どうしたの、寿美ちゃん!!!!」驚くリリ先生。この騒ぎを聞きつけて、先生達が集まってくる。
「どうしたんですか、リリ先生?」声をかけた俺に飛びついてくるリリ先生。
「わからないんです。いきなり寿美ちゃんの様子がおかしくなって、近くまで行ったら・・襲われて」混乱して涙が出ているリリ先生。
「うがががががががあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ」吼える寿美ちゃん。
「先生、下がって」
「!!」そう言ったのは静ちゃんだ。いつも控えめな子が大声で言ったから驚いた
「寿美ちゃんまた、やったんだね・・・・・・・・・静ちゃん、お外に出すからみんなを呼んできて」
「うん!!!!」そう言って、お外に出る静ちゃん。
「寿美ちゃん、こっちだよ付いてきて!!!!!」挑発的な態度で外に出るレヴィちゃん。それを追う寿美ちゃん
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園庭の真中にいる、寿美ちゃんとレヴィちゃん。息づかいが荒くいつでも襲おうと睨んでいる寿美ちゃん。
「寿美ちゃん、あたし達が元に戻すから待っててね」何か意味ありげなことを言ったレヴィちゃん。そして、寿美ちゃんがレヴィちゃんを襲おうとした時だった。
ぐるるるるるるるるるる
低い唸り声と一緒に出てきたのは、ワーウルフのシーナちゃんとデュラハンのクレアちゃんだった。寿美ちゃんの後ろには、静ちゃんもいた。
「レヴィちゃん、大丈夫?」
「まったく、無茶して」
急いできたのか、パジャマのままの二人シーナちゃんは、毛を奮い立たせて、クレアちゃんは、剣を片手に持っていた。
「うん、ごめんねシーナちゃん、クレアちゃん」
「とにかく、一気にやるぞ。そして、寿美ちゃんを元に戻す!!!!」
「うん」
「わかった」
「う・・・うん」
その後がすごかった、寿美ちゃんの攻撃をよけるクレアちゃん、そして隙をついて、回り込むシーナちゃんとレヴィちゃん。静ちゃんはロープを咥えたまま空を飛んでいた。
「今だ!!!!」そういって静ちゃんが口に咥えていたロープを寿美ちゃんの体に巻きつけていく、レヴィちゃんとシーナちゃん
「よし、これで・・・・後はお願い静ちゃん」そう一声かけるとみんなが耳を塞いだ。
「先生たち、耳塞いでね」
「「「え!!!!!!」」」」
きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん
物凄い超音波を寿美ちゃんに聞かせる静ちゃん。その時だった
どさっ
何かが、落ちる音がして見たら、寿美ちゃんが倒れていたのだ。
「寿美ちゃん!!!」泣きながらよっていくレヴィちゃん
「す・・みちゃん」心配そうに来る静ちゃん
「大丈夫、寿美ちゃん」走ってくるシーナちゃん
「寿美ちゃん、しっかり」今までの覇気はどこへやらのクレアちゃん。
その後は、ルビー先生に来てもらい治療してもらうことにした。
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「ルビー先生どうですか?寿美ちゃんの様子は?」心配そうに言うリリ先生
「大丈夫、今は眠ってるわ。原因はこれだと思うの」そう渡されたのは、徳利であった。
「これ、寿美ちゃんの水筒・・・・これが原因なの?」
「うん、調べたんだけどこれには高度のお酒が入っていたの、多分それで代わったと思うの」
「こっちも、わかったわ」そう言ったのはミリー先生だ。
「あの子達に聞いたら、前にもあったみたいなの・・・」
「それで、あんなにチームワークがあったのか」納得しているキルア先生
「で今あの子達は?」
「保健室のベットで寝ているわ、寿美ちゃんと一緒に」
「今回は、けが人がいませんでしたが、保護者とは、私とリリ先生といっしょに行きます」本当に危なかった、これで子ども達に何かあったら大変だからな。親にはしっかりと言わないと。
後日、寿美ちゃんの両親とお話して、以後このようなことがないように厳重注意した。
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「ごめん、みんな・・・ひぐ・・・ひぐあたしのせいでみんなにひぢことして」泣いて鼻から鼻水をたらしている。
「もう、大丈夫だよ」
「そうだ、だから泣くな」
「う・・・うん」
「寿美ちゃんが元に戻ってよかった」
みんなが、励まして寿美ちゃんは泣くのをやめた。だけどやっぱり悲しんでいた。
「あ・・・たし元気な寿美ちゃんが好きだから・・・だから泣きやんで」そう声をかけたのは静ちゃんだ。
「そうそう」頷くシーナちゃん
「寿美ちゃんの、笑顔がないと調子が狂うしな」納得するクレアちゃん
「だから、暗い顔しないでね」抱きしめるレヴィちゃん。
「うん」満面の笑みになる寿美ちゃん。
今日も、子どもの笑顔でいっぱいになる保育園でした
10/08/28 12:18更新 / pi-sann
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