連載小説
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自警団隊長昇格試験3 〜隼空編〜
 
 森の中を走り回る二つの影。息切れをしているのか女性の方はやや走るのが遅くなっていた。

 「フィオナ走るんだ!!走らないと刺されちまうぞ!!」走りながらダークスプリートのフィオナに檄を言う隼空。

 「分かってるけど、なんなのこの森は・・・罠だらけじゃないの!!」二人が森の中を歩いていたら不意に一本の糸を踏んでしまい森中に鈴の音が響くと同時にどこからともかくホーネット達が出てきて痺れ槍を持ち襲い掛かってきたのだ。

 「はぁ・・はぁもうだめ・・・」そう言うとその場で倒れこんでしまうフィオナ

 「フィオナ!!やりたくないが・・・式神『鎧鬼』でよ!!」懐から一枚の髪を取り出すとフィオナの後ろに髪を投げると煙が出てきた。その中からは、ジパングの侍が着るという鎧をまとった大男が刀を持ち立っていた。

 「鎧鬼!!その者達を止めよ!!」そう言うと低い声で「御意に」と言い隼空達を追っていたホーネット達の前に行き刀を横に大きくなぎ払った。その直後一陣の風が吹くとホーネット達は、バタバタと地面に落ちていった。

 「助かった・・・・」フィオナが呟いた。

 「フィオナ大丈夫か?」フィオナの所まで駆ける隼空。

 「えぇ、平気よ。あなたこそ、大丈夫?怪我してない?」そう言うと、隼空に近づき顔に手を添えた瞬間だった。隼空たちの足下がボコッと音をたてて大きな穴ができそのまま穴の下に落ちた。

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               〜穴の中〜

 「いた〜い・・・」お尻を擦りながら言うフィオナ。

 「いてて、まさか穴に落ちるなんて・・・ん?」落ちた穴で辺りを見回すと隼空の下敷きになっているロゼリアが目を回しながら倒れていたのだ。

 「・・・・・」

 「・・・・・」

 「とりあえず、合図の花火を撃って此処から出ましょうか」フィオナがそう言うとポケットから小さな筒を取り出すと空に向かって撃った。空に放たれた花火は、青色の火花を散らして隼空達を照らした。

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             〜タイラント家・庭〜

 
 「おぉ、隼空達も終わったみたいだぜ!!」エスポジオネがグラスに入った酒を飲みながら言った。

 「ハハハ!!なら、俺の筋肉ハグをしてやるか!!」赤褌一丁のロナルドが大笑いしながら言った。

 「そんな事したら、隼空達嫌がると思うんだが・・・」ゴミナントがロナルドを遠目で見ながら言った。

 そんなことを話しながら、酒を飲みまわす隊長達とエスポジオネだがその話も怒号でかき消された。

 「フィリとベルガンが消えただと!!!ふざけるな!!!!」この声を出したのは団長のアルドラド・T・タイラント。

 「私も、嘘だと思ったんですけど2時間たっても来ないので調べたら、転送ルートが書き換えられていたんです」そう話しているのは、湊 安曇。

 「それだけじゃないわ。転送先が、旧魔物時代のコロシアムに繋がっているの!!あそこは、昔の魔物たちがいる巣窟。ベルガンやフィリちゃん達が危ないわ」イル・フィグゼが焦りながら言った。

 「誰がこんなことを・・・」アランが呟いた。

 「そんなことより、フィリ達を助けに行くぞ!!」転送ルートに走るミリュームだがその瞬間、転送装置が爆破した。

 「ミリューム!!怪我はないか?」走ってミリュームの側に駆け寄るアルドラド。

 「平気よ・・でも転送装置が・・」燃え盛る転送装置。

 「くそ。今すぐ他の転送装置で魔物コロシアムに向かう!!クレイ、ティス!!お前も一緒に来てくれ」

 「分かりました」団長に呼ばれて出てきた男。クレイ・サーヴィル。背中に大剣を持ち両方の腰には片手剣と日本刀を持っている。

 「わかっ・・・た・・」クレイの隣にいるのがマンティスのティス。

 「他の者は、此処で待機。何が起こるかわからん。全員戦闘態勢で待つように!!」
  
     「「「「「「「「「ハイ!!!!!!!」」」」」」」」」」

 「よし!!いくぞ」別の転送装置で魔物コロシアムに向かう団長とクレイとティス。

       転移装置の光に包まれながら消えていく団長達。

                            
11/09/20 23:21更新 / pi-sann
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■作者メッセージ

 みなさ〜ん。ついに自警団の連載が決定しました。一部読者からは「おいおい、そんなに連載していいのかよ!!」と軽く突っ込まれそうな感じですが・・・でも、頑張ります!!!でわでわ、感想お待ちしてます!!

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