岩の街のラージマウス達
現在地-スーダン-宿屋
とりあえず宿をとった俺達はこの街の事を店主に教えてもらった。
この街の傍には鉱山があり、そこでよく鉄が取れるらしい。
そしてこの街はそこから掘った鉄で武器を作り、その武器は闘技場で使われたり、闘技大会に出る奴等が買ったりするらしい。
「闘技場に闘技大会か」
コイツは随分と面白そうだな!
「お兄さんは闘技大会にでるんですか〜?」
「ああ!面白そうだし、俺の実力も試せるしな!」
強い奴いるかな?どのぐらい強いんだろうな〜?
「でも、此処のスーダン闘技場は他のと比べて小さいからな…そこまで大した奴は集まらないんじゃないのかい?」
やる気を出していたのに、アノンの言った言葉で一気にテンションが下がった…。
「え、そなの?」
「ああ、一番大きいのはこの大陸の中央近くにある国らしいからね」
「…がっかりだぜ」
ショボーンと効果音が聞こえそうな位落ち込むと、ウトが俺の傍にやって来た。
「大丈夫ですよ!仮にも闘技場なんだし…強い人はきっと一杯いますよ!」
なんて健気なゴブリンだ…こういう性格のゴブリンは珍しいらしい。
まあ基本バカだけど。
それじゃあ参加できるか確認してくるか。
宿から出て街を見渡すと山の岩を削りだした建物が並んでいて、上下の段差が大きく、一番高い所から見下ろすと絶景だろう。
因みに一番高い場所は山方面の門だ。
向こうの方にコロッセオのような闘技場が見えた。
「おー、小さいっても結構でかいじゃん」
「他のと比べたらって言ったろう?」
「ったろー!」
アノンの口調を真似したキャノが俺に飛び掛ってきて肩車のような体制になる。
どうやら俺の肩車が気に入っているようだ。
「キャノ、いいな…」
「う〜!兄貴!あたいも抱っこしてくれよ〜!」
「お兄さん私も〜」
俺に輝く視線を注ぐゴブリンs…。
「さ、さて…早い所行こうぜ!」
逃げるようにして闘技場の見えるほうへと走る。
流石に全員ぶら下げて歩くのはきついしな。
「あ!待ってくれよ兄貴ー!」
「お兄さ〜ん」
「あっ…」
「ちょ…セン!アンタが向かっても絶対にたどり着けないから…って待ちな!」
何か言ってるが何簡単だ。
あの闘技場に向かって走ればいいだけだ!
「行くぜキャノ!」
「いくぜー!」
残念だがあいつ等の足じゃ俺には追いつけん!
そのまま俺は闘技場の見えるほうへ走っていった。
現在地-スーダン-山方面の門
おっかしいな…闘技場へ向かっていたはずなのに…。
「迷ったな」
「たなー!」
後ろを見ると、さっき言ったとおり、町全体が見下ろせて絶景だ。
ただし高所恐怖症の人は注意した方がいい。
「いやー、いい天気だし、いい眺めだなー」
「だなー」
景色を見ながら、妙にホクホクした雰囲気になる…ちょっと眠くなってきたし。
「「ふぁ〜…」」
俺も、肩車してるキャノも同時にあくびをする…。
だが次の瞬間、ドンっと誰かにぶつかられて少しフラつく。
「うわっ?」
「おっと!ゴメンね〜!」
俺にぶつかった小さな影は、下に降りてていくための階段をスタコラと降りていく。
その影は、子供くらいの身長の小さな少女で、頭には灰色の丸い耳と、チョロリとした尻尾が尻から生えていた。
服装もなんかチーズみたいだったし…鼠か?
「今のって…」
「あんちゃん、今のはラージマウスだが…食料みたいなのは盗まれやすいから気をつけろよ。それに最近は金まで盗むからな…」
「そうなんだよなぁ…普通は金までは盗まないのにな」
門の傍で荷物を運んでいたマッチョなおっさん達が教えてくれる。
ラージマウス…やっぱ鼠か。
で、盗まれたものはあるかな?
おお、腰に括り付けといた食料袋がないな。
金を入れといた袋もない。
あれがないとこれからの旅が心配になるな〜、それにこの先砂漠だし。
「追っかけるか」
「けるかー」
俺は屈伸すると、階段ではなく絶壁の崖に走り出す。
「しっかり掴まってろよキャノ」
「つかまるー!」
助走をつけて崖の一歩手前で思いっきり踏ん張り地面を蹴る。
「俺の足から逃げられると思うなよ?」
跳んだ…いや、飛んだ瞬間辺りがどよよっと騒がしくなるが関係ないな。
ゴォオオオオオオと空気の音を耳に眼前に迫る建物の屋根。
空中でクルっと一回転すると膝をしっかり曲げて着地する。
少し衝撃が足に来たが問題ないな。
そしてラージマウスを発見する。
中々素早く、既に階段を降りてきた様だが、まだまだ甘い!
「金と食料を返してもらおうか」
屋根の上をピョンピョン飛んでラージマウスを追いかける。
鼠だけあってすばっしっこいが残念ながら俺は振り切れない。
そしてラージマウスは俺が屋根の上に居る事を知らず、こちら側の建物の路地に曲がる。
俺は屋根と屋根の間から飛び降りると、その下には逃げ切ったと思って丁度休んでいるラージマウス。
「チェックメイト!」
「めいとー!」
「へっ?うぎゃっ!?」
そのラージマウスの上に胡坐を掻いて着地した。
まあラージマウスの上に胡坐掻いて座ってるって構図だ。
「鬼ごっこは終わり。盗んだ物を返してもらおうか」
「おうかー」
俺の下でジタバタもがくラージマウスだが、その小さな体で俺とキャノをどかす事は出来ないだろう。
「うぐぐ…ど、退いてよ〜」
「なら素直に盗んだ物返しな」
「分かった分かった!返すからー!」
そう言うとラージマウスは手に持っていた俺の金の入った袋と食料の入った袋を差し出してきた。
中身を確認して俺の物というのを確認すると、上から退いてやる。
「次からは相手を選んでやることだな…てか何で盗みなんてするんだ?」
金の入った袋と食料袋を腰に括り付けてそう問いかける。
「わ、私達ラージマウスはそう言う種族なんだよ」
「嘘つけ、門のとこのおっさんが金は普通盗らないって言ってたぞ」
「ギクッ!…………ナ、ナンノコトカナ?」
「片言になってんぞ?それから今お前ギクって言ったよな?」
俺がそう言うと、ラージマウスは諦めたようにため息を吐いた。
「今の私には…お金が必要なんだ…」
「何でまた?」
「実はさ、この街は裏路地を仕切ってる人間がいるんだけどさ…その人間に私の仲間が捕まってるんだよ…。それで仲間を放して欲しかったら金を持って来いって」
随分と屑な人間もいたもんだな…。
アノンを襲った奴らは賞金稼ぎで、自分たちが食うために仕事をしていたに過ぎないが…。
「それってどのくらい必要なんだ?」
「とにかくたくさんって言われてるけど…まだまだ全然集まってないんだ…」
「…そいつのとこに連れてってくれ」
「え?」
面白くねえ輩はぶっ潰しますか。
「でも、あいつ等の本拠地なんて分からないけど…」
「じゃあなんか手がかりないか?」
「手がかり…確かあいつ等の仲間は全員肩に青い剣の刺青があったよ」
「そか、お前も付いて来いよ仲間を探すぞ」
さ、笑えない連中にはご退場願おうか。
現在地-スーダン-裏路地
「オラァ!」
「ぎゃがっ!?」
ドガァと鈍い音がして右肩に青い剣の刺青がある男を蹴り飛ばすと、そいつは置いてあった木箱に突っ込んで倒れた。
俺は奴に馬乗りになると胸座を掴む。
「テメェ等のボスは何処だ?ちゃっちゃと吐け」
「し、知らねえ…頭の居場所は俺等みたいな下っ端には教えられてねーんだよ…!」
「チッ…じゃあ寝とけ!」
そのまま頭突きをかますと、男は気絶して動かなくなった。
「いくら雑魚をやっても情報なんて出てこないな」
「今ので十三人目だけど…全員下っ端みたいだね」
「だねー!」
今はこの裏路地を仕切っている奴を見つけるためにこうして刺青のある奴を締め上げてる。
…なんかやってる事はチンピラと変わらんな。
このラージマウス…ティピは戦闘能力は高くないそうなのでキャノに任せている。
「次の奴が来たよ」
ティピが俺に奴等のメンバーが来たことを教えてくれる。
「よし、お前は下がってろ」
ティピにそう告げると俺は奴等の一味の男の前に立つ。
右肩に刺青があり、頭にターバンを巻いている軽装の男だ。
「よう、アンタに聞きたい事があるんだけど……っ!?」
俺が質問しようとすると、奴は懐から短剣を抜いて俺に襲い掛かってきた。
急な事だったので少し反応が遅れ、頬を軽く斬られる。
「やるじゃん」
俺は右足でハイキックを出す。
しかし攻撃を読んでいたのか首を下げてかわされる。
奴は瞬時に反撃に転じようと短剣を突き出そうとするが、甘い。
俺はハイキックを出した右足を膝から折り曲げて奴の首に引っ掛ける。
そして軸足だった左足で跳び、奴の顔面に膝蹴りをする。
「がっ…!?」
その後膝蹴りの衝撃と跳んだ勢いを生かして奴の体を宙に浮かすと、そのまま地面に叩き付けた。
「ぐがあああっ!?」
攻撃を外したかと見せかけて首を足で掴み動きを封じ、膝蹴りで相手を蹴り、そのまま投げ飛ばす技だ。
「す、凄い…けど、これって死んじゃったんじゃないの…?」
「大丈夫だ、加減はしておいた…で、おめーらのボスは何処にいる?」
仰向けに倒れている男の右腕を踏んで問いかける。
「うがァ…だ、誰が…」
「…」
俺は冷ややかな目でコイツを見下ろすと、踏む足に更に力を込めた。
それと同時にボキッと何かが折れる音がした。
「うがあああああっ!うぐァ…!」
「さっさと答えねーともう片方もへし折るぞ」
「ぐぐぐ…裏路地にある潰れた酒場の跡に…頭はいる…!だからもう…」
折角喋ってくれたので、コイツの頭を踏んで地面に叩き付けた。
これで暫く起きてこないだろう。
「やりすぎなんじゃ…」
「これくらいしないと吐いてくれねーって。それより行こうぜ?仲間の所にさ。キャノも手伝ってくれ」
「てつだうー!」
現在地-スーダン-裏路地の潰れた酒場前
「あそこか」
前方にボロボロの酒場が見え、入り口には見張りが一人いる。
さぁて、行きますか。
俺は一直線に走りだすと、見張りの男は俺に気がつく。
「おいお前!止まれ!」
「やだ」
「やだって…この!」
見張りは腰の剣を抜こうとするが、俺はそれよりも早く跳び蹴りを顔面にかましてやった。
男ごと老朽化した扉をブチ破ると、中には見た感じ三人の男がいた。
「な、何だ!?」
男が反応すると、俺は蹴り倒した男の上から退く。
「ノックしてもしもーし&ガチャ」
「「「ノックも挨拶もしてねーし扉すら開けてねぇー!」」」
「蹴り開けたんだよ」
「「「どっちかって言うと蹴り破っただー!」」」
この三人、案外面白いかもしれん。
「テメェ…此処がどこだか分かっtギャア!?」
「はいはーい、雑魚は口開かない」
俺は傍にあったボロい椅子を蹴り飛ばして男にぶつけると男は目をグルグルにして倒れた。
「あっ!こ、このやrグバッ!?」
「くそっ!頭にたすkウゴッ!?」
同様の方法で残りの二人も気絶させる。
「知ってるか?モブキャラってのはやられる為にいるんだぜ」
とりあえずそれっぽく言ってみた。
「やるじゃねえか…俺の部下達を瞬殺か」
酒場の奥から声が聞こえる・・・おそらく奴等の頭だろう。
てか殺してねーけどな。
「お前がこいつ等の頭で…ラージマウスを捕まえている奴か」
「あん…?まさかあのラージマウスから聞いたのか?」
そう言いながら出てきたのは右肩に青いサーベルの刺青をしている長い赤髪の男だった。
「まあな…今全員返せば見逃してやるけど」
「フン…そりゃこっちの台詞だ」
奴等の頭は両腰に提げていたサーベルを抜き、二刀流の構えをとる。
俺は奴に向けて、さっき倒したモブキャラと同じように椅子を蹴り飛ばした。
「はっ!こんなモン!」
だが流石に頭だけあってサーベルで椅子をバラしてしまった。
「流石にやるな…なら」
今度は近づいて直接足刀を叩き込んでやる。
「おっと!足に剣を付けるなんて初めて見たぜ!」
しかしガィンと金属音が響くと共に奴はサーベルで防いでいく。
「中々やるじゃねーの?」
俺も素直に賞賛する。
「だが中身が屑じゃ…話になんねーんだよ!」
左足のローキックで足を蹴ろうとすると、奴はジャンプしてかわしたが、俺はすぐに追撃としてサマーソルトキックを繰り出す。
「へっ!」
奴はサーベルを交差させると俺のサマーソルトキックを受け止め、着地した。
「ククク…名乗りな、俺はカルマ・アルディエンデ」
律儀に名乗ることもないが、名前位は教えてやるか。
「セン・アシノ」
「センか…ジパングの出だな?お前みてぇな強い奴を殺すのはもったいねえが、商売の邪魔するんじゃ仕方ねえよな」
「商売?」
こいつ等の商売を俺が邪魔した…?
「そうさ、街の奴の大切な物を人質に取って貢がせる…これが俺たちの商売さ。楽して金が手に入るんだ…こんなにいい商売は他にないぜ」
「…」
「まあ、邪魔しないなら仲間に加えてやっても…」
奴が言葉を言い終わらない内に接近して足払いをかける。
「おっと!」
カルマは、またジャンプをして足払いを避ける。
そして再びサマーソルトキックを繰り出す。
「同じ手なんて同じ手で防げるに…っ!?」
余裕を持った声はそこで消え失せ、カルマが両手で持っていたサーベルは弾き飛ばされる。
その衝撃と共に、カルマも壁まで吹き飛んで叩きつけられた。
「うがっ!」
だが俺は隙を与えずに接近して右足の白地の刃をカルマの胸に押し込んだ。
「ぎゃあああああっ!?」
ブシュと噴出す赤い血に、カルマは悶絶する。
「ど、どういうことだ…さっきまでとはパワーが段違いじゃねえか…!」
「喋れるな」
「ぐあああああああっ!」
何か言葉を発すると、俺は白地の刃を更に強く押し付ける。
「二度と俺の前に姿を見せず、この集団も解散させろ…断るならお前に与える物は…死だ」
「あああああっ!分かった!分かった!もう何もしねえっ!アンタの前に姿なんて見せねえよっ!」
俺は白地の刃を抜き、左足でカルマの顔面を蹴り抜くと、壁を破って吹き飛んでいった。
「…チッ、殺してもよかったんだがな」
小さく呟くと、俺は酒場の奥に行く。
「おーい!ティピ!キャノ!何処だ!?」
「…地下だよ…!」
暫くすると、答えが返ってきた。
俺は傍にあった階段で下に下りていくと、そこにはキャノとティピと大量のラージマウス達と、檻の中にいる縄で縛られて気絶している男が三人。
「仲間は見つかったみたいだな」
「うん。それにしてもキャノちゃんって強いんだね…見張りの三人を一撃で倒しちゃって…」
「たおすー!」
おおう、それは俺もビックリ。
キャノとティピには俺が正面から乗り込むから裏口から入って仲間を探しておけと言っておいた。
そして見事に作戦成功って事だ。
「ありがとう!このお礼は必ず!皆、帰るよ!」
そう言うとティピは仲間のラージマウスと共に酒場から出て行った。
「…じゃ、俺たちも帰るか」
「かえるー!」
現在地-スーダン-宿屋
や、やっと帰ってこれた…あれから三時間はかけて宿屋に帰ってこれた…てか結局闘技場には行けなかったな。
まあ明日行けばいいか。
そんな感じで部屋に入ると、いるのはアノンだけだった。
「ありゃ?パノとウトとポムは?」
「隣の部屋さ…キャノも今日はそっちに行って寝てくれないかい?」
「わかったー!」
何だか知らんが、帰って早々キャノを部屋から出すと、俺に近づいてくる。
「来な」
腕を掴まれてベッドに押し倒される…ってオイ!
「な、何する気だよ?」
「…今夜は付き合えって言っただろう?」
「い、言ったけども!」
ベッドに押し倒されるとは思わんわ!
いや、まあ…美人に押し倒されてうれしくない訳じゃないけどさ。
「センに付いて行く時に言っただろう?アタシの唇を奪った責任を取ってもらうって」
「あ、ああ…」
「そんな言葉…アタシだって好きな奴にしか言わないよ…だから、今此処で…責任を取っておくれよ…アタシを惚れさせた…さ」
…やっぱり自惚れじゃなかったって事か。
まああんな言葉を言われたら自分に少なからず好意を持ってくれてる事には気づいてるさ。
でもなぁ…
「いいのか俺で?浮気するかもよ?」
「いいさ、センなら…嫉妬しないって言うと嘘になるけど…強い男は群れを持つものさ…」
…ま、まあここ数日で俺もアノンに対する感情は悪くないけどな…。
「だからアタシを貰ってくれ…」
ハァ…ここまで言われて、止めるとかできねえよ。
「分かったよ」
そう言うとアノンは笑顔になり、俺とディープな口付けをした。
クチュ ピチュ チュル…
「…プハッ」
唇を離すと、銀色の糸のような物が俺とアノンの口を繋いでいた。
「服脱ぐか?」
「ああ」
アノンの問いを肯定して、互いに一糸纏わぬ姿になり、今度は俺がアノンを押し倒してやった。
「お前のアソコ…濡れてるな…」
「センこそ…もうビンビンじゃないかい…」
「いい女を押し倒してるんだ…そりゃそうだろ?」
「嬉しい事言ってくれるね…」
そして俺はアノンの大きな胸を揉む。
「んあっ…あ、あぁああああっ…んんっ」
大きい声を出したので、口を口で塞いでやる。
生憎と高い宿ではないので、防音とか無いからな。
そして俺は胸を揉んでいる手を一度止め…俺のモノをアノンの中に入れた。
「んんぅ!」
何かを破った感覚と共にアノンと一つになる。
ビクンッとアノンの体が動くが関係ない…俺はそのままアノンの全てを俺の物にした。
現在地-スーダン-宿屋
で、翌朝になって気がついたんだが…。
「お前、処女だったのかよ…」
魔物だから一度位は経験があると思ったのだが…シーツには赤い染みもあった。
横で眠るアノンの髪を梳きながら、俺は顔に笑みを浮かべる。
「責任は取るよ。お前は俺の女だ」
今日は天気も、俺の気持ちも晴れそうだ。
とりあえず宿をとった俺達はこの街の事を店主に教えてもらった。
この街の傍には鉱山があり、そこでよく鉄が取れるらしい。
そしてこの街はそこから掘った鉄で武器を作り、その武器は闘技場で使われたり、闘技大会に出る奴等が買ったりするらしい。
「闘技場に闘技大会か」
コイツは随分と面白そうだな!
「お兄さんは闘技大会にでるんですか〜?」
「ああ!面白そうだし、俺の実力も試せるしな!」
強い奴いるかな?どのぐらい強いんだろうな〜?
「でも、此処のスーダン闘技場は他のと比べて小さいからな…そこまで大した奴は集まらないんじゃないのかい?」
やる気を出していたのに、アノンの言った言葉で一気にテンションが下がった…。
「え、そなの?」
「ああ、一番大きいのはこの大陸の中央近くにある国らしいからね」
「…がっかりだぜ」
ショボーンと効果音が聞こえそうな位落ち込むと、ウトが俺の傍にやって来た。
「大丈夫ですよ!仮にも闘技場なんだし…強い人はきっと一杯いますよ!」
なんて健気なゴブリンだ…こういう性格のゴブリンは珍しいらしい。
まあ基本バカだけど。
それじゃあ参加できるか確認してくるか。
宿から出て街を見渡すと山の岩を削りだした建物が並んでいて、上下の段差が大きく、一番高い所から見下ろすと絶景だろう。
因みに一番高い場所は山方面の門だ。
向こうの方にコロッセオのような闘技場が見えた。
「おー、小さいっても結構でかいじゃん」
「他のと比べたらって言ったろう?」
「ったろー!」
アノンの口調を真似したキャノが俺に飛び掛ってきて肩車のような体制になる。
どうやら俺の肩車が気に入っているようだ。
「キャノ、いいな…」
「う〜!兄貴!あたいも抱っこしてくれよ〜!」
「お兄さん私も〜」
俺に輝く視線を注ぐゴブリンs…。
「さ、さて…早い所行こうぜ!」
逃げるようにして闘技場の見えるほうへと走る。
流石に全員ぶら下げて歩くのはきついしな。
「あ!待ってくれよ兄貴ー!」
「お兄さ〜ん」
「あっ…」
「ちょ…セン!アンタが向かっても絶対にたどり着けないから…って待ちな!」
何か言ってるが何簡単だ。
あの闘技場に向かって走ればいいだけだ!
「行くぜキャノ!」
「いくぜー!」
残念だがあいつ等の足じゃ俺には追いつけん!
そのまま俺は闘技場の見えるほうへ走っていった。
現在地-スーダン-山方面の門
おっかしいな…闘技場へ向かっていたはずなのに…。
「迷ったな」
「たなー!」
後ろを見ると、さっき言ったとおり、町全体が見下ろせて絶景だ。
ただし高所恐怖症の人は注意した方がいい。
「いやー、いい天気だし、いい眺めだなー」
「だなー」
景色を見ながら、妙にホクホクした雰囲気になる…ちょっと眠くなってきたし。
「「ふぁ〜…」」
俺も、肩車してるキャノも同時にあくびをする…。
だが次の瞬間、ドンっと誰かにぶつかられて少しフラつく。
「うわっ?」
「おっと!ゴメンね〜!」
俺にぶつかった小さな影は、下に降りてていくための階段をスタコラと降りていく。
その影は、子供くらいの身長の小さな少女で、頭には灰色の丸い耳と、チョロリとした尻尾が尻から生えていた。
服装もなんかチーズみたいだったし…鼠か?
「今のって…」
「あんちゃん、今のはラージマウスだが…食料みたいなのは盗まれやすいから気をつけろよ。それに最近は金まで盗むからな…」
「そうなんだよなぁ…普通は金までは盗まないのにな」
門の傍で荷物を運んでいたマッチョなおっさん達が教えてくれる。
ラージマウス…やっぱ鼠か。
で、盗まれたものはあるかな?
おお、腰に括り付けといた食料袋がないな。
金を入れといた袋もない。
あれがないとこれからの旅が心配になるな〜、それにこの先砂漠だし。
「追っかけるか」
「けるかー」
俺は屈伸すると、階段ではなく絶壁の崖に走り出す。
「しっかり掴まってろよキャノ」
「つかまるー!」
助走をつけて崖の一歩手前で思いっきり踏ん張り地面を蹴る。
「俺の足から逃げられると思うなよ?」
跳んだ…いや、飛んだ瞬間辺りがどよよっと騒がしくなるが関係ないな。
ゴォオオオオオオと空気の音を耳に眼前に迫る建物の屋根。
空中でクルっと一回転すると膝をしっかり曲げて着地する。
少し衝撃が足に来たが問題ないな。
そしてラージマウスを発見する。
中々素早く、既に階段を降りてきた様だが、まだまだ甘い!
「金と食料を返してもらおうか」
屋根の上をピョンピョン飛んでラージマウスを追いかける。
鼠だけあってすばっしっこいが残念ながら俺は振り切れない。
そしてラージマウスは俺が屋根の上に居る事を知らず、こちら側の建物の路地に曲がる。
俺は屋根と屋根の間から飛び降りると、その下には逃げ切ったと思って丁度休んでいるラージマウス。
「チェックメイト!」
「めいとー!」
「へっ?うぎゃっ!?」
そのラージマウスの上に胡坐を掻いて着地した。
まあラージマウスの上に胡坐掻いて座ってるって構図だ。
「鬼ごっこは終わり。盗んだ物を返してもらおうか」
「おうかー」
俺の下でジタバタもがくラージマウスだが、その小さな体で俺とキャノをどかす事は出来ないだろう。
「うぐぐ…ど、退いてよ〜」
「なら素直に盗んだ物返しな」
「分かった分かった!返すからー!」
そう言うとラージマウスは手に持っていた俺の金の入った袋と食料の入った袋を差し出してきた。
中身を確認して俺の物というのを確認すると、上から退いてやる。
「次からは相手を選んでやることだな…てか何で盗みなんてするんだ?」
金の入った袋と食料袋を腰に括り付けてそう問いかける。
「わ、私達ラージマウスはそう言う種族なんだよ」
「嘘つけ、門のとこのおっさんが金は普通盗らないって言ってたぞ」
「ギクッ!…………ナ、ナンノコトカナ?」
「片言になってんぞ?それから今お前ギクって言ったよな?」
俺がそう言うと、ラージマウスは諦めたようにため息を吐いた。
「今の私には…お金が必要なんだ…」
「何でまた?」
「実はさ、この街は裏路地を仕切ってる人間がいるんだけどさ…その人間に私の仲間が捕まってるんだよ…。それで仲間を放して欲しかったら金を持って来いって」
随分と屑な人間もいたもんだな…。
アノンを襲った奴らは賞金稼ぎで、自分たちが食うために仕事をしていたに過ぎないが…。
「それってどのくらい必要なんだ?」
「とにかくたくさんって言われてるけど…まだまだ全然集まってないんだ…」
「…そいつのとこに連れてってくれ」
「え?」
面白くねえ輩はぶっ潰しますか。
「でも、あいつ等の本拠地なんて分からないけど…」
「じゃあなんか手がかりないか?」
「手がかり…確かあいつ等の仲間は全員肩に青い剣の刺青があったよ」
「そか、お前も付いて来いよ仲間を探すぞ」
さ、笑えない連中にはご退場願おうか。
現在地-スーダン-裏路地
「オラァ!」
「ぎゃがっ!?」
ドガァと鈍い音がして右肩に青い剣の刺青がある男を蹴り飛ばすと、そいつは置いてあった木箱に突っ込んで倒れた。
俺は奴に馬乗りになると胸座を掴む。
「テメェ等のボスは何処だ?ちゃっちゃと吐け」
「し、知らねえ…頭の居場所は俺等みたいな下っ端には教えられてねーんだよ…!」
「チッ…じゃあ寝とけ!」
そのまま頭突きをかますと、男は気絶して動かなくなった。
「いくら雑魚をやっても情報なんて出てこないな」
「今ので十三人目だけど…全員下っ端みたいだね」
「だねー!」
今はこの裏路地を仕切っている奴を見つけるためにこうして刺青のある奴を締め上げてる。
…なんかやってる事はチンピラと変わらんな。
このラージマウス…ティピは戦闘能力は高くないそうなのでキャノに任せている。
「次の奴が来たよ」
ティピが俺に奴等のメンバーが来たことを教えてくれる。
「よし、お前は下がってろ」
ティピにそう告げると俺は奴等の一味の男の前に立つ。
右肩に刺青があり、頭にターバンを巻いている軽装の男だ。
「よう、アンタに聞きたい事があるんだけど……っ!?」
俺が質問しようとすると、奴は懐から短剣を抜いて俺に襲い掛かってきた。
急な事だったので少し反応が遅れ、頬を軽く斬られる。
「やるじゃん」
俺は右足でハイキックを出す。
しかし攻撃を読んでいたのか首を下げてかわされる。
奴は瞬時に反撃に転じようと短剣を突き出そうとするが、甘い。
俺はハイキックを出した右足を膝から折り曲げて奴の首に引っ掛ける。
そして軸足だった左足で跳び、奴の顔面に膝蹴りをする。
「がっ…!?」
その後膝蹴りの衝撃と跳んだ勢いを生かして奴の体を宙に浮かすと、そのまま地面に叩き付けた。
「ぐがあああっ!?」
攻撃を外したかと見せかけて首を足で掴み動きを封じ、膝蹴りで相手を蹴り、そのまま投げ飛ばす技だ。
「す、凄い…けど、これって死んじゃったんじゃないの…?」
「大丈夫だ、加減はしておいた…で、おめーらのボスは何処にいる?」
仰向けに倒れている男の右腕を踏んで問いかける。
「うがァ…だ、誰が…」
「…」
俺は冷ややかな目でコイツを見下ろすと、踏む足に更に力を込めた。
それと同時にボキッと何かが折れる音がした。
「うがあああああっ!うぐァ…!」
「さっさと答えねーともう片方もへし折るぞ」
「ぐぐぐ…裏路地にある潰れた酒場の跡に…頭はいる…!だからもう…」
折角喋ってくれたので、コイツの頭を踏んで地面に叩き付けた。
これで暫く起きてこないだろう。
「やりすぎなんじゃ…」
「これくらいしないと吐いてくれねーって。それより行こうぜ?仲間の所にさ。キャノも手伝ってくれ」
「てつだうー!」
現在地-スーダン-裏路地の潰れた酒場前
「あそこか」
前方にボロボロの酒場が見え、入り口には見張りが一人いる。
さぁて、行きますか。
俺は一直線に走りだすと、見張りの男は俺に気がつく。
「おいお前!止まれ!」
「やだ」
「やだって…この!」
見張りは腰の剣を抜こうとするが、俺はそれよりも早く跳び蹴りを顔面にかましてやった。
男ごと老朽化した扉をブチ破ると、中には見た感じ三人の男がいた。
「な、何だ!?」
男が反応すると、俺は蹴り倒した男の上から退く。
「ノックしてもしもーし&ガチャ」
「「「ノックも挨拶もしてねーし扉すら開けてねぇー!」」」
「蹴り開けたんだよ」
「「「どっちかって言うと蹴り破っただー!」」」
この三人、案外面白いかもしれん。
「テメェ…此処がどこだか分かっtギャア!?」
「はいはーい、雑魚は口開かない」
俺は傍にあったボロい椅子を蹴り飛ばして男にぶつけると男は目をグルグルにして倒れた。
「あっ!こ、このやrグバッ!?」
「くそっ!頭にたすkウゴッ!?」
同様の方法で残りの二人も気絶させる。
「知ってるか?モブキャラってのはやられる為にいるんだぜ」
とりあえずそれっぽく言ってみた。
「やるじゃねえか…俺の部下達を瞬殺か」
酒場の奥から声が聞こえる・・・おそらく奴等の頭だろう。
てか殺してねーけどな。
「お前がこいつ等の頭で…ラージマウスを捕まえている奴か」
「あん…?まさかあのラージマウスから聞いたのか?」
そう言いながら出てきたのは右肩に青いサーベルの刺青をしている長い赤髪の男だった。
「まあな…今全員返せば見逃してやるけど」
「フン…そりゃこっちの台詞だ」
奴等の頭は両腰に提げていたサーベルを抜き、二刀流の構えをとる。
俺は奴に向けて、さっき倒したモブキャラと同じように椅子を蹴り飛ばした。
「はっ!こんなモン!」
だが流石に頭だけあってサーベルで椅子をバラしてしまった。
「流石にやるな…なら」
今度は近づいて直接足刀を叩き込んでやる。
「おっと!足に剣を付けるなんて初めて見たぜ!」
しかしガィンと金属音が響くと共に奴はサーベルで防いでいく。
「中々やるじゃねーの?」
俺も素直に賞賛する。
「だが中身が屑じゃ…話になんねーんだよ!」
左足のローキックで足を蹴ろうとすると、奴はジャンプしてかわしたが、俺はすぐに追撃としてサマーソルトキックを繰り出す。
「へっ!」
奴はサーベルを交差させると俺のサマーソルトキックを受け止め、着地した。
「ククク…名乗りな、俺はカルマ・アルディエンデ」
律儀に名乗ることもないが、名前位は教えてやるか。
「セン・アシノ」
「センか…ジパングの出だな?お前みてぇな強い奴を殺すのはもったいねえが、商売の邪魔するんじゃ仕方ねえよな」
「商売?」
こいつ等の商売を俺が邪魔した…?
「そうさ、街の奴の大切な物を人質に取って貢がせる…これが俺たちの商売さ。楽して金が手に入るんだ…こんなにいい商売は他にないぜ」
「…」
「まあ、邪魔しないなら仲間に加えてやっても…」
奴が言葉を言い終わらない内に接近して足払いをかける。
「おっと!」
カルマは、またジャンプをして足払いを避ける。
そして再びサマーソルトキックを繰り出す。
「同じ手なんて同じ手で防げるに…っ!?」
余裕を持った声はそこで消え失せ、カルマが両手で持っていたサーベルは弾き飛ばされる。
その衝撃と共に、カルマも壁まで吹き飛んで叩きつけられた。
「うがっ!」
だが俺は隙を与えずに接近して右足の白地の刃をカルマの胸に押し込んだ。
「ぎゃあああああっ!?」
ブシュと噴出す赤い血に、カルマは悶絶する。
「ど、どういうことだ…さっきまでとはパワーが段違いじゃねえか…!」
「喋れるな」
「ぐあああああああっ!」
何か言葉を発すると、俺は白地の刃を更に強く押し付ける。
「二度と俺の前に姿を見せず、この集団も解散させろ…断るならお前に与える物は…死だ」
「あああああっ!分かった!分かった!もう何もしねえっ!アンタの前に姿なんて見せねえよっ!」
俺は白地の刃を抜き、左足でカルマの顔面を蹴り抜くと、壁を破って吹き飛んでいった。
「…チッ、殺してもよかったんだがな」
小さく呟くと、俺は酒場の奥に行く。
「おーい!ティピ!キャノ!何処だ!?」
「…地下だよ…!」
暫くすると、答えが返ってきた。
俺は傍にあった階段で下に下りていくと、そこにはキャノとティピと大量のラージマウス達と、檻の中にいる縄で縛られて気絶している男が三人。
「仲間は見つかったみたいだな」
「うん。それにしてもキャノちゃんって強いんだね…見張りの三人を一撃で倒しちゃって…」
「たおすー!」
おおう、それは俺もビックリ。
キャノとティピには俺が正面から乗り込むから裏口から入って仲間を探しておけと言っておいた。
そして見事に作戦成功って事だ。
「ありがとう!このお礼は必ず!皆、帰るよ!」
そう言うとティピは仲間のラージマウスと共に酒場から出て行った。
「…じゃ、俺たちも帰るか」
「かえるー!」
現在地-スーダン-宿屋
や、やっと帰ってこれた…あれから三時間はかけて宿屋に帰ってこれた…てか結局闘技場には行けなかったな。
まあ明日行けばいいか。
そんな感じで部屋に入ると、いるのはアノンだけだった。
「ありゃ?パノとウトとポムは?」
「隣の部屋さ…キャノも今日はそっちに行って寝てくれないかい?」
「わかったー!」
何だか知らんが、帰って早々キャノを部屋から出すと、俺に近づいてくる。
「来な」
腕を掴まれてベッドに押し倒される…ってオイ!
「な、何する気だよ?」
「…今夜は付き合えって言っただろう?」
「い、言ったけども!」
ベッドに押し倒されるとは思わんわ!
いや、まあ…美人に押し倒されてうれしくない訳じゃないけどさ。
「センに付いて行く時に言っただろう?アタシの唇を奪った責任を取ってもらうって」
「あ、ああ…」
「そんな言葉…アタシだって好きな奴にしか言わないよ…だから、今此処で…責任を取っておくれよ…アタシを惚れさせた…さ」
…やっぱり自惚れじゃなかったって事か。
まああんな言葉を言われたら自分に少なからず好意を持ってくれてる事には気づいてるさ。
でもなぁ…
「いいのか俺で?浮気するかもよ?」
「いいさ、センなら…嫉妬しないって言うと嘘になるけど…強い男は群れを持つものさ…」
…ま、まあここ数日で俺もアノンに対する感情は悪くないけどな…。
「だからアタシを貰ってくれ…」
ハァ…ここまで言われて、止めるとかできねえよ。
「分かったよ」
そう言うとアノンは笑顔になり、俺とディープな口付けをした。
クチュ ピチュ チュル…
「…プハッ」
唇を離すと、銀色の糸のような物が俺とアノンの口を繋いでいた。
「服脱ぐか?」
「ああ」
アノンの問いを肯定して、互いに一糸纏わぬ姿になり、今度は俺がアノンを押し倒してやった。
「お前のアソコ…濡れてるな…」
「センこそ…もうビンビンじゃないかい…」
「いい女を押し倒してるんだ…そりゃそうだろ?」
「嬉しい事言ってくれるね…」
そして俺はアノンの大きな胸を揉む。
「んあっ…あ、あぁああああっ…んんっ」
大きい声を出したので、口を口で塞いでやる。
生憎と高い宿ではないので、防音とか無いからな。
そして俺は胸を揉んでいる手を一度止め…俺のモノをアノンの中に入れた。
「んんぅ!」
何かを破った感覚と共にアノンと一つになる。
ビクンッとアノンの体が動くが関係ない…俺はそのままアノンの全てを俺の物にした。
現在地-スーダン-宿屋
で、翌朝になって気がついたんだが…。
「お前、処女だったのかよ…」
魔物だから一度位は経験があると思ったのだが…シーツには赤い染みもあった。
横で眠るアノンの髪を梳きながら、俺は顔に笑みを浮かべる。
「責任は取るよ。お前は俺の女だ」
今日は天気も、俺の気持ちも晴れそうだ。
11/05/28 20:27更新 / ハーレム好きな奴
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