狙われた魔物達
現在地-とある荒野-荒野の広場
sideオーガ
アタシの名はテナ。
この荒野に住むオーガだ…。
最近大人しくしていたがそろそろ男を狩に行こう。
暫く洞穴の中で引きこもってたから久しぶりに青空の下へ出て背伸びをする。
だがすぐに異変に気がついた。
岩場の陰からアタシを囲むように教団騎士が現れた。
その人数は20人強だな。
丁度いいや、この中から今夜犯す男を選ぼうか。
「やれっ!油断するなよ!」
そう言うと、まず奴等は鉄網を投げかけてきた。
「はっ!そんなノロマな網なんて誰が喰らうかよ!」
まずは一番手近なコイツからぶっ飛ばすか!
拳を構えて腰を落とし、正拳突きを繰り出す。
だけど拳は男を貫通した…と思ったらこれは土魔法で作られた泥人形?
「う、腕が抜けない…!?ヤバ…!」
アタシが腕を抜こうとしている間に次々に周りの男達がアタシに取り付いてきたが、全て土人形で、泥になってアタシを包み込んだ。
「ぐぅ…!あ、アンタ等こんな事して勝って嬉しいのか!?」
「……全ては教団のため」
アタシを囲んでいた本物の教団騎士は8人だけで、残りは全て泥人形だった。
最期の泥人形に取り付かれ、視界が無くなる時に見えたのは足に刃を付けた銀髪の男だった…。
数日後…。
現在地-とある草原-街道近く
sideスライム
「うぅううううう…!」
「そっちへ行ったぞ、捕まえろ!」
私はスライム…名前はプリム。
草原でひっそりと暮らしてるだけの唯のスライム。
お母さんから分裂したばっかりで、まだ男の人を襲った事なんて殆どないのに、私の住処に突然教団の騎士がやってきた。
必死に地面を這って逃げるけれど、後ろからも追ってくるのが足音で分かる……このままじゃ逃げ切れない…。
「良し、回り込んだぞ!」
前を見ると、2人の騎士が壷も持って待機してた。
あの壷は多分魔具……そう思って方向を変えて逃げる。
「今だ!」
急に進む方とは逆に風が吹く。
「ふ、ふにゃああああ…!」
体の一部が飛ばされてく…。
そう思って後ろを振り返ると、壷が凄い風を起こして辺りを吸い込んでいた。
もう駄目…。
そう思った時には私は地面から離れて壷に吸い込まれていた。
私が吸い込まれきる前に見たものは、足に刃を付けた銀色の髪の男の人だった。
更に数日後…。
現在地-とある森林-エルフの里の外れ
sideエルフ
私は誇り高きエルフの一族の1人、エステル。
一族の里の巡回当番の日だったので愛用の弓を持ちながら歩いていると里の離れで教団と呼ばれる集団を見つけた。
「貴様等!此処には結界魔法で近づけないはずだぞ!どうやって入ってきたんだ!?答えろ!」
私を囲むように4人の男が囲んでいるが、怯む事無く矢を構える。
「やれ」
奥に控えていた男が合図すると私を囲んでいた男達は鉄球が付いた鎖を投げつけてくる。
「なにっ!?」
一つの鉄球で弓を破壊され、一つの鎖は私の胴体をグルグルと絡みつき、一つの鉄球は両足を一纏めにするように巻きつき、最後の一つも私の左手首に巻きつき自由を奪った…!
「くぅ…!こ、これでは……あうっ!」
そのまま地面に引き倒されて鎖を噛まされ、口を封じられる。
「あが…あぐぅ………!」
更にそのまま目隠しをされる前に、私が見たのは、合図を出した人間。
両足に刃を付けた銀髪の教団騎士だった。
そのまた数日後。
現在地-とある塔-最上階の部屋
sideメドゥーサ
私はメドゥーサのヴィーナ。
この塔のダンジョンの最上階に君臨する最高クラスの魔物よ。
ある日、塔の下に人間がたくさんやって来た。
その数は50人以上。
数日間塔に出たり入ったりを繰り返して少しずつダンジョンを攻略してきて、とうとう今日、30人ほどの人間が武装して私の部屋に来た。
石化させて私に合う男を捜そうと思い、すぐに睨みつけたけれど、石化防止の薬を飲んで、効かない男もいた。
どうやら準備は入念に行ってるみたいね。
「それならっ!」
足払いをかけて薬を飲む前に石化させてやろうと思い、蛇の下半身を伸ばして振り払う。
けれど当たったのは数人で、20人以上はジャンプして避け、私に向けて剣や槍を振りかぶってきた。
そんな事はもちろんさせず、蛇の鱗で受け流す。
「そんなチンケな攻撃なんて効かないわよ」
「ならこれならばどうだ?」
7人ほどの魔導士が、一気に呪文を唱えて大きな魔法を私に向けて発射した。
炎と水と木と雷と風と土と毒の魔法…。
一気に攻撃を受けて、流石の私も意識が吹き飛びかけた。
「けれど…これくらいまだまだ…!」
体制を戻して反撃に転じようとした時、私の体を何かが斬った。
目の前には足に刃を付けた男が足を蹴り上げた風にしている。
ああ…私、斬られたんだ。
そう理解したのは、私が意識を失う直前だった。
現在地-詳細不明-檻の並ぶ廊下
side???
これでメドゥーサも捕らえた。
だがまだまだ魔物は大量に世の中に巣食っている。
だからどんどん捕らえねば。
そして殺さねば。
最近私が捕らえた魔物はオーガ、スライム、エルフ、メドゥーサ…その前にはドッペルゲンガーを捕まえ、その前にはハニービーの女王を捕らえる事に成功した。
だがまだだ…私は魔物を許さない。
私にとって唯一の大切な人であったあの方を連れ去った魔物を、私は絶対に許さない…。
「隊長、失礼します」
「どうした?」
後ろから部下が声をかけてきたので振り返る。
「西の方に多くの魔物を引き連れた傭兵団を名乗る連中が現れ、違法に別荘を建築しようとしていた貴族…セクトル卿の私兵隊を退けた連中がいる模様ですが…どうしますか?」
多くの魔物を引き連れた傭兵団…忌々しい。
確かに気になるがセクトル卿の私兵ははっきり言って弱い。
まだ脅威になるかは分からんな。
「数人で追って監視させておけ…私は今日から暫く書類整理そするから任務には出れん」
「はっ!分かりました!」
忠実な部下だ。
ああいった言動こそが人間にとって相応しい。
魔物は、この世の忌むべき存在なのだ。
魔物は、その存在を許されんのだ。
魔物は、全て殺してしまえばいいのだ………。
sideオーガ
アタシの名はテナ。
この荒野に住むオーガだ…。
最近大人しくしていたがそろそろ男を狩に行こう。
暫く洞穴の中で引きこもってたから久しぶりに青空の下へ出て背伸びをする。
だがすぐに異変に気がついた。
岩場の陰からアタシを囲むように教団騎士が現れた。
その人数は20人強だな。
丁度いいや、この中から今夜犯す男を選ぼうか。
「やれっ!油断するなよ!」
そう言うと、まず奴等は鉄網を投げかけてきた。
「はっ!そんなノロマな網なんて誰が喰らうかよ!」
まずは一番手近なコイツからぶっ飛ばすか!
拳を構えて腰を落とし、正拳突きを繰り出す。
だけど拳は男を貫通した…と思ったらこれは土魔法で作られた泥人形?
「う、腕が抜けない…!?ヤバ…!」
アタシが腕を抜こうとしている間に次々に周りの男達がアタシに取り付いてきたが、全て土人形で、泥になってアタシを包み込んだ。
「ぐぅ…!あ、アンタ等こんな事して勝って嬉しいのか!?」
「……全ては教団のため」
アタシを囲んでいた本物の教団騎士は8人だけで、残りは全て泥人形だった。
最期の泥人形に取り付かれ、視界が無くなる時に見えたのは足に刃を付けた銀髪の男だった…。
数日後…。
現在地-とある草原-街道近く
sideスライム
「うぅううううう…!」
「そっちへ行ったぞ、捕まえろ!」
私はスライム…名前はプリム。
草原でひっそりと暮らしてるだけの唯のスライム。
お母さんから分裂したばっかりで、まだ男の人を襲った事なんて殆どないのに、私の住処に突然教団の騎士がやってきた。
必死に地面を這って逃げるけれど、後ろからも追ってくるのが足音で分かる……このままじゃ逃げ切れない…。
「良し、回り込んだぞ!」
前を見ると、2人の騎士が壷も持って待機してた。
あの壷は多分魔具……そう思って方向を変えて逃げる。
「今だ!」
急に進む方とは逆に風が吹く。
「ふ、ふにゃああああ…!」
体の一部が飛ばされてく…。
そう思って後ろを振り返ると、壷が凄い風を起こして辺りを吸い込んでいた。
もう駄目…。
そう思った時には私は地面から離れて壷に吸い込まれていた。
私が吸い込まれきる前に見たものは、足に刃を付けた銀色の髪の男の人だった。
更に数日後…。
現在地-とある森林-エルフの里の外れ
sideエルフ
私は誇り高きエルフの一族の1人、エステル。
一族の里の巡回当番の日だったので愛用の弓を持ちながら歩いていると里の離れで教団と呼ばれる集団を見つけた。
「貴様等!此処には結界魔法で近づけないはずだぞ!どうやって入ってきたんだ!?答えろ!」
私を囲むように4人の男が囲んでいるが、怯む事無く矢を構える。
「やれ」
奥に控えていた男が合図すると私を囲んでいた男達は鉄球が付いた鎖を投げつけてくる。
「なにっ!?」
一つの鉄球で弓を破壊され、一つの鎖は私の胴体をグルグルと絡みつき、一つの鉄球は両足を一纏めにするように巻きつき、最後の一つも私の左手首に巻きつき自由を奪った…!
「くぅ…!こ、これでは……あうっ!」
そのまま地面に引き倒されて鎖を噛まされ、口を封じられる。
「あが…あぐぅ………!」
更にそのまま目隠しをされる前に、私が見たのは、合図を出した人間。
両足に刃を付けた銀髪の教団騎士だった。
そのまた数日後。
現在地-とある塔-最上階の部屋
sideメドゥーサ
私はメドゥーサのヴィーナ。
この塔のダンジョンの最上階に君臨する最高クラスの魔物よ。
ある日、塔の下に人間がたくさんやって来た。
その数は50人以上。
数日間塔に出たり入ったりを繰り返して少しずつダンジョンを攻略してきて、とうとう今日、30人ほどの人間が武装して私の部屋に来た。
石化させて私に合う男を捜そうと思い、すぐに睨みつけたけれど、石化防止の薬を飲んで、効かない男もいた。
どうやら準備は入念に行ってるみたいね。
「それならっ!」
足払いをかけて薬を飲む前に石化させてやろうと思い、蛇の下半身を伸ばして振り払う。
けれど当たったのは数人で、20人以上はジャンプして避け、私に向けて剣や槍を振りかぶってきた。
そんな事はもちろんさせず、蛇の鱗で受け流す。
「そんなチンケな攻撃なんて効かないわよ」
「ならこれならばどうだ?」
7人ほどの魔導士が、一気に呪文を唱えて大きな魔法を私に向けて発射した。
炎と水と木と雷と風と土と毒の魔法…。
一気に攻撃を受けて、流石の私も意識が吹き飛びかけた。
「けれど…これくらいまだまだ…!」
体制を戻して反撃に転じようとした時、私の体を何かが斬った。
目の前には足に刃を付けた男が足を蹴り上げた風にしている。
ああ…私、斬られたんだ。
そう理解したのは、私が意識を失う直前だった。
現在地-詳細不明-檻の並ぶ廊下
side???
これでメドゥーサも捕らえた。
だがまだまだ魔物は大量に世の中に巣食っている。
だからどんどん捕らえねば。
そして殺さねば。
最近私が捕らえた魔物はオーガ、スライム、エルフ、メドゥーサ…その前にはドッペルゲンガーを捕まえ、その前にはハニービーの女王を捕らえる事に成功した。
だがまだだ…私は魔物を許さない。
私にとって唯一の大切な人であったあの方を連れ去った魔物を、私は絶対に許さない…。
「隊長、失礼します」
「どうした?」
後ろから部下が声をかけてきたので振り返る。
「西の方に多くの魔物を引き連れた傭兵団を名乗る連中が現れ、違法に別荘を建築しようとしていた貴族…セクトル卿の私兵隊を退けた連中がいる模様ですが…どうしますか?」
多くの魔物を引き連れた傭兵団…忌々しい。
確かに気になるがセクトル卿の私兵ははっきり言って弱い。
まだ脅威になるかは分からんな。
「数人で追って監視させておけ…私は今日から暫く書類整理そするから任務には出れん」
「はっ!分かりました!」
忠実な部下だ。
ああいった言動こそが人間にとって相応しい。
魔物は、この世の忌むべき存在なのだ。
魔物は、その存在を許されんのだ。
魔物は、全て殺してしまえばいいのだ………。
13/01/14 00:19更新 / ハーレム好きな奴
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