無垢の大勇者
無垢の大勇者と呼ばれる者がいた。
彼は幼少の頃より厳しい修行を積み、
齢十六にして加護を持たずに並の勇者を凌ぐほどの実力を身に付けていた。
だが、彼にはひとつ大きな問題があった……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
とある教団国家
この国では現在、魔王軍の過激派による侵略を受けており。
国王やその家臣、兵士達はすでに嫁となった魔物娘とのお楽しみ中で、
もはや残っているのは、この国に宿泊していた大勇者と、
大勇者の従者を勤めていた剣士ただ1人であった。
剣士は大勇者のいる部屋の前に剣を構えて立ちふさがっており、彼の前には…
剣士「……、」
デーモン「もう、そんな怖い顔しないでちょうだい剣士さん。
私はただ大勇者サマに、この娘達とちょっとだけでいいから
お見合いしてほしいなぁ〜っと思ってるだけなのよ。」
魔物娘達「お見合いさせろ〜!」「そうだそうだ!」「剣士さんはもらっていきますね。」
彼の前には今回の過激派の副官を勤めているデーモンと、
未婚の魔物娘達が十数人ほど彼女の後ろに集まっていた。
何処からどうみても不利な状況であるにもかかわらず、
剣士は依然としてこう答えた。
剣士「お前達が人を傷つけない事は知っている、だが、
それでも大勇者様に会わせる訳にはいかない。どうか帰って欲しい。」
魔物娘達「(# ̄З ̄)ケチー」「p(`ε´q)ブーブー」
デーモン「会わせたくない訳を話してくれるかしら。」
剣士「それは……、いや出来ない。何も聞かずに帰ってくれ。」
魔物娘達「なんか訳があるのかな?」「もしかして帰った方が良い?」
剣士「頼む、帰ってくれ。」
剣士が必死に懇願する姿を見て、どうしようかと魔物娘達が迷っていると…
???「うっ、ここは……。」
剣士「!?、大勇者様!お目覚めになられましたか。」
剣士の後ろの扉越しに大勇者の声が聞こえてきた。
大勇者「僕は…どのくらい…」
剣士「一、二時間ほど気を失っておりました。」
大勇者「そんなに…、っ、そうだ!この国に攻めようとしてた魔王軍を止めに行かないと!」
剣士「大勇者様、もう来てます。」
大勇者「えっ、」
デーモン「ついでにいえば、もうリリムちゃんがこの国の陥落宣言を出してる頃よ。」
大勇者「そんな……って、今の人は?」
剣士「相手方の副官のデーモンです。大勇者様とお会いしたいと…」
大勇者「ちょうどイイ。この国の人たちを(性的に)襲わないで欲しいって頼まないと!」
剣士「大勇者様!?」
大勇者がそう言うや否や、勢いよく扉が開け放たれるとそこには
まだあどけなさが抜けきれていないが、
しかし、確かな意志を感じさせる表情をした大勇者が表れた。
そして、剣士の向こうにいるデーモンと魔物娘を見据えると……
大勇者「………グハァ!」( °ω°):∵
壮大な鼻血を出して倒れてしまった。
剣士「大勇者様ー!!!」
デーモン「えっ?」
魔物娘達「キャァー!血が!」「おい!大丈夫か!?」「今回復魔法を!」
剣士「まて!近付くんじゃない!お前達が来るともっと酷くなる。」
デーモン「いったいどういうこと?何があったの!?」
剣士「大勇者様は幼少より厳しい修行をしていた、
そのため、女性との関わりが極端に少なくてな、女性への免疫が無いのだ。
女性と目を合わせることも出来んし、ましてや触れることも出来ん。
先ほど寝込んでいたのも遠目からリリムを見たのが原因だ。
リリムでは無いにしろ、同じ魔物娘が目の前に居ればこうなるのも不思議じゃない。」
デーモン「だ、大丈夫なの?」
剣士「分からん、とりあえず医者か回復魔法を使えるものを呼んできてくれ。
勿論、男をな。」
魔物娘「どうしますデーモン様」「多分この城にいる人全員奥さんとお楽しみ中ですよ。」
デーモン「と言っても、私たちじゃ逆効果だし………」
???「なら、ワタシの出番だな。」
デーモン「ゲイザーちゃん!」
ゲイザー「ワタシはこんな醜い単眼だしな、気持ち悪がって興奮もしねぇさ。」
デーモン「待ってゲイザーちゃん!行っちゃ駄目よ!」
大勇者「ひでぶ!!」( ゚д゜).∵:・..
剣士「大勇者様ー!!!」
ゲイザー「………アレ?」
剣士「そんな裸同然の格好をしていたらこうなるだろう‼服を着てこい服を!」
ゲイザー「そ、そうだったな、すまねぇ。すぐに着てくる‼」
剣士「いいか?出来るだけ似合わない服を着てこい。可愛いのは駄目だ!」
ゲイザー「おう!」
剣士「くそぅ、意識が朦朧として、出血も激しくなってる!」
魔物娘「ど、ど、ど、どうしましょうデーモン様!」「あのままじゃ死んじゃいますよ!」
デーモン「もう城下町に行って助けを呼んでも間に合わないわ。
私たちでどうにかしないと…」
リビングアーマー「…」スッ
デーモン「リビングアーマーちゃん。!そうねリビングアーマーちゃんなら
端から見ればただの鎧だから近づけるはず!行ってきてちょうだい。」
リビングアーマー「……」コクリ
剣士「何考えてるんだ!
いくら鎧を着てると言っても中にショートボブの美少女がいたら意味がないだろ!」
リビングアーマー「………?」キョトン?
デーモン「………アレ?もしかして剣士さん見えてる?」
剣士「?見えるも何もしっかりそこにいるじゃないか。」
魔物娘達「えっ?」
剣士「えっ?」
デーモン「………おめでとう。」
剣士「えっ?」
魔物娘達「おめでとう。」「末長くお幸せに。」「結婚式場予約しとくね。」
剣士「えっ?」
リビングアーマー「フツツカモノデスガ」ぺこり
剣士「えっ?」
タッタッタッタッタッ
ゲイザー「待たせたな!直ぐに治してやるぜ!」
デーモン「ゲイザーちゃん!っ、その格好は!」
ゲイザー「ヘヘヘ、可愛さの欠片もねぇ服を選んできたぜ!」
剣士「何してんだ!!!裸ワイシャツなんて着てきたら大勇者様が!……大勇者様?」
大勇者「我が生涯に一片の悔い無し」
剣士「大勇者様ー!!!!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
リリム「それで、どうなったの?」
デーモン「危うく天に召されそうになったけど、
リビングアーマーちゃんを着た剣士さんが
リビングアーマーちゃんに教わりながら回復魔法をかけてあげて
どうにか一命はとりとめたわ。」
リリム「はぁー良かった。」
デーモン「私たちがいたらまたなっちゃうかもしれないから、
剣士さんが隣の教団国家に送ってくれてるわ。」
リリム「もう、言ったじゃない、危ないから近づいちゃダメだって。」
デーモン「だって、そういうことだとは思わなかったんだもの。」
リリム「まぁでも、どうにかしたいのは山々なんだけどね。」
デーモン「そうね、根はイイコだからなおさら、ねぇ。」
リリム&デーモン「……はぁ。」
彼は幼少の頃より厳しい修行を積み、
齢十六にして加護を持たずに並の勇者を凌ぐほどの実力を身に付けていた。
だが、彼にはひとつ大きな問題があった……
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とある教団国家
この国では現在、魔王軍の過激派による侵略を受けており。
国王やその家臣、兵士達はすでに嫁となった魔物娘とのお楽しみ中で、
もはや残っているのは、この国に宿泊していた大勇者と、
大勇者の従者を勤めていた剣士ただ1人であった。
剣士は大勇者のいる部屋の前に剣を構えて立ちふさがっており、彼の前には…
剣士「……、」
デーモン「もう、そんな怖い顔しないでちょうだい剣士さん。
私はただ大勇者サマに、この娘達とちょっとだけでいいから
お見合いしてほしいなぁ〜っと思ってるだけなのよ。」
魔物娘達「お見合いさせろ〜!」「そうだそうだ!」「剣士さんはもらっていきますね。」
彼の前には今回の過激派の副官を勤めているデーモンと、
未婚の魔物娘達が十数人ほど彼女の後ろに集まっていた。
何処からどうみても不利な状況であるにもかかわらず、
剣士は依然としてこう答えた。
剣士「お前達が人を傷つけない事は知っている、だが、
それでも大勇者様に会わせる訳にはいかない。どうか帰って欲しい。」
魔物娘達「(# ̄З ̄)ケチー」「p(`ε´q)ブーブー」
デーモン「会わせたくない訳を話してくれるかしら。」
剣士「それは……、いや出来ない。何も聞かずに帰ってくれ。」
魔物娘達「なんか訳があるのかな?」「もしかして帰った方が良い?」
剣士「頼む、帰ってくれ。」
剣士が必死に懇願する姿を見て、どうしようかと魔物娘達が迷っていると…
???「うっ、ここは……。」
剣士「!?、大勇者様!お目覚めになられましたか。」
剣士の後ろの扉越しに大勇者の声が聞こえてきた。
大勇者「僕は…どのくらい…」
剣士「一、二時間ほど気を失っておりました。」
大勇者「そんなに…、っ、そうだ!この国に攻めようとしてた魔王軍を止めに行かないと!」
剣士「大勇者様、もう来てます。」
大勇者「えっ、」
デーモン「ついでにいえば、もうリリムちゃんがこの国の陥落宣言を出してる頃よ。」
大勇者「そんな……って、今の人は?」
剣士「相手方の副官のデーモンです。大勇者様とお会いしたいと…」
大勇者「ちょうどイイ。この国の人たちを(性的に)襲わないで欲しいって頼まないと!」
剣士「大勇者様!?」
大勇者がそう言うや否や、勢いよく扉が開け放たれるとそこには
まだあどけなさが抜けきれていないが、
しかし、確かな意志を感じさせる表情をした大勇者が表れた。
そして、剣士の向こうにいるデーモンと魔物娘を見据えると……
大勇者「………グハァ!」( °ω°):∵
壮大な鼻血を出して倒れてしまった。
剣士「大勇者様ー!!!」
デーモン「えっ?」
魔物娘達「キャァー!血が!」「おい!大丈夫か!?」「今回復魔法を!」
剣士「まて!近付くんじゃない!お前達が来るともっと酷くなる。」
デーモン「いったいどういうこと?何があったの!?」
剣士「大勇者様は幼少より厳しい修行をしていた、
そのため、女性との関わりが極端に少なくてな、女性への免疫が無いのだ。
女性と目を合わせることも出来んし、ましてや触れることも出来ん。
先ほど寝込んでいたのも遠目からリリムを見たのが原因だ。
リリムでは無いにしろ、同じ魔物娘が目の前に居ればこうなるのも不思議じゃない。」
デーモン「だ、大丈夫なの?」
剣士「分からん、とりあえず医者か回復魔法を使えるものを呼んできてくれ。
勿論、男をな。」
魔物娘「どうしますデーモン様」「多分この城にいる人全員奥さんとお楽しみ中ですよ。」
デーモン「と言っても、私たちじゃ逆効果だし………」
???「なら、ワタシの出番だな。」
デーモン「ゲイザーちゃん!」
ゲイザー「ワタシはこんな醜い単眼だしな、気持ち悪がって興奮もしねぇさ。」
デーモン「待ってゲイザーちゃん!行っちゃ駄目よ!」
大勇者「ひでぶ!!」( ゚д゜).∵:・..
剣士「大勇者様ー!!!」
ゲイザー「………アレ?」
剣士「そんな裸同然の格好をしていたらこうなるだろう‼服を着てこい服を!」
ゲイザー「そ、そうだったな、すまねぇ。すぐに着てくる‼」
剣士「いいか?出来るだけ似合わない服を着てこい。可愛いのは駄目だ!」
ゲイザー「おう!」
剣士「くそぅ、意識が朦朧として、出血も激しくなってる!」
魔物娘「ど、ど、ど、どうしましょうデーモン様!」「あのままじゃ死んじゃいますよ!」
デーモン「もう城下町に行って助けを呼んでも間に合わないわ。
私たちでどうにかしないと…」
リビングアーマー「…」スッ
デーモン「リビングアーマーちゃん。!そうねリビングアーマーちゃんなら
端から見ればただの鎧だから近づけるはず!行ってきてちょうだい。」
リビングアーマー「……」コクリ
剣士「何考えてるんだ!
いくら鎧を着てると言っても中にショートボブの美少女がいたら意味がないだろ!」
リビングアーマー「………?」キョトン?
デーモン「………アレ?もしかして剣士さん見えてる?」
剣士「?見えるも何もしっかりそこにいるじゃないか。」
魔物娘達「えっ?」
剣士「えっ?」
デーモン「………おめでとう。」
剣士「えっ?」
魔物娘達「おめでとう。」「末長くお幸せに。」「結婚式場予約しとくね。」
剣士「えっ?」
リビングアーマー「フツツカモノデスガ」ぺこり
剣士「えっ?」
タッタッタッタッタッ
ゲイザー「待たせたな!直ぐに治してやるぜ!」
デーモン「ゲイザーちゃん!っ、その格好は!」
ゲイザー「ヘヘヘ、可愛さの欠片もねぇ服を選んできたぜ!」
剣士「何してんだ!!!裸ワイシャツなんて着てきたら大勇者様が!……大勇者様?」
大勇者「我が生涯に一片の悔い無し」
剣士「大勇者様ー!!!!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
リリム「それで、どうなったの?」
デーモン「危うく天に召されそうになったけど、
リビングアーマーちゃんを着た剣士さんが
リビングアーマーちゃんに教わりながら回復魔法をかけてあげて
どうにか一命はとりとめたわ。」
リリム「はぁー良かった。」
デーモン「私たちがいたらまたなっちゃうかもしれないから、
剣士さんが隣の教団国家に送ってくれてるわ。」
リリム「もう、言ったじゃない、危ないから近づいちゃダメだって。」
デーモン「だって、そういうことだとは思わなかったんだもの。」
リリム「まぁでも、どうにかしたいのは山々なんだけどね。」
デーモン「そうね、根はイイコだからなおさら、ねぇ。」
リリム&デーモン「……はぁ。」
17/11/12 20:51更新 / I to so
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