おまけ:ある家族の、幸せな朝
いきなりですが
※※WARNING!!※※
ここから先、作者がマウスで描いたヒロイン二人の絵が載っています。
残念なかんじの画力で気分を害したり、
皆様の想像の幅を狭められてしまう恐れが御座いますので、
同じくこのページに記載されているおまけの話だけ読みたい方は
ここでスクロールバーをぐいっと一気に引き下げ、
だいたいブラウザの真ん中以下まで動かしてからお読みください。
それでも見てみたいという方がもし居られましたら、
そのまま絵が見えるまで普通にスクロールしていって下さい。
…後悔しませんね?
はい、これです。見ていただき、誠にありがとうございます。
衣装にだいぶオリジナル入ってますが、そこはご容赦を…
以下、おまけの話です。
彼が私達の正体を受け入れてくれた夜から、もう八年も経った。
あの後、一週間もしないうちに結婚式を挙げてしまったので我ながら驚いたけど、
それだけ、三人の想いが強かったと言うことなのだろう。
あの夜を境にイオちゃんは変身能力を失い、何故か私まで、いくら夢を操っても
『ノイア』の姿に変身する事が出来なくなっていた。
やっぱり、あの時に見た夢が原因なんだろうか?
…でも、もう姿を偽る必要は無い。もう私達は、彼の愛情を信じられるから。
そして…
「ねえ、おっきいママ!」
「なぁに?ルエット。」
「わたしね、大きくなったら、おっきいママになって、
わたしもパパのおよめさんにしてもらうの♪」
「あっ、ずるい!あたしも!
あたしも、大きくなったら、ちっちゃいママになって、
パパとゆめの中であそぶ!」
今ここに、私達の愛の結晶である二人の娘が存在しているから。
彼女達は、結婚してから一年経った辺りに私達のお腹に宿り、
同じ日に、二人同時に生を受け、今年でもう七歳になる。
私が産んだ子は『ノルム』イオちゃんが産んだ子は『ルエット』
どちらも、三人で一生懸命に悩み、強い思いを込めて付けた名前だ。
でも…
「クスッ♪…ねえ、二人とも。
変身なんてしなくても、パパは貴方達の事が大好きなのに、
どうして、ママ達にならなくちゃいけないの?」
「えっ…」
「…だって…
あたしたち、きれいじゃないもん…」
「ううん。そんな事ないわよ。」
「そんなことあるもん。
おしゃべりするのもにがてだし…」
「うまなのに、はやくはしれないし…」
「おともだちみんなの中で、一ばんせもひくいし…」
「シイタケたべれないし…」
「それから…」
私達に似てしまったのか、彼女たちもまた、臆病で、自分に自信が無いようだ。
…でも、それじゃいけないって事は、私達が一番知ってる。
「…ほらほら、悪い所ばっかり考えるのは、そこでお終いにしなきゃ。」
「おっきいママの言う通りよ。
自分の悪いところばっかり気にしてたら、いい所が見えなくなっちゃうんですよ?」
「…いいところ、ある?」
「うん。貴方達にも、いい所がいーっぱいあるのよ?」
「例えばノルム、貴方はとっても頭がいいでしょう?
パパもママも解けなかったあのパズル、貴方一人でぜーんぶ解いちゃうんですから。」
「そう…かな?」
「それにルエットは、お歌がすごく上手よ。
お友達のセイレーンちゃんのお母さんも、ルエットの事すごく褒めてたわ。
声もすっごく綺麗だって。ふふふ…ちっちゃいママ譲りね。」
「ほんと?」
「勿論。
悪いところが無い人は居ないけど、いい所が無い人も絶対居ないの。」
「悪いところを見るのも大事ですけど、
一緒にいい所も見れるようにならないと駄目ですよ?」
「…でも、わたし、わるいところのほうがいっぱいあるよ…」
「わたしも…」
なかなか考えを改められないのも、私達から受け継がれてしまった。
この子達に、私達と同じ苦労をさせるわけには行かない。
子供の内から、少しずつ、直してあげないとね。
「貴方達の事を悪く言ったりしたら、パパとママ達は悲しくなっちゃうな…。」
「そうですよ。ワタシ達は、貴方達の事が大好きなのに…
貴方達だって、パパやママやお友達の悪口を言われたら、嫌でしょう?」
「「…うん…。」」
「自分がされたら嫌な事は、人にしちゃいけないの。
だから自分にも、悪口を言っちゃだめよ。」
「それに、変身しても、本当の自分はそのままなんですよ?
悪いところが無くなるわけじゃないし、何より、
変身しても、本当の貴方達の事は大好きになってくれないんですよ?」
「それは…」
「…やだ。」
「貴方達は、まだ小さな子供なんだから。
沢山悪いところがあっても、まだ沢山直す事ができるのよ。」
「なおせるの?」
「ええ。きっと直せるわ。
大人になる前に、ママ達と一緒に、がんばって直していかないとね。」
「「…うん!」」
「はい、よく言えました♪
それじゃあ今日は、お買い物に連れてってあげましょうね。」
「「ほんと!?」」
「ええ。でも、ママ達と離れて、どこかに行っちゃ駄目よ?」
「「はーい!!」」
家を出てしばらく行くと…
「あっ、四人とも、今日はお買い物?」
「ええ。貴方達も?」
「そうなのよ。今日は六番目の子の誕生日だから、お母さん奮発しちゃうわ☆」
森で見かけたアラクネさんも、今ではすっかり母仲間だ。
何でも、あの夜にラエールさんが空から飛んできたのは、彼女の協力だったらしい。
後でそれを知って、お礼に行こうとしたら、
「お礼なら、もう彼から貰ったわ☆」と、糸で全身を縛られながらも
幸せそうな表情を浮かべている、ラエールさんの酒場の常連さんを見せてくれた。
「お互いの娘達も仲良しみたいですし、本当に良かったですね。」
「そうね。この町は優しい人も多いし、毎回来るのが楽しみよ☆」
それからちょっと世間話をしていたけど、
お互いの娘が促すので、今日はもう別れ、店に向かった。
「あっ、ノルムちゃんにルエットちゃん!」
向こうから走ってくるのは、狐の耳と尻尾を生やした、娘達と同じくらいの女の子。
「それに、二人のお母ちゃんも。こんにちは!」
「はいはい、こんにちは♪」
「きょうは、おかいものなんか?」
「ええ、そうですよ。」
「そか。なら、ノルムちゃん、ルエットちゃん。
おかいものおわって、おひるごはんたべたら、うちとあそばへん?」
「えっ、いいの?」
「あたしたちでいいの?」
「ええって。いっしょにあそぼ!
うち、お母ちゃんもお父ちゃんもおらへんあいだ、たいくつやねん。」
この子は、あの夜のきっかけを作ってくれた、酒場のマスターの娘だ。
あの夜を境に、マスターの尻尾がもう一本増え、娘も出来たらしい。
私達だけじゃなく、マスターにとっても特別な夜になったようだ。
「それに…うち、ふたりのこと大すきやもん♪」
「あ、ありがとう…!」
「うれしい…!」
「ふふふ…大好きだって。よかったわね、二人とも♪」
「「うん!!」」
「それじゃ、おさんぽのとちゅうやから、またあとでな!」
「はーい!」
「またあとでね!」
そう言って、また歩いていった。やっぱり元気な子はいい。
娘たちも、あの子ぐらいに元気に育っていってほしい。
「それじゃあ、ワタシ達も行きましょうか。」
「うん!」
「もうすぐおみせだね!」
そして、また店に向かって、四人仲良く歩き出した。
買い物も終え、昼食を済ませ、娘達を送り出し、掃除を始め…
いつも通りの、しかし平和で幸せな一日が過ぎていきました。
そして、夜…
ワタシ達は、新たに増築した娘たちの寝室で、彼女達を寝かしつけていました。
「ねえ、ママ…」
「あのね…」
「どうしたの?二人とも。」
「あたしたちがうまれるまえのママたちって、どんなのだったの?」
「そうですね…。一言で言えば、貴方達とおんなじだったんですよ。」
「わたしたちと…?」
「そうよ。
自分は綺麗じゃないと思ってたし、ずーっと怖がりがった。」
「嘘もいっぱいついてしまったし、何より、パパの事を悲しませてしまうのが怖くて、
ずっと安心できない毎日だったんです。」
「そんな…」
「いまのママたちと、ぜんぜんちがうね。」
「でもね…。パパに本当の事を知られて、気付いたの。
ちょっとでも勇気を出して、本当の事を言った方が、凄く楽になるって。」
「パパも含めて、いろんな人の助けがあったから、それにようやく気付けたんです。
それまで、ずっと苦しかったから…
だから、貴方達に同じ思いをして欲しくないんですよ。」
「うん…。」
「人に嘘をつくのも、自分に嘘をつくのも、どっちもいけない事なのよ。
好きなものは好きって、ちゃんと言う。いけない事をしたら、ちゃんと謝る。
自分の姿や、自分の気持ちを、正直に見せなさい。
そうすれば、もっとお友達も出来るし、
パパの他にも貴方達を好きになってくれる男の子も、きっと出来るわ。」
「できるかな…?」
「出来ますよ。
貴方達は、貴方達が思っているよりも、ずっとずっと綺麗なんですから。」
「後は、心を綺麗に、自分に正直にしていれば、きっと大丈夫。
きっと出来るわ。貴方達は、優しくて正直なパパと、ママ達の娘なんだから。」
「「…うん!がんばる!」」
「うん!頑張ってね。ママ達との約束よ。」
「…さ、もう寝ましょう。
早く寝ないと、お寝坊しちゃいますよ?」
「はーい…。」
「おやすみなさい、ママたち。」
「ふふふ…お休みなさい。」
「また明日の朝に、『おはよう』って言いましょうね?」
彼女達が寝静まったのを確認すると、私達は夫婦の寝室へと向かった。
そして、ワタシ達は今夜も、更なる愛を育んで行くのです。
彼への愛情と、いずれ宿るであろう、娘たちの妹のため。
そして、今日の努力へのご褒美と、明日の努力への活力のため。
私達は今も、全力で努力を続けている。
この家族で、ずっと一緒に居られるように。
自分の力で、自分の姿で、自分の心で、
理想の私・ワタシ達に、変われるように。
だから…
「「もう一回戦、ね?」」
「お…お手柔らかに。」
これからもずっと、本当の心で、夫を、家族を、そして自分自身を愛していきたい。
※※WARNING!!※※
ここから先、作者がマウスで描いたヒロイン二人の絵が載っています。
残念なかんじの画力で気分を害したり、
皆様の想像の幅を狭められてしまう恐れが御座いますので、
同じくこのページに記載されているおまけの話だけ読みたい方は
ここでスクロールバーをぐいっと一気に引き下げ、
だいたいブラウザの真ん中以下まで動かしてからお読みください。
それでも見てみたいという方がもし居られましたら、
そのまま絵が見えるまで普通にスクロールしていって下さい。
…後悔しませんね?
はい、これです。見ていただき、誠にありがとうございます。
衣装にだいぶオリジナル入ってますが、そこはご容赦を…
以下、おまけの話です。
彼が私達の正体を受け入れてくれた夜から、もう八年も経った。
あの後、一週間もしないうちに結婚式を挙げてしまったので我ながら驚いたけど、
それだけ、三人の想いが強かったと言うことなのだろう。
あの夜を境にイオちゃんは変身能力を失い、何故か私まで、いくら夢を操っても
『ノイア』の姿に変身する事が出来なくなっていた。
やっぱり、あの時に見た夢が原因なんだろうか?
…でも、もう姿を偽る必要は無い。もう私達は、彼の愛情を信じられるから。
そして…
「ねえ、おっきいママ!」
「なぁに?ルエット。」
「わたしね、大きくなったら、おっきいママになって、
わたしもパパのおよめさんにしてもらうの♪」
「あっ、ずるい!あたしも!
あたしも、大きくなったら、ちっちゃいママになって、
パパとゆめの中であそぶ!」
今ここに、私達の愛の結晶である二人の娘が存在しているから。
彼女達は、結婚してから一年経った辺りに私達のお腹に宿り、
同じ日に、二人同時に生を受け、今年でもう七歳になる。
私が産んだ子は『ノルム』イオちゃんが産んだ子は『ルエット』
どちらも、三人で一生懸命に悩み、強い思いを込めて付けた名前だ。
でも…
「クスッ♪…ねえ、二人とも。
変身なんてしなくても、パパは貴方達の事が大好きなのに、
どうして、ママ達にならなくちゃいけないの?」
「えっ…」
「…だって…
あたしたち、きれいじゃないもん…」
「ううん。そんな事ないわよ。」
「そんなことあるもん。
おしゃべりするのもにがてだし…」
「うまなのに、はやくはしれないし…」
「おともだちみんなの中で、一ばんせもひくいし…」
「シイタケたべれないし…」
「それから…」
私達に似てしまったのか、彼女たちもまた、臆病で、自分に自信が無いようだ。
…でも、それじゃいけないって事は、私達が一番知ってる。
「…ほらほら、悪い所ばっかり考えるのは、そこでお終いにしなきゃ。」
「おっきいママの言う通りよ。
自分の悪いところばっかり気にしてたら、いい所が見えなくなっちゃうんですよ?」
「…いいところ、ある?」
「うん。貴方達にも、いい所がいーっぱいあるのよ?」
「例えばノルム、貴方はとっても頭がいいでしょう?
パパもママも解けなかったあのパズル、貴方一人でぜーんぶ解いちゃうんですから。」
「そう…かな?」
「それにルエットは、お歌がすごく上手よ。
お友達のセイレーンちゃんのお母さんも、ルエットの事すごく褒めてたわ。
声もすっごく綺麗だって。ふふふ…ちっちゃいママ譲りね。」
「ほんと?」
「勿論。
悪いところが無い人は居ないけど、いい所が無い人も絶対居ないの。」
「悪いところを見るのも大事ですけど、
一緒にいい所も見れるようにならないと駄目ですよ?」
「…でも、わたし、わるいところのほうがいっぱいあるよ…」
「わたしも…」
なかなか考えを改められないのも、私達から受け継がれてしまった。
この子達に、私達と同じ苦労をさせるわけには行かない。
子供の内から、少しずつ、直してあげないとね。
「貴方達の事を悪く言ったりしたら、パパとママ達は悲しくなっちゃうな…。」
「そうですよ。ワタシ達は、貴方達の事が大好きなのに…
貴方達だって、パパやママやお友達の悪口を言われたら、嫌でしょう?」
「「…うん…。」」
「自分がされたら嫌な事は、人にしちゃいけないの。
だから自分にも、悪口を言っちゃだめよ。」
「それに、変身しても、本当の自分はそのままなんですよ?
悪いところが無くなるわけじゃないし、何より、
変身しても、本当の貴方達の事は大好きになってくれないんですよ?」
「それは…」
「…やだ。」
「貴方達は、まだ小さな子供なんだから。
沢山悪いところがあっても、まだ沢山直す事ができるのよ。」
「なおせるの?」
「ええ。きっと直せるわ。
大人になる前に、ママ達と一緒に、がんばって直していかないとね。」
「「…うん!」」
「はい、よく言えました♪
それじゃあ今日は、お買い物に連れてってあげましょうね。」
「「ほんと!?」」
「ええ。でも、ママ達と離れて、どこかに行っちゃ駄目よ?」
「「はーい!!」」
家を出てしばらく行くと…
「あっ、四人とも、今日はお買い物?」
「ええ。貴方達も?」
「そうなのよ。今日は六番目の子の誕生日だから、お母さん奮発しちゃうわ☆」
森で見かけたアラクネさんも、今ではすっかり母仲間だ。
何でも、あの夜にラエールさんが空から飛んできたのは、彼女の協力だったらしい。
後でそれを知って、お礼に行こうとしたら、
「お礼なら、もう彼から貰ったわ☆」と、糸で全身を縛られながらも
幸せそうな表情を浮かべている、ラエールさんの酒場の常連さんを見せてくれた。
「お互いの娘達も仲良しみたいですし、本当に良かったですね。」
「そうね。この町は優しい人も多いし、毎回来るのが楽しみよ☆」
それからちょっと世間話をしていたけど、
お互いの娘が促すので、今日はもう別れ、店に向かった。
「あっ、ノルムちゃんにルエットちゃん!」
向こうから走ってくるのは、狐の耳と尻尾を生やした、娘達と同じくらいの女の子。
「それに、二人のお母ちゃんも。こんにちは!」
「はいはい、こんにちは♪」
「きょうは、おかいものなんか?」
「ええ、そうですよ。」
「そか。なら、ノルムちゃん、ルエットちゃん。
おかいものおわって、おひるごはんたべたら、うちとあそばへん?」
「えっ、いいの?」
「あたしたちでいいの?」
「ええって。いっしょにあそぼ!
うち、お母ちゃんもお父ちゃんもおらへんあいだ、たいくつやねん。」
この子は、あの夜のきっかけを作ってくれた、酒場のマスターの娘だ。
あの夜を境に、マスターの尻尾がもう一本増え、娘も出来たらしい。
私達だけじゃなく、マスターにとっても特別な夜になったようだ。
「それに…うち、ふたりのこと大すきやもん♪」
「あ、ありがとう…!」
「うれしい…!」
「ふふふ…大好きだって。よかったわね、二人とも♪」
「「うん!!」」
「それじゃ、おさんぽのとちゅうやから、またあとでな!」
「はーい!」
「またあとでね!」
そう言って、また歩いていった。やっぱり元気な子はいい。
娘たちも、あの子ぐらいに元気に育っていってほしい。
「それじゃあ、ワタシ達も行きましょうか。」
「うん!」
「もうすぐおみせだね!」
そして、また店に向かって、四人仲良く歩き出した。
買い物も終え、昼食を済ませ、娘達を送り出し、掃除を始め…
いつも通りの、しかし平和で幸せな一日が過ぎていきました。
そして、夜…
ワタシ達は、新たに増築した娘たちの寝室で、彼女達を寝かしつけていました。
「ねえ、ママ…」
「あのね…」
「どうしたの?二人とも。」
「あたしたちがうまれるまえのママたちって、どんなのだったの?」
「そうですね…。一言で言えば、貴方達とおんなじだったんですよ。」
「わたしたちと…?」
「そうよ。
自分は綺麗じゃないと思ってたし、ずーっと怖がりがった。」
「嘘もいっぱいついてしまったし、何より、パパの事を悲しませてしまうのが怖くて、
ずっと安心できない毎日だったんです。」
「そんな…」
「いまのママたちと、ぜんぜんちがうね。」
「でもね…。パパに本当の事を知られて、気付いたの。
ちょっとでも勇気を出して、本当の事を言った方が、凄く楽になるって。」
「パパも含めて、いろんな人の助けがあったから、それにようやく気付けたんです。
それまで、ずっと苦しかったから…
だから、貴方達に同じ思いをして欲しくないんですよ。」
「うん…。」
「人に嘘をつくのも、自分に嘘をつくのも、どっちもいけない事なのよ。
好きなものは好きって、ちゃんと言う。いけない事をしたら、ちゃんと謝る。
自分の姿や、自分の気持ちを、正直に見せなさい。
そうすれば、もっとお友達も出来るし、
パパの他にも貴方達を好きになってくれる男の子も、きっと出来るわ。」
「できるかな…?」
「出来ますよ。
貴方達は、貴方達が思っているよりも、ずっとずっと綺麗なんですから。」
「後は、心を綺麗に、自分に正直にしていれば、きっと大丈夫。
きっと出来るわ。貴方達は、優しくて正直なパパと、ママ達の娘なんだから。」
「「…うん!がんばる!」」
「うん!頑張ってね。ママ達との約束よ。」
「…さ、もう寝ましょう。
早く寝ないと、お寝坊しちゃいますよ?」
「はーい…。」
「おやすみなさい、ママたち。」
「ふふふ…お休みなさい。」
「また明日の朝に、『おはよう』って言いましょうね?」
彼女達が寝静まったのを確認すると、私達は夫婦の寝室へと向かった。
そして、ワタシ達は今夜も、更なる愛を育んで行くのです。
彼への愛情と、いずれ宿るであろう、娘たちの妹のため。
そして、今日の努力へのご褒美と、明日の努力への活力のため。
私達は今も、全力で努力を続けている。
この家族で、ずっと一緒に居られるように。
自分の力で、自分の姿で、自分の心で、
理想の私・ワタシ達に、変われるように。
だから…
「「もう一回戦、ね?」」
「お…お手柔らかに。」
これからもずっと、本当の心で、夫を、家族を、そして自分自身を愛していきたい。
11/12/31 18:39更新 / K助
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