完結編:そして夜が明ける時
「…あのさ。」
「何?」
「どうして、俺を脱がせてるんだ?」
あの後、ラエールとイオはまたエイムの背中に乗せてもらい、彼の家へと帰り着いた。
ところがその直後、やおら寝室に連れ込まれ、彼女達に服を脱がされ始めたのだ。
「だって…私達だって、魔物なのよ?」
「お互いに好きだって事を信じられて…ワタシ達を、恋人にしてくれて…
もうワタシ達、貴方としたくてしたくて、我慢できないんです!」
そういえば、二人とも魔物だったんだっけ。あまりにも消極的だったけど…
などと彼が考えている内に、二人は彼の服を全て脱がし終え、自分達の服に取り掛かった。
被っていたフード、バンダナ、ローブ、ワンピース、ブラ、ショーツ…
それらを一つずつ外していき、次第に露になる彼女達の体を見ている内に、
まったくもって正直な彼の分身は、見事に固く反り返っていた。
そして…
「どう…かな?私達の、体…」
大人になりたての女性、といった感じの顔を、羞恥で赤く染めたエイム。
フードを被るのに都合がいいように短く切りそろえられた、宵の口の空のような蒼の髪。
獣の耳は、馬の部分と同じく紫の体毛に覆われ、時折、可愛らしくぴくぴくと動く。
顔から下に目をやると、きゅっとくびれたウエストの上に鎮座する、
巨乳というより、爆乳と形容するべきレベルの、とても立派な二つの膨らみがある。
見ていると、今すぐにでも思うがままに揉みしだき、堪能し尽したい衝動に駆られた。
「…こんな異形の体でも…愛してくれる?」
そして、やはり最も目に付くのは、どうやら彼女のコンプレックスらしい馬の部分。
だが、彼女が欠点だと嫌うそれは、彼女の魅力を損ねるどころか、
むしろ、一つの美術品のような、不思議な美しさを彼女に与え、
『これは欠点なんかじゃない』と彼は心から思えた。
「ワタシの体は…どうですか?」
とがった耳を包み込む、艶やかな漆黒の長髪を揺らしながら、
イオはその幼くあどけない顔ではにかみながら、上目遣いでそんな事を聞いてくる。
その様は、大人のエイムと比べても、まったく劣らず可愛らしく、魅力的に見えた。
「こんなぺったんこな体は…やっぱり、嫌いですか?」
しかし、彼女の体は、身長も、起伏にも乏しい、まさに幼い少女と言った感じの体。
手足も細く華奢で、下手に扱ったら簡単に壊れてしまいそうな、儚げな肢体。
…だが、こんな小さく、愛らしく、大人が守ってあげなくてはならないような少女は、
自ら望んで、自分の愛する男性にその体を明け渡そうとしている。
彼が受けるその背徳感たるや半端なものではなかったが、
彼女への愛情と、彼女の健気な様子が、その背徳感を、逆に性的興奮へと変えた。
「凄い…二人とも、凄く、魅力的だよ…。」
彼のその言葉には、一寸たりとも嘘は無かった。
大人の体と、子供の体。両方の性的魅力を十二分に主張している。
女性の理想形とも言うべき、完璧なプロポーションを持っていた『ノイア』も
素晴らしく魅力的だったが、今、目の前に居る彼女達の裸体も、全く劣らず美しく見えた。
「嬉しい…。」
「良かった、です…。」
二人は心底嬉しそうに笑いながら、ラエールに近付いてきた。
「あの…キスして…。」
「ワタシも…お願いします。」
そして二人は顔を突き出し、頬を寄せ合い、目を閉じ、口をすぼめる。
二人の顔に浮かぶのは、無邪気な子供のように、期待に満ちた表情。
彼も、その期待に応えるべく、目を閉じ、唇を重ねる。
最初は…イオ。
「んっ…ぷ、ちゅっ…」
次に…エイムに。
「ふ…ちゅぅ…んふ…♪」
二人の唇の感触と、暖かさを楽しんで、顔を離す。
しかし、こんな軽いキスでは足りないとでも言うように、
二人は目を開かず、しかしさっきよりも更に期待に満ち溢れた顔を近づけてきた。
(…そうだよな。足りないよな。だって、俺もまだし足りないし…そうだ!)
ラエールは、手で二人の顔を更にくっつけると、
今にも触れ合いそうになった二つの唇の、丁度その境目の部分に口づけた。
「んぅぅ♪ふっ、ふ…♪」
「あう…ん、れろっ…♪」
そのまま三人一緒に舌を絡め合い、こすり付け、時に引っ張り合う。
エイムとイオと、同時にキスをするという思いつきは、見事成功した。
その後も、片方の舌と唇の隙間に、不意に舌を潜り込ませたり、
頭を軽く掴み、ラエールの方に二人の顔を向けさせつつ、
二本の舌を口に咥え、吸ったり、軽く噛んでみたり、
二人が舌を絡ませあっている所に、わざと割って入ってみたりしてやると、
その度に二人は嬉しそうな鼻声を上げ、彼のアプローチに積極的に答えてくれた。
(ぴちゃ、ぺちゃっ、は、あ…)
(はっ、ぅ、くちゅう…ぢゅっ、ぴ…)
…何分、そうやっていただろう。
まだキスだけなのに、楽しくて、気持ちよくて、時間も忘れて熱中してしまった。
やがて誰からともなく口を離すと、もう三人とも顔がベトベトどころか、
首や胸まで三人分の唾液が混ざった液体にまみれていた。
「はぁっ…はー…」
「ふぅ…ふぅぅ……」
そして、ラエールの目の前にある二人の顔は、キスを終えて、もうすっかり蕩けていた。
幸福と欲情に塗れながらも、なお崩れない二人の美貌を間近で見たラエールは、
最早理性を振り捨て、今すぐに飛び掛かって行きたいという、獣の如き本能に呼ばれた。
だが、その本能以上に、彼の優しさは強かった。
そんな事をしてしまえば、彼女達を傷つけてしまうという思いが、本能を押し留めた。
彼はどうにか平静を装うと、二人を誘導し、
エイムをベッドの横に座らせ、イオをベッドのふち、エイムの隣に座らせる。
「…このまま行く?それとも、触って欲しい?」
「あの、もしよければ、触って欲しいな…」
「ラエールさんの、あったかい手…もっと、感じたいです…。」
「ああ。わかったよ。それじゃ…」
呼吸を整え、ラエールはゆっくりと二人の胸に手を触れた。
「んっ…」
「はぁ…!」
左手から伝わるのは、エイムの見事な爆乳の感触。
しっとりと手に吸い付くような、きめ細かい肌の感触と、確かな暖かさ。
更にその下からは、息遣いや、心臓の鼓動まで感じられる。
「ぁふ、ふっ、んっ…くぅ…!」
とても柔らかなエイムの乳房は、
ラエールが指先に力をこめると、むにょっと簡単に沈み込み、
握ったり、軽く押し込んだりすると、手の中で変幻自在に形を変えた。
しかし彼女の乳房もただされるがままでは無く、しっかりとした弾力を持ち、
彼の手のひらや指を押し返してくる。
「はぁ…あッ…むね…いい、よ…♪」
その不思議で、かつ、触ってて気持ちのいい感触は、他の何にも例える事はできない。
これはパン生地とか、マシュマロなどで計れる手触りではない。
唯『おっぱい』であるからこそ、この不思議で、官能的な感触が出せるのだろう…。
ラエールは、興奮の中でぼんやりとそんな事を考えていた。
しかし、一口に『おっぱい』と言っても、色々ある。
その一つが、今、彼の右手が存在を感じている、イオのごく小さな胸。
これも、他のものでは形容できない感触だった。
まだ成長が始まったばかりの、いわば土台のような、ささやかな膨らみ。
それでもちゃんと脂肪はついていて、『これがワタシのおっぱいなんですよ』と、
彼女にその体と『自分』を与えてくれた人の手に、確かにそこにある事を主張していた。
「きゃふ…ぁん、にゃっ!…んん、はぁぁ…!!」
左手に感じる肌とはまた違う、スベスベ、ふよふよとした手触りを感じる。
エイムとは別方向で、触ってて気持ちがいい。
しかし、いくら触り心地がよくとも、彼女の体はまだ未発達。
ちょっと力をこめると、すぐにその下の骨に行き当たってしまう。
握りこむと、何やら小さな核のような、しこりのような物も感じられる。
(…痛くないだろうか?こういうのは痛いって、どこかで聞いたけど…)
「あぁ、い、ぃう…♪くふぅぅ…きゅうッ!!」
どうやら、心配は無いようだ。
刺激を与えるたびに上げる大きな悲鳴に、熱と快楽がこもっているのが分かる。
魔物の体は、人間には痛みにしか感じられないであろう未成熟な部分への刺激も受け入れ、
そしてその刺激は激しい快楽へと変わり、胸からイオの全身を走り回った。
「…うふふ…っ、イオちゃん、あっ、気持ち、いい?」
綺麗な声で、可愛らしく善がっている親友の姿を見て、
エイムは小さな嗜虐心を覚え、イオに顔を近づけて尋ねた。
「きゃ、ぁん、す、スゴイ、です…まだっ、むね、だけなの、に…ぃぃ♪」
「そう…♪じゃあ、んん、こうすると…どうかな?」
そう言うと、エイムは舌を伸ばし、イオの淡い色の乳首をちろちろと舐め上げた。
「んきゅうぁうううッ!?」
すると、イオの体はビクンッと大きく跳ね上がり、ぐったりとなった。
「はぁ〜、はあぁぁ、はぅ…っ?」
「…あれ?ふっ、も、もしかして、イオちゃ、ん、ちょっと、イっちゃっ、た?」
「はゃ、あっ…そ、そう…みたい、です…。ごめんな、さい…」
「…いや、そんな謝る事じゃないと思うよ。」
「ええ。『感じやすい』っていうのも、っ、立派な、個性よ?」
「良かったじゃないか、自分の個性が見つかって…」
「よ、よろこんで…いいのか、どうか…」
喘ぎながらも、エイムはまだまだ余裕のある感じのしゃべり方だ。
しかしラエールは、二人ともに気持ちよくなってもらいたいと思っていた。
そこで彼も、責めの中心を乳房から乳首に移行してみる事にした。
「きゃはッ!?」
「はうぅ…!!」
周囲を揉みながら、そっと優しく乳首をつねり上げる。
充血し、立ち上がった乳首は、その色と、潰す時の感触から、小さな果実を思わせる。
その果実を、ラエールはひたすらに堪能し、味わいつくした。
「ああッ!?はぁ、やっ、また、ペシペシって…気持ち…!!」
「ふ、んっ、あ、きゃ…そこ…!」
二人の体の大きさも、年齢も、性格も違えば、
当然乳首の弄り方によって、返ってくる反応も違う。
二人それぞれの『有効打』を探るべく、色んな方法を試してみた。
つまんだり、転がしたり、押し込んだり、引っ張ったり、舐め上げたり…
乳首をデコピンの要領で強く弾くと、エイムは大きな声を上げた。
どうやら彼女は、少し強めの刺激が好きらしい。
「んふんっ、は、あ…、う…」
「あ!きゃはははは、ひぁ、あ!やめ、やめ、あきゃあはああッ!!?」
エイムの乳首を口に咥えて吸い上げつつも、
イオの乳首を両手の親指でこねながら、わき腹を他の指でくすぐってやると、
今度はイオがとても激しい反応を見せた。
二人の魔性の胸は、触って気持ちよく、面白く、飽きが来ない。
先程のキスのように、彼はまた二人にのめり込んでしまいそうだった。
「あは…ぁ…ふぅぅ…おっぱい…よかった、わ…」
「はっ…ん、はぁ…はぅー…」
そうして、二人の乳房と乳首を心ゆくまで楽しみ終え、手を離す。
エイムは余裕が少なくなってきたものの、今だ絶頂には至っていなかったが、
イオは胸が開放されるまでの間に、更にもう一回絶頂してしまったようだ。
「あの…ね。…下も、触ってもらって、いい?さっきから、凄くうずうずして…」
「ワタシのも…こんなになってしまって、もう、我慢ができません…!」
下に目をやると、二人の性器からは、少し白っぽく、粘り気のある透明な液体が
後から後から大河のように流れ出し、いやらしい香りを放っていた。
「ふっふっふ…仕方ないな。じゃあ…」
もう、多少激しくしても大丈夫だと判断したラエールは、
熱く疼き、ひとりでに開きかけているエイムの(人部分の)秘裂と、
潤いこそ激しいものの、依然としてぴっちりと閉じているイオのたてすじ目掛けて、
人差し指をそっと当てたかと思うと、いきなり膣内に突き入れた。
「んあぁぁぁうッ!!」
「きゃひあぁぁぁッ!?」
これまで優しい手つきだった彼が、いきなりこんな不意打ちを仕掛けてくるなどと
二人は予想だにしておらず、準備が整っていない所に突然来た強い刺激を受けて
彼女達は、驚きと快感の混ざったつつしみ無い悲鳴を上げ、
続いて顔を真っ赤にし、荒い息をつき、目をぎゅっとつぶって、
強い快楽を処理しているかのように、体をぷるぷると震わせた。
「はぁ…は…ず、ずる…い…。いきなり…」
「そっ、そうで…すよぉ。そんな、いきなり、なんて…」
「ハハハ…ゴメン。
二人が可愛く反応してくれるかなー、なんて思ってさ…。
予想以上に、二人とも可愛かったよ。」
ラエールの不意打ちに、すこし顔をしかめた二人だったが、
そこにすかさず掛けられた彼の優しい言葉でそれも帳消しになり、
機嫌を直してまたニッコリと笑った。
「そういう事なら…」
「許してあげます。」
「ありがとう。それじゃ、続けるな…。」
ちゅぷっ…ぐちゅっ…と、寝室に二人分の卑猥な水音が響く。
ラエールはさっきの行動を咎められたせいか、
もう、突然激しく弄るようなことはせず、また優しい手つきに戻っていた。
しかし、ただ優しく触るだけではなく、彼女達を気持ちよくさせる事を第一に考え、
二人の女性器の奥に潜む快楽の塊を探り出すかのように、
丹念に、自分の指先を最大限に活用して、二人の膣をほぐしていった。
「あっ…はッ!!いうッ!?あぁ…♪そこぉ、ダメ…ぇっ、あう…!」
「きゅぅん…ふぅーぅ…やぁ、やっ、やっ、ああッ!?」
出し入れしたり、中を押したり、かき混ぜたり、時に軽く引っかいたり。
親指を使って上にある皮を剥き、中の充血した淫核をこね回す事も忘れない。
胸を弄っていた時はエイムが余裕を見せていたが、今はその影も無い。
彼女は、胸よりも性器の方が感じるようだった。
もっとも、イオも元々感度が良すぎるため、同じ程に反応していたが。
(すげぇ…指なのに、俺までこんなに気持ちいいなんて…)
もはや言うまでもないが、二人は性器の形すら違う。
襞が指に絡みつき、絶妙の熱と感触を与えてくるエイムと、
内壁は幾分つるっとしているが、指一本でも強烈に締め付けるイオ。
色々と異なる二人だが、共通している事もある。
それは二人とも、男の精によって生きる魔物娘であるという事。
そしてその性器は、精を摂り、子を作る役割を持つ、
魔物娘にとって最も重要で、かつ最も貪欲な器官だという事だった。
そんな所に指を入れているならば、当然、
彼の指は、貪欲かつ最上級の名器がもたらす感触にさらされ続ける事になる。
「あっ、もうイく、ダメ、や、あ!ハッ、あぅ、あっ、あ…」
「ひャっ、きゃぅっ、ワタシ、も、ですっ、やっ、や、ら、ひぃぃ…」
そして…
「あはっ、ふあああぁあああああぁぁッ♪」
「んっ、き、いひゅぅぅぅうううッ!?」
エイムはこの日初めての、イオはこの日三回目の絶頂に、体を大きく跳ねさせる。
そして、絶頂から来る強烈な締め付けと、早く精を寄越せと言わんばかりの
膣内の大きなうねりが、ラエールの両の人差し指に与えられた。
(…これを、自分のモノで味わえたら……)
ノイアとの交わりによって、性交自体には慣れていたのだが、
余裕たっぷりだった彼女とこの二人は、明らかに違っている。
目の前の二人は初々しく頬を染め、悩ましく身をよじり、可愛らしく声を上げ、
尚且つノイアに勝るとも劣らぬ、素晴らしい名器を持っている。
しかし、今、ラエールの目の前にいる二人は、二人とも紛れも無く、
今まで自分が愛し、自分を愛してくれた女性その人なのだ。
そして、もう何も偽る事のない、本当の姿、本当の心で自分を愛し、感じてくれている。
その現実に、ラエールの興奮はもはや最高潮に達していた。
「はぁっ…はぁぅ…あぁっ…」
「ふぅ、んふぅー…また…いっちゃい、ました…。」
上も下もとろけきった二人を落ち着かせるため、
しばし二人を抱きしめながら、熱い吐息を感じつつ、じっと待つ。
ある程度落ち着いたところで、ラエールは確認した。
「そろそろ、俺も挿れたいんだけど…いいかい?」
すると、待ち構えていたかのように、二人同時に元気よく、笑顔で返してきた。
「「はいッ!!」」
「ありがとう。それじゃ…どっちからしようか?」
「そうですね…。それじゃあ…エイムさ…」
「ううん、イオちゃんが先でいいよ。というか、先にして。」
「えっ…どうしてですか?」
「さっき、喧嘩しちゃった時…私の事を許してくれて、それで、
これからも友達でいて欲しいって言ってくれて…本当に、嬉しかったの。」
「そんな…そもそも、最初に仕掛けたのは、ワタシの方ですし…。」
「それに、もしイオちゃんが居なかったら、
今ラエールさんとこうして居る事もできなかったと思う。
だから…最初は、貴方に譲るわ。受け取って?」
「あ、ありがとうございます!」
「決まりだな。それじゃ…おいで、イオ。」
「はい!」
ベッドの縁に座るラエールに、改めて抱きついてくるイオ。
そのまま彼の両足をまたぎ、腰を下ろして、濡れきった彼女のたてすじと、
勃起しきったラエールの肉棒の先端を触れ合わせた。
所謂、対面座位の姿勢である。
「はあぁ…ラエールさんの、おちんちん…これから、入るんですね…。」
「ああ、そうだな。…入るのかな?」
見た目からも、指の感触からも、
彼女の幼い性器がラエールの剛直を受け入れる事は、到底不可能そうに見える。だが…
「大丈夫ですよ、ワタシも、魔物なんですから…。」
いかに見た目が幼くとも、男の精によって生きる魔物娘が、
男の、しかも最愛の人のモノを受け入れられないわけが無いのだ。
入らないという不安など、一欠片も無い。
「挿れますよ…挿れちゃいますよ…ッ!」
イオは腕に力を込め、自らの腰をゆっくり、確実に沈めていく。
ぐぐっ…にゅにゅにゅっ…と、困難ながらも、次第に彼の剛直を咥え込んでいく。
そして、亀頭が入った辺りで感じた一際大きな抵抗を、
腕の力を強め、全体重をかけ…
ぶつんっ
…と貫き、そのまま、最奥までモノを進めていった。
「ぅくっぅ…はい、り…ました、よ……。」
顔は笑顔だが、涙をこぼし、少し苦しそうな様子だ。
その下腹部はラエールの剛直の形が浮き出ており、
膣口からは、少なからず鮮血が流れ出していた。
「ラエールさんが、はいってる…つながってる…うれ、しい…」
「まずい、裂けてるんじゃないのか!?早く抜いて…」
「ち、ちがいますよ。はじめてだった、から…」
「そんな訳…」
「…ううん。魔物の其処が、男の人ので裂ける事なんてあり得ないはず。
ドワーフとかフェアリーとか、イオちゃんよりももっと小さな魔物は沢山居るけど、
みんなちゃんと入れられるの。アソコが裂けたなんて話は一度も聞かないわ。」
「そう言えば…」
ラエールは、最近『妖精の国』なる所に行った知り合いと、
その妻のフェアリーの事を思い出していた。
確か、家に呼んだ際、二人して夜の生活を嬉しそうに話してくれた時に、
『最初は、僕も入らないと思ってたけどさ…入るんだ。凄いよ、フェアリーって。』
という言葉を聞いて、非常に驚いた事を覚えていた。
「…と言う事は、本当に?でも『ノイア』の君に、現実で出会ったあの時…」
「それは、変身した姿の初めてで、本当のワタシの初めてじゃありません。
本当の初めては、たった今、ラエールさんにあげたものなんですよ。」
「…そういう物なのか?」
「はい、そういう物なんです。」
「そうだったのか…。」
「おめでとう、イオちゃん!」
「ふふふ…。ありがとうございます。」
そんな事を話している内に、破瓜の痛みも引き、
落ち着きを取り戻したイオは、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「あっ、んうぅ、はっ、くふっ!ぅあぁ!」
涙を零しながら喘ぐ彼女の顔は、しかし幸せそのものの笑顔だった。
膣内の痛みも、もう全く気にならない。
性交に特化した魔物娘の体質と、元来の性感度の高さ、
そして何より、痛みなど簡単に凌駕する程のラエールへの愛情が
破瓜の痛みやお腹の苦しさを快楽で塗りつぶし、
一回動かすごとに、彼女の全身をその快感が走り抜け、蓄積していく。
「くうっ…」
それと同時に、ラエールは締め付けられる。
元々幼く、狭い膣内に加え、つい先程まで処女だったイオの締め付けは、
押しつぶされそうな程の圧迫をラエールのモノに与え、
さらに、男を喜ばせるために計算されつくしたような魔性の膣内の動きが襲い来る。
(こんな所で出すわけには…ッ!)
常人、しかも今日一回も出していないような健康な男なら、
入れた瞬間に、いきなり射精してしまうであろう程の快感だろうが、
そこは、これまでほぼ毎晩『女性の理想形』と交わり、鍛えられてきたラエール。
モノに与えられ続ける暴力的なまでの快感に負けそうになるのを、
その意思の力と男のプライドでどうにか耐え忍び、
少しでもイオを喜ばせてやりたいと、彼女の動く手伝いをする。
…と、そこで、ふとエイムの姿が目に入った。
二人の交わりを見つつ、満足そうに微笑んでいたが、
その表情の奥には、少しの寂しさと羨ましさが隠れているにすぐに気付く。
そこでラエールは…
「エイム。」
「…?」
「こっちに来てさ、一緒にイオの事、弄ってやってくれるか?」
「えっ…いいの?」
「ああ。」
「あ、ありがとう…!」
ラエールの言葉で、寂しさや不安は掻き消え、
エイムはぱあっと嬉しさに笑いながら、彼に正対する位置に移動し、
イオの身体に手を伸ばした。
「あひゃっ!?きゃあぅッ、え、えいむ、さん!?」
「イオちゃん、もっともっと気持ちよくしてあげるね…」
「そう、ですか…あ、そこは、ぃきゃああん!?や、らめ、です、よぉぉ!」
エイムが後ろから手を回し、乳首やわき腹、陰核など、
イオの他の性感帯を、遠慮なしにつねり、さすり、時に吸い、散々に弄り続ける。
何も反撃できずに悶え続け、絶頂するイオだったが、それでも腰は止まらない。
だが、その余波は、イオと繋がっているラエールにも降りかかっていた。
「うあああッ…!!」
「ぁひぁ、んゃああっ、ひぎっ、あきィいいッ!?
あ、やぅ!また、わたひ、いき、ましゅ、ぅ!あはっ、ぃぁああああああッ!!」
髪を振り乱し、涎と涙を溢れさせ、美しい声であられもなく絶叫しながら、
イオは悶絶と絶頂を繰り返す。その膣内の締め付けとうねりは物凄いものになっており、
さらに、最奥部を繰り返しつつくラエールの先端は、イオの子宮口を叩いており、
その子宮口が、精を求めて亀頭を吸い上げるような感覚までしてくる。
いかに鍛えられたと言えども、限界はもうすぐ傍まで来ていた。
「イオ、もう、そろそろ、俺、出そうだ…!」
「はッ、い…!らし、て、くらさい!らすのは、いっしょに、いっしょ、に…ッ!!」
ラエールは終わりに向け、イオを自らの手で激しく動かし、
激しい抽送でお互いが受ける強烈な快楽を、全身全霊で受け止めていた。
最後の一突きの時、強く抱き合い、亀頭を最奥に強く強く押し付ける。
イオも、ラエールのモノを一際強く締め上げ、吸い上げ、そして…!
ビクッ!!ドプッ、ドクッ、ビュ、ビュプゥゥゥ…!!
「に、いきゃぁあああああああああぁぁぁぁああああああぁあああッ!!!」
涙と涎を周囲に撒き散らしつつ、イオが今日最大級の絶頂を迎えると共に、
かつて無い程に多く濃い白濁が、全て彼女の膣内に叩き込まれた。
ラエールの剛直の形が浮き出ていた下腹部が、さらに大きく膨らむ。
それでも精液は全て収まりきらず、イオの血とともに、膣とモノの間から溢れ出した。
「あ……ぁ…は、ひゅう…」
イオは最大級の絶頂からまだ戻れないようで、呆けている。
しかし試しに顔を近づけてみると、放心状態にあるはずなのに、反射的にキスをしてきた。
暫くして口を離すと、脱力しているイオの身体をベッドに横たえ、
今だ痙攣を続ける膣から、若干柔らかくなったモノを引き抜く。
「ん?…うおッ!?」
そこから間をおかずに、今度はエイムがラエールのモノを捕まえ、
彼の方に体を倒してきた。
「今度は私の番ね。うまく出来ないかもしれないけど、精一杯頑張るから…。」
エイムは、まずラエールのモノの硬さを取り戻すべく、
とろとろと止め処なく溢れる自らの愛液をすくい取って胸の谷間に塗りつけ、
十分に滑りをよくした大きな乳房でモノを挟み込むと、ゆっくり扱き出した。
(うわぁ…これ、凄いエロい…)
エイムの手にあわせて、巨大な乳房が縦に横にと潰れ、変形し、
ぬちゃっ、にゅるっ、という粘着質の音が、谷間からしきりに漏れる。
見た目や音や擦られる感覚に加え、エイムの乳房の最高級の触感と、人肌の暖かさ、
そして興奮から来る激しい心臓の鼓動を、全て自分の男性器に受け、
ラエールは堪らない気持ちになった。
「ぁ…はふ…え…エイム、さん…」
エイムの乳房が立てる音に反応したのか、イオがようやく目覚めた。
そして、音の発信源を発見すると、羨ましそうな顔で呟いた。
「あっ…ずるい、ですよ…ワタシも、そんなこと、したいのに…」
「ふふ。それじゃ、イオちゃんもこっち来て。」
イオが抜けた腰を引きずって近付き、
エイムの谷間に顔を寄せると、エイムは乳房を上から押しつぶし、
ラエールの亀頭を乳内から出した。
「ほら、先っぽ舐めてあげて…」
イオは言われるまま、舌を出して、亀頭を愛おしそうに舐め上げた。
先端に付いている精液と二人分の愛液、そして自分の破瓜血を全て舐め取ると、
今度は更に顔を突き出し、先端を口に含む。
「はむ、はむっ、ちゅうぅ…」
「じゃあ、私も動くね…」
乳房を潰したまま、エイムは今度は前後に体を動かして扱く。
亀頭はイオが咥えて固定している為、割とスムーズに動かせる。
イオの小さくあどけない口による亀頭への口淫、
エイムの柔らかな爆乳による視覚・聴覚・触覚を全て刺激するパイズリ。
二人の特徴を駆使して行われる、心のこもった連携攻撃に、
ラエールは成す術も無く、今日二度目の陥落…
…をする前に、二人を制した。
「ちょっ、二人ともストップ!」
「?…どうしたの?」
「ぷはっ…も、もしかして、気持ち良くなかった、ですか?」
「いいや、気持ち良過ぎる位に気持ちいいんだけど…
このままじゃ、また出そうなんだよ。」
「出してもいいのに…」
「いや、でも、そうしたらさ…何ていうか…君を満足させてやれないかも…」
「えっ、私?……!」
エイムとの行為の前に二発目を出してしまったら、
疲れてしまい、エイムと満足に出来ないのではないだろうか、と危惧しているのだ。
二人共に満足して欲しいというラエールの気持ちを察し、
そこまで自分は想われていたのだと感じたエイムは、嬉しさの余り瞳が潤んだ。
それをどうにか隠すと、乳房を離し、イオも口を離して、
すっかり元の大きさと硬さを取り戻した剛直を開放した。
「私なんかの為に…ありがとう、ラエールさん。
それじゃあ、このまま…始めましょうか。」
「そうだな。えーっと…(どうすればいいかな…)」
「…あっ、…もしかして、どうやって挿れるか考えてる?」
「えっ!?あー、その…」
「難しかったら、後ろの馬の所にもあるから、そっちに挿れて。」
「へぇ、後ろにもあるのか…。…じゃないや。
エイムは、どっちの方がいいんだ?」
「私も、現実では初めてだから…なるべくなら、貴方の事見ながらしたいな…。
あ、ううん。勿論、貴方がしたい方でいいんだけど…」
「いや…俺も、君と向き合ってしたいからさ…前にするよ。」
「でも、難しいなら…」
「大丈夫。もう、どうすればいいかは気付いたから。
ちょっと背筋をしっかり伸ばしてて…」
ラエールはそう言うなりエイムと抱き合うと、
そのままジャンプし、その勢いで自分の足を彼女の背に回し、絡める。
エイムのヒトの部分に全身でしがみつく様な格好で、体を固定した。
俗に言う『だいしゅきホールド』の男版のような姿勢だ。
「予想はしてたけど…こういうのって、男がやるにはちょっと恥ずかしいかな…。」
「ごめんなさい、こんな体で…。」
「謝る事じゃないよ。それに言っただろう?君達は魅力的だって。」
「でも、私は…!」
自分を卑下するエイムの言葉を、ラエールはキスでせき止めた。
「君達が自分にコンプレックスを持ってる事は知ってる。
でも俺は、君達のそのコンプレックスも含めて、全部、本気で好きなんだ。
…判ってくれるかな?」
その言葉に、エイムは俯き、またぽろぽろと大粒の涙を零し始めた。
腕はラエールの背に回って彼を抱き止めているので、隠す事もできない。
ラエールが片腕を外し、代わりに涙を拭ってやると、彼女は笑顔に変わった。
暫くして涙も収まり、二人は改めて、最後の確認をする。
「…ねえ。」
「…ああ。」
短く答えると、ラエールはエイムの愛液を垂れ流す秘裂を目掛け、
ゆっくり腰を進めていった。
「ん、んんンッ…」
亀頭が、ゆっくりとエイムを貫いていく。
エイムの膣内は、イオとは違い、ひたすらに熱く、包み込むような感覚だった。
そして、半ばまで入ったところで、その先端が、イオの時のような抵抗に突き当たる。
腰に力を込め、今度は純潔を明け渡される、その感覚を噛み締めつつ、
少しずつ進み続け…ぷつりと何かが千切れたような感触と共に、最奥まで突き抜けた。
「あッ…♪」
「…痛くないか?」
「大丈夫。むしろ最初から気持ちいいの。…あの、動いて…」
「分かった。」
今度はラエールの方から、ゆっくり抽送運動を始める。
締め付けはキツイが、イオほど狭い訳ではないので、
膣内の構造をじっくりと味わえる余裕があった。
「はぁっ、あっ、ひあッ!ふぅ…んんっ♪」
モノが溶けるような熱さと、優しく包み込むような締め付けに加え、
成熟した体の魔物娘の膣だからか、はっきりとした襞や、細かい凹凸が絡みつき、
明確に精を搾り取ろうとする蠕動が、膣内の快楽の後押しをする。
先程の二人の奉仕でかなり高められていたので、気を抜くと瞬時に出てしまいそうだ。
気をしっかり保ち、エイムの弱点を見つけようと、
膣壁を亀頭のエラや雁首で引っかきながら、探し回る。
「くぅ、ぅ、ふぅん♪あ、そこ、そこぉ…いッ!!」
膣内だけではなく、胸や耳、口など、外の弱点を探す事も忘れない。
運よく、膣内にある最大級の弱点…所謂Gスポットを責めることに成功すると、
そこを重点的に引っ掻き回してみた。
エイムは一際頬を紅潮させつつ、馬部分の尻を振ったり、
立ち上がろうとしたり、体を前に倒したりと、全身で快楽を表現するために
ラエールの体はロデオのように振り回されてしまうが、
同時に、彼女を気持ち善がらせてやれたことが嬉しくなる。
そうやって二人は、対等な交わりを続けてきたが、突然…
「ん…?きゃあッ!?えっ!?あ、あっ、ああッ!?」
「な、何だ!?」
不意にエイムは、驚いたような、混乱したような、一際大きな嬌声を上げ始めた。
大きな体が更なる快感によってびくびくと跳ね上がるため、振り落とされそうになる。
どうにかエイムの背後を見ると、馬部分の尻の方にイオがしゃがみ込んでいる。
「クスッ…さっき散々イかされた事へのお返しです。
エイムさん、もっともっともーっと気持ちよくなって下さいね♪」
「や…!まえとうしろ、いっしょ、に、なんてっ、ひいいいっ!?」
イオはその小さな手と舌で、エイムの馬部分の秘所を攻めあげていた。
人のその部分よりも若干大きいので、イオの小さく細い指は、
細かく隅々まで弄り倒す事ができるのだ。
加えて、その馬部分の性器は、自ら触れる事も滅多に無く、全くの初心な状態。
慣れていないもう一つの敏感な箇所をいきなり責められ、平気なわけが無かった。
「エイムさんのここ、綺麗だし、おいしいです…んっ、ぢゅぢゅぅ、れる…」
「やぁああッ!!そこ、舐めちゃダメ、今舐めちゃ…あひあ゛ああああぁぁぁ!!」
そして、今度はエイムが乱れ狂う番がやってきた。
前からは愛するラエールのモノ、後ろからは、同じく大好きなイオの手と舌。
絶え間ない絶頂の快感に耐え切れず、本能的に、何とか抜け出そうと馬部分がもがくが、
二人も、エイムを気持ちよくさせようと本気だ。ガッチリとしがみついて離れない。
それどころか、イオはいつの間にか蹴られないように馬部分の背に登り、
そこからエイムの後足と尻尾に器用に掴まりながら、口で後ろの秘所を舐め続けていた。
暴れる度に、モノと舌が余計に二つの女性器の中で暴れてしまい、
「はぐううっ、いぁあああ、だめ、もうらめ、だ、また、イ…くぁああああああッ!!!」
目の焦点は合わず、口はだらしなく開き、舌と涎をたらす。
たまらなく淫らで、歓喜と快楽に塗れ、元の美貌が見る影も無い。
しかし、自分とこの二人さえいれば、もう他は要らないとでも言わんばかりの、
魔物達からは羨ましがられそうな、心からの幸せそうな表情になっていた。
「っ…くぅぅ…エイム、もう、出すよ…!」
エイムの動きと絶頂のせいで、膣が暴れ、擦れ、締め上げ、そして吸い上げられる。
それはまるで、エイムが絶頂を続け、真っ白い閃光がはじけ続ける意識の中で、
自分だけがイかされ続けることに、自らの本気を以って対抗しているようだ。
本気になった大人の魔物の技巧がもたらす気が狂いそうになる快感に、
男の意地とエイムへの想いから、どうにか再びやせ我慢を続けてきたラエールも、
とうとう二度目の限界を突破しようとしていた。
「あ…?あ、お、ねがい、き、きてっ、きてっ、きてぇえええッ♪
だめらから、わたひもっ、もうぅらめらからあああぁ♪」
ラエールも本気の本気を出し、最後の一撃をイオと同じくらい最高のものにする為に、
激しく腰を動かし、自分の快感を高めていく。
そして…最後の一撃、目の前の愛する女性にトドメを刺すべく、
勢いをつけて腰を叩きつけ、エイムの一番奥に突き刺し…弾けさせた!
ブビュルルルルッ!!ビュプッ!ドクッ、ビュッ…!
「んっっ…ふぁああああぁぅぁぁぁぁああああぁぁァァアァアアアアッ♪♪」
先程イオに出した量とほとんど同じ量の白濁を、余すところ無くエイムに注ぎ込んだ。
気付かなかったとは言え、ラエールは一年も魔物の傍にいたために、
その体はインキュバス化しかけており、その体質もあって、
二回目にしてこの量と濃さを出す事ができたのだ。
「あぁぁ…はぁ…ふぅ、ふぅぅっ…」
「はー…はぅ…はぁ…」
「ぜぇ…ぜぇ…」
三人とも本気でぶつかり合い、快楽を与え合い、流石に少し疲れたようだ。
ラエールとイオは、エイムの膣内からモノと舌を引き抜くと、ベッドに倒れこみ、
それにエイムも続いて(人部分だけ)ベッドに横たわり、荒く息をつく。
三人とも相手を満足させようと必死だったせいか、少々飛ばしすぎてしまった事を
ぼやけた意識の中で、三人は少し反省していた。
暫く経ち、ようやく呼吸が整ってきた頃、エイムが口を開いた。
「…何だか私、幸せすぎて、夢を見てるみたい。
だって、こんなに優しい貴方を見つけられたんだから…」
「ワタシも正直、この時間が、幻みたいで…
次に気が付いたら、全部無くなってしまうんじゃないかって、少し怖いんです…。」
「…大丈夫。夢じゃないし、幻じゃないよ。これは現実。大丈夫だよ。」
夢と幻を操る魔物であるはずなのに、夢や幻の存在を怖がっている。
少し滑稽だな、と感じたラエールだったが、
そこまで自分が想われている事に、静かだが、確かに大きな幸せを感じていた。
(大丈夫。これは現実だ。俺達が、これから生きていく世界なんだ。)
二人の、大きな幸せに包まれた微笑みを見て、ラエールもそれを、改めて確認した。
「…さあ、それじゃあ、三回戦始めましょ♪」
「……え?」
「次はワタシの番ですよね?」
「いや、その前に、今度は二人で舐めて、飲ませてもらわない?」
「あっ、それもいいですね。それにします!」
「………え?」
「…っと言う事で、ラエールさん、始めましょうか♪」
「今度は上のお口に、いっぱい下さいね♪」
「ちょ、ちょちょちょちょっと待って。まだちょっと回復してな…」
「…ダメ…?」
「…ですか?」
途端に悲しそうな顔になってしまう二人。
「……ッ、(えぇい、なるようになれッ!!)
わ…わかった。君達が満足するまで、好きなだけ付き合うよ!」
「やった!ありがとうございますッ!!」
「そうと決まれば、早速行きましょ♪
夜はまだ長いんだから、存分に楽しまないと…ね♪」
「あ、ああ。そうだな。ハハハ…」
「うふふふ…♪」
「くすくすくす…♪」
(…マスター、そして、あの足の神様。
どうか、二人を満足させられるまで、死にませんように…。)
そして…三度目の饗宴が、始まった。
…
…とまあ、こんな感じやろか?
ラエちゃん、そしてお二人…堪忍な。
友達の、あの隣町の殿様メロウが手に入れた言う『伝説の油揚げ』の作り方が、
どうしても欲しかったんや…。ホンマ堪忍な。
絶対誰にも言わんように口止めしとくさかい、許したってや。
それにしても、ラエちゃんの着替えといい、あの子達の正体を知った時といい、
アタシ、神通力使うた覗きが、癖になってもうたみたいやな…。自重せな。
…まあ、それはそれとして、あんな激しいもん見てもうたら、
アタシも助平な気持ちになって、堪らへんようになってしもうたわ。
早く帰って、あの人にこれを発散させて貰わな。
アンタ、待っててや〜!!
…あれから、散々イかせ合い、(俺だけ)散々搾られた俺達三人は、
疲れ果てて、そのまま眠ってしまった。
…
───どうやら、もう私は必要ないみたいね。
…まあ、その方があの子達にとってはいいから、いいか。
…ノイア?
───ええ、そうよ。
どうしてここに?
───私の役目は、あの子達が精を取る為の仮の姿。
でも、貴方のおかげで、もうあの子達は、私がいなくても大丈夫になった。
だから、私の役目はこれでおしまい。
…もう、会えないのか?
───…変な事聞くわね。会えるに決まってるでしょ?
私は、あの子達なんだから。
…そうだったな。
───最後に、一つお願いしていい?
何だい?
───あの子達の事。絶対に、放さないであげてね。
勿論。約束する。
───あ、そうだ。これ、渡しとくわね。
…?何だこれ、紙切れ?
───ちょっとしたプレゼント。後で読んでみて。
わかった。
───それから、貴方達に、言っておきたい事があるの。
はい…?
どうしたの?
あれ?いたのか、二人とも。
───もう、自分を偽ったりしないで。
貴方達は、貴方達が思ってるよりも、ずっとずっと魅力的なんだから。
私みたいのに頼ってちゃ駄目よ?
…。
でも…。
───大丈夫よ。貴方達は、ラエールさんから勇気を貰ったはず。
私が居なくたって、貴方達はもう、
自分の力で、自分のままで、変わっていけるから。
…うん!
…はい!
───言いたい事はそれだけ。それじゃあ、お別れね。
ちょっとの間だったけど、色々楽しかったわよ♪
…バイバイ。
…それじゃあ、な。
さよなら…。私、頑張るね。
さようなら、ノイアさん…。
…すうっと消えていくノイアの姿を、俺達は、いつまでも見送っていた…。
…
目が覚めると、俺達は、色々と昨夜のままのベッドの上に居た。
あれは…何だったんだ?不思議な夢だったな…。
「ふあぁ…。もう、朝?」
「…んん…っ、にゅぅ…」
どうやら、二人も起きたようだ。
「あっ…ラエール、さん?起きてたの?」
「いや、たった今起きた所…。」
「そうですか…。」
「…そうだ。エイム、さっき変な夢を見たんだけど、何か知ってる?」
「えっ…?もしかして、貴方も変な夢を見たの?どんな夢だった?」
「確か、不思議な空間の中で、俺の目の前に『ノイア』が出てきて…」
「あっ、その夢、多分ワタシも見ました!」
「私の夢とも同じ…。三人で、同じ夢を見てたのかな?」
「不思議ですね…。」
ひょっとして、本当に『ノイア』が、お別れを言いに来たんだろうか?
…その疑問の答えが、俺の手の中にあった。
「これは…!?」
そこには、本当に紙切れが握られていた。
『窓の外を見てみて』と書いてある。
紙切れの通りに、窓の外を見てみると…
「…!凄い…。二人とも、こっちに来て見てくれよ!」
「どうしたの?」
「何があったんですか?」
そして、二人も窓の外を覗き込む。
「ああっ…!」
「わぁ…!」
そこには、東の山間から登り始めた、綺麗な黄金色の朝日があった。
「素敵…」
「綺麗です…!」
窓から差し込む朝日の光が、俺達を照らしてゆく。
「…最高のプレゼント、ありがとう…ノイア。」
朝。
夢は覚め、幻は消える。
そして、辛い事もあるけれど、決して消える事のない現実が訪れる。
自分を嫌い、夢や幻に閉じこもっていた二人の女性は、
ようやく、現実の自分を愛する事ができるようになった。
もう大丈夫。
三人は手を取り合い、確かな現実を生きていく。
彼等は朝日に照らされながら、目覚め、朝を、現実を迎えるための言葉を、口にした。
「「「おはよう!」」」
そして…彼等の上に、愛に満ちた、幸せな朝がやって来る。
これからも、ずっと変わらずに…。
11/12/22 23:53更新 / K助
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