宴の地
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
男は追われていた。
腕力にも逃げ足にも多少の自信はあったのだが。
どこかの山の、どこかの洞穴。
そこでは毎日、酒池肉林の宴が催されているという。
そんな噂に踊らされて、こんなところまで来たというのに。
どどどどど。
地響きが聞こえる。
いや。
これは足音だ。
徒党を組んで現れた魔物、オークの足音。
数は3匹。
脚の早さでは圧倒していたものの、ここは彼女らの住処、岩肌のむき出しになった山岳。
逃げると言っても、かろうじてそれと判るような道以外は断崖と言っても過言ではなく。
「へへへ・・・みーつけた」
先回りされていたのだろう。前に。
「んふふ・・・おーいついた」
後ろに。
取るべき進路を完全に塞がれた。
ぎり、と、男の歯ぎしりが聞こえる。
覚悟を決めるしかないようだ。
「ぐっ・・・殺さば殺せ!」
にやり、と、目の前のオークが笑った。
それは勝利を確信した、
それは獲物を獲得した、
それは美食を前にした、
淫靡で、下卑た笑みだった。
「ぶっひっひ」
「なかなかイケメンだね」
「とっても『イキ』が良さそう♥︎」
抵抗もできず、彼女らの住処の洞穴に連れ込まれた。
今からでも逃げる算段を、と思わなくもなかったが、入り口は一つ、出口はなし。
目の前に立たれただけで、袋のネズミと化してしまっていた。
「ちっ・・・嬲り殺しってワケかよ・・・悪趣味な・・・」
その男の言葉を聞いてか。
「ん?」
オークたちが、怪訝な表情を見せる。
そして。
『ぶっひゃっひゃっひゃ!』
笑い出す。
「アタシらはね、別に殺そうって思っちゃいないよ」
「命は助けてやるさ・・・ま、身ぐるみ剥ぐのは確定だけど」
「『嫐る』ってのは合ってるけどね・・・ぶっひゃっひゃ」
『さて』
オークたちが一斉に男にかかる。
「抵抗するんじゃないよ」
一匹は、後ろから羽交い締めにし。
「食っちまうぞ!なんてな」
一匹はベルトを外し。
「いや、『喰う』のは合ってるだろ?」
一匹はズボンを下げた。
「・・・は?」
ようやく事態の異常さに、我に返る男。
「え、なに、ちょ」
「何って・・・」
「今から頂くのよ」
「『ナニ』を」
言うが早いか、3匹がかりで持ち上げられ。
なぜか奥にあった大きなベッドに放り投げられる。
「ぶっひっひ、一番もーらい」
一匹が、まだ萎びている男のモノをつまみ上げる。
「あ、ずるい!」
脚に伸し掛かられて動けない上に、腹の上にまで乗られ、両腕を押さえられた状態。
柔らかく温かい肉に埋もれ、身動きが取れない。
「しょうがないね、じゃ、アタシは『こっち』貰うよ」
何のことかと思う間もなく、己の下腹部を覆っていたものを取り去るオーク。
そして男の顔面を跨ぐ。
「ちゃんとシないと、ホントに食っちまうよ。ぶっひっひ」
松明の明かりをてらてらと反射する『ソコ』は、いつ準備したのかと思うほどにしとどに濡れ、既に脚伝いに、そして男の顔面に、さもマーキングでもするかのように垂れてきていた。
淫らで悪戯な笑みを浮かべるオークは、そこを見せつけるように広げる。
はっきりと言ってしまえば、見とれていた。
垂れず締まらずの程よい肉に埋もれたそれは、生娘を思わせる奇麗な桃色をしていて。
呼吸と鼓動と期待を伝えるように、ゆるやかに蠢いていた。
視界がそれに釘付けになっていると。
やがてそれは近づき。
男の口を、覆ってしまった。
「むぎ、むぐぐぐ!」
声が出せない。
頬に、顎に、淫汁が伝うのが判る。
かろうじて空気を確保している鼻は、甘酸っぱい雌のかほりで満たされる。
「んふっ、はぁん♥︎鼻息でお尻の穴がくすぐったい♥︎」
「ちょ、ちょっと!なんで先に愉しんじゃってるの!」
「こっちだって始めちゃうんだから!」
オークの尻で見えなくなっている先、男の陰部に、生暖かく湿った感触が伝わる。
陰嚢から、裏筋沿いに、カリへ。
「ん!んぐぐ!」
刺激に思わず声が漏れるも、すべてオークの肉壷に吸い込まれる。
「んっ、あっ♥︎その刺激いい♥︎」
「ぴちゃっ、ぶふぅ、いい匂い・・・んっ、くちゃっ・・・」
二カ所からの音が、刺激が、否応にも劣情を煽る。
何故か負けまいとしている理性が、かろうじて下半身の反応を拒む。
「もー!ずーるーいー!アタシも!アタシも!」
腹に乗っていたオークが苦言を吐き、押さえていた男の手を持ち上げる。
淫靡な刺激を押さえるのに精一杯で、もはや、身体での抵抗をする余裕はなかった。
むにり。
右手に、一段と柔らかく、温かい刺激。
手のひらにしこりのあるこれは。
「ね、揉んで!揉んでよ!つまんない!」
左手が向かわされた先は。
口元のそれと同じく、熱く湿った場所へ。
「こっちでもいいからさ!早く!早くぅ!」
せめてもの抵抗にと、右手を強めに鷲掴みにする。
「ぶひゃぁあぁあん!!」
とりあえず反応はあった。
左手に。
「もっと!もっと強くぅ!おっぱい、ちぎれるくらい揉んで!」
逆効果だった。
左手に触れる秘部はさらに湿り気を増し、脱がされずに済んだ---というより脱がす間も惜しかったらしい---シャツは、粘液に濡れてしまっていた。
ならばと優しく揉んでみるも。
「やぁん♥︎くすぐったいのもいいのぉ♥︎」
無意味だった。
抵抗という抵抗が、通じない。
やや息苦しくなってきた呼吸を感じ。
男は、心の抵抗も止めた。
「ぺちゃっ、んぁ、ぶひっ♥︎おっきくなったぁ♥︎」
眼前でヒクヒクと悦ぶ尻穴。
口の中まで浸透してきた蜜。
鼻孔を満たす甘酸っぱい香。
三カ所から発せられる嬌声。
手のひらに伝わる肉の感触。
そして肉棒を這う舌の感触。
五感が、股間が、肉欲の宴を愉しめと脳に伝える。
腹の内から、熱がこみ上げる。
俺の負けだ。
男は、悟った。
「ぶひっ、ね、舌で愉しませてよ!」
グリグリと柔らかな襞(ひだ)を、顔の押し付けられる。
言われるままに口を開き、それを舐め上げる。
もう、抵抗の意思はない。
「ぶひぃぃん♥︎もっとぉ♥︎舌、入れて!ね!」
ぐにゅぐにゅとした熱い穴へと舌を差し入れ、かき回す。
時折出しては、割れ目の先端の突起を舌先でつつく。
「はぁん♥︎素直になったじゃない、あふっ、ん、その調子・・・あぁん♥︎」
「んふっ、やっとその気になったのね・・・ん、ぴちゃっ、あ、出てきた出てきた♥︎」
嬉しそうな声を聞いた。
「ちゅぷっ・・・んふ、おいしい♥︎もっとちょーだい♥︎」
陰茎に触れていた感触が変わる。
先端から、熱く湿る何かに覆われる。
じゅぶっ、じゅぶっ、じゅぶっ。
水音が激しさを増す。
口内で舌が絡むのが判る。
火傷しそうなほど熱い。
じゅるるる、じゅぽっ、じゅるるる、じゅぽっ。
吸い込まれる感覚も加わる。
長くは保たない。
ひくりひくりと脈打ち始めた肉棒が、そう伝えた。
「ぶひっ、こっちがお留守だよぉ!」
右手を、左手を、その豊満な肉に押し付けられる。
右手で突起をつまみ上げ、左手で肉壷をかき回す。
「ぶひっ♥︎もっと奥ぅ!もっと強くぅ!」
ぐちゅり、ぐちゅり、ぐちゅり。
三カ所それぞれから、卑猥な音と悦びの声が混ざる。
それに、脳が真っ白に塗り替えられる感覚。
もっと、もっと。
それは彼女たちの声か。
はたまた、自分の意識か。
もう、どうでもいい。
今はただひたすら。
身体の求めるまま、媚肉(からだ)を求めた。
じゅぶ、じゅる、ぐちゅ、ぐぶっ、じゅるる。
『あっ♥︎はぁっ♥︎んっ、ぶひっ♥︎んあぁ、んくっ、やぁあん♥︎』
愚息がビクビクと脈打ち、限界を伝える。
それを察したのか、それを咥えている動きが早まる。
そして、絞るように陰嚢を掴まれた刹那。
「んぐっ、ぐぅぅぅぅぅぅ!!」
下の口で塞がれている男の口から、呻きが漏れる。
「ぶひぃぃぃ♥︎いいっ♥︎それ、イきそっ!イ、あ、あぁああああぁ♥︎」
我慢のために何かを握ろうとした手が、オークの乳房を、股ぐらを掴む。
「ぶ、ぶひぃっ♥︎らめっ、イぐぅ!イぐぅぅぅぅぅ♥︎」
男性の一番敏感な部分を刺激された男自身も、限界だった。
じゅっ、じゅっ、じゅっ。
リズミカルにもたらされる刺激と、転がすように伝わる刺激。
その二つに。
「んぐぅぅぅぅ!!」
ビクン、ビクン、ビクン。
果てた。
熱いものが吹き出る感覚を感じる。
脈打ちながら、吐き出される。
「んじゅる、んぶっ、んぐっ!」
同時に。
吸い出される感覚。
もっと出せる。
もっと吸える。
そう言うかのように。
「んっ・・・じゅぷっ、ごくん。
・・・んふっ、ごちそうさま♥︎」
全員が、それぞれの余韻に浸る。
顔と腹に乗っていたオークが、男の左右へとそれぞれ身体を投げ出してくれたおかげで、解放された口から空気がもたらされる。
「ぶっふっふー・・・お休みには早いよー?ほら、こっちもまだ元気なんだから♥︎」
さっきまで咥えていたオークが、足りないとばかりに腰へと跨がる。
何故か未だ収まらない愚息をつまみ上げ、自身のそこへと導こうとしていた。
ずっといきり立つままのそれが、飲まされていたオークの愛液から、魔力が入ってきたためだと気付くほど冷静ではなかったが。
「や、まて、まだ、呼吸が」
「しーらない。えいっ♥︎」
ぐぷっ。
空気を巻き込んだ汚らしい音と共に、怒張が飲み込まれる。
程よい脂肪に包まれた熱い肉襞が絡む。
「あ、はぁ♥︎おっきいの、奥まで届いてるぅ♥︎」
ぐぶ、じゅぶ、じゅる。
泡と音を立てながら、オークが腰を振る。
竿先に当たるこりこりとした感触にご満悦なオークだったが。
男の方は冷静そのものだった。
その心境はというと。
(やべぇ、こいつらガバガバでイけねぇ・・・)
上の口と違い、「吸う」ことで補うことができないソレは、見た目こそ奇麗ではあったものの、使いすぎたのかすっかりユルくなっていたのだった。
しかし、乗って動いている彼女は満足そうである。
さもありなん、当人たちは有り余る体力で「出す」まで腰をふり続ければいいだけの話で、相手がどう思うかよりも、刺激すれば出る、としか考えていないのだ。
イけない自分と、着実に絶頂に向かうオーク。
冷静になった男の思考が、ある結論をはじき出す。
そしてそれを実行した。
「ぶひゃん!?や、動くの、らめ♥︎そこ、よわ・・・ぶひっ!」
思いっきり腰を動かし始めたのだ。
ばんっ!ばんっ!ばんっ!
濡れそぼった肉同士をぶつける音が響く。
「ぶ、ひゃん♥︎あ、んぁあ、やぁ♥︎」
隙を見て、オークを押し倒す男。
そのまま、力の限りに腰を振るう。
「ぶ、ひゃ、や、はげし、すぎぃ♥︎イぐ、もう、イっちゃう♥︎」
「おら、どうした?もう限界か?」
「あ、あぁ、んっ、は、イぐ、イぐ、イぐぅぅぅぅぅ♥︎」
絶頂の声と同時に、膣が締まる。
やっとそれらしい刺激を受けることができたのもつかの間、また緩む。
男が果てるには、程遠かった。
「おら、休んでんじゃない。こっちはまだまだイけないんだよ!」
「ぴぎっ、や、まだ、まって、イった、ばがりなのぉ♥︎」
男の心に眠っていた、小さな感情が芽吹く。
嗜虐心。
そして征服という満足感。
それは性欲と絡まり、みるみるうちに成長していく。
「おら、もっと締めやがれ!」
ぱん!と、オークの肉付きの良い尻を平手打ちする。
「ぴぎぃ!」
悲鳴と共に、肉壷が収縮する。
「いいぞ、そうだ、もっと締めろ駄肉が!」
ぱぁん!
先ほどよりも強めに尻を叩く。
「ぴぎぃ!や、め、これ、以上、締めたら、感じ、すぎて、おかしく・・・」
「なれよ、なっちまえよ!」
奥に、さらに奥にと、怒張を突き入れる男。
「ぶひっ、ひぎぃ!」
オークは既に涙目になっている。
しかし、ひくひくと蠢く膣からは、悦びの感情しか伝わってこない。
「まだ、イぐっ♥︎イぐっ♥︎イっ!あぁああああぁああ♥︎」
その言葉を聞き終わらないうちに、さらにピストンを早める。
「あ、あぁ、あああぁあ!あ、あぁあ!あああぁあ!
イ、まだ、イ、あぁあああああ♥︎
あ、ら、め、あが、んぐっ、イぐ、まだ、イあぁあ♥︎
イ、ああぁあ!ぴぎっ♥︎あ、あぁあああぁあああああああぁあぁぁあぁあああ♥︎♥︎」
一際長い絶頂の声と共に、股間に温い水がかかる。
「こら、漏らしてんじゃねぇよ、ほれ!」
「あが、あ、ひぐっ、イ、あぁあ♥︎」
もはや自身が何をしているのかも判っていないのだろう、ただ感情に任せた吠えだけを垂れ流しながら、何度も何度も絶頂していた。
その声に気付いたのか、他のオークたちが起き上がる。
『ぴぎっ!?』
そしてその光景に震え上がる。
「おらまた緩くなってんぞガバマンがぁ!もっと締めろ!
俺がイくまで持ちこたえやがれってんだよ!」
ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!
腰を打ち付ける音と共に響く、スパンキングの音。
そしてただただ涙と涎(よだれ)と愛液と嗚咽とを漏らすだけになったオーク。
「ひ、ぎ、ぴぃ、イぐ、も、だ、あ、あぁああぁあああぁああぁああぁああぁぁぁあ♥︎」
その叫びを最後に、がっくりと倒れるオーク。
四肢を痙攣させ、自身の体液を拭うことすらできず、荒い息を漏らす。
「ちっ・・・さて」
男の視線が、二匹のオークに注がれる。
『ぴぃっ!?』
「お前らは・・・もう少し、愉しませてくれるよな?」
互いに抱き合いながら震えるオークたち。
先ほどまで獲物だと思っていた、いきり立つそれが、自分たちを伐つ剣に見えた。
「ぴぎっ、ひっ、いっ、イぐ、イぐぅぅぅ♥︎」
「ふぅ」
暫く後、その洞穴には、まだ男と3匹のオークがいた。
「き、今日も、ケツマンコを、お使い頂き、あ、りがとう、ございました・・・」
果てたばかりのオークが、立たぬ腰もそのままに男に礼を言う。
「おい、クチマンコ」
「はい、ご主人様♥︎」
「掃除しろ」
「はい、仰せの通りに♥︎」
いそいそと男の一物を咥え、丁寧に舐め上げるオーク。
「肉タワシ、汗を拭け」
「はい♥︎」
残ったオークが、乳房の間にタオルを挟み、男の身体を拭く。
「あぁ、いいぞ・・・ちゃんとできたら、『こっち』にご褒美をやるからな」
男の手が、肉タワシと呼ばれたオーク---どれも名前らしい---の秘部を撫で上げる。
「はぁん♥︎・・・わかりました♥︎」
「ぴぎっ、ご主人様、私にも、私にも♥︎」
「汚らしい声を上げるな。黙ってできたらくれてやるよ」
「はい♥︎」
どこかの山の、どこかの洞穴。
そこでは、日夜、肉欲の宴が行われているという・・・。
男は追われていた。
腕力にも逃げ足にも多少の自信はあったのだが。
どこかの山の、どこかの洞穴。
そこでは毎日、酒池肉林の宴が催されているという。
そんな噂に踊らされて、こんなところまで来たというのに。
どどどどど。
地響きが聞こえる。
いや。
これは足音だ。
徒党を組んで現れた魔物、オークの足音。
数は3匹。
脚の早さでは圧倒していたものの、ここは彼女らの住処、岩肌のむき出しになった山岳。
逃げると言っても、かろうじてそれと判るような道以外は断崖と言っても過言ではなく。
「へへへ・・・みーつけた」
先回りされていたのだろう。前に。
「んふふ・・・おーいついた」
後ろに。
取るべき進路を完全に塞がれた。
ぎり、と、男の歯ぎしりが聞こえる。
覚悟を決めるしかないようだ。
「ぐっ・・・殺さば殺せ!」
にやり、と、目の前のオークが笑った。
それは勝利を確信した、
それは獲物を獲得した、
それは美食を前にした、
淫靡で、下卑た笑みだった。
「ぶっひっひ」
「なかなかイケメンだね」
「とっても『イキ』が良さそう♥︎」
抵抗もできず、彼女らの住処の洞穴に連れ込まれた。
今からでも逃げる算段を、と思わなくもなかったが、入り口は一つ、出口はなし。
目の前に立たれただけで、袋のネズミと化してしまっていた。
「ちっ・・・嬲り殺しってワケかよ・・・悪趣味な・・・」
その男の言葉を聞いてか。
「ん?」
オークたちが、怪訝な表情を見せる。
そして。
『ぶっひゃっひゃっひゃ!』
笑い出す。
「アタシらはね、別に殺そうって思っちゃいないよ」
「命は助けてやるさ・・・ま、身ぐるみ剥ぐのは確定だけど」
「『嫐る』ってのは合ってるけどね・・・ぶっひゃっひゃ」
『さて』
オークたちが一斉に男にかかる。
「抵抗するんじゃないよ」
一匹は、後ろから羽交い締めにし。
「食っちまうぞ!なんてな」
一匹はベルトを外し。
「いや、『喰う』のは合ってるだろ?」
一匹はズボンを下げた。
「・・・は?」
ようやく事態の異常さに、我に返る男。
「え、なに、ちょ」
「何って・・・」
「今から頂くのよ」
「『ナニ』を」
言うが早いか、3匹がかりで持ち上げられ。
なぜか奥にあった大きなベッドに放り投げられる。
「ぶっひっひ、一番もーらい」
一匹が、まだ萎びている男のモノをつまみ上げる。
「あ、ずるい!」
脚に伸し掛かられて動けない上に、腹の上にまで乗られ、両腕を押さえられた状態。
柔らかく温かい肉に埋もれ、身動きが取れない。
「しょうがないね、じゃ、アタシは『こっち』貰うよ」
何のことかと思う間もなく、己の下腹部を覆っていたものを取り去るオーク。
そして男の顔面を跨ぐ。
「ちゃんとシないと、ホントに食っちまうよ。ぶっひっひ」
松明の明かりをてらてらと反射する『ソコ』は、いつ準備したのかと思うほどにしとどに濡れ、既に脚伝いに、そして男の顔面に、さもマーキングでもするかのように垂れてきていた。
淫らで悪戯な笑みを浮かべるオークは、そこを見せつけるように広げる。
はっきりと言ってしまえば、見とれていた。
垂れず締まらずの程よい肉に埋もれたそれは、生娘を思わせる奇麗な桃色をしていて。
呼吸と鼓動と期待を伝えるように、ゆるやかに蠢いていた。
視界がそれに釘付けになっていると。
やがてそれは近づき。
男の口を、覆ってしまった。
「むぎ、むぐぐぐ!」
声が出せない。
頬に、顎に、淫汁が伝うのが判る。
かろうじて空気を確保している鼻は、甘酸っぱい雌のかほりで満たされる。
「んふっ、はぁん♥︎鼻息でお尻の穴がくすぐったい♥︎」
「ちょ、ちょっと!なんで先に愉しんじゃってるの!」
「こっちだって始めちゃうんだから!」
オークの尻で見えなくなっている先、男の陰部に、生暖かく湿った感触が伝わる。
陰嚢から、裏筋沿いに、カリへ。
「ん!んぐぐ!」
刺激に思わず声が漏れるも、すべてオークの肉壷に吸い込まれる。
「んっ、あっ♥︎その刺激いい♥︎」
「ぴちゃっ、ぶふぅ、いい匂い・・・んっ、くちゃっ・・・」
二カ所からの音が、刺激が、否応にも劣情を煽る。
何故か負けまいとしている理性が、かろうじて下半身の反応を拒む。
「もー!ずーるーいー!アタシも!アタシも!」
腹に乗っていたオークが苦言を吐き、押さえていた男の手を持ち上げる。
淫靡な刺激を押さえるのに精一杯で、もはや、身体での抵抗をする余裕はなかった。
むにり。
右手に、一段と柔らかく、温かい刺激。
手のひらにしこりのあるこれは。
「ね、揉んで!揉んでよ!つまんない!」
左手が向かわされた先は。
口元のそれと同じく、熱く湿った場所へ。
「こっちでもいいからさ!早く!早くぅ!」
せめてもの抵抗にと、右手を強めに鷲掴みにする。
「ぶひゃぁあぁあん!!」
とりあえず反応はあった。
左手に。
「もっと!もっと強くぅ!おっぱい、ちぎれるくらい揉んで!」
逆効果だった。
左手に触れる秘部はさらに湿り気を増し、脱がされずに済んだ---というより脱がす間も惜しかったらしい---シャツは、粘液に濡れてしまっていた。
ならばと優しく揉んでみるも。
「やぁん♥︎くすぐったいのもいいのぉ♥︎」
無意味だった。
抵抗という抵抗が、通じない。
やや息苦しくなってきた呼吸を感じ。
男は、心の抵抗も止めた。
「ぺちゃっ、んぁ、ぶひっ♥︎おっきくなったぁ♥︎」
眼前でヒクヒクと悦ぶ尻穴。
口の中まで浸透してきた蜜。
鼻孔を満たす甘酸っぱい香。
三カ所から発せられる嬌声。
手のひらに伝わる肉の感触。
そして肉棒を這う舌の感触。
五感が、股間が、肉欲の宴を愉しめと脳に伝える。
腹の内から、熱がこみ上げる。
俺の負けだ。
男は、悟った。
「ぶひっ、ね、舌で愉しませてよ!」
グリグリと柔らかな襞(ひだ)を、顔の押し付けられる。
言われるままに口を開き、それを舐め上げる。
もう、抵抗の意思はない。
「ぶひぃぃん♥︎もっとぉ♥︎舌、入れて!ね!」
ぐにゅぐにゅとした熱い穴へと舌を差し入れ、かき回す。
時折出しては、割れ目の先端の突起を舌先でつつく。
「はぁん♥︎素直になったじゃない、あふっ、ん、その調子・・・あぁん♥︎」
「んふっ、やっとその気になったのね・・・ん、ぴちゃっ、あ、出てきた出てきた♥︎」
嬉しそうな声を聞いた。
「ちゅぷっ・・・んふ、おいしい♥︎もっとちょーだい♥︎」
陰茎に触れていた感触が変わる。
先端から、熱く湿る何かに覆われる。
じゅぶっ、じゅぶっ、じゅぶっ。
水音が激しさを増す。
口内で舌が絡むのが判る。
火傷しそうなほど熱い。
じゅるるる、じゅぽっ、じゅるるる、じゅぽっ。
吸い込まれる感覚も加わる。
長くは保たない。
ひくりひくりと脈打ち始めた肉棒が、そう伝えた。
「ぶひっ、こっちがお留守だよぉ!」
右手を、左手を、その豊満な肉に押し付けられる。
右手で突起をつまみ上げ、左手で肉壷をかき回す。
「ぶひっ♥︎もっと奥ぅ!もっと強くぅ!」
ぐちゅり、ぐちゅり、ぐちゅり。
三カ所それぞれから、卑猥な音と悦びの声が混ざる。
それに、脳が真っ白に塗り替えられる感覚。
もっと、もっと。
それは彼女たちの声か。
はたまた、自分の意識か。
もう、どうでもいい。
今はただひたすら。
身体の求めるまま、媚肉(からだ)を求めた。
じゅぶ、じゅる、ぐちゅ、ぐぶっ、じゅるる。
『あっ♥︎はぁっ♥︎んっ、ぶひっ♥︎んあぁ、んくっ、やぁあん♥︎』
愚息がビクビクと脈打ち、限界を伝える。
それを察したのか、それを咥えている動きが早まる。
そして、絞るように陰嚢を掴まれた刹那。
「んぐっ、ぐぅぅぅぅぅぅ!!」
下の口で塞がれている男の口から、呻きが漏れる。
「ぶひぃぃぃ♥︎いいっ♥︎それ、イきそっ!イ、あ、あぁああああぁ♥︎」
我慢のために何かを握ろうとした手が、オークの乳房を、股ぐらを掴む。
「ぶ、ぶひぃっ♥︎らめっ、イぐぅ!イぐぅぅぅぅぅ♥︎」
男性の一番敏感な部分を刺激された男自身も、限界だった。
じゅっ、じゅっ、じゅっ。
リズミカルにもたらされる刺激と、転がすように伝わる刺激。
その二つに。
「んぐぅぅぅぅ!!」
ビクン、ビクン、ビクン。
果てた。
熱いものが吹き出る感覚を感じる。
脈打ちながら、吐き出される。
「んじゅる、んぶっ、んぐっ!」
同時に。
吸い出される感覚。
もっと出せる。
もっと吸える。
そう言うかのように。
「んっ・・・じゅぷっ、ごくん。
・・・んふっ、ごちそうさま♥︎」
全員が、それぞれの余韻に浸る。
顔と腹に乗っていたオークが、男の左右へとそれぞれ身体を投げ出してくれたおかげで、解放された口から空気がもたらされる。
「ぶっふっふー・・・お休みには早いよー?ほら、こっちもまだ元気なんだから♥︎」
さっきまで咥えていたオークが、足りないとばかりに腰へと跨がる。
何故か未だ収まらない愚息をつまみ上げ、自身のそこへと導こうとしていた。
ずっといきり立つままのそれが、飲まされていたオークの愛液から、魔力が入ってきたためだと気付くほど冷静ではなかったが。
「や、まて、まだ、呼吸が」
「しーらない。えいっ♥︎」
ぐぷっ。
空気を巻き込んだ汚らしい音と共に、怒張が飲み込まれる。
程よい脂肪に包まれた熱い肉襞が絡む。
「あ、はぁ♥︎おっきいの、奥まで届いてるぅ♥︎」
ぐぶ、じゅぶ、じゅる。
泡と音を立てながら、オークが腰を振る。
竿先に当たるこりこりとした感触にご満悦なオークだったが。
男の方は冷静そのものだった。
その心境はというと。
(やべぇ、こいつらガバガバでイけねぇ・・・)
上の口と違い、「吸う」ことで補うことができないソレは、見た目こそ奇麗ではあったものの、使いすぎたのかすっかりユルくなっていたのだった。
しかし、乗って動いている彼女は満足そうである。
さもありなん、当人たちは有り余る体力で「出す」まで腰をふり続ければいいだけの話で、相手がどう思うかよりも、刺激すれば出る、としか考えていないのだ。
イけない自分と、着実に絶頂に向かうオーク。
冷静になった男の思考が、ある結論をはじき出す。
そしてそれを実行した。
「ぶひゃん!?や、動くの、らめ♥︎そこ、よわ・・・ぶひっ!」
思いっきり腰を動かし始めたのだ。
ばんっ!ばんっ!ばんっ!
濡れそぼった肉同士をぶつける音が響く。
「ぶ、ひゃん♥︎あ、んぁあ、やぁ♥︎」
隙を見て、オークを押し倒す男。
そのまま、力の限りに腰を振るう。
「ぶ、ひゃ、や、はげし、すぎぃ♥︎イぐ、もう、イっちゃう♥︎」
「おら、どうした?もう限界か?」
「あ、あぁ、んっ、は、イぐ、イぐ、イぐぅぅぅぅぅ♥︎」
絶頂の声と同時に、膣が締まる。
やっとそれらしい刺激を受けることができたのもつかの間、また緩む。
男が果てるには、程遠かった。
「おら、休んでんじゃない。こっちはまだまだイけないんだよ!」
「ぴぎっ、や、まだ、まって、イった、ばがりなのぉ♥︎」
男の心に眠っていた、小さな感情が芽吹く。
嗜虐心。
そして征服という満足感。
それは性欲と絡まり、みるみるうちに成長していく。
「おら、もっと締めやがれ!」
ぱん!と、オークの肉付きの良い尻を平手打ちする。
「ぴぎぃ!」
悲鳴と共に、肉壷が収縮する。
「いいぞ、そうだ、もっと締めろ駄肉が!」
ぱぁん!
先ほどよりも強めに尻を叩く。
「ぴぎぃ!や、め、これ、以上、締めたら、感じ、すぎて、おかしく・・・」
「なれよ、なっちまえよ!」
奥に、さらに奥にと、怒張を突き入れる男。
「ぶひっ、ひぎぃ!」
オークは既に涙目になっている。
しかし、ひくひくと蠢く膣からは、悦びの感情しか伝わってこない。
「まだ、イぐっ♥︎イぐっ♥︎イっ!あぁああああぁああ♥︎」
その言葉を聞き終わらないうちに、さらにピストンを早める。
「あ、あぁ、あああぁあ!あ、あぁあ!あああぁあ!
イ、まだ、イ、あぁあああああ♥︎
あ、ら、め、あが、んぐっ、イぐ、まだ、イあぁあ♥︎
イ、ああぁあ!ぴぎっ♥︎あ、あぁあああぁあああああああぁあぁぁあぁあああ♥︎♥︎」
一際長い絶頂の声と共に、股間に温い水がかかる。
「こら、漏らしてんじゃねぇよ、ほれ!」
「あが、あ、ひぐっ、イ、あぁあ♥︎」
もはや自身が何をしているのかも判っていないのだろう、ただ感情に任せた吠えだけを垂れ流しながら、何度も何度も絶頂していた。
その声に気付いたのか、他のオークたちが起き上がる。
『ぴぎっ!?』
そしてその光景に震え上がる。
「おらまた緩くなってんぞガバマンがぁ!もっと締めろ!
俺がイくまで持ちこたえやがれってんだよ!」
ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!
腰を打ち付ける音と共に響く、スパンキングの音。
そしてただただ涙と涎(よだれ)と愛液と嗚咽とを漏らすだけになったオーク。
「ひ、ぎ、ぴぃ、イぐ、も、だ、あ、あぁああぁあああぁああぁああぁああぁぁぁあ♥︎」
その叫びを最後に、がっくりと倒れるオーク。
四肢を痙攣させ、自身の体液を拭うことすらできず、荒い息を漏らす。
「ちっ・・・さて」
男の視線が、二匹のオークに注がれる。
『ぴぃっ!?』
「お前らは・・・もう少し、愉しませてくれるよな?」
互いに抱き合いながら震えるオークたち。
先ほどまで獲物だと思っていた、いきり立つそれが、自分たちを伐つ剣に見えた。
「ぴぎっ、ひっ、いっ、イぐ、イぐぅぅぅ♥︎」
「ふぅ」
暫く後、その洞穴には、まだ男と3匹のオークがいた。
「き、今日も、ケツマンコを、お使い頂き、あ、りがとう、ございました・・・」
果てたばかりのオークが、立たぬ腰もそのままに男に礼を言う。
「おい、クチマンコ」
「はい、ご主人様♥︎」
「掃除しろ」
「はい、仰せの通りに♥︎」
いそいそと男の一物を咥え、丁寧に舐め上げるオーク。
「肉タワシ、汗を拭け」
「はい♥︎」
残ったオークが、乳房の間にタオルを挟み、男の身体を拭く。
「あぁ、いいぞ・・・ちゃんとできたら、『こっち』にご褒美をやるからな」
男の手が、肉タワシと呼ばれたオーク---どれも名前らしい---の秘部を撫で上げる。
「はぁん♥︎・・・わかりました♥︎」
「ぴぎっ、ご主人様、私にも、私にも♥︎」
「汚らしい声を上げるな。黙ってできたらくれてやるよ」
「はい♥︎」
どこかの山の、どこかの洞穴。
そこでは、日夜、肉欲の宴が行われているという・・・。
15/11/10 01:00更新 / cover-d