読切小説
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働き蟻夫婦の変わらない日常
そろそろ帰ってくる頃合いだなぁなんて考えながら玄関前に佇む。
彼女が帰って来たときに笑顔で迎えるのは夫としての大事な仕事の一つだと思う。
早く帰ってこないかなぁなんて扉を見つめているとノブが動いて扉が開く。
ガチャ、という音が耳に届くとともにジャイアントアント特有の甘い香りが漂ってくる。
扉が開ききるとそこには僕の妻であるマキの姿があった。

「おかえり、マキ」
「ただいま、ユート」

土で汚れたグローブには大きなスコップが握られている。
肩にかからない位に短いショートカットは汗でぬれて顔にはりついている。
首にかけてあるタオルは汗まみれなのだろう、とてもいい香りが漂ってきている。
少し見るだけで分かる彼女の疲れ具合だが、それでも彼女の表情は幸せそうな笑顔だ。
日中の仕事でくたくたにも関わらず、いつもと変わらない笑顔でただいまと言ってくれる。
彼女と結婚して幸せだなぁと感じる瞬間だ、まあ彼女と一緒ならいつだって幸せなのだけれど。

「今日もお疲れ様」
「うん、おつかれさまー。今日も疲れちゃったよ」

彼女からスコップやグローブを受け取り少し汚れを払って玄関横の靴箱の隣に仕舞う。
その間に彼女は扉に鍵をかけて、汗で汚れたタオルを脱衣所へと持っていく。
今からが僕たちにとって一番大事な時間なのだ、一分一秒を短縮せねばならない。
僕が道具を仕舞って寝室へ向かうと彼女は既にベッドに腰掛けていた(ベッドの上に座っているから腰を掛けている訳じゃないか)。

「それじゃユート、ん♪」

そう言って彼女は目をつぶって口を突きだしてくる。
僕らの夜はおかえりなさいのキスから始まるのだ。
おかえりのキスというのは魔物夫婦の間ではどこでもやってることだろう、多分。
少なくとも僕と彼女やこの巣に住む他のジャイアントアント夫婦らは確実にしている。
その代わり行ってきますのキスはなしだ、キスをしてしまうと互いに発情して仕事にならないからだ。

「はーやーくー」

キスをせがむマキにまずは軽く触れ合うだけのキスをする。
唇同士が軽く触れ合うだけで身体に電撃が走るかのような錯覚を覚える。
ちょこんと触れさせた次は舌を侵入させていく。
彼女の唇を舐めて、歯茎を丹念に撫でて、舌を存分に絡ませていく。
自身の唾液を送り込み、彼女の唾液を余すことなく味わい尽くしていく。
小さく漏れる喘ぎ声が耳朶に染み込み、汗の甘い香りが鼻孔をくすぐっていく。

「ぁぁ……きもちぃ♪」
「僕もだよ……」

口内を堪能した後、唇を離して次のステップへと移る。
彼女の鼻の頭に口付けを落とし、頬をぺろりと舐め、耳を軽く噛んでやる。
顔全体に汗をかいているのだ、それを掃除してやるのは夫の勤めである。
舌に少しの塩味と蕩けるような甘さが広がって、彼女の汗に酔いしれていく。
閉じた目蓋の上へも口付けを落とし、おでこにはりついた髪をかきあげてキスをする。
頭に2本生えている触覚にも汗が垂れているので、それを口に含み舌で掃除してやる。

「ふふ、くすぐったいよぉ♪」
「でもそれ以上に気持ちいいでしょ?」
「言わなくても分かるくせにぃ♪」

顔全体が終わったら少しずつ下へとずらしていく。
首筋に舌を這わせて汗を舐めとり、鎖骨に溜まった雫をじゅるると音を立てて吸い込む。

「ぉ、音立てないで、恥ずかしいよぉ」

わざと音を立ててあげると彼女はそれを恥ずかしがってかき消すように喘いでくれるのだ。
そしてその声が僕らの中で一つの合図となっている。
彼女の身体や頬に添えていた手を首の後ろに回して服を脱がせるのだ。
エプロンのように首や背中の後ろで結んであるだけの服だ、容易に脱がせることができる。
ゆっくりと服を脱がせてやると、彼女の裸体が僕の目に飛び込んでくる。
豊満な乳房は既に乳首をぴんと立たせており、刺激を求めているのが分かる。
胸や尻には柔らかな肉がたっぷりと付いているのに腰はきゅっと細くくびれている。
細い腰や胸の谷間、おへそなどは仕事や先ほどのキスのためにじんわりと汗でぬれている。
そこも舌で撫でて汗をぬぐってやるのが夫としての仕事である。

「じゃあ行くね」
「ぅ、ぅん……」

脱がせた服をベッドの脇へと追いやり、彼女の胸へと顔を近づけていく。
まずはその柔らかな谷間へと顔を埋めて香りを堪能する。
顔に伝わる胸の感触と鼻から感じられる彼女の甘い香りにくらくらしそうになる。
胸に抱きついたままで舌を出し胸の間を舐めていく。
合間を舐めつくしたら顔を右にずらして少しずつ乳首の方へと近づいていく。
右のおっぱいを左手で優しく撫でながら左のおっぱいの先端に向かって舌を這わせる。
薄桃色の部位に舌が触れそうになると、ぴんと立った乳首には直接触らず周りを丹念に舐めてやる。
甘く蕩けた声がさらに妖艶さを含んだものに変わる頃、ようやく乳首に触れてやる。
彼女は時間をかけてたっぷりとされるのが好きなのだ。

「あぁぁん♪ いいぃ、乳首イイのぉ♪」

舌で擦り、唇全体で音を立てて吸って、汗でぬれた乳首を唾液まみれにさせる。
左乳首を口で愛撫してやりながら、右乳首を親指と人差し指で転がしてやる。
触る前から立っていた乳首がさらに硬さを増し、かるく力を加えるだけで喘ぎ声が色っぽさを増す。
左乳首を堪能し終えると、指先でいじりまわした右乳首を口でしゃぶりつくす。
右手で乳房を撫でながら、指でしか触れていなかった右の乳首を軽く噛んだり舐め回したり吸いつくしてやる。
両方の乳房の汗を舐めつくして、ようやく他の部位へと移っていく。
肩に口付けを落として、指先一本ごとにしゃぶり、脇の下にも舌を這わせて、おへその穴に至るまで舐めつくす。
彼女の上半身全てを舌で愛撫し終えて、ようやく彼女の膣へとモノを入れるのだ。

「じゃあマキ、そろそろ……」
「うん、ナカにキてぇ♪」

彼女の汗を舐めつくしたおかげでフェロモンにまみれた僕の身体は既に準備万端である。
ズボンや下着をまとめて脱いでこれでもかと言わんばかりに勃起しているモノを露出させる。
仰向けに寝そべった彼女の未だ触られてもいない女性器は愛液に濡れ僕を淫らに誘っている。
女性器も舌で愛撫してやる日もあるが今日はそのまま挿入れる日なのでモノを入口へとあてがう。

「いくよ?」
「いいよぉ、早くぅ♪」

ぬぷぬぷと淫らな水音を立てながらゆっくりと侵入させていく。
愛液まみれの膣内は程よい温かさと締め付けを持って僕の性器を咥えこんでいく。
響き渡る水音と彼女の嬌声、互いの呼吸音などを聞きながらモノを最奥まで挿入し終えた。
ただ挿入しただけではあるが、彼女の身体から漂うフェロモンにおぼれた僕には十分な刺激で。

「で、出るよ、マキぃ……ッ!」
「出してぇ♪ ナカでびゅびゅーってぇ♪♪」

彼女はそう言うと同時に僕の性器を強く締め付けてきた。
それに耐えられるわけもなく白濁をたっぷりと彼女のナカへと注ぎ込んでいく。
十秒以上も僕のモノは震え続け多くの精液を彼女の奥へと吐き出していく。
ようやく射精し終えたが、僕も彼女もたった一度で満足しきれるはずもない。

「このままいいよね?」
「もちろん♪ いつものことでしょう♪」

そう言った彼女に向かって二度目の種付けをするべく腰を動かし始める僕。
精液や愛液を潤滑油としてどろどろの膣内を竿全体で感じていく。
性器を抜くときは離すまいと肉が絡みついて来て、挿入するときには迎え入れるように襞が咥えこむ。
快楽が波のように押し寄せてくるのに僕のモノはまたも耐え切れず限界に達しそうになる。

「ごめ、もう……」
「また奥で出してね♪」

彼女の脚が僕の身体にまとわりついているのが分かる。
脚の動きにより最奥まで到達し、膣の締め付けにより絶頂に達する。
さきほどと同等以上に長い間彼女のナカへたっぷりと精を放出していく。
あまりの気持ちよさに身体が弛緩し、僕は彼女に体重を預けるようにして倒れ込む。

「ユートぉ、もう終わりぃ?」
「いやぁ、マキの中が良すぎて……」
「ふふ♪ じゃあ交代ね?」

そう言うと彼女はいつの間にやら僕を組み敷いていた。
人間と魔物娘では根本的に体力が違うため、いつも最後には彼女が上になる。
最初は僕が彼女のスイッチを入れるために丹念にシてあげて、そのあと丹念にシてもらう。
大きなベッドだから仰向けになって寝転んでいた彼女が身体を回転させ僕を組み敷くのは容易だろう。
先ほどまでも十分に淫猥な表情だったが、今の彼女はそれに加えて嗜虐的な色も含んでいる。
笑顔も好きだけどこの表情も素敵だなぁなんて見惚れていると、彼女は腰を動かし始めた。

「そ、そんないきなり激しく……ッ!」
「いつものことでしょう♪」
「いつも急に激しくしないでって……」
「目の前にユートが居て我慢なんてできないよぉ♪♪」

彼女が上に跨って、搾りとるように腰を大きく動かす。
今日の夜の営みもまた後半戦が始まろうとしていた。





目が覚めると時計は6時ちょっと前であった。
あの後いつもと同じように僕が気を失う寸前までシて、そこでお互いにお休みと言って寝たんだったかな。

「……まずはシャワーだな」

とりあえず自分が起きてシャワーを浴びてこないと。
そしたら脱いだ服や昨日彼女が仕事で使ったタオルを洗う準備をして。
彼女を仕事に間に合うように起こしてやるのも夫の務めだ。
彼女が精液やら汗やらで汚れた身体をシャワーで洗う間に朝御飯の仕上げをしないと。
そんな風にいつもと同じ朝を迎えながら彼女の寝顔を見遣る。
すぅと寝息を立てているマキの顔もまた可愛らしいなぁなんて思う。

「うん、今日もいい日になるなぁ」

いつもと変わらない彼女との日常の始まりに、おはようと言った。
11/10/07 22:43更新 / G7B

■作者メッセージ
ジャイアントアントは特にえろいと思います。
魔物娘図鑑の挿絵のえろさはもうたまりませんね。

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